さようならハアム
20日早朝、五代目妹分のカントリーハアムが星になって早や6日。
あまりに突然の事にショックが大きく、
街角の喧騒もきらびやかなイルミネーションも、私には寒々しいだけで。
これほど寂しいクリスマスは、ここ数年無かったですが
ようやく少し、気持ちも落ち着いてきました。
ハアムがわが家に来たのは、去年のゴールデンウィーク頃。
前任のカラーハムスター『サクラッテ』が、お迎え後わずか一週間で
旅立ってしまった代わりにと、ショップのはからいで選んでもらった
いわば偶然の出会いでした。
ゴールデンの中でも、ノーマルは比較的生命力が強いことを
過去の経験から分かっていましたし
ハアムはショップでもとりわけ元気な子だったので
生活には何の不安もありませんでした。
ハアムもそれなりになついてくれ、楽しい毎日を送る事ができたのに。
いささか落ち着いたとはいえ、こうしてハアムの生前の姿を見ると
やはり辛さが募ります。
過去の妹分たちとの暮らしを通じ、ハムスターとの別れは何度も経験していますが
今回のハアムとの別れは、これまでとは少々違いました。
これまで生活を共にした妹分たちは、その命のともしびが消え去る間際
二~三週間の時間をかけ、動きや食欲の衰えが少しずつ進んでいたので
その間にゆっくり、別れに際しての心の準備ができたのですが
今回は、気持ち程度に動きの不調が見受けられてからわずか一晩。
翌朝にはもう、天国へ旅立っていました。
いつもわが家にハムスターを迎える際には、その命の短さと
別れの辛さを受け入れる決意と共に、精一杯愛する事を誓います。
これまでの妹分と同じく、ハアムにも最大の愛情を注いだつもりです。
ですから今回の別れにも、悔いを持ってはならないのでしょうが
怪我や病気ではなく、こんな風にあまりにも急に旅立たれてしまうと
おざなりな表現ながら、心にポッカリ穴が空いてしまったような
何をするにも力の入らない気持ちになるものですね。
こればっかりは、何度経験しても慣れません。
今回のハアムとの別れに際しても、思った事は同じです。
人間の40倍近いスピードで命を燃やす小動物には
愛情も量、時間共に、人間への40倍を注がなくては間に合わない事。
そして。
ハムスターは寿命が短いから、別れが辛くて飼えないという言葉を耳にしますが
「自分が関わっても関わらなくても、ハムスターの寿命は同じ」という事。
人間と同居しなければ、ハムスターはもっともっと長生きすると言うのなら
私はけっして、彼らとの生活を望まないでしょう。
でもハムスターは、この世に生を受けた以上
飼い主が私でなくても、いや不幸にして飼い主が現れなくても
約二年という命の長さは変わらないのです。
飼う飼わないに関係なく、その寿命が決まっているのなら
たとえどれほど別れが辛くても、目を背けず見守ってあげたい
命を全うさせてあげたいじゃありませんか。
その小さな体で駆け抜けるけなげな姿に、わずかでも関わってあげたいと。
たとえどれほど小さくても、一生を預かっているという責任以上に
毎日変わる動物たちの表情は、心に潤いを与えてくれます。
人間は動物と関わることで優しさや思いやり、命の重さや尊さを学ぶのです。
寿命の長さに関係なく。
コタクイーン、キナックマ、シナモンファー、サクラッテ。
彼女たち歴代妹分が眠るいつもの木の下に、ハアムも手厚く葬ってあげました。
いつも通り、食べきれないほどのハムスターフードも添えて。
ハムハム天国で先輩たちに迎えられ、ハアムもきっと寂しくはないでしょう。
少しでも私の噂話で盛り上がってもらえる事が
この子らと関わることのできた私の、せめてもの望みです。
さようならハアムちゃん。ゆっくり眠ってね。
優しい笑いを与えてくれてありがとう。
潤いにあふれたあの毎日は、決して忘れないよ。
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