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カテゴリー「マイ・フェイバリット・アニメーション」の記事

2014年9月13日 (土)

冬の転身

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というわけで昨日、いつもの買●王国を覗いてみると。
一昨日まで930円だったバンプレスト製・タツノコキャラクターフィギュア
破裏拳ポリマーが、なんと半額近くに値下げという快挙


ポリマー大好きなので、このアイテムは以前から欲しかったんですが
’98年製と微妙に年代ものなので妙にプレミアが付いちゃって
市場・ヤフオク共に新品で1,500円は下らぬ高値ゆえ、残念ながら手が出ず

コレも二か月ほど前の店頭デビュー以来
買えそうで買えない絶妙な価格設定に、来店される同好の士同様
お願いだから売れないようにと祈り、値下げの瞬間を狙っていたんですが
実にうまくタイミングが合いました

あまりに嬉しくて、候補おもちゃを全部キャンセルしレジへ直行
帰宅後あわててわが家のポリマーグッズをかき集め、まずは未開封状態で一枚
いやー上がるわーテンションライバルを出し抜いた感さえあったりして
すいません所詮は田舎の争奪戦なので、どうぞ呆れてやって下さい


Photo_7

さっそく開封し円形ベースにはめ込み、まずは基本の正面FF
前述の通り’98年リリースのプライズですから
お持ちの方も多いと思いますが
ガッチャマンやタイムボカンシリーズの商品化が目立つタツノコキャラクターの中で
ポリマーは比較的不遇な存在。
このアイテムのような全高16cmサイズでは
めったに日の目を見ないキャラクターなのです。

ですからコレはかなり貴重。ポーズもキマってああカッコイイ
こうして見ると、エンディング曲の歌詞♪赤い正義の影ひとつ♪がふさわしい
全身赤のスタイリッシュなコスチュームですねー
個人的には、この手の体にピッタリしたヒーロースーツの中でも
かなり洗練されたデザインだと思うんですよ。ポリマーって。

もっともコレを着こなせるのは、鍛え抜かれた筋肉あってこそでしょうけど


Photo_9

今朝は気持ちの良い秋晴れだったので、朝一番の森へ連れ出しさっそく一枚
第一話をはじめ、影の中からヌッと現れる明暗のイメージで
早朝ゆえの強い陽光と、森林の暗がりとのコントラストが生む効果です。

ディテールを若干殺しても、ベタ明かりでは決して出来ないドラマ性を狙いました。
こういうのが森林写真の良いところですね


Photo_12

これぞ正義に燃える、タツノコヒーローの顔!
ポリマーと言うと、拳を握りしめたイメージがあるので
この手刀交差ポーズにはちょっと馴染みがありませんが
いずれにしてもこの後、マトリックス並みの超絶格闘を演じるカッコよさが
ポリマーアクションの真骨頂でしたね。

パンチで敵戦闘員のマスクを砕いた瞬間、手の甲のPマークが輝くところなんか
子供心にうひょーと感激したものです


Photo_13

全身の筋肉、脚の腱まで見事に再現されたこの造形!
’98年製のプライズにしては、ちょっと力が入りすぎてますね
それもやっぱり、作品本編のリアルな作画技術に合わせた物でしょう。
’60年代末から急速に発達した、タツノコの人体造形リアリティの追及は
ポリマー放送の’70年代中盤、頂点に達した感があります。

同時に、極めてアメリカナイズされたキャラクターのコスチュームデザインも手伝って
日本離れした非常にバタ臭いイメージが、タツノコ作品の個性だった気もしますね。

その対極に立ったタイムボカンシリーズさえ、絵面のリアリティとは無縁ながら
しっかりスラップスティックコメディの体裁を貫いていたあたり
他の和製アニメ制作会社とは一線を画していた感があります。
ただ個人的には件の○○マン路線、パターン化された定番ギャグのオンパレードに
いささか食傷気味だった記憶もありますが

私はどーも昔から、いかなるシリーズものも初作のみで飽きちゃう癖がありまして。
まー好みの問題ですから、ハマられた方は誤解なきよう


Photo_14

コレも明暗を活かした、浮かび上がるようなハイライトショット
こんな逆打ちもサマになるところが、ポージングフィギュアの良い所ですね
左足スタンド用のピンが見えているのはご愛嬌

ポリマーと言えば、転身能力を活かした各種メカニックへの変形も
大きな魅力でしたが
放送時はわが家も貧乏だったので、作ったプラモデルは
50円キャラメル箱のポリマーホークのみ、四個セットのバラ売りでした。

作品は大好きだったのに、近くのお店では大物ゼンマイキットはついぞ見かけず
募った恨みつらみが、今もポリマーグッズ入手に走らせる原因なんでしょうか


Photo_15

ポリマーと言うと、私には冬のイメージがありまして。
同番組は全国同時ネットではなかったので、地元名古屋の放送は
名古屋テレビ・毎週土曜17時30分~18時00分の”ガンダムタイム”でした。
当時、病弱だった母が何度目かの入院中で
父は仕事のかたわら、病床の母の看病に追われ
私は幼い妹の世話と、家族分の夕食の食材を買い出す役割だったのです。

1974年も冬休みに差し掛かった土曜日。
二つ下の従弟が、ウチへ遊びに来る事になりまして。
当時は二人ともポリマーが好きだったので、夕食の買い出しを早めに済ませた私は
暮れなずむ陽に追い立てられるように、ガラス戸がガタピシ鳴る駄菓子屋へ直行
わずかな小遣いで粗末なおやつを買って、やってくる従弟を心待ちにしていました。
それまで一人ぼっちで見ていたポリマーを、歳の近い子供同士で楽しむ喜び。
母の抜けた寒々しい家に、久びさに明るさが戻った冬の夕暮れでした。

内容はもちろんですが、作品は鑑賞時の心境も記憶に刻まれるもの。
『破裏拳ポリマー』という作品の明るさ、爽快さ、後味の良さは
母の居ない寂しく不安な、冬の週末を救ってくれたのです。
ですから私には、ポリマーに特別な思いがあります。
リアルタイム派だけが抱ける、哀しくも懐かしい思いです。


そんな父母も今は亡く、従弟も高校生の息子を持つまでになりました。
彼にこの冬の話をしたら、笑って懐かしんでくれるでしょうか

2014年8月31日 (日)

ルパン原案ボツの思い出

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昨日8/30の実写版『ルパン三世』公開を記念して
わが家でも5月に新品購入したパンプレスト・ルパン三世フィギュア&バイク二種を
ついに開封、めでたくお披露目となりました。
ルパンファン諸氏なら、本編にこんなシーンが無い事はご存知と思いますが。

皆さんご承知の通り、この夏はお天気が非常に不安定だったので
今日もわずかなチャンスを狙い森へダッシュ、奇跡の晴れ間ショットです

夕陽バックのエンディングが有名な不二子×バイクに比べ
ルパンは、ベンツSSKかフィアット500かと言うほど
車を乗り回している印象が強いので、私がルパン×バイクで記憶に残るのは
第一シリーズ第一話『ルパンは燃えているか・・・?!』Aパートラスト
スコーピオンとの対決にホテル・ミラクルへ乗り込むカットくらいでしょうか。

私好きなんですよ。あのカットでルパンが見せる”悪人顔”が。
普段のひょうきん顔とあの顔のコントラストが、ルパン三世というキャラクターの
多面性を、非常に表している気がします。
無邪気な笑顔に秘められた狡猾さ。第一話にしてああいう描写が続出する所に
演出・大隅正秋氏のただならぬ気概を感じますね。
写真のルパンフィギュアも、もちろん緑ジャケットの第一シリーズ仕様ですから
その特徴的な口角などに、旧ルパン特有の悪徳性が強調されていて
まさに”殺し屋ルパン”らしい表情です。
そうそうルパンはこうでなくちゃ。美女に鼻の下を伸ばすのはあくまで仮の姿。
果てしなく白骨が転がる荒野のような胸の内は誰にも見せない
刹那的なクール&ハードさが無くちゃ

ですからルパンのモノマネで定番とされる「フジコちゃ~ん」のセリフは
私にはどうしてもしっくり来ません。
「ブローニングは、背中に感じやすいんだ」レベルのハードボイルドなセリフこそ
ルパンにふさわしいと感じる、筋金入りの旧ルパン派です。
第一シリーズ第四話『脱獄のチャンスは一度』をベスト・オブ・ルパンに挙げる
私にとっては、名作の誉れ高い「カリオストロの城」さえ別物なのです。


思い返せば、ルパン第二シーズンも中盤の’79年頃
番組視聴者に広く、ルパンオリジナル原案を募集する企画がありました。
バリバリの第一シリーズ派・とりわけ大隅ルパン命だった私は
あの雰囲気を今一度と、思いきりクール&ハードにこだわり
さらに数々の新機軸を盛り込んだ原案を応募しましたが
今考えればあまりにも低レベルな思いつきだったゆえ、あえなく落選
ルパン世界の奥深さ、ストーリー作りの難しさを思い知ったものです。
すでに国民的アニメと言われるほど、万人に愛されている作品の上
シリーズによって作風もまちまちですから
どのルパンが好きかで、新作の評価も変わりますし
ゴジラと同じで、万人を満足させ得るルパン三世なんてものは
おそらく今後も、作られる事は無いだろうと思いますね。

今回の実写版も、邦画界の第一線で活躍されているキャスト・スタッフを総動員し
いにしえの『念力珍作戦』とは段違いの予算、制作体制で作られていますから
少なくとも一定レベル以上のクオリティには、仕上がっていると思います。
そういう意味では、素直に期待したいと思いますね。
逆に、まだ見てもいないのに監督がキャストがとあれこれ言う人々は
力足らずゆえボツったとはいえ、ルパン作劇の辛苦を味わった私には
「会議で代案が無いのに、他人の企画にばかりケチをつける嫌われ者」
と映ってしまう。
私が会議の参加者なら、そんな横やりには一切耳を貸さないでしょう。

そういう方は文句ばかり言ってないで
ご自分でプロデュースからキャスティング、脚本から演出まで
理想のルパン作品を、脳内シュミレーションされてみてはいかがですか?
そのご自分の「脳内ルパン」と新作の「北村ルパン」のどちらが上回っているか。
作品はそういう風に見ないと、公平なジャッジが下せない気がします。

とはいえどんな作品も、形として世に存在する分
実力の点で、制作者が勝っている事は間違いありません。
「文句があるなら、これ以上のものを作ってみろ」と言われても
仕方がないという事ですね。
批判覚悟で今作に挑んだ北村監督はじめ、小栗旬さん以下キャスト陣には
改めて敬意を表します。

傑作とは玉石混淆、おびただしい乱造から生まれてくるものである事は
歴史が証明しています。
キャストやクリエイターの個性を受け入れられる成熟度も
観客には求められるのでしょう。

偏狭な考えを捨て、映画を原作とは別作品として割り切り楽しむ土壌は
アメリカの方が、日本より一歩も二歩も先を行っているのかもしれませんね。
そうでなければ、ルパンと同じコミック原作の『バットマン』が
キャスト・スタッフを変えあそこまで多作されても、一定以上の人気を博す筈がない。
歴代のブルース・ウェイン役が、小栗ルパン以上に批判された話は聞かないし
『ダークナイト』があれほど高クオリティに仕上がった理由の一端も
ノーラン監督作ならと期待する、受け手の度量があったからこそですから。

2014年6月29日 (日)

紫陽花バンガオー

Photo

梅雨明けも近いのでこんな写真も撮れなくなると、あわてて向かったいつもの公園。
あじさいをバックにバンガオーと吠える今日のモデルは
鉄人28号・カラー版握り拳バージョン。

先日格安で入手した、メディコム製ミラクルアクションフィギュアです。

全高21センチで各関節がカキコキよく動く、非常におトクな逸品。
♪敵に渡すな大事なリモコンを携えた、勇ましい正太郎くんも付いてます。

ブリキ製のレトロおもちゃやや間接固定のソリッドモデル
名場面ジオラマの印象が強い鉄人フィギュア。
間接可動版で思い出すのは、超合金やリボルテックなどごくわずかですが
その中にあって、このメディコム版は
サイズ、価格、使い勝手などかなりプレイバリューの高いアイテム。

怪獣ソフビ並みにいじり回し遊び倒せる耐久性も、大きな魅力です。


時代の変化に応じ、太陽の使者、FXとさまざまな姿に変化した鉄人ですが
金属質の重厚感や一種異様な迫力、善悪の狭間で揺れる存在感など
”良いも悪いもリモコン次第”という設定が、最も色濃く出ていたこの初代こそ
私にとっての鉄人です。

先日の入手以来、2004年制作の今川”Gロボ”泰宏版鉄人を再見
独自の作品世界に酔いしれていますが
巨大ロボットアニメチックなケレン味こそ抑えられているものの
一話見終わるごとに広がるほろ苦さは、昭和世代の大人向けならでは。

はたして鉄人は鋼の亡霊なのか?それとも人類の希望なのか?
作品が問いかけるそうしたテーマは、あの無骨なボディにこそ似合う気がします。

深夜のビル街でサーチライトに浮かび上がる巨大な体躯、
好敵手ブラックオックスと組み合う姿が印象深い鉄人ですが
こうして陽光の下で雄たけびを上げる姿も、なかなかサマになりますね。
あじさいの季節ももう終わり。向日葵の顔を見る日も近いようです

2014年5月 3日 (土)

やぶれ恐怖のデスクロス

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ゴールデンウィークも後半に突入。
今朝の日の出ベランダ写真は、部屋の片付けついでに出てきた
超合金魂のガイキング(後期強化型・ミラクルドリル装着タイプ)。

朝日の反射は肩口の一箇所だけですが、さすが超合金、大した照明効果です

マジンガーシリーズに続き、『超電磁ロボ コン・バトラーV』と人気を二分した
花の’76年ロボットアニメの雄『大空魔竜ガイキング』。
私も大好きで、ひょっとしたらマジンガー以上にのめりこんだかも
コン・バトラー共々、超合金・プラモデルは当時全部買い揃え
今でも超合金魂は、発売日に入手したほどの熱の入れよう。
(勢い余って、新作版ガイキングのリボルテックまでゲット

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全身のフォルムや目の形、甲冑を模した口元のイメージなどが
マジンガーに酷似している事もあって
当時の私にとってガイキングは”スカルマジンガー”とでも呼びたい存在。
ウルトラマンとウルトラマンタロウの関係みたいな
「ツノが生えれば強いもんね」の法則を地で行った
”グレートを超える、マジンガーシリーズ最強の一機”という位置づけでした。

母艦的役割を担う大空魔竜にしてからが
ガイキングの胴となる頭部は恐竜のガイコツをイメージしたフォルムですし
スーパーロボットのバトルチームとしては非常にアクの強い
ドスの利いたデザインラインが魅力でしたね。
コン・バトラーをクリスチャン・ベールとすれば
ガイキングはさしずめ、ヒース・レジャーというところでしょうか(分り難いかな?)

(設定や作品世界は皆さんご存知でしょうから、今回のお話はデザイン面のみで

性能の強化と共に、作品内でここまでフォルムが替わった例は
主役交代劇以外ではかなり珍しいと思っていますが
個人的にはなんといっても、手足が太くなり
より精悍さを増したお顔がなんとクライマックスで四散
凶悪な超兵器ヘッドが現れる、フェイスオープン機能搭載の後期型こそ
ガイキングの真骨頂と思っています

古今東西、星の数ほどあるロボットアニメの中で
”主人公の意思で、主役ロボットの顔が飛び散るシステム”なんて
この作品でしか見た事がありません。
しかも中から出てくる顔の凶悪ぶりや武器の数たるや、昭和メカゴジラも真っ青で
その物騒さも、暴走エヴァと肩を並べそうな程のアンチヒーローぶり。


うーむ人間もロボットも、一皮剥けばどんな顔が潜んでいる事か。
あの超兵器ヘッドこそ間違いなくガイキングの本性と、信じて疑わない私ですが
まー男女とも、裏の顔が危ないほど魅力的に映りますから
今もガイキングが人気を集める理由も、非常に頷けるというもので


しまい込んでいた超合金魂、コレと一緒に大空魔竜も出てきたので
機会があれば、久々に天日干しでもしたいですね
こどもの日も近い事だし、またデシカメ遊びのモデルにでもと
お昼寝中のネコの隣で”ポリューションプロテクトのポーズ”なんてのも
のどかでイイですが


【22:30 調子に乗って追記

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ガイキングと言えばこの超兵器ヘッド!
ヒーローロボとは思えない凶悪そのものの顔立ち
怪獣並みに口から放つ必殺兵器『テスファイヤー』は20万度の高熱火炎だッ!

2014年4月15日 (火)

すごいぞホバーパイルダー

『某所某店にて、パイルダー1,250円。』

こんなメールが突然届いたら、きみはその情報をどう使う?
何を置いてもお店に駆けつけるか、今さら行っても間に合わないと諦めるか。
私MIYUKIは、そんな超ひみつ情報を
とつぜんもらいうけてしまうのです。


メールの主はネットでのお知り合いで、今も懇意にさせて頂いている
近くにお住まいのスーパーコレクター某氏。

貧乏な私をいつも気にかけて下さり、折に触れとてつもない情報を下さる
頼もしいお仲間です。

「奇声上げるんじゃねい!バカヤロウ」
オトキチ兜甲児のごとく、愛車スペクトルヴェルデを飛ばすこと一時間。
ようやくたどり着いた初来店のショップ。そこは見渡す限り広大なおもちゃのジャングル。


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気合を入れて探検開始、目指すはバンダイポピニカ魂PX-01・ホバーパイルダー。
2000年5月27日の初版発売以来
2009年6月27日にただ一度、リニューアル発売されたきりのようで
今も比較的入手し易いマジンガーZに比べ、市場でもかなりの品薄状態。
そのクォリティの高さと希少性に比し、今もB社は沈黙を守るのみの為
新品・中古を問わず、出物があってもプレミアが付き価格は上がる一方。
超合金界における”’88年頃のタカラ製キット1/24スコープドッグ”とも言える
好事家血眼アイテムなのです。


未開封新品なら10,000円に迫り、中古でも5,000円前後と高値を呼ぶ
おもちゃ好き垂涎のパイルダーですから
わずか1,250円で店頭に並ぶとなれば、それこそコレクター業界激震。
あっという間にマニアの餌食、瞬殺は必至。

そんなお宝ゆえコレは見逃せないと、兜十蔵並みの”おっかない顔”で、
ショーケースから商品棚まで探しに探すこと二時間。


無いっ
ここ数年、これほど真剣に探した事も珍しいのに。
めったに訪れない好機ゆえ、目ざとい好事家に先を越されたか



ガックリ肩を落とし帰宅、情報のお礼と間に合わなかったお詫びメールを
某氏に送った翌朝。

”返信が無いので売れてはまずいと思い、捕獲しておきました”との
目を疑うような吉報が


「わっはっははは パイルダーはおまえのものじゃぞ!」
まさに千載一偶の幸運、これほど嬉しい知らせがあるでしょうか。

希少性や価格、私の好みを熟知した同好のお仲間ならではのご配慮に
ただただ感謝のロケットパンチ・光子力ビーム・ルストハリケーン
そしてとどめのブレストファイヤー
(雨あられの別表現


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さらに格段のご厚意で、一昨日自宅近くにいらっしゃり無事受け渡し。
つかの間でしたが、おもちゃ談義も楽しませて頂きました
返す返すも嬉しいのは、垂涎のアイテムが手に入った事実より
こうした同好のお仲間が、近くにいらっしゃるという事ですね。

趣味を通じた人と人との繋がり、楽しさを感じるのは、いつもこういう時です。
最も大事なのは気持ちの通じ合い。入手の有無は二の次なんですよね


003

新緑眩しい近所の森で、さっそく撮影開始
ボディ全長約13cm、主翼展開時の全幅約18cmと比較的ミニサイズながら
クォリティの高さでは定評あるポピニカ魂だけに
精密感もタダモノではなく、噂にたがわぬ出来の良さ。
持てばズッシリの重量感、そうそうまさにこの感じ。うーむさすが超合金Z
フォルムも完璧そのもので、曲線主体の劇中イメージ再現は見事の一言です。

ちょっとしたサイズの違いが全体の印象を損ねる
ボディと主翼、ローター部のバランスも完璧。
カラーリングもOVA版のPX-04に比べ、TV版のコチラPX-01が好みなので
願ったり叶ったり

ジェットビートルをはじめ、丸みを帯びたボディフォルムにはいつもメロメロの私。
ですからこのパイルダーにも、特別な思い入れがあります。
特にこのホバーパイルダーは、『マジンガーZ』本放送当時も
ポピーのミニミニパイルダー、出来の良かったバンダイのゼンマイ走行プラモと
主役のマジンガー以上にあれこれ揃え
毎日遊び倒していたほどの入れ込みよう。

私にとってロボットのコクピットと言えば、コアファイターでもエントリープラグでもなく
このパイルダー、それも初代のホバー版なんですよね


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パイルダー・オーン!
(「オ」と「ン」の間を伸ばす所が、われらの石丸”甲児”博也流


この「ホバリング飛行」「主翼が折りたためる」という先進性が
当時の私を打ちのめしました

二代目・ジェットパイルダーの「主翼格納式」も良いのですが
私にとってはコッチの方が、はるかにメカニカル、ドラマチックに映ったものです。
サンダーバード2号のコンテナ(絶対ポッドとは言いません)収納プロセスに通じる
メカニック表現のリアリティを、この折りたためる主翼に感じていたのでしょうね。

今見てもああカッコイイ翼を折っては開き喜んでるのも私くらいでしょうけど


005

キャノピーオープン、コックピットも設定に忠実。甲児くんもちゃんと乗ってます。
操縦士が機械に取り囲まれる、この狭い空間の雰囲気も好きでしたね。
劇中でのパイルダーオンの瞬間、透過光処理されたパイロットランプが
一斉に輝く演出も
マジンガー起動の興奮を大いに盛り上げていました。
残念ながらこの小さなボディには、そこまでのギミックはありませんが

思えばマジンガーのリアリティって、パイルダー発進からマジンゴー
パイルダーオンからスクランダークロスに至るまでの
”あえて積み重ねる段取り描写”みたいなものに支えられていた気もします。

波動砲発射プロセスなどに覚えるワクワク感の元祖は
このパイルダーにあったのかもしれないと、おバカな私は思ったりして


Photo

機械獣襲来!町が危ない!
パイルダー発進!マジンガーZ急行せよ!


毎週日曜夜7時、ブラウン管にかじりついていた本放送世代にとって
この発進シークエンスを盛り上げるBGMと言えば
名曲♪Zのテーマのメロオケ以外に考えられませんね。
必殺シリーズの”殺しのトランペット”と並んで
シーンとBGMがここまでピタリと合う例は、そう多くありません。

ガンダムの♪颯爽たるシャアやマクロスの♪ドッグファイトも
パイルダー発進BGMの興奮には、さすがに一歩譲る気さえしてきます。
まーこういうのもリアルタイム派の思い入れ、世代の差でしょうけど


006_2

機械獣軍団との息詰まる戦いの末、勝利を収めたマジンガー陣営に
つかの間の休息が訪れるのでした
なあんて。

いつもの森では桜と入れ替わりに、ますます色合いを増す緑が目に鮮やか。
降り注ぐ陽光の下、超合金ならではの金属質の輝きが
パイルダーの魅力を一層引き立てます。
負けるな兜甲児!ドクターヘルの野望を打ち砕くその日までっ!

お仲間のご厚意により、夢にまで見たパイルダーが入手できて大満足
こうなるとまた、眠っていた超合金収集癖がムズムズしてきて
ひたすらお財布の中身と激闘する、増税間もない春の午後です。
おもちゃ好きの日々は今日も
♪この世の果てが~来ようとも~ ふめつ~の悩み~ホシイガーZ~
なのでした。ほとばしる’70年代センスはお許し下さい

ああアニキの雄たけびが耳から離れない
 

2014年2月10日 (月)

キリコ名鑑

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敵の血潮に濡れた肩。地獄の部隊と人の言う。
ウドの街じゃなくって名古屋の片隅に、百年戦争の亡霊が甦る。

というわけで。編集から開放されたわずかな時間を縫って
行ってきました近所のお宝ショップ。

待っていたのはコチラ、いにしえのタカラ製プライズグッズ
装甲騎兵ボトムズ・はりきりジオラマ。


バンプレストのガンダムプライズなら、ショップにも溢れるほどありますが
天と地ほどの知名度差ゆえか、ボトムズのそれは珍しい。
しかもボトムズらしく風雪に耐え、発売後十数年を経た今に至るも
驚異の新品未開封。
その価格、金180円ナリ。最も安価でノープレミア
見つけた私は速攻ゲット、ローラーダッシュでレジへ直行
ウェーブやバンダイがリリースする前、絶版で超品薄だった
タカラ製1/24スコープドッグを香港旅行の途中で見つけ
広東語炸裂で買占めに走った、昭和末期の冬を思い出します

’80年代前後のサンライズロボットものでは
ガンダムより圧倒的・ひたすら圧倒的ボトムズ派の私ですから
ゲットの嬉しさも尋常じゃなくて
このパッケージ写真なんか家まで待てず、途中の道端で撮っちゃったくらい


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興奮を抑えて帰宅後、情無用・命無用のアームパンチ連打で開封
飾ってみればあらかわいい

以前見た開封写真やパッケージの窓から、デフォルメってことは知ってましたが
ベース付き完品は初見の私。
昔のプライズ品ゆえ出来もそれなりですが
サイズやディテール、ベースやバックの処理なども非常に良いセンスで
これぞボトムズ、ウド編クライマックスの雰囲気を実に捉えています。
しかもこのディオラマ、ピンポイントで固定シーンを再現している所も高ポイント。


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「レッドショルダーの赤はもっと暗い。血の色だ。」の名ゼリフでおなじみの
第10話『レッド・ショルダー』。

ごらんの通り背景画の裏には、そのタイトルがシッカリと
ちゃんと「マークは左肩」だし

キリコが乗り込むこのRSCが、治安警察と一戦交えるシーンをイメージした
このディオラマ。
正確には第11話『逆襲』のシーンなんですが
そちらのタイトルでは、ブルーティッシュドッグを使った別ディオラマが
リリースされている事情から、こちらは苦肉の策だったんでしょうか。

まー何よりカッコいいですから、細かいことは言いません
他にもこの商品、OPタイトルバックをイメージした『炎のさだめ』や
ストロングバックスを使った第4話『バトリング』
パラシュート部隊の第13話『脱出』もラインナップされていましたから
タカラとしても、けっこうな力の入れようだったんですね。


さらにこのディオラマ、写真では見づらいですが
食玩の『ゴジラ名鑑』みたいに、埃よけの透明カバーがついているんですよ。

スコープドッグの奥に、チラリと見えるのがそれです。
むきだしフィギュアの埃取りに過去苦労した身にとって、コレはありがたい。
まさにこういうのが”かゆくなりそうな所に手が届く”メーカーの心遣いですね


その後、ボトムズも本編、外伝を問わず
様々なATや兵装品が商品化され、目ぼしいところでは私も
DMZや『青騎士』等、ハイディテールフィギュアもいくつかは
(タカラだけに、ミクロマン改造の全身可動キリコまで)入手しましたが
その人気がガンダム並みに盛り上がっていたら
本編のみならず、プロトタイプのATなんかもリリースされたんでしょうか。

私なんかは大田出版の研究本『ボトムズ・アライブ』に登場した
スコープドッグの祖形にして名機の誉れ高い
ATM-08-ST・スペンディングウルフなんかが
欲しかったところですね。

あの特徴的なターレットスコープが鋭く回転、敵に照準を合わせる瞬間が
手元で再現できれば、それこそ”オレモダ・ビールで乾杯”なんですが

2013年4月10日 (水)

超電磁ソフビ捕獲

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隣に並ぶ懐かしのLDのサイズで、フィギュアの大きさがお分かり頂けるでしょう。
57メートルとはいきませんが、全高は32.5cmもあります。

タグが見えているので、このアイテムの正体はお察しと思います
そうご存知、2002年リリースのバンプレスト製プライズソフビ、コン・バトラーV。
夕方覗いたいつもの買●王国で、ピカピカの未開封新品を捕獲しました。

まー珍しい品でもなく価格も相場ながら、外食一回程度のガマンで手に入りますし
何よりコンバトラーは昔から好きなもので
こんなに大きく出来の良いソフビは目の毒。それも新品と来ればもう
ギャラも入ったので気が大きくなったところへ持って来て、このサプライズ。
発見の瞬間、超電磁タツマキで動きを封じられたどれい獣状態
直後にお財布を、超電磁スピンで撃ち抜かれました

給料日の夜にお姉ちゃんのお店へ繰り出すお父さんと、やってる事は同じですね


でもこのビッグサイズゆえ、満足感もかなりのもの。
先月からこっち、なぜか集めるソフビは30cmクラスばっかりですが
貧乏性の私にとって、大きく安いというのは何よりの魅力です。
いやーありがたい。今夜は抱いて寝よっと
開封は明日以降でおもむろに。初夏の青空にも映えるでしょうね

先日落札の逸品は、たぶん明日あたりに届く予定なので
至福の時はまだまだ続きます
それにしても最近、おもちゃばっかり買いまくってるなー。
まーいーか。身上潰すほど高い物には手を出してないし。

次の狙いはガイキング?それともマシンハヤブサ?
とは言っても見たコトありませんが。ハヤブサのプライズアイテムって

2013年1月27日 (日)

日曜夜七時半の愉悦

Photo_2

今日の名古屋はお天気が良かったので
いつものベランダで、手持ちおもちゃのお気楽写真あそび

奇しくも日曜日とくれば、選ぶアイテムはコレ以外ありません。
空にそびえるクロガネの城、スーパーロボット・マジンガーZ!
バックの空は作り物じゃなくホンモノで、雲もイイ感じに広がっています

いやー先日、中古品をわずか210円で手中にした
身長14cm程度のバンプレスト・プライズおもちゃながら
青空の下に持ち出すと、実にいい雰囲気ですね。
次第に春めき、一月末ながらすでに強さを増す陽光も手伝って
設定身長の18mサイズに見えますねなんて、ちょっと言いすぎですが


本放送世代の私には、このスケルトンアレンジに
放送日の毎週日曜、午後7時半前に流れた
かのエンディングアニメーションを思い起こさずにはいられません。
脳内に流れるのはもちろん、我らがアニキの名調子♪ぼくらのマジンガーZ



マジンガーZと言えば、本放送当時
幼なじみのG君と語ったウワサ話が忘れられません。
民間でマジンガーの量産型を発売するなら
そりゃセールスのトヨタより、技術の日産だろうと。

でもグレード毎のオプション分けは厳然としていて
最もエコノミーなスタンダードクラスには
カーコンポなんかおろか、たぶんエアコンもつかないぞと


そりゃー夏は暑いよねーパイルダーの操縦席はガラス張りだし。
買うなら絶対スタンダードはやめよっとなんて
自動車免許を取る年齢に達するはるか前の、子どもらしいおバカ話でした。
そもそも、スーパーロボットの量産型を出す企業が自動車会社というあたりが
子どもの発想の限界を思わせて、懐かしいやら微笑ましいやら



あれからもう40年あまり。
あの頃夢見た空飛ぶ車もチューブみたいな道路も、未だ実現していませんから
マジンガーの登場なんて、夢のまた夢といったところですね。
ともあれ、子ども心にそんなリアルな夢を見させてくれたのが
ロボットの内部機構をリアル風に描いた、かのエンディングアニメだったんでしょう。


と同士に将来、マジンガーが量産されても
運用目的は軍事ではなく、その歌詞の通り
正義と愛と友情の為であってほしいと、大人になった今は思うのです。
マジンガーはモビルスーツやAT等、戦争の道具ではなく
超合金Zを身にまとい、機械獣への正義の鉄槌として開発された
魔”神”なのですから

2011年6月 7日 (火)

永遠のカーテンコール

目で一礼。
トークショー前半、清水マリさんのお話が終盤にさしかかった頃
会場の最後列に座った私の席の、二つほど向こうで
ご自身のトーク内容を再確認していた古谷さんは
清水さんからバトンタッチされ、最前列の講演席に移る際
私の目の前を横切る為に、視界を遮ることを気遣われたのでしょう。
失礼しますという意を示す目礼を、私に下さいました。
ほんの一瞬の出来事ながら、私にはそれが非常に印象に残りました。

古くから日本人の美徳とされていたこういうマナーは
年々おざなりになっていく上
分かっていても、なかなか出来ることではありません。
社会人として、そうした立ち振る舞いが身についている方。
そういう方なんです。われらのウルトラマンは。


さて。ちょっと間を置いてしまいましたが
今回は5/29に行われたイベント「昭和を彩るお二人の先駆者たち」
の感想記事後篇、古谷敏さん篇です。

ちなみに前篇、清水マリさんの講演については
コチラの記事をごらん下さい。


http://spectre-nebura.cocolog-nifty.com/cultnight/2011/06/post-4588.html

また会場の写真等、当日の概要は
スタッフでもあるお仲間・珠恵さんのブログ『たま・ホーム』でご覧下さい。


http://blogs.yahoo.co.jp/btykj542/61077726.html

ところで。もし読者の皆さんが当日の会場にいらっしゃっていたら
清水さんと交代された古谷さんの口から出た言葉に
ちょっとした違和感を覚えられたのではないかと思います。
なぜなら。この日の古谷さんのお話は
そのほとんどの時間が、東日本大震災の義援金の行き先や
復興支援の姿勢に関する、厳しいご意見に割かれていたからです。

他の参加者の方々もご自身のブログ等で書かれていましたが
この日、古谷さんはこんなお話をされました。

『役者には、タブーとされる三つの話題がある。
政治の話題・宗教の話題・そして仲間内の裏話。』

芸能人に限らず、私も含め映像業界の関係者なら肝に銘じている事です。
常に公平な思想を求められ、夢を与える立場である俳優・芸能人にとって
これらの話題に触れることは、いたずらに反対意見を招くばかりか
主張の本質が正確に伝わらない場合が多い事もあって
ほとんどの場合、良い結果には繋がらないからです。

この日の古谷さんのお話も、冒頭のような誠実なお人柄にたがわぬ
非常に真摯かつ、憤りに溢れた内容でした。
こういうクローズドイベントの場だったゆえ
古谷さんもある意味、タブーを破ってお話下さったのだと思います。

ですが、私も業界人の端くれ。
前述のタブーについての、古谷さんのお考えはよく理解できます。
ですから残念ながら、そのお話の内容をここで書き残すことは
同業者の仁義という面からも、差し控えたいと思います。
ただ一つ言えることは、その古谷さんのご主張は
震災後の私の考えと、非常に通じるものがあったという事です。

復興支援は、自分の身を切る覚悟が必要。
被災地が求めているのは「現金」。
少なくともこの想いは、古谷さんと私は強く共通しているとだけ
申し上げておきましょう。


その後、自著「ウルトラマンになった男」の1エピソードを採り上げ
ご自身が怪獣アトラク会社・ビンプロモーションを興すいきさつ

お話された古谷さんですが
ウルトラマン放送当時のエピソードとして有名な
「過酷な撮影に降板を考えた古谷さんに、ふたたび現場に立ち向かう勇気を与えた
”バスで出会った子ども達”」のお話と並んで
1968年、怪獣アトラクションを無料で行うというビジネスモデルのヒントが
一人の子どもから与えられた旨を、今回も回想されておられました。

「僕はいつも、子どもに助けられる。」

その言葉に、子どもに対する古谷さんの深い想いが込められていたと思います。

識者諸氏はご存知かもしれませんが
そのビンプロも、1991年に解散という憂い目に遭いました。
あくまで私の推測にすぎませんが、その後の古谷さんが味わわれた辛苦は
失礼ながら、筆舌に尽くしがたいものがあったのではないでしょうか。
「職業格差」などを意味するご本人のお言葉や、前述の震災への厳しいご意見
また冒頭の目礼のように、人を分け隔てせず真摯に応対下さる姿勢に
苦労に裏打ちされた人間の成熟度が、滲み出ていたからです。
当日の参加者の皆さんも、同じ思いを持たれたと思います。


どこまで他者に敬意を払え、礼節を重んじられるか。
そういう姿勢が、その人物の人生の有り様を物語り
人間としての完成度を示すという事は
さまざまな出会いを通じ、私も痛感しています。
そういう所に、隠し通せない人間の本質が出るのです。


さて。そうした話題から一転、恒例の質問タイムとなりました。
参加者の皆さん手ぐすね引いて、この時間を有効活用しようと
挙手の嵐になるかと思われたのですが、なぜか一瞬の静寂が。
それまでの重いお話に、皆さんちょっとひるんだのでしょうか。

その間隙を突くように、司会の珠恵さんから絶妙のタイミングで
私にお声がかかりました

例の意見書を、ここで渡せというサインです
いやー実に場を読んだ、お見事な采配。
この時の珠恵さんのナイスパスを、私は今も感謝しています

当初私は、お仲間の皆さんからのご意見をまとめたこの『ファンからの回答』を
イベントの前後にでも、コッソリと古谷さんにお渡しするつもりでした。
イベント中の貴重なお時間を頂くのも恐縮でしたし。
ですからまさか、こんな状況でお渡しする事になるとは思いもよらず
意見募集経緯の説明もしどろもどろになっちゃいましたが
おーそんな事してくれたのと、古谷さんも満面の笑みでお迎え下さいました

お届けする為、古谷さんのお席へ向かう足どりもおぼつかなくて。
でも取りまとめ役としては、きちんと責任を果たさなきゃならないと。
その緊張から手足までこわばっちゃって、さながら卒業証書の授与式状態
もっとも今回は、私の方が校長先生役でしたが
ありがたくも参加者の皆さんからは、拍手まで頂いちゃって

Photo

でも以前の記事でもお話しましたが、古谷さんには本当に喜んで頂けましたよ。
「宿題」という言葉の意味を説明した時も、うんうんと頷いて下さいました。

上の写真は、以前の記事とは別のものですが
古谷さんの口が、ちょっとすぼんでるでしょ。
実は写真を撮る瞬間、古谷さんは「ありがとう」とおっしゃって
その直後にシャッターが下りたので、こんな写真になっちゃったという訳


ファンイベントへの参加経験が乏しい私ゆえ
こういう事がよくあるかどうかは存じませんが
少なくとも今回は、演じ手と受け手のキャッチボールが成立したと思いますし
会場にも、良い空気が流れていたと感じます。


その後は、清水マリさんが再びご参加。
お二人では初の試みとなる、昔話風の朗読劇が繰り広げられました。
内容はいわゆる「わらしべ長者」風の素朴な民話で
ご夫婦役となったお二人は表情タップリに、楽しく演じて下さいました。
こういう一幕を見ると、清水さん、古谷さんとも
今もって現役の声優、俳優さんであることがよく分かります。

前に出る声量、豊かな声の表情、顔の表情さえも決して衰えていません。

BGMやSEに頼らないこういう朗読劇、しかも民話のような素朴なストーリーは
演じ手の実力があらわになりやすいので、それなりに難しいのですが
あえてそれを選んだあたりに、お二人の自信が窺えます。


Photo_2

さらにその後は、お二人がご同行されたお仕事などで感じられた雑談に。
ここで偶然にも、今回の意見集に載せた拙意見に関連するお話が出まして。
(この時点で古谷さんは意見集を未読だった為、この話題は本当に偶然)

それは清水さん、古谷さんに加えウルトラシリーズ過去作品の
歴代スーツアクターが何名か同席された
お仕事のエピソードだったんですが
それを聞いた私のユルい脳ミソはフル回転、一つの質問を用意しました

ほどなく訪れた二度目の質問タイム。
ここで聞かなきゃ二度と聞けないと、鼻息荒く手を挙げた私は
古谷さんにこう尋ねました。


お渡しした意見集に、私個人は
「ウルトラマンは敵に拳を見せないヒーロー」という意見を書いたのですが
先ほどのお話のように、かつてウルトラマンを演じたスーツアクターさんが集まる時
お互いの格闘スタイルなど、演技プランについて話し合う事などあるんでしょうか?


その質問に対する古谷さんの答えは・・・

ごめんなさい。実はコレも、ちょっとお話できないんですよ。
もちろん古谷さんも、「敵に拳を向けない」という私の意見に
はっきり「そうです」とお答え下さいましたから
あの開き手も、明確な演技プランに基づいていたのでしょう。

続いて、ご自身の演じたウルトラマンと
その後のウルトラヒーローのスーツアクトの違いや
なぜそうなったのかという顛末についてもお話下さったのですが
自著『ウルトラマンになった男』では

そこは書けなかった、書かなかったとおっしゃっていました。

このお答えから私は、これは会場だけのオフレコ解答と解釈し
業界人の仁義として、記事では差し控えざるを得なかったのです。
古谷さんご本人が著書で書かなかったなら
どんなに興味深い事実でも、私には書けませんから。


ただそれでは、読者の皆さんにも申し訳ないですから
私なりに申し上げられるギリギリの線で
お答えの内容を要約すれば。


スーツアクター各々が持つプライドと
「生みの苦しみ」に匹敵する「変えの苦しみ」。


識者の皆さんですから、こう書けばもうご理解頂けると信じます。
映像制作の現場って、今も昔もそういうものなんですよ。
もう私なんて、痛いほど分かります。


他にも古谷さんは、イベンターとしての視点から新作のゼロへのご意見など話され
普段なかなかお聞きできないお話に、非常に充実した時間を過ごせました。
金城哲夫氏の人となりに関する質問にも、お酒が強かったと回想し
三十代の若さでの他界を惜しみながら
清水さんと二人、自分たち凡人は長生きしちゃうんだよねと笑う古谷さん。

「俺なんか、死んだらゾフィが来ちゃうからね」なんて
リアルタイム派狂喜、世界で古谷さんただ一人しか言えないウルトラジョーク
会場を沸かせた後は
イベント恒例、ファンとの交流タイムとあいなりました

さあここで、以前のお話通り
清水さんにはアトムに
古谷さんにはケムール人ソフビにサインを頂いたのですが
こんなチャンスを逃す私ぢゃありませんから
古谷さんがケムールにペンを走らせている間に
例の『2020年の謎』を聞いてみました。
あ、あの走り方には、
指導や演技プランがあったんですか?なんて。

「いや、アレは普通に走ったんだよ。こお~ゆう~ふうに~」

なんと古谷さん、サインを書き終わったと同時に
私の目の前であの「ケムール走り」の手振りを実演して下さったのです。

という事は、あれが古谷さんの普段の走り方って事?
45年の時を超え、初めて明らかになるこの真実!

いやーコリャ末代までの自慢。
ウルトラマンよりケムールポーズに狂喜する私も私ですけど

Photo_3

これでウルトラマン、ケムール人が揃ったから
次にチャンスがあったらぜひ、ラゴンのソフビにもサインしてもらって
勢ぞろいした古谷スーツ三英傑を前に
熱~いアキコスープで一杯やろっと。
もちろんこんな風に、アトム兄妹も添えてね


鉄腕アトム。ウルトラマン。
イベントのタイトル通り、まさに昭和を彩った二大ヒーローは
誕生後半世紀近くを経てなお、お元気でいらっしゃいました。
そして今も、子ども達に夢を与え続けているようです。

当日唯一の子ども参加者だった、7歳の男の子が
この交流タイムの主役のようなものでしたが
彼の前でアトムのお面をかぶって「本物の声」を演じる清水さん
ウルトラマン、アマギ隊員の銘まで入れた大サービスのサインを持たせ
ご自身の膝へ乗せて写真のポーズをとる古谷さん
その周りで拍手する参加者たちと、本当に和気藹々とした雰囲気で
最後まで温かさに満ちた、楽しいイベントでした。

お二人が現役キャストでない分、坊やには今ひとつピンと来なかったようですが
彼が大人になった頃、この日の事を誇らしく思い出すに違いありません。

そんな風に、子どもの思い出の1ページを彩れる存在。
それは、ヒーローだけに与えられた特権です。
暴風雨を押してファン達が駆けつける、この日のようなイベントも
お二人がお元気である限り続く、永遠のカーテンコールなのでしょう。
また古谷さんにとっては、冒頭のお話通り
人生の窮地を何度も救ってくれた子どもへの
ささやかな恩返しなのかもしれませんね

例によって、思い入れタップリの長文になっちゃいました
最後まで読んで頂けた方、感謝致します。
残念ながらお話できなかった事も多かったですが、会場限定の内輪話ということで
なにとぞお許し下さいませ

そして台風の中、名古屋までお越し頂けた清水マリさん、古谷敏さん
素敵な時間を演出して下さった珠恵さん、イベントスタッフの皆さん
さらに、貴重なひと時を共有できた参加者の皆さん
そして何よりも、『ウルトラマンからの宿題』にご回答頂けたお仲間の皆さん。
この場をお借りして、深くお礼を申し上げます。
またいつか、こんな楽しい機会が訪れるといいですね。

さて。記事本文には書きませんでしたが
実は私、件の意見書を古谷さんにお渡しし
それをご本人が携えた写真を撮影している時
古谷さんから直々に、ちょっと耳打ちされました。
『ウルトラマンからの宿題・第二問』について

これは、前回のテーマとは若干趣を異にするものなので
現在、私の中でちょっと検討中です。
いずれ場を改めて、皆さんにおすがりするかもしれませんので
もしその時まで「ネヴュラ」をご覧頂いていたら
またおつき合い下さいね

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2011年6月 4日 (土)

ミテレコと正の字

すべり出しは、当日の天気のように悪かったんです
地下鉄の出口に上がった途端、暴風雨で傘は役に立たないわ
「ね。お茶飲みに行こうよ」なんて、40年前のノリで誘ってくる
ヘンな男にず~~~っと付きまとわれるわで
こんな状態で現場まで無事たどり着けるのかと、暗澹たる気分でした
ですからイベント会場のビル1階、雨でびしょ濡れの廊下を
黙々と掃除していたおばさんに、助けを求めるごとく駆け寄った時は
まさに救いの神に出会ったかのような嬉しさで

「大雨でお客さんがベタベタだから、拭いても拭いても廊下が濡れちゃうよ」
なんて、会場を訪ねる私に半笑いしながら、おばさんが指し示した
廊下の電光掲示板には、目指すイベントのタイトルがありました。



さて。そんなブルーな気分から始まった先月29日(日)
清水マリさん、古谷敏さんトークショー
「昭和を彩るお二人の先駆者たち」。
先日から折りに触れ、当日の模様についての記事アップを予告してきましたが
なんとなく、まとめることが出来ました。

イベントは清水マリさん、古谷敏さん各々のトークに続いて
お二人のセッション的朗読劇、そして参加者との交流タイムという流れでしたが
読者諸兄はすでにご存知の通り、物覚えの悪い私の事ですから
当日書こうが今日書こうが、イベントの内容を詳細に思い出せるわけがありませんし
皆さんも私にそれをご期待されてはいないでしょうから
当日の雰囲気や会場の写真については

お誘い頂いたお仲間・珠恵さんのブログ「たま・ホーム」の
コチラの記事でごらんになれます。


http://blogs.yahoo.co.jp/btykj542/61077726.html

また、当日参加された方々も何名か記事を書かれていますので
そちらをご参照下さい。

お手数ながら、イベント名「昭和を彩るお二人の先駆者たち」でご検索頂ければ
きっとヒットすると思います。

いや実際、私は主観や思い入れが先走り、詳細なリポートは苦手なので
無責任ながら、そっちの方が流れは分かりやすいんですよ
で、「ネヴュラ」ではいつも通り、私という偏光フィルターを通したイベントの印象を
今回と次回の二回に渡って、思い入れタップリにお話していこうと思います。
で、まず今回はその前篇として
”声優の母”こと清水マリさんについてのお話です。

司会・珠恵さんの進行により、会場である会議室に現れた
清水さん、古谷さんのお二人。
4月のイベントにもお邪魔したので、最近の古谷さんは存じ上げていたのですが
私にとって清水”アトム”マリさんは初対面の上
アニメ版アトムの放送開始が1963年の元日、もう半世紀近くも前の作品なので
その頃からのキャリアを考えると、今もお元気にご活躍されているかどうかなど
少なからず心配もあったのです。

ところがいざ会場に現れ、古谷さんと一緒にご挨拶された清水さんは
何というかもう、私なんかより数倍もパワフルで
笑顔も非常にチャーミング、まさに”アトムオーラ”溢れる爽やかな女性でした

実際、今回のイベントで最も驚いたのは、この清水さんのお元気ぶりだったのです。

4月に古谷さんにお会いした時にも感じたのですが
ウルトラマンといい鉄腕アトムといい
やはり、一時代を築いた作品にキャストとして関わられた方々は
作品のパワーを体現すると言うか、作品から永遠の命を授かると言うか
年を取る事をやめたかのような、常人には無いオーラが感じられるものですね。

コレはファンのひいき目ではなく、清水さんが同年代の女性たちの中に交じっても
確実に存在感をアピールできるであろうことは、容易に想像がつくわけです。

で、清水さんのお父上が俳優の清水元さんで
『マグマ大使』のアース様を演じられたあのお方
だったという事を初めて聞いて
特撮ファンの私はもう、目がガンモンスかギラギンド、マグマならバルザスか

いやーアースが生んだ正義はマグマだけじゃなかったのねー
お父上が地球と人類の創造主なら、子どもも十万馬力になるわけですねー


親子お揃いで手塚治虫さん繋がりというわけで、特別な親交もあったのかなと
楽しい想像が膨らみます。

そんな私の妄想に答えるように、清水さんはアトム当時のエピソードを
楽しくお話下さいました。
アトムの声優オーディションが例の第一話、アトム誕生の瞬間だったこと。
その時、原作者の手塚さんから「アトムに命が宿った!」と感謝されたこと。
アトム役の声優に、局側はもっとビッグネームを期待していたにも関わらず
手塚さんからの強力プッシュにより、新人だった清水さんが起用されたこと。
つまり清水さんの声はそれほど、手塚さんの中にあったアトムのイメージに
ピッタリだったという事なんでしょうね

実際手塚さんの、清水さんによるアトムの声へのこだわりは強く
手塚さんのご存命中は、アトムの新作がどれほど作られても
アトムとお茶の水博士の声は絶対変えないようにと
局側に強いお達しがあったそうです。

他にもアトムという作品を通じ、手塚さんと清水さんとは
様々な親交があったそうですが
いずれのお話も、原作者と表現者という垣根を越えて
ウイークリーのTVアニメーションという新ジャンルに挑む者同士の
連帯感、心の距離感の近さを思わせる、楽しいエピソードばかりでした。

とはいえ、現在のテクノロジーの進化ぶりを次々と予見した手塚先生も
携帯電話の出現だけはさすがに予想できなかったようで
アトムの時代は21世紀なのに、出てくるのはやっぱり黒電話なんですなんて
清水さんも笑っておられましたが

後になって成功作と呼ばれる作品には、どこかそういう偶然の出会いや
原作者、関係者の強いこだわりがあります。
私のように初作アトムに親しんだ者にとって、アトムの声と言えば
清水さん以外には考えられないですし
それは同じく清水さんが声を担当された『妖怪人間ベム』のベロも同じ。
前述のオーディションのエピソードにもある通り
絵だけでは成立しないアニメーションにとって
声優さんはキャラクターに命を吹き込み
作品のイメージさえ左右する、重要な役割なんでしょうね

ちなみに、俳優座出身だった清水さんの同期には
田中邦衛さん、水野久美さんなどがいらっしゃったそうで
それを伺うだけでも、娯楽の主役が映画からテレビに移りつつあった
’60年代初頭の様子が垣間見られて、感慨深いものがあります

そんな、TVアニメーションの草分け的時代だった当時
声を当てるお仕事と言えば、海外テレビドラマの吹き替えが主でした。
ですからほとんどの声優さんは、アニメーションの経験が乏しく
また当時の録音現場の状況も現在とは違っていて
ご苦労を偲ばせる、さまざまな裏話も聞かれました。
この頃の現場は私もギリギリで体験できた世代なので
いちいち頷ける事ばかりで


今はもう、パソコンによるデジタル録音が当たり前となったボイスアクトですが
’60年代当時はまだ、オープンリールテープを使った
アナログ録音しかなかったので
演じる側も録る側も、それはもう大変な苦労があったんです

その苦労の元凶は、当時の録音技術の限界から要求された
「1パート通し録音」。


当時は1インチの録音テープが非常に高価だった上
今のように、声をパーツとして録って後で編集したり
キャラクターごとの声をそれぞれ別トラックに録音、後でタイミングを微調整の上
ミックスダウンすることが技術的に難しかった為
録音の際は登場人物全員がスタジオに集合
いわばスタジオで「声による舞台芝居」を演じるかのように
たとえばCMからCMまでの間の10分や15分
つまりアニメパートの区切りごとに「一発録音」していたそうなんです。

ですからお芝居の途中で誰かが間違えたら、どんなにエンドが近くてもNG。
その為、現場は異常な緊張感に包まれ、放送一回分の録音に
8時間近くもかかっていたそうです

しかも。アニメーションはすでに
キャラクターが喋るタイミングが絵として出来上がっていますから
セリフのリズムやタイミングを、自分たちで決められない。
さらに。これは現場を経験した清水さんならではのご説明ですが

「アニメーションのキャラクターは、口を開く前兆が無い」

とおっしゃるんですね。コレはどういう事かと言うと。
吹き替え作業というのは今も昔も
スクリーンやモニターに映し出される元画像を見ながら
声優が声を当て、録音していくシステムなんですが
洋画など実写の吹き替えなら、画像では人間の役者が演じていますから
彼らがセリフを喋る直前に、喉や顎の筋肉が動いたり
目の角度が微妙に変わったりして
声優側からすれば「あ、これからセリフだな」という「前兆」
つまりセリフのタイミングが、分かるというんですよ。
でも現在はともかく当時のアニメーションは、口だけが別のセル画になっていて
顔の筋肉など関係なく、突然開くものですから
吹き替えを当てるタイミングが、非常に掴みづらいという事なんです。

その感覚が、何となくお分かり頂けるでしょうか。


ですから現場では自然と、こんな言葉が生まれたそうです。

『ミテレコ』。

えっ?業界用語の「アフレコ」やスラングの「アテレコ」は知ってるけど
「ミテレコ」という言葉は初めて聞いたけど???

ミテレコという言葉は
「全員で画面を注意して見ながら、お互いに合図を出しあって録ろうよね」という
一発録り環境から生まれた、チームプレー的意志の表れだったようです。
分かりやすく言えば、
「見てレコ」という事。
清水さんははっきりとはおっしゃいませんでしたが、私はそう解釈しました。
前述のように、一人の失敗で全員がやり直しになるわけですから
言わば出演声優全員が、運命共同体となるわけで。
いやー美しい言葉じゃありませんか

そういう意味で、アニメーションに於けるボイスアクターのセッション性は
むしろ現在より、黎明期だった’60年代の方が充実していたのでしょうか。

近作はまったく未見の私には、解析する資格などありませんから
何も語れませんが
少なくとも清水さんは、声優同士が顔を合わせる事もなく
個別に声を録らざるをえない現状を、少し嘆いておられました。

そういうものなんでしょうね。きっと

「昔の台本を読み返すと、時々ページの片隅に「正」という漢字が
書いてあるんですよね。なんだろうコレと。
最近までよく分からなかったんですが、よく思い出すと
これは当時の吹き替えの時、昼食に注文する出前の数を
私が出演者全員に聞いた時の、覚書だったんですよ。
一番新人だったものですから、おそばや丼物の数を聞いて回るのは
私の係だったんですね。」

うーむアニメーション黎明期ならではの、心温まるエピソード
ADさんや制作スタッフならともかく、キャスト自らがご用聞きをしていたとは。
お茶の水博士とアトムがテーブルを囲んで、仲良くおそばやラーメンを
かきこむ姿を想像すると、実に和みます

そんな内容のお話を、笑顔タップリで語られた清水さんですが
そういう思い出の一つ一つが、何物にも代えがたい宝物なんでしょうね。
出演者全員のスケジュールを合わせる方が難しい現在の目から見れば
そんなコミュニケーションはある意味、贅沢だったとも言えますが。

一地方局の片隅にぶら下がる身とはいえ、同業者の私にとっては
マニア的視点よりも、むしろそういうお話の方が勉強になります。
そういう「同じ釜の飯」的現場のふれ合いが、良いチームワークを作るんだなあと。

現在、音響芸術専門学校の専門課程講師として
声優養成にご活躍されている清水さんは
最近、講師仲間である若山弦蔵さんとの親交が厚いそうです。
あの素敵なお声がいつもお聞きできると、ときめいてらっしゃいましたが
若山ファンの私としては、これもスゴいことだなあと目がハート
鉄腕アトムとスティーブン・ヒル・・・じゃなくてピーター・グレイブスのかけあい!
もちろん耳元でショーン・コネリーのストロベリー・トークなんかされたら
私なんかもう(以下自粛)

そんなこんなで、その後はアトムやジェッターマルス、妖怪人間ベムについてなど
参加者からもさまざまなご質問がありましたが
この調子で書くと、あまりにも長くなるので
そのあたりは他の方のリポートにお任せして
前篇・清水マリさん篇は、ここらで終了としましょう。

Photo_2

清水さんのサインは以前ご紹介した、このアトムディスプレイにお願い

Photo_3


ちょっと書きにくそうでお手間をおかけしましたが
良い記念になりました




次回は後篇として、古谷”ウルトラマン”敏さんのトークや清水マリさんとの掛け合い
さらに例の意見書をお渡しした状況や
『2020年の謎』について古谷さんにお尋ねした顛末など
私のテリトリー爆発、水を得た魚のようにお話します


まータイムスケジュールに則った客観的リポート記事じゃなく
思い入れ先行の主観記事ですので
解説の至らない点は、なにとぞお許し下さいね