カテゴリー「マイ・フェイバリット・アニメーション」の記事

2009年8月12日 (水)

さまよう異邦塵

今日、8月12日の深夜。つまり13日の早朝2時~5時ごろにかけて
先月22日の皆既日食に続く、真夏の天文イベントが展開されるそうで。

その名も「ペルセウス座流星群」。

いやー何とも、心躍るネーミングじゃありませんかhappy02
ペルセウス座の流星は毎年、7月から8月にかけて多いそうですが
今年は今夜がピークだそうで。50個近くの流れ星が見られるとの事です。
まー大きめの宇宙の塵とはとても思えない、キレイなものですよねhappy01


流星と言えば、古代から人間にとっては神聖な存在だったようで。
人々は命の輝きになぞらえたり、願い事を託したりしてきました。
かくいう私は不幸な事に、これまでの人生で流星を目撃したことは一度もありません。
目が悪いせいでしょうかボケてるせいでしょうか、気づかないんでしょうねcoldsweats01

そんな私でも、「流星」という言葉に特撮心をかき乱される事は数知れず。
夜空を駆け抜ける孤高の異邦人、というロマンチックな存在には
やはりヒーロー性を感じずにはいられないんでしょうね。

古今東西のクリエイターたちも、流星に様々な思いを投影してきたようで。
「流星」の名を冠する作品やキャラクターって、考えればけっこうありますよね。



筋金入りの特撮ファンである私には、やっぱりまずコレが浮かびます。
「流星人間ゾーン」(1973年日本テレビ・東宝映像)



まー「ネヴュラ」読者にはまったく説明の必要もない
第二次怪獣ブーム真っ最中の超人気番組でしたね。
悪の星・ガロガバラン星の攻撃により破壊された平和の星・ピースランド星人の
生き残り、ゾーンファミリーの活躍を描いた、正統派巨大ヒーローストーリーでした。


当時私はこの番組を、秋田書店「冒険王」のコミカライズと共に楽しんでいました。
まーとにかくこの頃は、とてもここでは書ききれないほどの特撮ヒーロー百花繚乱
チャンネルをひねればヒーローが見られる毎日で。
子どもは日替わりで、彼らの活躍に声援を送っていたのです。

特にこの「ゾーン」は東宝映像制作ということで、それまでスクリーンでしか
見られなかったゴジラやキングギドラがついにブラウン管デビューを果たしたと
いうイベント性が、子どもの心をいやがおうにも盛り上げました。
ただ私はちょっとヒネた子どもだったのでcoldsweats01
「ゾーン」に出てくるゴジラがメガロゴジラだった事にひどくガッカリ。
せめてキンゴジくらい怖くてカッコよければなあなんて、マニアックなツッこみを
入れていたのでしたhappy01


ただそれよりも、この「ゾーン」に私が心を奪われたファクターは
何より、あのゾーンファィターの決め技「流星ミサイルマイト」でした。

上の画像中、ちょうど1分4秒から登場する、手首装着の連射ミサイル砲です。
今考えればこれは、東宝映像火薬特撮の一つの極地ですね。
スタッフの意地と言うか。
あんな火薬の塊を手首から発射して、よく「念仏の鉄最終回状態」に
ならなかったものです。

やっぱりピースランド星人は、皮膚の組成からして仕置人の比じゃ
ないんでしょうかhappy01

ですから当時、「冒険王」にミサイルマイトが付録として付いた時には
もう小躍りしましたねー。もちろん、作って遊び倒しました。
コレがどんな仕様だったかは、思い出を共にしたご同輩だけの秘密という事で。
こんな事を語れるお仲間が、少なくなりましたweep



「流星」と言えば、「ゾーン」に先駆けること1年、あの「スペクトルマン」にも
第55・56話に「宇宙の殺し屋・流星仮面」なるゲストキャラが出演しているんですよ。

奇しくもこの2話、先日亡くなられた長谷部安春監督作品なんですが。
この「流星仮面」、テレビ版と一峰大二先生による「冒険王」コミカライズ版では
キャラデザインが違うんですよね。
私は「流星仮面」については、コミカライズ版に軍配を上げます。

テレビ版・コミカライズ版とも、宇宙から来た殺し屋で卑怯な戦いを好まない
という設定は変わらないんですが、持つ武器が違うんですね。
両者ともいわゆる「楽器系」で、テレビ版はオカリナ、コミカライズ版はギターを
奏でるんですよ。このギターがまたカッコイイlovely

スナフキンの昔から、やっぱり旅人は悲しげなギターが似合いますね。
オカリナもいいんですが、遠藤周作原作の「おバカさん」を連想してしまってcoldsweats01
まー好みですけどね。両者とも決め技「流星フラッシュ」の切れは素晴らしいし。
実力はスペクトルマンと互角ながら、その戦いの幕切れは
ヒーロー史に残る素晴らしいものでした。
やっぱり「名ヒーローには名ライバルあり」ですね。
ライオン丸とタイガージョーしかりhappy01



アニメーションで「流星」と言うと、私はこの作品を思い出してしまいます。
「蒼き流星SPTレイズナー」(1985年~86年日本テレビ・サンライズ)



地球を支配下に置こうとするグラドス星人と地球人との攻防。
そして両者のハーフである主人公・エイジの苦悩という
多重的なドラマ構造を持った、ロボットアニメーションでした。
「攻防」とはいえ皆さんご存知の通り、さほど派手な戦闘はありませんよね。
前半は火星から地球への逃亡劇、後半はうって変わって地味なレジスタンス劇。
しかも私は圧倒的に、緊張感溢れる後半がお気に入りです。
アップ映像が後半のオープニングなのもそのためでhappy01

ボトムズ命と言ってはばからない私はかなりの「高橋派」なので
ロボット物にもどうしても変化球を求めてしまうようで。

よく「お前はもう死んでいル・カイン」テイストに見られるレイズナー後半ですが
どう見てもアレ、「華氏451」ですよね。

そこがいいんですよ。あのトリュフォーテイストが。
そんな、ちょっと抑制の効いた語り口・世界観が、私には新鮮に映ったのかも
しれません。


敵と味方のどちらにも相容れない、ハーフという主人公の存在も
視点を一方向に限定しない効果を上げていたと思います。
本放送当時、バンダイのSPTキットは山のように買い漁りました。
もちろん最近のR3レイズナーも、二種ともゲット。
好きなんですよレイズナーって。メカドラえもんと言われてもsmile


この「主人公が敵と味方のハーフ」という設定を先取りしたという意味で
「レイズナー」の先鞭をつけたと語られている作品がコレ。
「遊星仮面」(1966年~67年フジテレビ・TCJ(現エイケン)
「流星」とは一字違いですがテーマが通じるという意味で、仲間に加えましたcoldsweats01




地球の反対側に位置する新惑星「ピネロン」は友好関係になり
地球の男性とピネロンの女性が結婚、子どもが生まれました。
しかし15年後、ピネロン星科学者の陰謀により地球とピネロン星は
戦争状態に突入。
その時現れたのが「遊星仮面」と名乗る少年です。
両者の戦争を終わらせる為、彼は孤軍奮闘するというお話でした。


コレ、好きでしたーhappy01 いや、本放送当時は物心ついてなかったでしょうから
知ったのはたぶん、再放送でしょう。
一つだけ、断片をものすごく覚えているエピソードがあるんですよ。
極秘情報の合言葉で、この言葉を知る男を遊星仮面が探すというお話です。



「お前は今、何が食べたい?」という問いに対して
「満月が食べたい」と言うのが合言葉という。

いいでしょ何となく。秘密の暗号っぽくってhappy01

で、この情報にはタイムリミットがあって、早く聞き出さないと大惨事に
みたいなお話と、記憶しています。

相手が見つからないサスペンスが、ドラマを盛り上げていましたねーhappy01


・・・と、「流星」というキーワードから、昔の作品をつらつらとお話してきましたが
こうやって見ると、「流星」を冠するキャラクターにはどこか
「居場所を失った、孤高の放浪者」というイメージが付きまといますね。

母星を失ったゾーンファミリー。宇宙の殺し屋・流星仮面。
敵と味方のハーフ・エイジや遊星仮面。


流れる星は、行く先々で異邦人とならざるをえない。
その美しき光芒は、心に流れる一筋の涙なのか。
だからこそ人は夜空の流星に、命のはかなさを感じるのかもしれませんね。
でも人はその輝きに、願いを託す事も出来ます。

きっとクリエイター達は、その願いを聞き届けるヒーローとして
前述のキャラクターを創造したのでしょうね。
意識、無意識に関わらず、人の思いは必ず創造に反映される。
そんな事を思ってしまった、流星群の夜でした。


ちなみに今日の深夜0時35分からは、NHK総合で
海外ドラマ「ムーン・パニック」後編の放送があるんですよ。
どうやら少し前、BSハイビジョンで放送されたものらしいですが。
ウチはハイビジョンが入らないしcoldsweats01

http://www.nhk.or.jp/frontier/archives/20090404.html


昨夜、たまたま途中から見たんですが、コレがまた深夜には丁度良い
SFディザスターの佳作でhappy01
久しぶりに、後編が楽しみなドラマに出会えました。
期せずしてこのお話、流星ならぬ褐色矮星がキーワードのドラマ。
それが月に・・・で、えーっそんな事に?うわーどーなっちゃうの?
「妖星ゴラス」好きの方には、たまらないストーリーかも。
さて。放送時間も迫ってきましたので、今日はこのくらいで。


そうか。前述の合言葉、コレにピッタリですね。
「お前は今、何が食べたい?」
「満月が食べたい!」happy01

しまった。お菓子の「満月ポン」を買っておけばよかったcoldsweats01

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2009年1月28日 (水)

疾走するM16

コネタマ参加中: あなたを熱くさせたロボットアニメは?

最近「ネヴュラ」のサーバー「ココログ」には、上のような「コネタマ」というサービスが出来まして。
定期的にブログネタが提供され、ココログユーザーが参加、そのネタについて記事を書くとテーマごとにまとめられ、他のブロガーさんが書かれた記事と一緒に紹介されるシステムだそうです。


「ネヴュラ」はおバカな事ばかりお話している恥ずかしいブログなので、こういう統一テーマに参加すると見劣りしちゃうかなあと敬遠していたのですが、今回のようなネタなら何とかなるかなと、いたずら心で参加してみることにしましたhappy01

基本的に私は実写派なのですが、何しろ幼少期からロボットアニメブームの嵐をかいくぐってきましたので、それなりにタイトルも知っていれば、のめりこんだ時期もあります。
とはいえ多くのマニアの方にはまったく太刀打ちできず。何とか作品が鑑賞できたのは『エヴァ新劇場版・序』『天元突破グレンラガン』程度までというていたらくで。
さすがに最近の作品は、まったくと言っていいほど知りませんweep

まーロボットアニメと言えば、ある意味日本のお家芸。
まさしく星の数ほどの作品数があるので、その全貌を鳥瞰しつつもこの一本、と断定できるほどの知識も解析能力も私にはなく。
その一方で、「私の世代はコレでした」的なピンポイントトークでお茶を濁すのもあまり好きじゃないし。
ですから無知ゆえの中途半端なお話になっちゃうことを、先にお詫びしておきますcoldsweats01

ロボットアニメという言葉が一般化する前から、アニメーションは作品中にロボットがよく登場していましたね。
日本初の国産アニメと言われる『鉄腕アトム』にしてからが、すでにロボットを主役としたドラマでした。
この『アトム』放送開始の年、1963年は、他にも『鉄人28号』『エイトマン』がブラウン管に登場、冷たい体躯と電子頭脳、鋼鉄の雄叫びに席巻されていたのです。
かの『ウルトラQ』放送開始が1966年ですから、お茶の間デビューは怪獣よりも、ロボットの方が早かった訳ですね。


後年の研究で、この『アトム』『鉄人』『エイトマン』はそれぞれ、
『身近なお友達ロボット』『巨大ロボット』『ヒューマノイドサイボーグ』の原型、という解析がなされています。

ロボットアニメはその萌芽の段階で、現在も続く三つのパターンをすでに網羅しつくしている、と言うんですね。
それ以降の作品は、すべてこの三作品のバリエーションにすぎないと。


現在の作品を知らない私にとって、この解析は非常に頷けるところがあります。
ドラえもんもガンダムもサイボーグ009も、彼らの子孫だと言われればその通りかも、なんて思ったり。
新機軸と言われた『新世紀エヴァンゲリオン』にしたって、あれは鉄人のパッケージング替えの域を出ていない、と言う訳です。


そりゃそうかなあと思ったりもするのですが、ロボットアニメにしたって、ドラマのディテールやテーマ、作品中のロボットの位置づけによって作風はまったく変わりますから、別にロボットのパターンが従来通りでも良いわけで。
昔、富野悠由季監督がおっしゃったように「恋愛ドラマだって昔から男女の関わりを描いてるけど、それをパターンだって怒る人は居ないでしょ」って事ですよね。
面白ければ良いわけです。素材にどんな味付けをするか。
そこがクリエイターの腕なんですから。


前述の三つのパターン、『アトム』『鉄人』『エイトマン』型の味付け、料理のバリエーションによる新たな作品は、時代と共に多くのエポックを生み出してきました。
お友達ロボット、ヒューマノイドサイボーグに比して、作品の派手さと大仕掛け度で群を抜く製作数の「巨大ロボット」タイプでも、『エヴァ』の前には『ガンダム』あり、さらに遡れば『マジンガーZ』あり。
「ゲッターロボ」を始祖とする合体ロボットは新機軸、という考えも確かにありますが、あれも大きな流れから見れば巨大ロボットの系譜かなあと、私は感じたりします。
最近はその元祖『鉄人28号』も、原作の持つ「巨大ゆえの悪魔性」を意識した新作アニメが製作されましたね。

まーそこに、日本人ならではの『怪獣に通じる、巨大な者への畏怖・憧れ』みたいな意識が働いている事も否定できないでしょう。
でなければ、ここまで日本に巨大怪獣、巨大ヒーロー、巨大ロボットが根付く理由が説明できません。これはそのジャンルの海外作品と較べれば一目瞭然。
例外を除き、ロボット、ヒーローとも海外作品は「等身大」がメインという印象があります。

生粋の日本人である私も、ご他聞にもれずロボットアニメと言えば巨大ロボットを連想します。
そりゃーもう鉄人、マジンガーのメジャーどころからグロイザーX、マシーンブラスター、メカンダーロボなどマイナー系、一連の『土曜5時半サンライズアワー』、富野作品や高橋作品を毎週追いかけた典型的なクチでした。


ええ並びましたとも。ガンダム映画化の一作目、封切初日の劇場に。
日曜午後という異例の放送時刻の『超時空要塞マクロス』第一話を見る為に、朝から興奮していた恥ずかしい過去も否定しませんcoldsweats01

バンダイの電動歩行マジンガーZのプラモ(あの足の大きい奴)なんて、いったい何個作ったことでしょう。
1/144リックドムのキット欲しさに模型店に列を作った思い出が、走馬灯のように脳裏を横切ります。ホビージャパン誌の作例を見ながら、イマイのバルキリーをファイターからバトロイドに改造し(もう口を閉じてもいいですか?coldsweats01



でも、長々とこんな前段をお話しても、「ネヴュラ」読者の皆さんなら、私が結論を『装甲騎兵ボトムズ』に着地させようとしている事は百も承知と思います。

Photo_3まーこれまでもさんざんお話してきた別格の作品ですから、『熱くさせたロボットアニメ』と言えば、まずボトムズが浮かびます。
でもいざ『ボトムズ』について書けと言われると、それは『ウルトラマンの魅力を短く説明しなさい』と設問されているようなもので、一言では不可能なんですよね。

色々な切り口から少しずつ語っていかないと、舌足らずな私の言葉ではとても表現できません。


ところで。この『ロボットアニメ』というテーマについて、無い頭を絞ってつらつらと考えていたんですが、やがて一つの疑問が。


『装甲騎兵ボトムズ』って、ロボットアニメでしょうか?



「なーに言ってんだか。ついにオタクイーンも頭がいっちゃったね。かわいそーに」と思われた方も多いでしょう。そりゃそうですよね。
『究極のリアルロボットアニメ』なる称号を欲しいままにする名作に、今さら何を言うのかと。ごもっともなお話です。先日公開されたばかりの『ペールゼン・ファイルズ劇場版』でも、ボトムズ世界の象徴たるロボット、AT=アーマード・トルーパーの活躍は、硬質のCGIで見事に再現されていました。


Photo_4でも『ボトムズ』をご存知の皆さん、心酔する皆さん。
ATの魅力が従来の『ロボット』の魅力とは違う所にある事は否定できないと思います。

よく「ボトムズ」監督・高橋良輔氏やメカデザイナー・大河原邦男氏が語るように、ボトムズ世界に於けるATは『兵装』の一つに過ぎないわけですよね。


確かにATの先輩格に当たるモビルスーツだって、従来のワンオフ的なヒーローロボット、敵役のやられメカを『軍事兵器』として捉え直してはいました。
でもやっぱり、モビルスーツ同士の戦闘は、双方がモビルスーツに搭乗する事で初めて成立するわけで。
パイロットがニュータイプだろうと何だろうと、生身のノーマルスーツと全高18m・ビームライフル装備のモビルスーツじゃ勝負にならないという事なんですよね。
そういう意味で、モビルスーツ搭乗によるパイロットの物理的サイズ、身体機能の拡大率は、やはりそれまでのスーパーロボットと変わらないわけです。


Photo_6ところが。全高4mのATはその身体サイズ・身体機能の拡大率がモビルスーツに比べ格段に低い。何しろそのサイズは、モビルスーツの四分の一以下ですし。
という事は。AT同士の戦闘の場合、パイロットの腕、能力そのものが戦闘に反映される比率はモビルスーツよりも高いという事になります。
機械の力に頼る割合が少ないんですから。

『ボトムズ』の醍醐味は、その部分にあるような気がするんですよ。




Photo_7一部のカスタムタイプを除いて、ボトムズ世界に存在するATはすべて量産機です。
主人公、キリコ・キュービィーはその量産機を操りながら、卓越したテクニックとある種の機転で、数々の戦いに勝利していきます。
例えば、敵ATに組み敷かれた体勢で頭部バイザーを開き、爆弾を敵ATのボディーに取りつけて爆破するとか。
方向転換用のターンピックを支点にして、回転しながらマシンガンを発射するとか。

『各々の局面に応じて、固定兵装をどれだけ応用できるか』という演出に、ATのサイズは非常に適している、リアリティーがあるという事なんですね。
そのサイズゆえ、モビルスーツはモビルスーツ以外の用途に使えませんが、ATはある時は双眼鏡になり、移動手段になり、回転砲台になる。
フレキシブルな運用ができるサイズなんです。


これをどう使いこなすか。そこにパイロットの腕・才能が試されるわけで、そこを楽しむという点では、私にとってまるで『ゴルゴ13』の狙撃のテクニック、アイデアを楽しむ感覚に近い物があります。
狙撃ターゲットとの位置関係や距離、障害や自然条件に応じて武器をカスタマイズ、奇抜な方法と針の穴をも通すコントロールで、世界最高のスナイパーの名を欲しいままにする男、ゴルゴ13。


キリコにとってのATは、彼の愛銃、アーマライトM16ライフルに近い存在なのかもしれません。
それはまさに、コアレスモーターで高速走行するローラーダッシュ機能を備えた、走るアサルトライフル。
どんな悪条件でも最善の方法を見つけ、相手を確実に仕留めるゴルゴの手腕と同じ物を、私はキリコに感じるのです。



Photo_8そういう意味でやはりATは、ロボットと言うより銃器など『兵装』に近い印象なんですね。他のロボットアニメに無い感覚を覚えるのも、無理はありません。
それはキャラクター的存在とは対極の、銃器と同じ位置づけ。愛着とは無縁のファクターなのですから。




ATを戦車やジープと捉える解析を、よく目にします。
でも最近の新作を見るにつけ、ATには戦車やジープなどとは較べられないほどのプレイバリューの広さ、コストパフォーマンスの高さを感じます。

全体のサイズ、修理・改造が容易な構造、パイロットが取り外し携帯できるほどコンパクトな火器。これらを駆使し、キリコがどう戦うか。
そこにはロボットアニメのカタルシスとは真逆の、新鮮な感動があるのです。


Photo_10ちろん『ボトムズ』には、ストーリーやキャラクターなど多くの魅力がありますが、こと『ロボット』という視点で見た場合、従来のこの種の作品には無い新機軸に溢れていた感覚があります。
その新機軸の多くが、全高わずか4mという秀逸なサイズ発想にあった事は間違いないような気も。

そこには鉄人にもマジンガーにもガンダムにもない、『巨大ロボットの可能性』が潜んでいたのですね。


誰もが考えながら、誰も到達しえなかったロボットアニメの新しい地平を、今もローラーダッシュで軽やかに駆け抜ける『装甲騎兵ボトムズ』。
何やらまた新しい動きがあるようで。今年も目が離せません。


では最後に、その魅力いっぱいのテレビ版オープニングをご覧下さい。



他にも、熱くなったロボットアニメは色々ありますが、他の作品を語るとまた長くなりますから、今回はこんなところにしましょう。

あーまた、手持ちのDVDが見たくなってきた。
たまにはこれかな。『マジンガーZ対暗黒大将軍』(奇跡の封切鑑賞でしたhappy01

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2009年1月20日 (火)

不器用な男

マイクを手に、私の前に立つのは二人の男。
慣れたトークで観客を自在に操る名アクター
の隣で、やや肩をすぼめた大監督は、それでも独自の存在感を放っていました。

さて。尻切れトンボで終わった前回『鋼鉄の王道』に続き、今回は18日『装甲騎兵ボトムズペールゼン・ファイルズ劇場版』上映後に行われた、舞台挨拶の模様をお話しましょう。
会場は撮影、録音等が禁止だった為、記憶と印象のみを頼りにしている事をご了承下さい。とはいえ実際は、それほど大げさなものでもありませんでしたが。

指定席確保の時にもお話しましたが、シネコンの一室である今劇場のキャパはわずか150席。おまけにスクリーンの前が舞台になっていない為、ゲストは客席最前列の前のスペースに登場するという事情。
私の席確保作戦は成功しました。司会者の紹介で姿を現した高橋良輔監督、郷田ほづみ氏は、最前列中央に陣取った私のわずか2m前に、立ち位置を決めたのです。
同じ床の上、手が届く距離に、あのボトムズのクリエイターが立っている。
「見える。奴の動きが完璧に追える。」そこには不可侵宙域はありませんhappy01

この位置なら、私は胸を張って監督、キリコに「会った」と言えますね。
後の方の席なら「見た」としか表現できませんが、何しろ例の「話す相手の顔を凝視」作戦で、私は少なくとも二度、高橋監督と目が合いましたから。
(うーんアイドルのコンサートで妄想するファン状態ですがcoldsweats01

実際、目のあたりにする高橋監督の印象は、やはりマスコミ等で露出されている通りでした。いわゆる「人の良さそうな中年のおじさま」という感じで。
ちょっとふくよかな体型のせいでしょうか。肩をすくめたような独特のポーズが、まさに生体スコープドッグといった趣です(愛を込めて言わせて頂きますhappy01

その高橋氏の隣で独特のオーラを放つのが、ボトムズ世界の象徴にしてアニメ界屈指の異端キャラ、キリコ・キュービィー役のボイスアクター、郷田ほづみ氏。

カルトお笑いグループ「怪物ランド」メンバーとして人気を誇った昔から、人前に出る事に慣れているのでしょう。主役として堂々と胸を張るその姿は、まるで『野望のルーツ』ラストシーンのキリコを思わせます。口パクではありませんでしたがhappy01


今回の公開に合わせ、東京ではオールナイトのトークショー、大阪でも舞台挨拶が行われたそうで、お二人もここ、名古屋を含めた三都市を巡って、ボトムズの人気を肌で感じたご様子でした。
高橋監督によると、今回の劇場版製作は『ペールゼン・ファイルズ』OVA版の最終巻、11話・12話辺りの製作中に持ち上がったお話だそうです。
意外にも今作は、劇場版を含めたプロジェクトじゃなかったんですね。


今作はボトムズ正統派の新作として、ファンの評価も上々だったようですが、結果的に劇場公開の試金石となった機会は、OVAリリースも軌道に乗った、昨年の3月に遡ります。
その頃行われた映画イベント、「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2008」に、バンダイビジュアルから今作が出展され、会場で上映されたというのです。
大スクリーンに映し出される作品のクォリティーに関係者は手ごたえを感じたそうで、「なんか、一番映画っぽかったねえなんて言われて」と監督も喜ばれたそうで。
その時既に、劇場でも行けるという自信はあったんでしょうね。
で、OVAの人気、実績が買われて、劇場版の実現にこぎつけたと。


そんな経緯を淡々と話される高橋監督ですが、私としては「監督、もうちょっと自信を持って下さいよ」と声をかけたくなるほどの低姿勢、へりくだり様でhappy01
数々のインタビューを見た時も思いましたが、「これは俺の作品」という自負と言うか誇りと言うか、そういうものがまったく感じられないんですよね。
氏の口癖である「なんかそうなって行っちゃいまして」という言い回しがここでも連発、私は苦笑を禁じえなかったのですがhappy01

それに較べて饒舌なのが、前代未聞の「よく喋るキリコ」郷田氏happy01
それはそれで非常に面白くて。
東京で行われたオールナイトトークショーでは、主題歌「炎のさだめ」を新録したTETSUさんが会場に駆けつけ、また盛り上がったそうなんですが、「さすがに深夜のトークショーだったので、ご本人には生歌を聞かせてもらえず」と残念顔の郷田氏、「自分で歌っちゃおうかと思いましたが」と客席を沸かせます。
キリコ本人が歌う「炎のさだめ」!
実現すれば、ボトムズの歴史に残る一幕だったでしょうね。
古谷徹氏が「翔べ!ガンダム」を歌う以上のレア度でしょうnote


ボイスアクターとしての仕事量がそれほど多くない郷田氏ですが、そんな中でもキリコには格別の思いがあるようで。
ゲーム用の音声収録などで、これまでキリコ役はほぼ途切れる事は無かったそうですが、それらはやはり旧作ベースのお仕事だったので、「もう新作でキリコに会える事は無いんだろうな」と思われていたとの事。
ですから『ペールゼン・ファイルズ』のお話が持ち上がった時は、その感慨深さもひとしおだったそうです。
でも今作の製作終了で、さすがにキリコとはお別れ、と思っていたら・・・
今年、また新しい動きがあるとの事で、郷田氏はまだまだ「キリコと地獄に付き合ってもらう」事に。


ボトムズファンの皆さん、今年も何かあるようですよhappy01
それが新作なのかゲームなのか他の何かなのか、それは明かされませんでしが、サンライズ側も「ボトムズ・フロジェクト」を立ち上げられたそうで、またまたファンはやきもきする事になりそうです。
「ファンの皆さんは一生、ボトムズから離れられませんよ」とニヒルに笑う郷田氏に、観客はロッチナの影を見た事でしょうhappy01


まーそれにしても郷田氏、喋る喋る。
まるで寡黙なキリコ役で溜まったうっぷんを晴らすかのようですhappy01 
私は彼の姿を見ながら、古の名作番組「ウソップランド」を思い出していました。
いやー「予習」しといてよかったーhappy01
どんなに言葉少ないキリコを演じていても、やはり郷田氏は「怪物ランド」の一員。
子泣きシジイ・赤星昇一郎や変幻自在のアクター・平光琢也にツッこみを入れる、生粋のヴォードビリアンなのです。
昔、自分の番組で怪物ランドを使おうとしていた私には、この郷田氏の健在ぶりがひどく嬉しく思えたのでした。

そんな生まれついてのショーマン、郷田氏の隣で、一人居心地悪そうな高橋監督。
その監督からも、今回の劇場版限定の楽しいお話が聞けました。

前回のお話でちょっと触れた新作オープニング、エンディングのお話です。
ここからはややネタバレなので、未見の方はご注意下さいねhappy01

Votomswall


インパクト抜群の新作部分。その作画上の演出はちょっと秘密ですがcoldsweats01 
音楽演出として今回の劇場版は、エンディングにTV版ボトムズ主題歌「炎のさだめ」の新録音バージョンが使われています。

当初、高橋監督は、このエンディング曲に『炎のさだめ』を使う演出を、劇場版ではなくOVA版の最終話ラストで試みたかったそうなのです。
劇場版の製作によって結局、その案は立ち消えになったそうですが、監督がそこまで「炎のさだめ」にこだわった理由も、ボトムズ愛に溢れるものでした。

これは作画演出にも関わる事なのですが、やはり監督にとってボトムズは「キリコとフィアナの二人が織りなすストーリー、そしてATの世界」なんですね。
ですから、たとえフィアナのフィの字も出てこない「ペールゼン・ファイルズ」も、テレビ版第一話にバトンタッチする内容ですから、どこかにその関連性、フィアナの影は持たせたいと。
ですからキリコのフィアナへの思いを歌った「炎のさだめ」は、「ペールゼン・ファイルズ」のラストとして何としても使いたかった。これが監督の願いだったんです。

高橋監督にとって、それほどまでに「炎のさだめ」という曲への思い入れは強い。
その事を再認識させられました。いやーいいお話を聞かせてもらっちゃったhappy01


確かに観客の立場からすれば、今作のエンディングを見れば「そうか。テレビ版に繋がるという事なんだねえ」と単純に納得もできるのですが、そうなるとさらにダメ押しに流れるエンドクレジットの「あの曲」(これも秘密happy01)が、少々しつこくも感じられます。
「あの曲」は、ペールゼン・ファイルズとはまったく関係ないですもんね。
でもこうやって直接監督から「ボトムズはキリコだけじゃなく、フィアナの物語でもある」という製作意図を聞かされると、それも充分、納得ができます。
作り手の思いは見る者以上に強いという事を、再認識した次第です。
いやーこのあたりのお話、ボトムズファンはもとより、劇場版を未見の方にはまったく分かりませんねー。今回はいつも以上に読者置き去りで。本当にごめんなさいcoldsweats01



でも。私がそのお話以上に、高橋監督の人となりに感銘を受けたのは。
もはやトレードマークともなった、その語り口だったんです。

何しろ監督、前述の「炎のさだめ」への思い入れのお話の最後に
「このエンディングはそんな思いで作ったんですが、それが分かって頂けなければ失敗かな、なんて思ってます」とまあ、またまた自信のない、弱々しいお言葉でhappy01
なんでそんなに謙遜されるのか。この監督のどこに、あれだけ骨太の諸作を創り続けるパワーがあるのか、かねがね疑問にも思っていたんですが。


名古屋は高橋監督の初演出作品『太陽の牙ダグラム』放送時、全国で初めてファンクラブが出来た土地だそうで、監督にも特別な思い入れがあるそうです。
また『勇者王ガオガイガー』放送時は、完成作品を納品する為、毎週、東京のサンライズから
名古屋テレビへ通われていたそうですから、勝手知ったる街でもあるのでしょう。
でもプロデューサーとはいえ、自らが完成テープを局へ納品するというのは珍しいような気がします。

例えば富野由悠季監督がプロデューサーとして『機動戦士ガンダム』シリーズの最新作を名古屋テレビで製作したとして(初作のキー局だったので)自らが納品するかと言うと、これはちょっと想像しにくいとhappy01
「ガオガイガー」は’97年の作品ですからすでに一昔前。でもボトムズをはじめ『蒼き流星SPTレイズナー』『機甲界ガリアン』などで名を馳せていた高橋監督ですから、まあ富野氏並みのポジションではある訳ですし。
このお二人の印象は対照的ですね。


「毎週、名古屋へ通わせていただいて」笑みを浮かべてそう語る高橋監督を見ながら、この人の偉業の秘密は、きっとこの部分にあるんだろうなと思いました。
『ガンダム』『ボトムズ』共、初作をリアルタイム鑑賞できた私は、昔から富野、高橋両監督の資質について『才気の富野、人望の高橋』と感じていたのですが、その片鱗を垣間見たような気もするのです。


自分の才能、主義と言い換えてもいいでしょう。それに絶対の自信を持ち、その主義を作品スタッフにも強要する製作スタイルの富野作品は、頑ななまでのワンマン主義に裏打ちされた強力な個性に彩られています。
セリフ一つ取っても「富野節」と言われる程、他者には真似の出来ない世界。


それに対して高橋作品には、どこか作り手知らずの空気が漂います。
作品そのものは、突き詰めていけば非常にシンプルな展開、真っ当な演出で、特に個性的でもありませんし、いわゆる名ゼリフめいた物も劇中では目立ちません。

でもシリーズ全話を鳥瞰してみると、そこにはやはり高橋監督以外には出せない空気感、独特の味わいが息づいているのです。
それはやはり、高橋監督独自の演出スタイルによるものなのでしょう。


多くのスタッフの証言にもある通り、高橋監督は作品立ち上げの際、作品の大まかな流れ、いくつかのアイデアをスタッフに提示して、スタッフ各々の意見を統合しながら一つの世界観を形作っていきます。
スタッフ自身も高橋監督に「うまく乗せられて」自分のスキルを極限まで発揮、結果的に監督の掌の上で走らされているわけです。

監督が語る「直線走行にしか考えていなかったATのローラーダッシュを勝手にスラロームさせたのはスタッフだけど、見てみたらカッコ良かったんで採用しちゃった」なんて発言は、その最たるものですよね。
ターンピックを主軸にした回転射撃だって、高橋氏の発想外だったそうです。
一定の許容範囲の中でなら、スタッフの発想をどんどん取り込む。これが高橋監督の武器であり、他者が真似できない才能なのかもしれません。

スタッフのアイデア、ポテンシャルを最大限に活用するという演出スタイルは、自分の主張を貫き通す富野スタイルとは対極にあるものです。
どちらが良い、悪いというお話じゃなくて、各々の資質の問題なんですよね。


その「スタッフをその気にさせる」手腕こそ、高橋氏の最も優れた部分と思うんですよ。
作品を海に浮かぶ船に例えるなら、設定という船をスタッフに与えて「これは君たちの船だ」とモチベーションを高め、航路図を渡し、好きに進めさせておいて、時々、針路を間違えそうな時に出てきてチョチョイと舵を戻し、結果的に自分の目指す港にたどり着く。そんな感じなんですね。
あくまで船はスタッフに任せるけど、船長は見ているよと。
絶対の統率の元、船長が一時も操舵室から離れない富野式とは、やはり作品との向き合い方が違うような気がします。
そのスタッフの持ち上げ方、「この人の下なら自分が出せそう」と思わせる雰囲気を作り上げる才能。これこそが高橋氏の真骨頂なのかもしれません。

だから監督は、作品の功績を独り占めにしない。スタッフに華を持たせようとする。
「そういう風にスタッフが作っちゃいまして」という言わば「高橋節」は、そんな彼のスタンスから来ているような気がするのです。

「だから、こうした」という発言に見られる通り、あくまで自作である事を強調する富野監督とは、やはり対照的。
前述の「通わせていただいて」という謙った表現も、そんな高橋監督の姿勢の片鱗と思うのですが、いかがでしょうか。


しかしながら、望むと望まざるに関わらずそういうスタイルに帰結するあたり、やっぱり高橋氏は自分本来の個性を前面に出す事が苦手なのかもしれませんね。
クリエイターというものは普通、才能の有無に関わらず自分の内面を形にしたい欲求が強いものなのに。そこを殺してまでスタッフに任せようとする。
ご自身の作家性にゆるぎがない事は、唯一スタッフの絡まない「予告篇」の文章センスにも表れていますしね。
そういう意味で高橋良輔という人物は、「他人の才能を鏡にして個性を発揮できる」タイプのクリエイターなのかもしれません。
あくまで私の感覚ですが、アニメーションと実写の違いはあれ、同じ演出を生業とする私は、
高橋監督のその姿勢に大いなるシンパシーを感じるのですhappy01


舞台挨拶のラスト、挨拶をするお二人に、客席からリクエストが飛びました。
『キリコの声をやって下さい!』
それに応えた郷田氏。「何にしようかな」と考えた後、この一言を。

『俺は、不器用な男だ。』
ご存知、キリコの名ゼリフ。すかさず客席からもれる「おお~っ」の声happy01


その時すでに、高橋監督は舞台の袖に消える直前でしたが、その前かがみの背中を見ながら、私はこう思いました。
やっぱり、監督も不器用な人なんだろうなと。
他人の才能を鏡にして、個性を発揮するクリエイター、高橋良輔。

なんだ。キリコ・キュービィーって、監督の分身だったんだって。


『俺は、不器用な男だ。』そのキリコのセリフは、そのまま監督のモノローグにも聞こえました。ボトムズの魅力の一端が、また分かったような気も。
でもファンには、その不器用さ、作品の無骨さがたまらないんですよね。
いやー郷田氏の言葉通り、私も一生、ボトムズから離れられないようです。


Photo帰宅後、一息ついて、劇場で求めたマグカップでコーヒーブレイク。
お分かりでしょうか。このカップ、「ファンタム・クラブ」のロゴ入りなんですよ。


考えてみれば不思議ですね。
あんな有名な予告フレーズがありながら、これまでカップが作られていなかったというのも。
もちろん、このカップに注がれるのは『コーヒー』。
確かに『苦い』ですが、その苦さにはコクがあります。


高橋良輔という銘柄ならではの、深いコクがcafe



【追記】
ネットで検索していたら、『ペールゼン・ファイルズ』公開に寄せた、高橋監督と主題歌を歌うTETSUさんの対談記事を見つけました。
ご興味がおありの方はこちらまでhappy01


http://www.zakzak.co.jp./anime/actor/0901/090116-001.html

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2009年1月18日 (日)

鋼鉄の王道

「ネヴュラ」誌上にて毎回、確実にアクセス数を減らすマイナーネタの代表格
『装甲騎兵ボトムズ』。

この目の背けられ方が快感だったりするのも、ボトムズファンの性ゆえでしょうか。
好きなものは仕方がありません。今日も全篇ボトムズまみれで展開しますpunch


ここ数日の盛り上がりでお分かりの通り、今日は例の『装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ劇場版』鑑賞日。
しかも今回は、ボトムズ原作者にして総監督・高橋良輔氏と、主人公キリコ役の郷田ほづみ氏の舞台挨拶という超ビッグなおまけ付き。
苦労して予約席を手に入れた甲斐がありました。


でもいざ劇場に着いてみれば、「今回のボトムズ、席が残り少なくなっております」なんて場内アナウンスが。
指定券の売り出しは5日前ですよ。監督と主演の舞台挨拶付きですよ。
当日まで空席ありなんて。どんだけマイナーなのよボトムズはとwobbly

ロビーはものすごい人なのに。みんな『感染列島』観に来てるのかな。
感染力ではボトムズの方が上なのに。いや、常習性と言うべきかもcoldsweats01
上映3分前になってやっと流れた「ボトムズ、完売しました」のアナウンスに胸を撫で下ろす私。この気持ち、ボトムズファンならお分かりですよねhappy01


で、肝心の作品ですが。
これはもうファンの予想通り、見事なまでにOVAの再編集版でした。

ただ、それだけの解説では皆さんわけがわからないと思うので、ちょっとお話をしますと。要はこれ、巧妙な演出がなされていまして。
BGMの選曲・位置が、OVAとはまったく違うんですね。


最近の作品ですから、OVAリリースの段階でセリフやナレーションのオリジナルトラックは保存されているでしょう。わざわざそれを新録する必要はありませんし。
BGMの差し替えも、さほど一大事ではありません。
でもそれをやるのとやらないのとでは、作品の印象がまるで違ってきます。
今回の劇場版では、OVA版の劇中でついに流れる事が無かった主題歌、柳ジョージ氏の『鉄のララバイ』『バイバイブラザー』ボーカル版が、非常に効果的に使われています。
この選曲一つで、画面が伝えたかった事が明確になり、ストーリーをより味わう事が出来るわけですね。
しかも、要所要所にこの劇場版用に新録音したBGMが登場、見慣れた場面に新しいフレーバーを与えてくれます。
そしてっ!これは予想されたものの、やはり目にすれば強インパクト確実の新オープニング、新エンディング。どちらも甲乙つけがたい出来ですが、オールドファンはエンディングに感涙する方もいらっしゃるかも。
まー予告篇などでご覧になっているでしょうからお話しますが、やはりTETSU新録の『炎のさだめ』が流れるスクリーンは、オリジナルを知る者にとっても感慨深いものがありますね。しかもラストカットにあの・・・
(気を持たせるわけじゃなくて、極力ネタバレを避ける配慮です。ご勘弁をhappy01


肝心の編集はと言えば、まあ可もなく不可もなく。いやOVAを見た段階で「ここは残る。ここは残らない」と大方のファンが予想した通りに物語は進みます。
劇場版ガンダム第一作で、「再会、母よ・・・」があれほど重要視されていたとは、と嘆いたファンの方、今回はそんな落胆はありません。
でも改めて再編集され、観直してみると、この『ペールゼン・ファイルズ』という作品が、いかに骨太の芯に貫かれていたかがよく分かります。
製作体制が一定しているOVAとはいえ、この統一感は素晴らしいの一言。

仮にこの劇場版を単体の作品として観ても、これがブツ切れのOVAを基にしているとはとても思えません。画質、キャラデザインの統一も見事。
谷口キリコを期待された方には物足りないかもしれませんがhappy01


でも元々、新ヱヴァ劇場版のようなパラレル展開など考えられないボトムズ世界ですから、末枝の小細工など必要ないのかもしれませんね。
劇場版用○○ドッグとか新キャラ××を必要としないのが、ボトムズのボトムズたる所以。そんな事、ファンも期待していませんし。
派手なATの戦闘の影で、裏テーマが「じりっじりっ」と進むあのリズムに思いを募らせ、キリコのモノローグに寂寥感を味わうのが、ボトムズの正しい鑑賞法なのですから。


・・・と、ここまでお話して、今日はちょっとお時間がなくなりました。
鑑賞後のお楽しみ、舞台挨拶の模様はまた次回。
ごめんなさいね。ちょっとバタバタしていまして。
期せずして、今日のボトムズ鑑賞のしわ寄せがあちこちにcoldsweats01
では、お約束の次回予告で締めましょう。
銀河万丈氏の声で音読下さいsmile


荘重なる演出、絢爛たる作画。
武をうたい、戦火を説いて26年。
甘口動画界にあって漢を描き続ける大御所が
新たなる異能を語る。
恋するネヴュラ、次回『不器用な男』。
万来の客席から、二人に熱い視線が突き刺さる。

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2009年1月14日 (水)

確約たる異端

完全にボトムズブログと化した「ネヴュラ」ですが、今回もまだ引っ張りますhappy01
これでアクセス激減は間違いないでしょうweep


昨日、『ペールゼン・ファイルズ劇場版』半券消滅の件についてお話しましたが。
今日はその手配で、昼間から動いておりました。
これがフリーの良い所。お仕事と通院の間隙をついた力技。

ま、皆さんお察しの通り、指定席予約なんですが。
今回の指定日時は、いつもと事情が違います。

「ペールゼン・ファイルズ」HPをご覧になった方はお分かりと思いますが、今回の公開では東京・大阪・名古屋の各劇場で、一度ずつ舞台挨拶があるんですよ。
出演は、ボトムズ産みの親にして今作の総監督・高橋良輔氏。
そして主人公・キリコ・キュービィーのボイスアクター、ご存知!郷田ほづみ氏。

なんとこのお二人happy02


目の前に生キリコが!生高橋が!(生八つ橋みたいですが)
こんなチャンスを逃しては、ボトムズファンの名折れ。
何を置いてもスラローム・ローラーダッシュで駆けつけなければ!

名古屋での舞台挨拶は今度の日曜・18日。お昼12時40分の回のみ。
最近のシネコンの常で、この公開も全席指定です。
座席予約は、昨日までに劇場購入した前売り券を再び劇場で提示、指定券と交換しなければなりません。つまり二回、劇場へ赴く必要があります。
その座席予約開始が、今日のお昼12時ジャストというわけです。

席はネットでも予約出来ますが、ネット購入チケットは無味乾燥な数字の羅列。
劇場販売・特典ポストカード付きの前売り券がどうしても欲しかった私は、あえてその二度手間を試みたのでした。
最高気温も一桁。まるでダウン・バーストのような寒空の下、ミニバイクで40分の距離を二往復snow
高橋監督、郷田ほづみ氏に会えるなら、こんな手間など何の苦になりましょうpunch
(言い回しの古さはご勘弁下さいcoldsweats01


というわけで、他作品を含めた総合予約カウンター前の列に並んだのが
決戦前の11時38分。

既に列には二人の男性が。うーん誰を見てもボトムズ予約者に映る疑心暗鬼。
あのロビーで楽しげなカップルも、CanCam愛読者風の女子二人連れも。
ゆっくりとこちらに迫るおばあちゃんまでがライバルにshock
さらに見えない脅威・ネット予約も侮れません。もはやセルフ四面楚歌shock
ああ私は三人目にして、予約締め切りにチケットを涙で濡らすのねヨヨヨcrying

勝手に泣きモードに入る私を待たず、いよいよ決戦の12時が。
結論から言えば、私が一番乗りという拍子抜けでcoldsweats01
私の前の男性は、全然別の作品を予約していました。そりゃそうですよね。

やっぱりボトムズ。新作007や地球が静止する日とはネームバリューもケタが違います。
世間の評価が身に染みる平成枯れすすきweep
このマイナーぶりが、オタク魂に火を点けますbomb

Photo でもまあ、予約も無事にできました。これで、異端の舞台挨拶も『確約』。
普段は大スクリーン派の私ですが、今回ほど公開劇場の狭さを感謝した事はありません。何しろ、今作の劇場キャパは150席。
舞台挨拶などパーソナルなイベントは、場が狭いほど在り難いですから。
もちろん予約一番乗りの私は、迷わず、最前列の中央席を選びました。
ああ高橋監督の息づかいが。キリコ様のストイックな語りが眼前に。
もうそれだけで私は(止まらないので以下略)


ごめんなさい勝手に盛り上がってcoldsweats01
貧乏なオタクの私には、こんなイベントも楽しくて仕方がないのでした。
こんな事で大騒ぎしてるのも私ぐらいのものでしょーねーhappy01

でも冗談抜きで、ボトムズのクリエイターと同じ空気を吸える事は嬉しいですね。
いつものようにテレながら話す高橋監督のお姿を、瞼に焼き付けて来ようと。

まー舞台挨拶程度ですから大した事ありませんが、何かの間違いで質問コーナーなんてあったらいけないから、ちょっと考えておかないと。
高温の脳髄を脈動させながらhappy01

Photo_3 頭の栄養に「頭脳パン」を食べながら、ビジュアルブックで予習する私。
ペールゼン・ファイルズOVA版も、全部見直さないと。

当日の様子はまたお話しますから、ボトムズファンの皆さんはご期待下さい。

もちろん、郷田氏対策も忘れてませんよ。
’86年放送の『ウソップランド』エアチェックビデオで勉強すればもうhappy01

(今、見ながら書いていますが、脱力しっぱなしshock
あっキリコファンの皆さん、石を投げないでねcoldsweats01

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2009年1月13日 (火)

地獄への片道切符

『ウルトラファイト』みたいなサブタイですがhappy01 今回は別の地獄ですcoldsweats01
ボトムズネタばっかりでごめんなさい。
でも、ファン25年の願いの結晶ですから、お許し頂ければとcoldsweats01


昨日お話した『装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ劇場版』。
いよいよ公開まで、あと五日。
ボトムズ仲間ののんさんに背中を押されhappy01 
今日は劇場まで、前売り券を買いに出かけました。


アニメーション映画の前売り券を買うなんて、何年ぶりでしょうか。
それだけでもう、テンション上がりまくり。
おまけに『ボトムズ』ですから、そりゃーもう興奮しない方が無理というもの。


前売り券特典のポストカードも、無事、手に入りました。
数量限定って聞いてたから、品切れだったらどうしようとcoldsweats02

当然、チラシも束でゲット。厚さ1.5cmはあるので、軽く百枚は超えるでしょう。
こうやって書くと、あの80年代アニメブームに戻ったようですね。
アニメには興味が薄かった私も、あの熱気はよく憶えています。

毎週、どこかの劇場で、仲間の誰かが封切待ちの徹夜に明け暮れていた日々happy01
今考えれば、あれは何だったんだろうとcoldsweats01


それはともかく、手に入ったのがこの前売り券。まさに『地獄への片道切符』。Photo 大量にもらったチラシをバックにパチリ。
うーん。塩山紀生氏描くキリコ像が、期待を盛り上げます。


さて。どうして私が今回、この前売り券を写真に撮ったのか。
これ実は、一種の記念写真なんですよ。
と言うのは。この前売り券の半券は、明日お昼12時、消えてなくなるからです。
それは何故?公開は17日からなのに。
指定席予約?それは理由の一つに過ぎません。


ちょっとお考え下さい。正解確率250億分の一。
地獄と変わる劇場で、私は『異能者』との邂逅を狙っているのですhappy01

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2009年1月12日 (月)

予告と云えば云うも良し

いやーもう、見れば見るほど酔っちゃって。
いよいよ公開間近。『装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ劇場版』。

正直、行くかどうかは迷っています。
自宅で、46インチテレビで、DVDの高画質で浴びるように本篇を見られる状況で、おそらくOVAの再編集版であろうこの劇場版を、鑑賞する意義が見つからない。
でも見たい。なぜならそれが『ボトムズ』だから。
なんて、言ってる事がカラッポですがcoldsweats01


というのも、やっぱりこれを見ちゃうと。
ボトムズの特徴にして大きな魅力、予告篇。

まずは『特報』からご覧下さい。

これ!このシブい語りあってこその『ボトムズ』ですよhappy01

ボトムズの際立つ特徴は、『予告篇が一つの作品になっている所』ですね。
テレビシリーズ、OVAを通じて、もはや予告篇はこの『一篇の詩のような言い回し』を銀河万丈氏の『筋肉質の低音』が語るというスタイル以外には考えられない。
で、これが重要なポイントですが、実はボトムズの予告って、次回の内容が予想できないところが魅力なんですよね。
全話通じて、別に予告篇は次回のストーリーの内容を語っているわけじゃない。
何ていうか、ストーリーの『テーマ』のような事を語っているわけです。


例えばテレビ版のある回に、こんな予告ナレーションがあったんですが。
『パルミスの高原、ミヨイテの宇宙に、無敵と謳われたメルキア機甲特殊部隊。
この命、金・三十億ギルダンなり。最も高価なワンマン・アーミー』

(『機甲』になっている所で笑った貴方は、ボトムズファンですねhappy01
なんてたたみかけるように語られると、見る方は「おおっ」となっちゃうわけです。


予告を見た視聴者は、そのあまりにも観念的な言い回しに圧倒され「今度のエピソードはものすごい内容みたいだ」と洗脳されちゃうんですよ。
で、予告されたエピソードを見てみると。「なーるほど。予告にあった『最も高価なワンマン・アーミー』って主人公・キリコの事だったのね。上手い事言うなー」
なんて感心しちゃうんですね。

だからボトムズの予告篇は、次回の紹介という立場からちょっと逸脱している。
「次回のストーリーをどう表現するか」という、作り手と視聴者の間で繰り広げられる一種の知的ゲームみたいなものなんです。
キリコのモノローグ共々『ボトムズ節』と言っても良いでしょう。


実際、ボトムズ初心者の方が、もし前述の特報をご覧になったら、もう何が何だかわけが分からないと思うんですよね。
「なんか難しい事を言ってるなあ」「ストーリーがまったく読めないなあ」
「でもものすごくハードなお話みたいだ」
なんてご感想が多いのでは?
ご安心下さい。私にもさっぱりわかりませんcoldsweats01


これがボトムズなんですよhappy01
ボトムズのストーリーは「周りから表現を固めて、鑑賞者が何となく物語を理解する」という作り方がされています。
あまたあるロボットアニメのように、キャラクターが劇中で自分の主張を言語化、怒鳴りあったりはしません。そこまで懇切丁寧ではない。だから分かりにくいんです。
「ストーリーは提示しました。後は自分で考えて下さい」といった姿勢。
前述の『詩』のようなもので、要は鑑賞者の「人生の熟練度」によって作品のコクが変わってくるんですね。
だから理解力が必要なんです。その為には膨大な、あまりにも膨大なhappy01裏設定も知っていなければならないし、「この表現にはこういう意味があるのね」なんて洞察もしなければならない。
あの無骨なATをカッコいいと思えるまでには、それなりの世界観の理解が必要という事なんですよ。


その「突き放した」表現の最たるものが、あの予告篇なわけです。
実写ドラマ、高年齢層アニメーションを問わず、最近の予告は、予告篇内にナレーションを入れずにハイライトシーンのみを積み重ね、「何となく見逃せない」と思わせるスタイルが増えてきていますね。
だからボトムズの予告スタイルはやや古い、昔ながらのスタイルなんですよ。
でももしボトムズの予告を今風の「ハイライトスタイル」に変えてしまったら、もうファンが黙っちゃいません。
それはとりも直さず、「予告ファン」の存在を何よりも証明しています。

ほぼ予告篇だけで一本のセルビデオを作ってしまうアニメーションなんて、私はボトムズ以外に聞いたことがありませんhappy01


だから、予告を見ただけで劇場へ行きたくなるのも、当たり前なんです。
すでに予告が独立した「作品」なんですから。


で、再度ご鑑賞を。こちらは特報の後に作られた『予告篇』です。

この予告篇に至ってはもう、予告の中で一つのストーリーが出来ちゃってますね。
「ふん。嘘を云うな。」から後のナレーションなんて、前半を全部ひっくり返しちゃってますからね。しかも未見の方にはわけがわからないhappy01
でも何となくもの凄そうな作品と、期待はしちゃうでしょ?

これですよ。これがボトムズの凄さ。予告篇まで気が抜けないとhappy01


たぶんこの雰囲気だと、私は前売券を買いに行っちゃうかもしれませんねー。
もう完全に、予告に洗脳されてますから。もうストーリーも知ってるのに。
たぶん気がつけば劇場の中。
私は周りに座る濃~いボトムズファンを見回しながら、一人つぶやいてますよ。

「こいつらは何の為に集められたのか?」なんてhappy01

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2009年1月 6日 (火)

男と女のララバイ

昨年、好評の内に完結した、『装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ』。
その激辛のストーリーは、ボトムズファンの私も充分堪能できました。
ATの体を巡るポリマーリンゲル液は、発火しそうなテキーラか。
ギルガメス兵士たちが流す血は、極上のウオッカか。
まるで強い一杯をあおるように、頭は酩酊。
酔いの中気がつけば、そこはタイバスの河畔、マニドの峡谷、ガレアデの雪渓。
鑑賞中、私は確実にそこに居たのです。
その余韻覚めやらぬまま、うなされるがごとくネットの海を徘徊する私の前に、
この映像が姿を現しました。


『ペールゼン・ファイルズ』主題歌『鉄のララバイ』 柳ジョージ
戦場に生きる『漢』の叫びを歌わせて、彼の右に出る者は居ないでしょう。

この曲を聴く内に、私の中には別の曲が浮かびました。
女性の感性を併せ持つ、私ならではの思いでしょうか。

ひょっとして、この地獄に生きるキリコの姿を、フィアナが見ていたら。
きっとこんな気持ちになったに違いないと。
いわばこの曲は、『鉄のララバイ』の返歌なのかもしれません。

『聖母たちのララバイ』 岩崎宏美

どうやら私はコッタ・ルスケ、いやJ.P.ロッチナのごとく、彼らの毒気に当てられてしまったのかも。
公開も近日に迫った「ペールゼン・ファイルズ劇場版」が呼ぶのでしょうか。
その三連ターレットにロックオンされたら、もう一生逃げられません。
キリコ同様、私にも長い眠りは与えられないようです(笑)

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2008年3月13日 (木)

悪夢のコラボ

Photo今朝の衝撃bomb
新聞チラシをチェックしていたら。
発見したこの一枚。

この企画、名古屋オリジナルでしょうか?
いくらパチンコの本場でも
これはちょっとhappy01





Photo_2 ヤシマ作戦宇宙へdash
もう「
波動砲」を超えてますね。あの反則技「波導ガン」並みのパワーpunch
イデオン同様、制御不能ですが。暴走はお約束だしsmile

おそらく銀河系最強の破壊力。一撃でガミラスも消滅するでしょうimpact
その勢いは、お仕事に活かしたいものですがhappy01

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2008年1月23日 (水)

「悪魔の手先」の手先

大変お待たせ致しました(待ってないって(笑)。
こんな企画にお付き合い下さり、アクセス・コメント頂いた方々、大変ありがとうございました。前々回の記事「オタクイズ」の解説編です。

ただ、頂いたコメントやアクセス数からなんとなーく感じた空気では、今回のクイズはちょっと失敗感が。もっと凝った問題にすればよかったと(爆笑)。
皆さんの鋭い解析に改めて感服いたしました。
さてそれでは、件のクイズ写真を撮った経緯も合わせ、解答をご説明しましょう。

前々回のお話通り20日の日曜日は、その前日に入手した可動ロボットフィギュアの不良品交換に走っていました。
Photo_2 これです。
今月15日に発売された海洋堂リボルテック・ヤマグチシリーズ最新作「鉄人28号」。

関節部の広範囲可動を実現した「リボルバージョイント」によリ表情豊かなポーズが取れるこのシリーズ、手ごろな価格も手伝って以前から目をつけていましたが、なかなかお気に入りのアイテムが出ず二の足を踏んでいたのです。
ですから今回、ネットで鉄人リリースの情報を知った私は超期待。実際店頭で見本を見るが早いか即ゲットしてしまったのでした。
お察しの通り、同時にゲットしたのが以前紹介した「S.I.C.匠魂9」であった事は言うまでもありません(笑)。


12~13センチ程度のサイズも手ごろなこのシリーズ、実際手にしてみると、そのパーツ割りや可動部分の多さには驚きますねー。
ロボットをあくまでフィギュアとして捉え、ポーズによる表情を楽しめるシリーズとして、非常に高いコストパフォーマンスを感じます。

今は「超合金魂」などハイディテールのフィギュアも多く発売されていますが、スーパーロボットならではの力強く大胆なポーズをとらせるにはちょっと不都合を感じていた私。
立ちポーズの存在感も決して否定はしませんが、このリボルテックが実現した多彩なポージングの魅力には正直、新鮮な驚きを覚えました。シリーズをお持ちの皆さんもその点は頷かれると思います。


ただこの商品、店頭スタッフの弁によると、結構商品ごとに当たりはずれが大きいそうで。そこだけが唯一の欠点との事。MADE IN CHINAの技術力は上がっていると思うのですが、こういった仕上げムラも解決できない問題のようですね。

Photo_3 もうお分かりですね。
クイズ一枚目の写真は、この鉄人フィギュアの腕部分でした。
今回私が手にした腕のシミについても、スタッフには「これくらいならまだ良い方ですよ。物凄い色ムラもありますから」なんて言われてしまって(涙)。

まーそれでも快く交換に応じてくれ、小心者の私は一安心しましたが(笑)。


さて。各部点検も怠りなく綺麗な新品をゲットした私。帰宅後カチカチとあちこちの関節をいじって遊んでいましたが、やはりこれ、かなりの遊び甲斐がありますね。
過去のアイテムでは、パッケージ写真などで魅力的なポーズがとられていても、いざ自分でやってみると意外に可動範囲が狭くて写真のポーズは「範囲ギリギリ」だったなんてのが多かったですが、これは違う。
なんていったって写真以上のことが出来ちゃうんですから。
特に腰のジョイント部なんて感動モノで。これまで腰の曲がる鉄人ってほとんど無かったですし。
「うーんこれは、ポージングでオーナーのセンスが分かっちゃうなー」なんて思いながら遊んでいたんですが、そんな中私の頭には一つだけ、今回の鉄人ディスプレイでこだわった演出がありました。
それはポーズと言うより、鉄人の「あるパーツ」。


Photo_4 で、出来上がったポーズがこれです。
可動部分の多いリボルテックシリーズは、さすがに大胆なポージングをさせると自立できず、スタンドのお世話になる事が多いのですが、今回はなんとしてもそれを避ける方向でいきたかったのでした。ですからこのポーズにはご覧のとおり、スタンドは使われていません。
満身創痍の鉄人、片膝ついて敵を牽制、反撃のチャンスを窺う一瞬、なんて感じでしょうか(笑)。スタンド無しでここまでポーズが取れるんですからすごいですよね。
ガンダムなどのリアルフィギュアなら当たり前のこういうボーズも、鉄人がやるとすごく新鮮に映るのは私だけでしょうか(爆笑)。


「オタクイーン、そのこだわった演出って、スタンドを使わないって事なの?」
毎度、細かい所にこだわるなーなんて笑われた方も多いでしょう(笑)。
実は私のこだわりは、その部分ではないのです。


Photo_6「手を開かせる。」
これが今回、私がもっともやってみたかった演出なのでした。

しかも、敵や人間を威嚇するような感じでやってみたかったんですよね。
私が今回の鉄人に惚れたもう一つの理由は、商品にセットされていたこの「掴み手」にあったのです。この写真をご覧になって、皆さんどんな印象を持たれたでしょうか?

ここでお断りしておきますと(笑)、私は「鉄人28号」リアルタイム世代ではありません。
原作漫画が雑誌「少年」に連載された1956年、私はまだ影も形もありませんでした。その後の雑誌連載、1959年のラジオドラマ、1960年の実写テレビ版も立ち会えず、鉄人の名を最も有名にした1963年からのテレビアニメ版第一シリーズもリアルタイム視聴の記憶はありません。
確かにこの第一シリーズには思い出もありますが、それは再放送の記憶によるものでしょう。
時は流れ、1980年「太陽の使者」、1992年「FX」とリメイクされてきたアニメ版にも思い入れは皆無。
オリジナルを知る者にとって、あれはアレンジ度がキツくて(笑)。
微妙な評判の実写劇場映画版も、現時点では未見です。
もうお分かりでしょう。今回私を鉄人購入に踏み切らせた理由。
それは2004年に地上波放送された最新リメイクアニメ、今川泰宏監督版によるものだったのです。


「ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が静止する日」「機動武闘伝Gガンダム」など、いろんな意味で有名な(笑)今川監督によるこの最新リメイク版は、横山光輝氏による原作漫画のエッセンスを採りこみながらも新解釈をふんだんに加えた野心作として、私の中で独自の輝きを放っています。
深夜放送ゆえ高年齢層をターゲットにできた事が、ドラマ部分の充実に繋がったのでしょう。

実際のところ、本放送時、番組の情報入手が遅かった私は、全話をリアルタイム視聴できたわけではありません。
現在、大急ぎでDVDを全話レンタル、再見中なんてありさまで(涙)。


この今川版を再見しますと、やはり本放送時の印象以上に琴線に触れるものがありますね。未見の方の為に内容は伏せますが、いつもの派手な「今川節」が影を潜めているところが良いです。
まードラマの要求、テレビシリーズゆえの製作体制もあったでしょうから、彼の資質が若干スポイルされた感はありますが、それがいい結果に繋がっているような気も。
(「ミスター味っ子」の「ウマいぞう~!」も大好きなんですが(爆笑)。
脚本に於ける彼の、セリフ文体の癖「そう。云々」が連発されるのもご愛嬌というものですし。私、好きなんですよ。こういう「作家印」って。


Photo_7 この最新鉄人でもう一つ新鮮に映ったのは、「鉄人の悪魔性」についてでした。
原作漫画で描かれ、初作アニメ版主題歌(今回のリメイクでも踏襲)歌詞にも謳われている「ある時は正義の味方 ある時は悪魔の手先」という設定です。

後に書かれた文献で、原作者の横山光輝氏はこの「鉄人の善悪は操縦器次第」という設定について「機械とはそんなものですから」と語っています。後年、横山氏の作品に繰り返し現れる「善悪を超えた存在の争奪戦」というモチーフは、この鉄人で既に完成しているといっていいでしょう。


Photo_14「良いも悪いもリモコン次第。」この歌詞に象徴される鉄人の立ち位置は、件の最新リメイクにも踏襲されています。
劇中にしばしば現れる「盗まれる操縦器」のエピソードはやはり見る者を興奮させ、悪の手に落ち町を破壊する鉄人には「機械という存在の危うさ」を感じずにはいられませんでした。
所詮、鉄人は機械。その豪腕も使い方次第で人類の敵となりうる訳です。
日本にはこれまで、鉄人の子孫とも言える空想上のロボットが多く生まれましたが、時代の移り変わりとともにこのロボット本来の「危うさ」「善悪の中立性」は薄れていったような気もします。


Photo_8さて。ビジュアル面で鉄人の「悪魔性」を感じる要因はどこでしょうか。
悪の組織に操られ、町を炎に変え人類に襲いかかる鉄人。私は、その鮮烈なイメージを前述の「掴み手」に感じてしまって。
この写真は初作アニメ版放送時に発売されたイマイ製プラモデルの箱絵です。悪人を懲らしめる鉄人の活躍、なんて場面ですが、この鉄人の「掴み手」、何となく怖くないですか?
「掴み手」の目的って、文字通り相手を掴む事ですよね。しかもその手のサイズから想定されるのは私達人間なわけで。確かに開き手には「味方を掌に乗せるため」という目的もありますが、写真の手の開き方はそうじゃない。やはり「人間を掴むため」の手ですよ。
私は今回のリボルテックに掴み手が付いていたことで、幸か不幸か鉄人に「悪魔性」を感じてしまったのでした。


鉄人って普段、両手を挙げる「バンガオー」のポーズや飛行ポーズで握りこぶしのイメージがありますから、もともと掴み手ってちょっと異質なんですよね。

Photo_9本当ならこのポーズも、もう少し腕を下ろすことで「人間を掴む鉄人」をイメージできたかもしれないんですが、ちょっとバランスが悪くなるのでこの位置に落ち着きました。それでも手を開くことで、鉄人の怖さはやはり強調されていると思います。
「鉄人って結構怖いフォルム」という印象も、その悪魔性に拍車をかけていると思いますし。
ただこれは「アオリ」のアングル、掌を見せるポーズで強調される効果。たとえ掴み手でも敵ロボットと組み合うポーズの鉄人には、また別のヒロイックな印象がありますし。

鉄人関係の研究本で、「悪魔系巨大ロボットの系譜」みたいな論がありまして。私は大変面白く読んだんですが、その中に「マジンガーZ」の原作者、永井豪氏が鉄人の印象を語った一文がありました。
「操縦器を持つ人間の命令のみに従う主人公-やりようによってはゾッとする代物になっていたかもしれない。」そんな主旨だったんですよ。


Photo_10小学生で鉄人を初見した永井氏。その「悪魔性」の影響が後年「マジンガーZ」に現れたというのも見逃せない事実です。
考えてみれば、マジンガーも兜甲児の操縦ミスで暴れる時や恐怖感を演出する作画の時は「掴み手」の場合が多いですね。
そんな印象から、ロボットが悪の手に落ちたり、操縦がうまくいかず意に反して人間を襲う時のイメージは「掴み手」のイメージを強く感じてしまいます。
件の論にはこうも書かれていました。「掴み手」の言及こそありませんでしたが、鉄人、マジンガーと続く悪魔系巨大ロボットの子孫があの「新世紀エヴァンゲリオン」とすれば納得も行くのではと。
そういえばエヴァにも「掴み手」のイメージがありますよね。

雄々しく雄叫びを上げる鉄人に潜むダークな深み。今回のリボルテックで私が見たかったのは、そんな鉄人の危険な一面だったのかもしれません。
あー、やっぱり危険な存在って魅力的。
なんて危ない女なんでしょうか私(笑)。


Photo_11「オタクイーン、何か忘れてない?」
いやー遅くなって失礼しました。
決して忘れていたわけではなく。

実は今回の「掴み手」については、リボルテック購入直後から帰宅時、ミニバイクで走りながら考えていた事なんですよ。クイズの文面にある「考え事」というのがそれです。
「横山光輝先生は、このことを意識されていたんだろうか?」なんて思いながら走っていた時、偶然目にしたのがこの一角でした。
普段私はフライドチキンをめったに口にしません。ですからこの一角に目が止まったのはまさに横山先生のお導き。本当に初めて目にしたんですよ。


Photo_12で、クイズ二枚目の写真、右端・花壇風コーナーのアップはこれです。
ご想像通り、実写版ジャイアントロボのフィギュアを使った模型屋さんの看板ですね。
いやー偶然とは怖ろしい。

思わず「マッシ(ここはあえてレコード歌詞で)」と叫ぼうかと(爆笑)。
もうお分かりでしょう。クイズタイトルであり、かの横山やすし師匠の名文句「オコるで!しかし!」とは、鉄人・Gロボ原作者、横山光輝先生と引っ掛けた「横山つながり」という訳です。ごめんなさい下手な引っ掛けで(涙)。


考えてみるとアニメ版はともかく、原作版やこの実写版ジャイアントロボには前述の鉄人に見られるような「掴み手」のイメージがありませんね。
あのフィンガーミサイルのせいでしょうか。
実写版Gロボと言えばあの「指伸ばしミサイル発射」のイメージですもんね。その端正な顔立ち、またあの「ミサイル手」イメージが強すぎて、私はGロボには非常に実直、誠実な印象を受けます。
やっぱり手にはキャラクターの表情が出ますよねー。

「手は口ほどに物を言い」ってところでしょうか(笑)。


貧乏な私なんて、働けど働けど暮らしは楽にならず。
じっと、ひび割れてかじかんだ手を見る。(エヴァ風雄叫び)

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