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カテゴリー「映画・テレビ」の記事

2014年4月29日 (火)

地球連合政府標準装備

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せっかくの昭和の日なのに、雨で屋外写真が撮れないので
仕方なく部屋で昭和っぽいおもちゃをみつくろって一枚

拙ブログももう8年になりますが、洋物にうとい性格が災いし
このアイテムもついで扱いはあったものの、まともなお披露目は今回初です

昭和の日にふさわしく、宇宙大作戦(今日はこのタイトルで通します)登場のコレ。
いわずと知れた地球連合政府の恒星パトロール船・USSエンタープライズと
乗組員が装備する携帯用位相光線銃・フェイザーピストル。

【参考資料:タウンムック増刊スーパービジュアルマガジン・
スタートレック大研究2
(昭和56年9月25日発行)】
もはや説明の必要も無い、名作SFテレビシリーズの代表的おもちゃですね

ちょっと調べてみましたが、この宇宙大作戦という番組
日本での第1シーズン第1話『光るめだま』放送日は
意外にも昭和44年の一昨日・4月27日でした。

なんとなく選んだおもちゃだったのですが、記念日がこんなに近かったとは。
放送は日本テレビ系、日曜午後4時から4時56分の枠。
こういう日曜夕方の海外ドラマタイムって、昔はよくありましたねー。
この時間枠の記憶にあるのは、父親が毎週『コンバット』を見ていたことくらいかな。
ビッグ・モローのファンだったんですよ。私はそうでもなかったですけど


私の場合、『宇宙大作戦』本放送鑑賞の記憶は薄いですが
名古屋では後年、平日夕方の4時から頻繁に再放送があったので
子どもの間では徐々に人気が沸騰し
学校が終わると速攻で帰宅、テレビにかじりつく同級生が増えました。

もちろん私もその一人で、しばらく友達の間では
何かと言うと眉を片方吊り上げ、妙に芝居がかって
「それは否・論理的ですね」(「否」を強調するのがポイント)
答える遊びが流行ったものです
吹き替え全盛期の他愛ない思い出。誰のセリフかは皆さんご存知でしょうけど

写真のおもちゃにお話を戻しますと
『宇宙大作戦』最大のキャラクターにして多くの物語の舞台、エンタープライズ号。
あまりに前衛的なそのデザインに、当時の日本のマスコミは当惑し
雑誌「ボーイズライフ」付録の図鑑で、写真を天地さかさまに載せてしまったなんて
伝説があったほどですが
後年、知り合いが持っていた図鑑の現物を見た時は
「どっかのライターが面白半分に流したデマじゃなかったのねー」なんて
ビックリしたものです


プラモは緑商会から数種出ていたようですが
貧乏でお小遣いも少なかった私には、キャラメル箱の50円版が精一杯でしたね
このamt社製は昭和58年発売で、昔のリベンジとばかりに求めた品ですが
パーツ色がアイボリーだった初版に対し、コレのパーツは水色なので
たぶん何度目かの再販でしょう。

まー私みたいなお気楽おもちゃ好きに、貴重な初版が回ってくるわけもなく
しかもスジ彫りが凸モールドなので、未だに組み立てられないていたらく
うーむ悲しい思い出ばっかりで、「長寿と繁栄」にはほど遠いですね


002_2

一枚目の写真をアップで撮ったコッチは
わりと近年、米国プレイメイツ社から発売されたおもちゃ。
今はEDIONになっちゃった、近所のトイ●らスで買いました。

最近流行りの、高額な超精密金属製プロップモデルよりも
気軽に振り回せるこの手の品の方が、気を遣わなくて良いんですよね。
高くて手が出せない負け惜しみという事は秘密です
電池で発光・音も出るなど機能満載、コレでキミもミスター加藤だッ
(口が裂けてもスールーとは言いません


光線銃は全て相手を殺傷するもの、攻撃兵器という先入観があった私にとって
「宇宙大作戦」劇中でのフェイザー運用方法は、実に新鮮でした。
相手の破壊殺傷はごく稀で、目盛りの調整によって気絶に留めたり
岩などを加熱して暖をとるなど、武器として以外の使用用途が非常に多くて。

それ以前に国内でも、少年活劇『まぼろし探偵』で
相手を殺傷せず痺れさすだけの「電波ピストル」なる銃が登場し
それを発明した博士を、主人公が賞賛する場面があったと記憶しています。
また同時期放送の『少年ジェット』でも、主人公が使う拳銃は
相手の命を奪わず痺れさすだけの「スーパーコルト」でした。
主人公が少年である事を配慮した設定である事も否めませんが
拳銃=殺しの道具という図式を破った、それら各作品共通の武器設定が
対立の平和的解決という作劇思想を非常に表していて、惹かれるところです。

そうした思想を大人向けSFドラマに持ち込み、説得力溢れる運用法を実現させた
「宇宙大作戦」スタッフの先進性には、今も感動を禁じえません。
一撃必殺、相手の破壊や殲滅のみを目的とした昨今のヒーロードラマに対し
和解という最終目標を根底に据えた「宇宙大作戦」の武器開発思想に
作品世界の広がりをより感じるのは、私だけでしょうか。

「銃を向け合うばかりが、対立の解決策ではない。」
そんな製作者ジーン・ロッデンベリーの願いが、このフェイザーには
込められている気もするんですね。
まー例によって思い入れの激しい、私ごときの独り言ですが

ですから今後、このおもちゃフェイザーの銃口を向けられたら
うーんやられたーと倒れるんじゃなく
しびれちゃったーとビリビリダンスを踊るのが
製作者に敬意を表した、フェイザー遊びの楽しみ方なのかもしれませんね。

街角で「うーやーたー」と叫ばれたら、ブラックデビルやレッドベアになりきって
あたりをハラホロヒレハレと転げまわる優しさで

(すいませんやっぱり昭和の日っぽく、世代限定ネタで締めちゃいました。
高田宗彦さんの熱狂的ファンなもので

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2014年4月21日 (月)

ジェームズ・ボンド’73

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いわずと知れた初代ボンドカー・アストンマーチンDB5。
英国コーギー製ミニカー。
昨日のミゼット記事で、手持ちのミニカー箱をガサゴソやっていたら
底の方から出てきました。

以前チラリとお見せしましたが、箱付きギミック全開のおひろめは
たぶん今回が初でしょう

購入は’78年。幼馴染と自転車を飛ばして向かった輸入ミニカーショップ。
定価1,500円は、当時の私には高額でしたが

1974年公開の『黄金銃を持つ男』が007初体験
次作1977年『私を愛したスパイ』ですっかり虜になり
立て続けにTV放送された旧作を録音(時代を感じさせますね)
テープが伸びるほど聴きまくって、すでに病こうこうだった私にとって
『コールドフィンガー』劇中ギミックを再現した本格ボンドカーの精密ミニカーは
とてつもなく魅力的に見えたのでした

前年から盛り上がっていたスーパーカーブームで
ミニカー収集に力が入っていた気分も、追い風となったのかもしれません。

いやーそれにしても、われながらよく残ってたなーしっかり箱ごと
全長約95mmですから、1/48スケールといったところでしょうか。
パッケージの記載によれば、発売は’73年。
本国コーギー製ならではのプロポーション、精密さに加え
バンパー・マシンガンや防弾シールドがボタン一つで飛び出し
タイヤに仕込まれたパンク装置、見にくいですが回転式ナンバープレートも装備。

これも見えませんが、ドライバーシートには我らがボンド氏が鎮座し
劇中でボンドのピンチを救った、天井が開いて助手席が飛び出す仕掛けも
ちゃんと再現されています。

飛び出すゴールドフィンガーの手下人形も、スペアが付いていて実に親切。
飛ばしまくって無くしても、コレなら安心というわけで

数あるボンドカー中、もっとも高い人気を誇るDB5。
まして劇中で活躍する様々な秘密装備は
子どもが喜ぶおもちゃには絶好のギミックでしたから
精密なミニカー以上に子ども用商品として、今も全世界で発売され続けていますね。
このコーギー社製も、ネット等でさまざまなサイズを見かけますが
購入当時、田舎暮らしの私の近所にはこの大きさしかありませんでした。
もっとも当時の仲間内で集めていたミニカーは、いわゆるトミカサイズと
ダイヤペットやソリドなど10cm程度の1/48が主流でしたから
ちょうど願ったり叶ったり、ストライクゾーンど真ん中のアイテムだったわけですが


前述の通り、当時は空前のスーパーカーブームでしたから
ランボルギーニやフェラーリ、ポルシェやロータスなど世界的名車のミニカーが
国内メーカーから続々とリリースされたおかげで
”カウンタックLP400対ディーノ246GT対ロータスヨーロッパ対マセラティ・ボーラ”
なんて、サーキットの狼並みに豪華なミニカー公道レースが
日夜、路地裏で繰り広げられていましたね。
もちろん私もDB5で参戦、秘密兵器使いまくりで遊んでましたが
ディスプレイ目的の精密モデルなのに、あんな過激な使い方をして
よく傷だらけになかったものです

でも偉いモノで、傷や塗装剥げの原因となるボディの耐性は
ダイヤペットなど国産品より、コーギーやソリドなど海外品の方が
よほど強かった印象がありますね。

長年の伝統を誇る海外ミニカーメーカーに、’70年代の国産メーカーは
技術力ではまだまだ劣っていたという事でしょうか。
今や精密度では世界に信用されるまでに成長した日本製品ですから
ミニカーの塗装クォリティも、当時に比べれば段違いでしょうけど


002_2

後年入手のCHRONO製・1/18サイズと並べて。
大サイズの前では、精密さで一歩も二歩も譲るコーギー製ですが
秘密兵器満載の魅力は、なんとも捨てがたいものがありますね。

実車を再現しただけのノーマルミニカーには無い、ファンタジックな魅力こそ
コーギー製最大の売りでしょう。
そういう意味で『超合金ボンドカー』のノリですね。コレは。
先日入手の逸品・ホバーパイルダーと並べても違和感無い所が
このスペシャルカーがSF世界の住民である事を、雄弁に物語っています

2014年2月17日 (月)

インディジョーンズ 近所の秘宝

Photo

またまたゲット。近所のオタクショップで。
スピルバーグ作品中、私的ベストシリーズの『インディジョーンズ』グッズ。
その中でも今回は、世界を股に駆ける冒険家のダンディズムを象徴する
劇中テイスト満点の懐中時計です。

文字盤の中心にはジョーンズのシンボル、帽子とムチに加え
彼唯一のウィークポイント、ヘビが描かれているんですよ。

嬉しいことに今回も、なぜか新品未開封。
まーTAITO製のプライズですから、寿命も大体予想できますが
雰囲気と時刻を確かめるだけならコレで充分。
なんたってとてつもなくお値打ち(言えないくらい恥ずかしい安値)でしたから
多少の時間の狂いもご愛嬌と、惚れた欲目で許せちゃいます

パッケージには2008年製とありますから
第4作『クリスタル・スカルの王国』公開当時のモノでしょう。
作中の時代設定が1950年代後半ですから、こういうレトロチックな小道具が
商品化されやすいところも、このシリーズの良い点ですね。
懐中時計なんか持ったことありませんが、インディ関係のアイテムなら大歓迎。
おもむろに懐から取り出し、パカっと蓋を開く瞬間
きっと私の頭には、ジョン・ウィリアムズの名調子が流れていることでしょう。


世紀の謎や秘宝を求め、人跡未踏の地に挑むインディのイメージで
今回の写真は、いつもの森の切り株バック。
やっぱり冒険の旅には、こういう未開の大自然が似合いますね。
ちなみにこの森にはホントに居るんですよ。彼の苦手なスネーク軍団が

2013年1月28日 (月)

崖っぷちのハアム

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ハアムちゃん、コレは船越さんでも片平さんでもないよとまずツッこんどいて

今回鑑賞予定のネヴュラ座名作劇場は
高所恐怖症の私には苦手な垂直俯瞰カットのつるべ打ちがサスペンスを盛り上げる
昨年の洋画話題作『崖っぷちの男』(アスガー・ベス監督)。

TVスポットや映画紹介番組でレビューされるたび
「何を言ってもネタバレになるので紹介しづらい」という触れ込みに
ぜひ見たいと待ち望んでいた一本でした。

で、皆さんやっぱり考える事は同じで
ついこの間ショップに並んだ途端、20本近い在庫が一瞬にして貸し出し中。
そして運良く先ほど、返却の瞬間に出くわしラッキーレンタル

普段は私、邦画・洋画を問わずどちらかと言えば旧作ファンで
ここまで立て続けに新作ばっかり見る事は無いんですが
なぜか最近は「新技返却張り込み」の効果か、新作レンタル成功率が高いです。
昨年末からの成功例は
『ダークナイト・ライジング』『アベンジャーズ』『ハンガーゲーム』『プロメテウス』と
なかなか好成績で

次は近日ショップに並ぶリメイク版『トータル・リコール』あたりを狙おうかと

で、この後睡魔に襲われなければ
ハアムを膝に置いて、おおー高いコワイ足元がモゾモゾするーと騒ぎながら
サム・ワーシントンと共に、崖っぷちを楽しんでこようと思っています。
ケージ三階からのジャンプ技を得意とする、わが家の仮面ライダーハアムには
高所恐怖症なんかきっと、どこ吹く風でしょうけど

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2013年1月25日 (金)

プロメハアム

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さあご覧の通り、やっとDVDレンタルできました。
話題のリドリー・スコット監督最新作『プロメテウス』。
ハアムは興奮を隠しきれず撮影中も動き回り、微妙にブレてますがお許し下さい

噂によれば本作は、かの宇宙大怪獣映画『エイリアン』の前日談とのことなので
わが家の怪獣おもちゃ・エイリちゃんもゲストにお迎えしました。
本人も久々のエイリムービーに、強酸性のよだれを飲み込み上映待ち

ストーリーはアレかな?宇宙貨物船に乗ったハムスターになんか張り付いて
取れたと思ったら、ほお袋からヘビみたいな怪物が飛び出すんでしょ?
で、どんどん大きくなって、最後は宇宙船を飲み込む巨大ハムスターに・・・

そんな大ボラ吹きまくりで、ハアムを怯えさせるイジワルな私。
今宵のネヴュラ座は、私とハアムを宇宙の彼方に連れて行ってくれそうです。
そこに待つのは謎か恐怖か。はたまた巨大ほお袋かっ!?
(早く見せろとハアムが急かすので、今日の日記はこんなところで

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2013年1月23日 (水)

發仔ラヴァーズ

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おっと朝からドヤ顔をキメるハアムの隣でベレッタを構えるのは
香港の小林旭にしてわれらが亜州影帝、チョウ・ユンファ!

かのジョン・ウー監督の名を世界に知らしめた
『男たちの挽歌(1986年香港)』マーク役、中盤のレストラン銃撃シーンVer.です。

未彩色のデフォルメソフビ、しかもこんなミニサイズながら
ツボを押さえたポージングがお気に入り。
モチーフとなったのは、ウー監督のトレードマークともなった
スローモーション・ガンアクション直前のポーズ。

さすがサム・ペキンパーを敬愛するウー監督、ノワール感覚に満ちたスロー演出に
当時の私は瞠目したものでした
"ベレッタ・ダンス"とでも呼びたい映像感覚は、後のジョン・ウー演出の基本にして
すでに完成形。

あの一連を超えるウーアクションは、私の中では未だ現れていません

そんな襲撃寸前の緊迫感を閉じ込めたこのミニソフビは、私の新たな宝物
実はこのソフビ、色々なグッズと詰め合わせされた『挽歌』セットの内の一つで
昨日いつもの買●王国でなんと280円という、激安アイテムでした。

セットの中身は、いずれ機会ありましたらおひろめしましょう

でもマークの隣って事は、ハアムはジャッキー役のエミリー・チュウ?
個人的には昨日の流れで、壇蜜さんでも似合いそうですけど

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2012年11月28日 (水)

邦画53本ハズレなし

皆さま昨日の誕生日は、メッセージやお祝いコメントなどありがとうございました
とはいえ、本人は地味~におとといから
HDDレコーダーに溜まったエアチェック作品を、DVD-Rへ移動作業
その作業もようやく、今朝早く終了。
内訳は映画53本、俳優インタビュー2本、スペシャル番組1本、トーク番組3本。
呆れた事に映画はぜんぶ旧作邦画で、古くは1953年の『もぐら横丁』
新しくても1968年の『闇を裂く一発』というアリサマ
最近の邦画専門チャンネルは、未ソフト化の貴重な作品が多いとはいえ
ここまで古い年代に偏るとは思いませんでした

名作、女性映画路線では
『こころ』(1955年)、『「廓」より 無法一代』(1957年)、
『日本橋』(1956年)、『夜の河』(1956年)、
『赤坂の姉妹より 夜の肌』(1960年)『ぼんち』(1960年)、
『家庭の事情』(1962年)、『「女の小箱」より 夫が見た』(1964年)、
『六條ゆきやま紬』(1965年)などなど
淡島千景から新珠三千代、山本富士子、高峰秀子ら目も眩む大女優による
知られざる作品のオンパレード。
某携帯会社のCMで、現在の若尾文子さんしか知らない若い世代には
『ぼんち』や『夫が見た』あたりで見せる当時の彼女の、匂い立つようなお色気など
及びもつかないでしょうねー

さらに昨年からの長期マイブーム、江波杏子姐さんの『女賭博師』シリーズも
これで全17作、無事コンプリート。

やっぱり素晴らしいわー昇り竜のお銀さんは。駄作が一本も無い所もお見事!
さらに江波姐さんが毛色の違う女賭博師に扮し、勝新太郎さんと堂々と渡り合う
女賭博師番外編とも言える『悪名一番勝負』(1969年)も、もちろん手中に

怪しい路線で有名の大蔵新東宝も、もっとも脂の乗ったこの時期は
1959年『裸女と殺人迷路』(めいろと書いてカスバと読ませるセンス!)をはじめ
1960年『地下帝国の死刑室』『爆弾を抱く女怪盗』『女死刑囚の脱獄』と
好事家をそそるタイトル以上に、高倉みゆきら怪女優の魅力が炸裂する大特集。
(同特集の『女獣』は以前DVDレンタルしたので、今回の録画は割愛)
とはいえ、本邦アクションノワールの歴史に残る大傑作『黄線地帯』
(1960年石井輝男監督)なんて
数えてもう何度目かわからないほどの、ワイドスクリーン版エアチェック。
当時の石井アクションの冴え、過剰なまでのセットの作りこみ
凝りに凝った照明効果で強調される陰影は
今回初となるHDの高画質を得て、より一層の輝きを見せるのでありました
やっぱり今見てもスゴイ!天知茂の頬のこけぶりも三原葉子のふっくらぶりも

その他思わぬ拾いものでは、大映の看板俳優・田宮二郎の”夜シリーズ”
『夜の配当』(1963年)や『勝負は夜つけろ』(1964年)が素晴らしい!
端正な顔立ちとシャープな体躯を武器に、時代を駆け抜けたこの名優と
肩を並べられる俳優は、現代ではちょっと見当たりません。

前述の天知茂とはまた違った意味で、どれほど笑顔が爽やかでも
その瞳の裏に横たわる「闇」に、生き様の深みが感じられる貴重な存在でした。
本人の悲劇的な最期も含め、伝説となってしまった人ですね。

他にも、エースの宍戸錠がギャング団を壊滅させるヒーローを演じた
『探偵事務所23 くたばれ悪党ども』(1963年)や
ダンプガイ二谷秀明が日本版007を気取った『アジア秘密警察』(1966年)など
日活アクションはもう、特撮ヒーロー物並みのお気楽スタンスで見られますが
和製ボンドも東宝が料理すると、三橋”ガス人間第1号”達也を主人公に
『国際秘密警察 指令第8号』あたりで、特撮風味がグッと増すから面白い。
妖艶なメイクでシナを作る水野久美さんは『マタンゴ』こそが唯一無二と
信じて疑わないお子ちゃまには、今作を見てひっくり返ってもらいたいものです


そんなこんなで古今東西、初見やお馴染みも含め
今回も多くの傑作邦画と出会いましたが
中でも別格と感じたのが、この二本。


『33号車応答なし』(1955年東宝 谷口千吉監督) 
『地方記者』(1962年東宝 丸山誠治監督)

超人的な活躍を見せる、浮世離れしたヒーローより
人間的な弱みを抱えつつ健気に張り切る主人公が、最近の私の好みなので
警官、地方紙の記者など、この二作でキメ細やかに描かれる出演者の心情は
派手さを押さえた静かな感動を、見る者に与えてくれます。
まーキャストが手練の「33号~」=志村喬、池部良コンビ
「地方~」=フランキー堺、白川由美の夫婦役と来れば
もう面白さは保証されたようなものですが

『地方記者』の完成度の高さは、未見の昔から文献で知ってはいましたが
『33号車応答なし』については今回、出会い頭の衝突鑑賞だったので
その衝撃はかなりのものでした。
日本にもまだまだありますねー。歴史に埋もれた名作、傑作、怪作の数々が。
こういう作品に出会えるから、邦画鑑賞はやめられません。


というわけで今夜は、今朝タイマー録画した
『にごりえ』(1953年松竹 今井正監督)に挑戦。
当時にしては珍しく、別ストーリーの三話で構成されている今作。
以前放送の際に三話目のラストだけ見て
そのクォリティの高さにビックリ、再見の機会を狙っておりました。
名匠・今井正監督なら、また酔わせてくれるんでしょうね。
「ハンカチを三枚ご用意下さい」という謳い文句は、こういう作品にこそ似合います

2012年11月17日 (土)

ウルトラマン対念仏の鉄

『恐怖の時間』(1964年東宝 岩内克己監督)。
先日、CSのチャンネルNECOでエアチェック、今夜じっくり鑑賞。

ウルトラ代表・黒部進氏と必殺代表・山崎努氏、夢の共演!
そして脇を固めるのは
志村”山根博士”喬、土屋”ガス人間”嘉男、小林”ムー皇帝”哲子、
富田”みんなでやりゃ何とかなる”仲次郎、田村”超兵器R1号”奈己、
山本”怪しい隣人”廉。いやホントなんですよこの豪華な面々

これだけの顔ぶれが勢揃いした画面なんて、ちょっと見られませんよ。
さらにラストを締めるのは
われらが加山”若大将”雄三、星”ディメンションタイド”由利子の大物コンビ!

庵野監督蒼白、ヱヴァQも裸足で逃げ出しそうな超豪華キャスト!
やっぱりウルトラと必殺のタッグは凄かったうまい!
まー実際には、二人は敵対関係なんですがあせあせ

ウルトラマン抜擢に先駆ける事2年、ハヤタ隊員以上にスレンダーかつ
シャープな体躯がセクシーそのものの黒部氏と
鉄よりむしろ『天国と地獄』犯人に通じる、屈折した青年の香りが濃厚な
山崎氏による、ヒーロー頂上決戦!

八つ裂き光輪対背骨折り!スペシウム光線対肋骨外し!
割って入るのはガス人間の首絞め攻撃!マンダの生贄にせよ攻撃!
中村作業係長のツルハシアタックか!イカルスのアロー光線か!
彼らの果てしない戦いは、血を吐きながら続けるマラソンでしかないのか!
’64年東宝オールスター連合軍の、大地を揺るがす一大攻防戦!
なんか大伴昌司氏企画、南村隆之氏作画の口絵みたいになってきましたがあせあせ


未見の方の為に、タイトル以外の中身は一切ネタバレしませんが
特撮・必殺ファンなら見て損の無い、なかなかの力作でした。
特にハヤタと鉄の睨み合いなんて、この作品でしか見られない快挙。
どっちの技が先に炸裂するか、気が気じゃありません→まだ言ってるあせあせ

こういう埋もれた傑作が見られるから、邦画チャンネルは侮れませんね。
ここ数日は他にも
『爆弾を抱く女怪盗』(1960年新東宝 土居通芳監督)
『探偵事務所23 くたばれ悪党ども』(1963年日活 鈴木清順監督)
『アジア秘密警察』(1966年日活 松尾昭典監督)

などなど、本邦アクション黄金時代、脂の乗り切った傑作、快作を軒並み鑑賞。
至福の夜を過ごしております。
ああ宍戸錠・星ナオミ唄う『♪六三年のダンディ』が、耳から離れない

2012年8月23日 (木)

健さん登場

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今日はお仕事の手配で街中へ。
その合間を縫って、待ちに待った高倉健主演作の前売り券を入手。

あさって8月25日より全国ロードショーの話題作『あなたへ』。
ここへ来てワイドショーやCM等、マスコミ露出も目立ってきましたから
ご興味がおありのない方でも、タイトルはご存知でしょう。
数々の名作で健さんとタッグを組んだ名匠・降旗康男監督の最新作でもある今作は
私の中でこの夏、どんな話題作よりも期待していました


お恥ずかしい話、これまで降旗作品の劇場鑑賞は一度も無い私。
若々しい才気に満ちた、デビュー当時の東映任侠路線から
極上の吟醸酒のごとき円熟味を見せる、近年の人間ドラマまで
DVDからCSチャンネルなどなど、できる限り追いかけて
その魅力に酔わされる事数年。
そしてついに、待望の新作を封切りで鑑賞できる機会がやってきました。
新藤兼人監督亡き今、安定した力量でコク深い大人のドラマを見せられる
数少ない本物の活動屋ですよ。降旗監督は。

降旗作品にハズレなし。前売り購入にもためらいは皆無です

以前はコンビニ等でも容易に入手できた、この写真印刷タイプの前売り券ですが
最近は劇場まで行かなければ手に入らず、少々煩わしい思いです。
でも昔からの映画好きにとって、半券は映画鑑賞の何よりの記念ですから
コンビニの無機質な打ち出し式チケットでは、やっぱり今ひとつ。
そういう意味では、前売り券だけの為にわざわざ劇場まで足を運ぶ苦労も
封切り鑑賞気分の盛り上げには、丁度良いかもしれませんね。

昔の悪い癖で、チラシや関連資料もいっぱいもらってきちゃったし
でも製作・配給が東宝とはいえ
健さんストラップやゴジ健くんソフビみたいな、前売り特典はなかったですが


こうやって前売り券を握り締め、封切り日を指折り待つのが
映画ファンに与えられた、何よりの楽しみなんですよねー
初めて目にする健さんに、ハアムもちょっとビックリぎみ。
このシブさが分からないようじゃ、キミもまだまだ青いねえなんて言いながら
鑑賞当日を楽しみにしています

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2012年4月19日 (木)

ダンディ専科の小道具さ。

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今月17日の発売以来、007ファンやミニカーコレクターの間で話題沸騰の
サントリーBOSS・JAMES BOND COLLECTION。

缶コーヒー・BOSSホワイトプレッソに、007シリーズで活躍した兵器フィギュアを
オマケした、コンビニ限定企画だそうです。

すでにゲットされたお仲間も多く、あちこちのブログで写真が公開されているので
ご覧になった方もいらっしゃるとは思います

いにしえのオタク番組『カルトQ』の007大会選手募集に応募を考えたほど
ボンド好きの私ですから、こんなおいしいニュースは放っておけず。
とはいえ、例によって貧乏な上
知識も思い入れも、コネリー=ボンド時代に極めて偏っているので
入手アイテムも写真の、アストンマーチンDB5大小のみ。

大富豪マニア諸氏の全種コンプリートにはかないませんから
第10作『私を愛したスパイ』公開時に入手した復刻チラシコレクションをあしらい
DB5が活躍したコネリー作品をベースに、新入荷のミニカーを置いてみました。


今回のラインナップは、大小合わせて15アイテムもあるのですが
さすがボンドカーを代表するDB5。両サイズともしっかりモデル化されていて
オールドファンには嬉しい限り。
中央のミドルサイズは二缶用、右のミニサイズは一缶用。
どちらもダイキャスト製のプルバックカーです。


サイズ比較用に置いた一番左の一台は、お好きな方ならお察しの通り
1973年発売のイギリス・コーギー製ミニカー。

確か’78年ごろに購入、当時遊び倒したにも関わらず
奇跡的に、箱ごと残ってました
発売後40年近くを経て、こんな出来の良いミニカーが
缶コーヒーのオマケになるなんて、当時は想像だにしなかったなー

でも面白いもので、今回のサントリー版DB5をコーギー製の当時物と較べると
プロポーション、ディテール共に、現代風なスマートアレンジが加えられていて
実車という正解を持つはずのカーモデルにも、作風に時代が反映されている事が
よく分かります。

このあたりは、ガンプラのプロポーション変遷に似たものを感じますね。
MSV当時は、いかにもズングリ体型だったMS-06Rが
MGあたりになると、見間違えるようなスレンダープロポーションになっていて
「ホントにコレが同じMS?」なんて驚いちゃう感覚に、近いものがあります


とはいえどちらにも、独自の魅力がある事は間違いないですから
あとは好みなんでしょうね。
DB5に関して言えば、私はコーギー版より、シャープなサントリー版が好みかな。
劇中の実車よりもかなりスレンダーに見えますが、実車は実車、コレはコレ


DB5の出演作と言えば
シリーズ第三作『ゴールドフィンガー』を連想される方がほとんどですが
後期作品へのカメオ出演的登場を除けば
正式なボンドカーとしての出演は、第四作『サンダーボール作戦』も挙げたいところ。
作品のアバンタイトルで、ジャック・ブバール大佐の葬儀場から逃亡する
ボンド氏の華麗なる活躍を成功させ
続く水中オープニングへと、見る者のイメージをスムーズに繋げたのは
あのDB5の、秘密装備あったればこそですから
 

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