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2009年12月19日 (土)

ムーブな毎日

やっと一段落つきました。HDDレコーダーに録り溜めた番組の
『DVD-Rへの移動』。

この『移動』という概念が、当初はどうしてもわからなくて。
なんでも専門用語では『ムーブ』と言うそうで。おバカが出ちゃいますねーcoldsweats01
DVD-Rに『移動』した途端にHDDから番組データが消えた時は
軽いショックが。「おおー」なんて唸っちゃってshock



『移動』を余儀なくされたのは、先日のケーブルテレビチューナー変更の為。
チューナーがアナログからデジタルに変わったもんですから
チューナーを通して録画した番組は全部『コピーワンス』になっちゃって。


『コピーワンス』。この「一回だけコピーできますよ機能」という概念。
チューナー取替えの際、担当スタッフに何度も確認したんですが
いざ自分でやってみないと、なかなか理解できないものですねえ。
まーほとんどの方はご存知でしょうが、例えば放送番組をHDDレコーダーに
『録画』すると、これがすでに
『一回目のコピー』となっちゃって
もうそれ以上は一切、DVDなど外部メディアへのコピーが出来ないという。

アナログ放送のような『HDDに録り溜め→DVDにコピーして保存』という
当たり前のやり方が通用しないという不思議coldsweats01


うーむ一種のコピーガードですね。私と一緒でガードが固い。
多少は隙を作らないと男にモテないよなんて言われた過去を
こんな時に思い出すとは。隙があってもモテませんがcrying

いかにテレビ業界に身を置いていても、こういう放送方式については
まるで素人ですから、まったくどういうカラクリなのか
謎と恐怖を呼ぶ、「光る通り魔」のような展開shock
末代まで祟るおバカな頭ゆえ、この概念を理解するまでに
ケーブルテレビ会社からレコーダーのメーカーまで
鬼のように電話をかけまくらなければならないのでしたcoldsweats01


で、やりとりの中でようやく理解できたのが
「デジタルチューナー→HDDレコーダーにコピーした番組は
DVD-R等の別メディアへは『移動』しか出来ない」
「その場合、デジタル放送対応(CPRMと言うそうです)のDVD-Rが必要」
「レコーダーからDVD-Rへの『移動』操作は、極めて特殊で煩雑」

この三点でした。


それを早く教えてくれなきゃ!それまでDVD-Rがデジタル対応かどうかなんて
考えたことも無かったですから、ウチの在庫は全部非対応というていたらくweep
何度試してもエラーが出るわけですよwobbly
まー100枚980円の超特価DVDでしたから、多くは望めませんでしたがcoldsweats01
第一、CPRMなんて初めて聞きましたよ。ミサイルかなんかですか?
とにかくあわてて近所のパソコンショップで対応DVDを購入、数回の失敗の末
ようやく『移動』の何たるかが理解できた、というわけです。


そりゃレコーダーの説明書をよく読めば、そういう事も書いてはありますが
ネットショップの会員登録規約と同じで、全部は読めないですよ。
特に私のような機械音痴(死語かなcoldsweats01)なんて、読んだってわかんないしweep
目的のたびに「お問い合わせダイヤル」のお世話になるのが、一番の近道です。


でも本当に「移動操作の煩雑さ」には参りましたねーweep
レコーダーが古い機種のせいもありますが、メーカー担当者さえ
「ちょっとお待ち下さい」「いやそのルートからでは移動へはたどり着けません」
なーんて指示の連続でcoldsweats01

いやーまさか移動操作へたどり着くまでに、こんなにも色々なルートを
経なければならないとは思いませんでした。
それはまさに、香港の下町を逃げる泥棒を追いかけるような難しさweep
操作をわざと煩雑にしているようにしか思えません。
第一『移動』の項目が『ダビング』という大項目の中に隠れているのが
納得できない。これじゃ見つからないわけですよ。全然別の概念なのにsad


まー百戦錬磨の読者の皆さんですから、こんな事は先刻ご存知でしょうね。
時代遅れのオタクゆえ、こんな基礎に戸惑っちゃうのが恥ずかしいですcoldsweats01
愚痴ばっかりでごめんなさい。ホントに機械に弱いんですよ私。
こんなおバカがなんでブログを書けるのか、自分でも不思議ですがcrying

ともあれこれで何とかやりかたを覚え、連日、少しずつの作業により
パンク寸前のHDDに詰め込まれた番組を
DVDへ「避難」させることに成功しました。その枚数、約40枚cd

数十本に及ぶ番組の余計なCMをチャプター分割、作品のみを切り出すのも
大変でしたが、再生開始と共にオープニングがきれいに始まる様は
さながらセルDVDを入手したかのような満足感。地道な苦労も報われたと。
しかもそれが未ソフト化の作品なら、喜びもひとしおですhappy02


で今、DVD-Rに移動させた大切な財産の中で
もっとも鑑賞頻度が高い番組が、現在、日テレプラスで放送中のこちら。

残念ながら3話ほど録り逃しましたが、今日現在で31話までが終了しました。
いやーやっぱり’70年代の刑事ドラマは熱いわー。こういうドラマを見ると
今の刑事ドラマがつくづく「会話劇」に見えますねー。
「名ゼリフを言った者勝ち」みたいな。

この頃の刑事ドラマは「頭より体」ですもんね。アクションの切れも映画並みでhappy02
以前も言いましたが私は「太陽にほえろ!」よりも断然コッチ派なんですよ。
昔は優作命でしたが、今見ると、優作を上回る渡哲也の存在感が圧倒的。
ドラマの密度も、近作に較べ数倍充実していると思います。


特にこの第3話「白昼の狂騒」は、怪優・三上寛のスーパーアクトに加え
東京タワーを舞台にした、ラストのスペクタクルアクションが素晴らしいlovely
空撮カットなどをネヴュラ座46インチで見ると、もう映画ですよ映画movie
最近は脳内に「ひとり」が鳴りっ放し。
こんな黒岩デカ長みたいな野生的な男性、今は居ないなーweep


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2009年12月18日 (金)

導火線の届かぬ花火

今回のお話は、書くのをホントに迷いました。
17日のレディースデイに、現在劇場公開中の新作映画を観て来たんですが
コレがもう・・・crying

あまりの辛さに、ちょっと立ち直れなくてweep
今は何を書いても苦言になっちゃうので
しばらく頭を冷ましてからにしようと思ったんですが
そうすると永遠に機会を逃しちゃいそうなので、あえて今日お話しますcoldsweats01


作品名は伏せますが、読者の皆さんならすぐお察し頂けるでしょう。
私が観に行くジャンルの作品ですし、この年末の目玉の一本でもありますし。


でも鑑賞前は私も、それなりに期待はしていたんですよ。
世代人には今も絶対の集客力を誇り、実写版も予定されるビッグタイトルアニメ。
35年前のテレビ版第一シリーズは「ハイジ」や「猿の軍団」を差し置いて
本放送第1話からフォロー、最終回までつきあった過去がありますし
再編集版の劇場用第一作も、意気込んで行った世代ですしね。

ですから今回の新作も、期待しないわけがないと。




さて。作品名は伏せてはいても、今回のお話はけっこうネタバレを含みます。
ですから前文で作品をお察しの方は、なにとぞご注意下さい。

誤解を避ける為に最初に申し上げますが、ネット感想によくある
CG描写やキャラデザイン、声優さんの違和感は
私にはまったくありませんでした。
昨今の劇場作品のクオリティーからすれば目立つ、作画の甘さもご愛嬌。
大人の裏事情からすれば健闘していて、微笑ましいほどだったのです。
主題歌の軽さもまあ、これが現代の作品かなと納得できましたし。


いつも言いますが、何よりもまず
この作品が現実に制作されているという事実だけで
まずそれを実現させた制作者のご努力には、感服せざるをえないのです。
企画から上映までの気の遠くなるような道のりの大変さ
それを実現させるにはいかに情熱が必要かということは
痛いほどよく分かるつもりですから。


でもそれとは別に、好みというモノサシで見た時
この作品は、私に限りなく「NO!」を突きつけます。

この作品をご覧になって「アリ」と感じられた方々とは
私は完全に、感性がズレている。

ですから私の感想は、かえっておかしいのかもしれません。



鑑賞中から感じていたことですが。
この作品にはもっとも肝心な、ドラマの盛り上げが足りません。

そう書いちゃうと語弊があるかもしれませんから言い直せば
「ドラマというものを、あまりに軽く見すぎている」とでも言えばいいでしょうか。



全ての映像作品に共通する「感情の操作方法」みたいなものがあります。
一つの例を挙げれば「犬の死が悲しい」というドラマを作るためには
まずドラマ上で「観客とその犬を親しくさせておく」必要があるわけです。
観客に感情移入をさせるだけさせておいて、その頂点で不幸に見舞われるから
観客は命を失い行く犬を見て、涙を絞るわけです。
つまり登場キャラクターの「掘り下げ」が、ドラマに深みを与えるんですね。


また「勝利のカタルシス」を観客に感じさせる為には
主人公は敵から徹底的に叩かれ、敗北ギリギリの所で起死回生の反撃を行う。
それが鮮やかに決まれば決まるほど、観客の脳内アドレナリン分泌は増え
鑑賞後の喝采に繋がるわけです。
この場合、敗北一歩手前からの勝利という「ドラマの起伏、感情のギャップ」が
観客に爽快感を与える。
負けていれば負けているほど、逆転勝利のカタルシスは大きいと。
最初から勝利が確定した戦いでは、観客は感動しないんですね。

バトルストーリーにとどまらず、ラブストーリーからコメディに至るまで
全てのドラマ制作者は
「いかに登場キャラクターに観客を感情移入させ、
敗北⇔勝利などドラマ上の起伏を大きくするか」
という部分が
ドラマの肝、最大限のテクニックを要するところなのです。


意外に思われるかもしれませんが、それはバラエティーやドキュメンタリーに
おいてさえ、例外ではありません。
観客の及ばぬレベルで周到に計算された演出の力学は、共通しているのです。
キャラクター設定や物語展開も、全てこの「感情の操作」の為に行われます。
この基本を抜きにして語れる映像作品は、環境ビデオと報道だけでしょう。
いや。報道番組さえ制作側の情報操作によって成り立っているわけですから
決して盲目的に受け取れないことは、皆さんもご存知でしょうね。


結論を言えば。この手腕の是非が、そのまま映像作品の優劣に繋がります。

で、今回鑑賞した作品の場合、一言で言ってしまえば
「感情の起伏を想起させるキャラクターの掘り下げは甘く
ドラマの山は低く、谷は浅い」
としか表現しようがありません。


手垢のついた言い方になってしまいますが
「あえて感情操作を廃した演出を試みているのでは?」
とでも勘ぐりたくなるような作品に見えてしまったのです。

ここでは分かりやすいように数値化してみますと。
Aというキャラクターが居て、彼が特攻して命を散らすシーン。
(ご覧になった方はお分かりですよね)
これは前述の「犬」の場合に当てはまりますが
「死」がもたらす感情移入レベルを100とした場合、Aというキャラクターは
それまで、感情移入レベルが20くらいの扱いだったわけです。
その彼がいきなり「俺が行かないと」みたいな見せ場を作って
誰が見ても生還できない状態で特攻してしまう。

そこまでに、観客の感情移入を80くらいまでに上げておいてくれれば
「死」という大変なドラマがもっともっと、観客の心に響いたはずなのです。
ところが彼は「20」のまま、命を散らしてしまった。

彼はまぎれもなく、メインキャラクターの筈なのに。


またケースは違いますが、こんなシーンもあります。
主人公が、自分の娘を助け出す一幕。
娘は他の多くの仲間と一緒に、嵐の中輸送機で施設からの脱出を図ります。
不慮の事故で輸送機は不時着。主人公は一人、娘の救出に向かいます。

そしてあろうことか。輸送機の残骸の下から、娘一人のみを救出し
彼女に「命を粗末にするな」と言い放つのです。
同機に乗っていた他の被害者の探索、救出など忘れているかのように。
目の前の残骸の下に居るかもしれないんですよ。まだまだ怪我人が。
で案の定、娘だけを自機に乗せて飛び去る。

この主人公がいくら「地球を守る」と豪語しても、私は唖然とするばかりで。
これなんかは「キャラクターの分裂現象」ですね。キャラの主義に一貫性がない。
ですから観客は迷っちゃうわけです。このキャラに付いていって良いのかどうか。
何かとんでもなく異端の思想を押し付けられそうで、怖くなっちゃうんですよshock


せっかく盛り上がりそうな「敗北ギリギリ→起死回生の勝利」というシーンも
悲しいほどに、感情移入がスポイルされています。
例の「6連発」だって「撃った直後にワープで逃げる事は?」
「いや撃った直後はエネルギーがゼロに。どうします艦長!」
的な駆け引き、そして「いつもの演説」があってもよかったのに。

勝算を残さず特攻を仕掛けるのは、先代艦長の意に反するとしか思えないし。
第一、「命を粗末にしている」のは自分じゃないですかweep


観客はCGで描かれる戦闘シーンの「絵」に感動するわけじゃありません。
CGの戦艦や戦闘機に、愛するキャラクターが乗っているさまを想像して
その活躍やピンチに一喜一憂するわけです。
それこそが「ドラマ」だと思うのですが、いかがでしょうか?


演出の基本を知る人間にとって目を背けたくなるシーンは
他にも山ほどあります。
主役戦艦建造の理由や「お披露目」の演出。導入部最大の見せ場でしょうに。
あの女性医師のゴーグルの理由。もっと盛り上げようがあったでしょうにsad
これらは「ツッこみどころ」なんて可愛いレベルではなく
映像演出の根幹を揺るがす一大事なのです。


ラストシーンだって、あの第三艦橋で終わる必然はあるんでしょうか?
笑顔で労をねぎらいあうクルー達に、違和感を覚えたのは私だけでしょうか?
あそこで一言、主人公の悲痛な声を聞きたくありませんでしたか?
それこそがごく普通の人間の心理、感情というものなのではないでしょうか。


全てのドラマ的要素を掘り下げず、おいしいところを一つも活かしていない。
良い伏線はいっぱいあるんですよ。私も最初はワクワクしていたんですが
観客の感情をへし折る場面が多すぎて、いちいち覚えていられないほど。
あまりの落胆ゆえ、事実誤認等ありましたらお詫び致しますがcoldsweats01

もし、このドラマを見て「感動した」という意見が世間の大半を占めたなら。
私は演出業を辞するかもしれません。
自らの感覚が明らかに時代に乗り遅れているという、力なき笑いと共に。


適切な言い方かどうかはわかりませんが、特撮ファンの読者なら
「さよならジュピター」鑑賞後のショックとでも申し上げれば
私の落胆を、お察し頂けるかもしれませんね。

お恥ずかしいお話、私も「ジュピター」を劇場鑑賞したんですよ。封切当時。
鑑賞直後の帰り道、同行した特撮ファンの友人が
「ジュピター」の話題に一切触れなかった記憶が
走馬灯のように蘇ってきますweep

確かに映像はよく出来ていますし、制作者の作品への愛も伝わってきます。
でも「愛」と「努力」は別物なのです。
「人間的に良質な制作者が良い作品を生むとは、決して限らない」
職場の先輩から聞いたこの言葉が、耳に響きます。

好きなら良い作品が出来るわけじゃない。作品に寄与するのは
もっと現実的な、ドラマを作ろうとする現場の努力なんです。


今回のお話を苦言と捉えられた方がいらっしゃいましたら、申し訳ありません。
ただ言い訳めいた表現になりますが、これは苦言と言うよりも
私が信じていた映像演出の基本を撃ち砕かれた悔しさ、悲しさなのです。

この悔しさを、どこへぶつければいいのかが分からない。
同業者ゆえのはがゆさと言うか。
ですからちょっと、ご理解頂けないかもしれません。
なまじ伏線は良かっただけに、その悔しさは余計に強いのです。

「途中で切れている何十本もの導火線の向こうに
きっと美しいであろう花火が、点火されずに見えている」感が、ものすごく強い。


「こんなに凄い花火を用意しながら、なぜ導火線が届いていないの?」

と聞いたら、花火師は何と答えるのでしょうか?
「「愛」で花火を仕込んだんだけど、導火線を作る「努力」が足りなかった」とか?
現場の立場からすれば、それも痛いほどよくわかります。
むしろ、そういう局面の方が多い。
でも。もっと努力しなければ。
作品を作るには愛だけでは足りない事を、もっともっと理解しなければ。


でなければ、波動砲が泣きます。
数々の名場面を生み、人類の未来を切り開いてきたあの波動砲がweep

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2009年12月11日 (金)

ノルウェイのめまい

このニュース。

ノルウェー北部でUFO騒ぎ、正体はロシアのミサイル発射実験失敗
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2673436/5022601



お昼の情報番組で紹介された映像を一本、貼ってみました。



まー光の正体は、ロシア海軍が発射実験に失敗した
弾道ミサイルだったそうですが

ミサイル開発の是非はともかく、神秘的な映像ですよねほっとした顔
おバカとはいえ私も、ヒーロー考案に明け暮れるオタクですから
こういう夜空のイベントには、目がないんです。

個人的にはやっぱりUFOと言うか「空飛ぶ円盤」であって欲しかったですねー。
大伴昌司世代としてはうれしい顔



ただ私はこの映像を見て、瞬時にこれを思い出しましたが。



ご存知、世界の巨匠の名を欲しいままにし
映像作家として私が最も敬愛するアルフレッド・ヒッチコック監督の
「めまい」(1958年)オープニング・タイトルです。
この作品について語ると止まらないので自粛しますがあせあせ
もうどこから切ってもヒッチコック印のこの作品。
ごらんのタイトルをデザインしたソール・バスは
ヒッチの代表作「サイコ」(1960年)に於ける「シャワールームの殺人」シーンの
絵コンテを手掛けた事でも、有名ですよね。
あの場面が、公開後半世紀を経た今も映画青年の血を躍らせる
カット割りの教科書となったことは、変えようのない事実です。


なーんてお話をしていたら、その場面を見たくなってしまいましたうれしい顔



2分55秒あたり、排水口からジャネット・リーの目へとオーバーラップする
カットワークのセンスには
確かに、ソール・バスの映像感覚を想起させる部分がありますね。
きっと「回転運動を伴う円」というイメージが
前述の「めまい」のタイトルと共通しているからでしょう。


そんな強烈なイメージを感じる、ノルウェイの映像。
きっと銀河の果てには、ソール・バスのようなデザイナーが居るのでしょう。
その彼も、夜空から重々しく頷いているでしょうね。
「地球にも私のような、天才が居たのか」なんてうれしい顔

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2009年11月30日 (月)

世界沈没ライド

11月26日の木曜日。名古屋の映画館は女性1,000円のレディースデイheart04
歩く貧乏の私は待ってましたとばかりに、三時間を投じて観てまいりました。
ご存知ドイツが誇るオタク監督、ローランド・エメリッヒ最新作『2012』。


Photo_2











しかしまーコレ、何と言うか・・・coldsweats01coldsweats01coldsweats01
いやとにかくスゴい映画でした。いろんな意味で。

たぶん、小学校六年生の時にこの作品を観ていたら
そのあまりの迫力に、トラウマムービーとなっていたでしょう。
でもその30年後、もし何かの偶然でリバイバル公開されたら
それを観た私は、まちがいなくつぶやいたと思います。
「こんなんだったかなあ。」
一言で言えば、そういう映画ですhappy01

ここ数日、作品をご覧になった方々のブログ等を
つらつらと眺めていましたが、ほとんどの方が同じ感想でした。

曰く『映像はすごいけど、ドラマはスカスカ。』

映像の迫力に圧倒された方は、ドラマの空虚さには目が行かず
逆にドラマ重視の方は、映像にリアリティーを感じない。
映像とドラマのバランスの悪さが、評価を真っ二つに分けているわけです。


まーあの『インデペンデンス・デイ』『デイ・アフター・トゥモロー』
そして驚異の問題作『GODZILLA』をモノにしたエメリッヒですから
その作風も推して知るべし。
未見の方、あなたのご想像通りのテイストです。1ミリのズレもありませんhappy01
そういう意味では安心して見られる「エメリッヒチャンピオンまつり」。
ディザスタームービー界の007と思えるほど、定番演出の幕の内弁当ですhappy01



いや実際、私も多くは望んではいなかったんですよ。
誰も『スター・ウォーズ』に『日本沈没』のシリアスさを求めていないのと同じで

「いやー毎度のエメリッヒ劇場、今回は世界の終末だってhappy01
エメリッヒ、どんな豪快な地割れを見せてくれるんだろう」
程度のアミューズメント感覚で、スクリーンに向かったんです。

で、やっぱり眼前に展開されるのは、ハデハデな破壊絵巻と
小ネタ的「ちょっといい話」の繰り返し。

まーコレがエメリッヒの芸風と言えば、間違いないんですが・・・

どーも過去のエメリッヒ節に比べ、ドラマ部分の浮き加減が尋常じゃない。
ジェフ・ゴールドブラムとウィル・スミスの昔から、延々と繰り返される
「地球の危機なのに本気か冗談なのか分からない掛け合い」テイストも健在だし
ドラマに反して、破壊のリアリティーに異常な執着を見せるエメリッヒの
侠気に惚れたSFXスタッフが魂を込めた「ちょっと重い画面作り」もイイ感じで
「そうそう、エメリッヒはコレじゃなきゃ」なーんて感動もあったんですよ。
最初の内は。
でもだんだん醒めてくる。どーしても乗り切れない。
私もついに、この手の大ウソ映画を素直に楽しめない年になっちゃったのかと
ちょっと寂しくもあったりしてweep

(鑑賞日翌日の11月27日が誕生日だったのも、年を感じた一因でしたがcoldsweats01



で、ですね。
もうこのまま一日続くんじゃないかと思うほど長いエンドロールを見送って
パンフを買う気にもならず、暗澹たる気分で劇場を後にしたわけですが
その後、いろいろ考えてみますと
どうやら私が受けた感覚は、まんざら的外れでもないような気がしてきました。


まー私ごときの印象ですから、映画というものを知り尽くした識者の皆さんからは
鼻で笑われるようなものですが、もしよろしければお聞き下さい。
なお例によって、ストーリーの解説等は一切行いません。

ご興味をお持ちの方は、コチラのオフィシャルサイトをご覧下さい。

http://www.sonypictures.jp/movies/2012/

あらすじはコチラで。
http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tydt/id332430/

Photo_2











まず分かりやすく、ドラマ部分のお話からしてみましょう。
そこからちょっと専門的な、プロット技術やカメラワークについての
私見をつらつらと。


『インデペンデンス・デイ』が東宝映画『地球防衛軍』のアメリカ版ならば
『2012』は『日本沈没』(もちろん樋口真嗣先生の方ね)のテイスト。
あの大傑作、森谷司郎監督版には遠く及びません。

あくまで感想ですよ。好き嫌いですからご立腹なさらぬようhappy01


まーですから要は『世界沈没』ですよ。邦題を付ければ。
地球全体をアミューズメントパーク化した
超大スケールのジェットコースター・ムービーというわけです。

「足元の大地が次々と沈没していくから、沈んでいないところへ逃げろ逃げろ」
この一言で、上映時間158分の内容が全て語れてしまうというhappy01



地球が絶滅するほどの危機を迎えているというのに
なぜこんな、お気楽な印象を与えてしまうのでしょうか。

それがこの『2012』の最大のウイークポイントであり
今ひとつ、エメリッヒの演出意図を図りきれないところなんですよね。

ものすごくザックリと言ってしまえば、樋口版『日本沈没』で揶揄された
「小野寺ワープ」(沈没のパニックで国内中の移動手段が分断されている時に
主人公の小野寺さんだけが実にスムーズに、被災地や玲子さんの行き先に
顔を出せるという素晴らしい演出)を、ムリヤリ回避したら
こうなっちゃった、という事です。

『2012』では、主人公たちは意地でもhappy01「ワープ」せず
(驚異の偶然で)見つけた移動手段で、地殻変動現場からの脱出を
図るんですが
主人公の災害回避テクニックが、ジェームズ・ボンドか
インディ・ジョーンズ以上の「ありえなさ」なんですよねcoldsweats01

最初は「危ない危ない」とハラハラしていても、途中からは
「ああこの作品はそういう世界観なのね」と醒めてしまう。


ホラあれですよ。『インデペンデンス・デイ』に於ける宇宙人からの第一波攻撃。
ホワイトハウス襲撃の際に、大統領と主人公らを乗せた大統領機が
爆発で迫る炎から、間一髪で逃げ切るカットがあったでしょ。

観客誰もが「あーよかった」って、胸を撫で下ろす場面でした。
『2012』の危機回避パターンはほぼ、あのカットのバリエーションなんです。
もちろんシチュエーションによって異なりますが、基本的な発想は同じ。
しかも逃げる手段は飛行機や車なので、どうやっても「あのカット」に似てしまう。
さらに前述の通り、主人公の操縦テクが半端じゃないですから
「アンタその腕でガンダム操縦したら、シャアのジオングだって沈められるよ」
なーんて、少々退いちゃうんですよね。
しかも運の良さだって尋常じゃありませんから、もう鬼に金棒。
スコープドッグSTTCを駆る異能者キリコ・キュービィーにも迫る無敵ぶりでhappy01


そういう世界観ですから、観ている方も辛いですね。
いやスピルバーグ並みに、危機回避の演出にバリエーションがあれば
まだ観られるんですが、毎回同じでは。
二度目の飛行機脱出が出て来た時は正直、席を立とうかと思いましたweep

でも「ここまでつき合ったんだから、見届けてあげなきゃ」と
片手でスカートの裾を引っ張って、何とか席を離れず158分。
最後の方は画面にも集中できず、この後何を食べようかとか
今夜日テレプラスで放送の「大都会PARTⅡ」の松田優作はとか
関係無いことばかりに気が行っちゃってcoldsweats01

Photo_4











うーむでもなぜ、今までエメリッヒ印として楽しみにはすれど
さほど鼻にも付かなかった定番演出が、今回はこれほど辛いのか。
おバカな頭でよーく考えてみますと、どうやらその辛さには




そもそものプロット上一つ。
そこから導き出される
演出プランで一つ。
さらに、
画面構成上で一つの要因があることに行き着いたんです。



まず最初の「そもそものプロット」について。
ちょっとネタバレになっちゃいますが、この『2012』のプロットは
地球に降り注ぐ太陽ニュートリノが地球の核を加熱し
地球上の大陸が大幅な異動や沈没、隆起を繰り返すというお話なんです。
(こうやって書くと、ホントに『日本沈没』の拡大版ですねcoldsweats01
で、ここが重要なんですが、その世界観で起きるどんな大災害も
『大地震や大陥没、津波』以上のものではないんですよ。

要は規模は小さくても、我々はその手の災害を日夜、経験しているわけで。
つまり災害のジャンルだけ捉えれば、さほど目新しくはないんですよ。

月の裏側から巨大な円盤が飛来したり、マンハッタンに大トカゲが
出現したりする、『ほぼあり得ない事件』じゃないわけです。


例えば『インデペンデンス・デイ』や『GODZILLA』であれば
私たちは『アイディー星人』coldsweats01や『ゴッドジラ』coldsweats01の動向に加え
その驚異に対する人類のアプローチというプロット上の仕掛けが
最大の関心事ですよね。

つまり「この円盤は人類の敵か味方か?」
「人類はこの巨大トカゲをどうやって倒すのか?」という形で
ストーリーに引っ張られる。登場する敵キャラに興味を持つわけです。
何しろ未知の存在ですから、何をするか分かりませんからね。
その結果「ノーピース、ダーイ」と言われるから、燃える展開にもなるわけでhappy01

ところが『2012』に於ける「敵」とは、私たちが見慣れている
天変地異の、拡大版以上のなにものでもない訳です。
確かに誰も見たことがない、ものすごい映像なんですが
それは何となく「予想できてしまう絵」なんですよ。

ですから世界最大の危機と言われても、『凄い』けど『意外性は無い』わけです。
それを延々と見せられても、想像を超えた驚きには結びつかない。

結末は「この大災害から、主人公が逃げ切れるかどうか」の一点のみで
前述の二作品にあった「敵がどう倒されるか」という非常に魅力的なファクターが
見事に欠落しているわけですね。


そのプロット上の差が、観客の興味を最後まで惹きつけられない
非常に大きな要因と思います。
それに加えて私が感じた「主人公のあまりの超人性」があるので
「コリャ地球が真っ二つになっても、この人は助かるよね。
そういう世界観だもん」となってしまう。
最後まで観なくても、結末が読めてしまうんですね。


「いや、全てのヒーロームービーってそういうものでしょ。
そこを否定してしまうと、作品が成り立たなくなっちゃうよ。」

というご意見もありますよね。そりゃそうです。
要は「見せ方」なんでしょうね。「観客への納得のさせ方」と言うか。
『ダイ・ハード』でも、ジョン・マクレーンはその名の通り「ダイ・ハードマン」ですが
その不死身ぶりには、それなりにエクスキューズがありますもんね。
作り話には、作り話なりの説得力が必要なわけです。
その説得力が『2012』には、ちょっと欠けていたかなと。



でもそこで、前述の疑問が再び首をもたげてきます。
「そのプロット上の違い、主人公達の超人性が、エメリッヒの演出を
鼻につかせている理由は?」



そこが二つ目の、「プロットから導き出される演出プラン」なんです。

つまりですね。「地震や大津波」という、ある種リアリティーのある災害に対して
いつものエメリッヒ演出は、軽すぎるんですよ。

毎度引き合いに出して申し訳ありませんが、『インデペンデンス・デイ』に於ける
主人公達のキャラって、みんなどこかとぼけてましたよね。
大統領とタメでケンカするジェフ・ゴールドブラム。
宇宙人をグーパンチで気絶させるウィル・スミス。
クライマックス、敵の母船に乗り込む二人の掛け合いを見ても
人類の存亡を賭けた作戦とはとても思えない、余裕ぶりでしたhappy01


私はこのエメリッヒの空気感が好きだったんですが、どうもこの演出は
宇宙人や怪獣などのキャラを題材にしたプロットにのみ
成立するもののようですね。

つまり、登場する敵の荒唐無稽さと主人公側のとぼけた味わいが
偶然にも作劇上、実に微妙なバランスを保っていたわけです。

Photo_5












ところが『2012』の場合、災害の性質がリアル過ぎる為
そういうおとぼけぶりが、水と油みたいになっちゃってるんですね。
これまでのエメリッヒ演出そのままの、主人公側の余裕が
「不謹慎なおふざけ」に見えてしまうと。

過去作品と同じ事をやってるんですよ。エメリッヒも。
でも今回は、以前には露ほども気にならなかった
「こんな大事な時に笑わせようとするなんて、監督はどういう神経なの?」
という場面が、それこそ山ほどあるんですよcoldsweats01
宇宙人や怪獣とは違い、恐ろしさを肌で感じられる自然災害という「敵」ゆえ
観客は主人公達に降りかかる恐怖を共有しやすい、という面もあるのでしょう。

なのになぜ、彼らはおふざけを演じるの?こんなの嘘だよーとなっちゃう訳です。
そういうキャラが、危機を飄々と切り抜けちゃうんだから
嘘っぽさに拍車がかかるのも、無理はないというcoldsweats01


『2012』を鑑賞された方は、思い出してみて下さい。
あの「脱出車の音声キー」のくだり、どう思われました?
一刻を争う場面の緊張が、あの一瞬で完全に醒めたと思いませんか?happy01


しかも。これもエメリッヒの資質が裏目に出ちゃった例ですが。
『2012』って、見事に一本調子なんです。
意識的な場合を除き、この手のストーリーは
お話のスケールが通常、
起<承<転とだんだん大きくなり
それまで広げた大風呂敷を
「結」で収束させるのがセオリーなんですが
残念ながらこの作品は
起=承=転=結なんですよcoldsweats01
しかも見方によっては「結」のスケールが
「転」以前を下回っているという尻すぼみぶりで。
何しろ人類を救うのが、一本の・・・ですからcoldsweats01


こういうエメリッヒの盛り上げの弱さは
「デイ・アフター・トゥモロー」から感じていたんですが
「デイ~」の場合、中盤から終盤への「親子の愛情」が縦糸となり
いつものおふざけ演出を抑えた、デニス・クエイドの真摯な演技が
そのマイナス面を救っていたような気もします。


またエメリッヒ作品では『2012』にテイストがもっとも近い
「インデペンデンス・デイ」に彼の演出の弱さを感じなかった理由は
前述の「荒唐無稽さ」に加え、ドラマを三日間に収束し
それぞれを「遭遇」「惨敗」「反撃」と完全にパート分けした
シナリオに負うところも、非常に大きいと思いますhappy01

このシナリオは、エメリッヒとディーン・デブリンの共作ですが
エメリッヒは『2012』も執筆しているところを見ると
「インデペンデンス・デイ」の成功は、デブリンの文才によるものかもなんて
おバカな私は考えてしまうのですがcoldsweats01

Photo_6












そしてさらに。三つ目の「画面構成上の問題」です。

『2012』の感想で一番多いのが「映像が凄い」というものです。
これは私も否定しません。おそらくこれだけのカット数、映像の情報量を
超える作品は、今後もしばらくは現れないでしょう。

ところが鑑賞後、「どのカットが印象に残ったか」と聞かれると
う~んと唸ってしまう。

つまり、確かに画面の情報量という「記録」は凄いけど
「記憶」には残らない映像なんですよね。

『2012』という作品を象徴する、「この一枚」が見つからない。
まーそろそろボケも入っている、私だけの印象かもしれませんがcoldsweats01


で、この理由を考えてみたんですが。
どうもコレはカット割りと、ピントの深さに問題があるような気がするんですよ。
ちょっとここからは専門分野になるので、分かりにくい方はごめんなさいねcoldsweats01

実は前述の「一本調子」とも関係するんですが
『2012』で何回も起きるディザスター・シーンって
すべて、カット割りがほぼ同じなんです。

例えば、主人公たちが飛行機で脱出するシーンなら


飛び立つ飛行機FF
機内で奮闘する主人公たちGS
崩れ行く街並みの中を飛ぶ、飛行機の付けパン
機内で、前を見て驚く主人公アップ
倒れるビルが飛行機に迫る主観カット
驚異のアクロバット飛行で倒れるビルを回避する飛行機、広めの付けパン
大惨事の街並みロング、画面奥から手前に飛び去る飛行機


飛行機が車や船に、街並みが山並みなどに変わる場合もありますがhappy01 
基本的には、こんな感じの連続です。
で、皆さんが「凄い」と絶賛する場面は
③の付けパンと、⑦の大ロングである場合がほとんどじゃないかと。

実はコレ、「その場で何が起こっているか」という事を説明する為の
最低限のカット割りであると共に、誠に基本的な
言い換えれば、さほど面白みのない画面構成なんですよ。
下の写真はその代表的カット。「脱出シーン」の締めはいつもこんな印象です。


Photo_3












ですから鑑賞者には、街並みが崩れる様子を広めの絵で表現する
③か⑦しか、印象に残らないんです。

言わばそれらは、俗に言う「絵ハガキカット」なんですよ。
災害現場の全体像は把握できても
カット一つ一つにドラマやエモーションは無いという意味で。


しかも私の印象ですが。この絵ハガキカットのほぼ全てが
「画面奥まで、完全にピントが合っている」んですよhappy01

この言葉の意味するところは、お分かりですよね。

風景などを見る場合、人間の視覚は
普通、手前の物ほどピントが合い、遠方の物はかすんで見えます。
このリアリティーが、『2012』ではちょっと感じられなかった。

はっきり見えすぎちゃってるんですよ。奥の方までhappy01
その画面の情報量ゆえ、鑑賞者には「凄い」という印象を与えられるのでしょう。

ただこれが意識的な演出だとしたら、それはそれで私はエメリッヒに感服します。
リアリティーを無視してでも画面の印象を優先する。それも一つの演出です。
これは皮肉ではありません。エメリッヒ恐るべしhappy01



余談ですが、この演出の対極に立つのが
『宇宙戦争』(2005年アメリカ スティーブン・スピルバーグ監督)序盤の
ディザスターシーンと、私は考えています。

トライポッドの最初の攻撃から始まり、自宅から車で逃げる
トム・クルーズ親子のシーンに於けるカット割りは
さすがスピルバーグの面目躍如。
画面の躍動感、カットのバラエティーもさることながら
走る車のバックでなぎ倒される高速道路や街並みは
微妙にピントが甘く、画面の奥行きを感じます。

徹底的にリアリティーを重視したスピルバーグの演出意図が
画面のピント一つにも反映されているんですねhappy01



・・・さて。こんな風に今回も書き散らしてしまいました。
いつもの癖で、長くなっちゃってごめんなさいcoldsweats01
でもきっと、皆さんは思われるでしょう。
「なぜいつもオタクイーンは、ストーリーやテーマについて言及しないの?」
さあ、どうしてでしょうねhappy01
この作品に関しては、それを話すことの意義を感じていないんだと思います。
ほとんどのブロガーの映画感想記事は、その部分のみを語っていますから
今さら私が話しても、きっとつまらない記事になっちゃうだろうなあと。

無知ゆえ、もっとおバカがバレるというのが、一番の理由かもしれませんねcoldsweats01


ですからストーリーやテーマについて語る時は、それに見合う内容と
私が判断したとでも思って下さい。
これも好みですから、とんでもなくマイナーな作品を
熱く語ることもあるでしょうしcoldsweats01



ただ最後に、私が『2012』について語ることがあるとすれば。
この作品については「映画館の大画面で観て下さい」という一文が
ほとんどの感想記事の締めとして添えられていました。

でも私は思います。
正確に言えば『SFXは映画館で、ドラマ部分はテレビで映える作品』です。


劇場の大スクリーンに似合う作品と、テレビに似合う作品は別。
そこに優劣はありません。これも私の確固たる持論です。

『2012』のディザスターシーンは確かに、大画面の方が楽しめますが
ドラマ部分の軽さは、間違いなくお茶の間の空気に馴染みます。
凡百の終末映画に比べ、やはり超大作としての風格はありますし。
決してつまらない作品じゃありません。SFXとドラマのバランスが悪いだけで。

そういう意味でも私は、『2012』がDVD化の際には嬉々として入手
ネヴュラ座の定番作品として、長く愛し続けることでしょう。
なんだかんだ言ったって、やっぱり私はエメリッヒ好きなんですよ。
自分と同じ匂いを感じる、ジージャンズ同士ですからhappy01happy01happy01

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2009年11月20日 (金)

批判力VS創造力

先日から、HDDに録り溜めたエアチェック番組を
けっこう精力的に、DVDへダビングしてましてcd

おかげでこの春、地元局で再放送された
『新必殺仕置人』もほぼ全話、DVDコンプリートできました。
(第一話、二話だけは録り逃しましたが、はるか昔に録ったVHSテープと
消すに消せない脳内記憶があるからぜんぜん安心happy01

そんな中、こりゃ永久保存版だなと、思いを新たにした番組がありました。
今年2月1日、NHK-BS2で放送された
『没後10年 黒澤明特集
脚本家 橋本忍が語る黒澤明~「七人の侍」誕生の軌跡~』。


橋本忍さん。「ネヴュラ」読者の皆さんには
今さら説明の必要もない、邦画脚本界の巨人です。

今も日本映画の金字塔として燦然と輝く、黒澤明監督の「七人の侍」を
はじめとして、黒澤作品だけでも八作に参加。
さらにマイ・フェイバリットムービー『日本沈没』(’73年東宝・森谷司郎監督)や
『砂の器』(’74年松竹・野村芳太郎監督 山田洋次氏と共同脚本)
『八甲田山』(’77年東宝・森谷司郎監督)など
そうそうたる邦画大作を担当されました。

もしその名をご存知なくても、これらの作品名を目にされれば
共通する骨太の作風に圧倒されたご経験をお持ちの方も、多いと思います。


まーそんな偉そうな事を言いながらも、私自身
不勉強ながら、氏の名著『複眼の映像-私と黒澤明-』も拝読してませんし
今回のように時々放送される、氏の特集番組を拝見して
目からウロコを落としまくる程度の、中途半端なヘタレファンなんですがcoldsweats01

今回の番組は、タイトル通り
黒澤映画の代表作『七人の侍』の誕生秘話や、黒澤監督ご本人の人柄を交え
常に監督の傍で切磋琢磨してきた橋本氏が、思いや作劇のポリシーを語る
極めて現場目線の「芸談インタビュー」でした。

ヒッチコック・トリュフォーの『映画術』などをはじめ
この手の芸談に目がない私は
放送前から番組の匂いを嗅ぎ付け、満を持してリアルタイム録画。
番組は案の定、予想にたがわぬ素晴らしい内容でした。
かなり以前の放送でしたから、ご覧になった方も多いと思います。


橋本氏の口から放たれる一言一言は、映像制作の現場に生きる者にとっては
まさに金言にさえ値するものばかりで

ほんのエピソードひとつ採り上げるだけでも、私ごときのブログ記事一本では
とても語れないほどの深さがあります。まさに映像屋のバイブル的番組coldsweats01
ですからきっと、この番組に関しては
今後も事あるごとに、つまみ食いしてお話しようと企んでおりますが
今回ダビングの機会に再見し、久々に感銘を受けた一節がありましたので
今日はその部分を、ちょっとだけお話しましょうhappy01


それは番組終盤、橋本氏の『シナリオ制作に於ける努力目標』について
語られた一節でした。

「橋本さんご自身の努力目標は?」
インタビュアーの質問に答え氏の口から出たのは、意外な一言。



『シナリオは、下手に楽に書け。
自分のシナリオの下手な事に気を使うことはない。』



「えーっ?あの「七人の侍」の橋本さんが、こんな事言うの?
何かもう「妥協という言葉は禁句」みたいな、厳しい目標と思ったのに。」
その言葉を聞いた時、正直、私はそう思いました。
でもその後のお話を聞くにつれ、この言葉が
非常に真っ当な根拠の上に成り立っていることが、よく分かったのです。


『自分のシナリオの下手な事に、気を使うことはない。』
確かにこの番組は、スタジオに映像職を目指す学生を多く迎え
その前で展開される形式でしたから
この言葉はそれを意識した、新人への励ましにも聞こえますが
実はそうじゃないんですね。
氏一流の朗々たる格言ですから、本当は全部採録したいんですが
ちょっと長いので要約すると、こういう事だそうです。



『人間は子どもの頃から、学校生活などを通じていろいろ勉強するけど
その内容は、物事の理解や記憶、判断や批判する事についての技術が
ほとんどであって


『創造力』については、何も勉強していない。

その学習量の差により、自分自身の批判力と創造力には
いやおうなしに、大きな格差が出来る。

だから自分の書くものを、自分自身の批判力で批判したら
批判力の方が勝っちゃうのは自明の理、という事。』


『シナリオが最後まで書けない理由は
最初から「上手に書こう、うまく書こう」とするから。
書きながら自分で批判しているから、最後までたどり着けない。
だから書いている時は、自分の下手さには目をつぶっちゃう。』

『極端に言えば
シナリオっていうのは、批判力をゼロにした時に生まれる。』


『で、出来上がった時にはじめて、批判力を発揮し、直していく。
その結果、少しでも作品が良くなれば
その分だけ、創造力が成長したという事になる。』

最初から完璧を目指さない事。
これが、橋本氏の努力目標なんだそうです。



実はですね。このお話の後半に語られている事は
これまで私も、現場でさんざん叩き込まれたんですよ。
「第一稿なんてのは叩き台、作品の骨格が理解できればいい。
それを完成形とは思うな。
関係者の意見が作品をより良く導くことだってあるし
予算や撮影の都合、現場の事情でも、作品はどんどん変わっていくんだから
意固地に第一稿を守ろうとするな。
結果的にそれが、作品を小さくしてしまう。」


もうこれは、事あるごとにしつこく教わりました。
その結果、第一稿の香りが微塵も残らない拙作も数知れずweep
でも結果的に、それがマイナスに働くことは少なかったですね。
やはりシナリオというのは、多くの意見を含めブラッシュアップされる事が
良い場合もあります。

(「場合もある」という表現に、つたない抵抗を含める私smile


ですから別に、氏の『努力目標』そのものについては
私はさほど、感銘を受けなかったんです。
まー当たり前のことですしね。

でも目からウロコが落ちたのは、前半の部分。
『批判力と創造力の格差』のくだりです。


いやーそーかー。なーんで今まで、そんな事に気づかなかったんだろうhappy02
言われてみればごもっともですよねー。
思い起こせば小学校から義務教育いっぱい、なんだったら高校まで
『物事の基礎知識と、その是非を判断する技術』の習得が
ほとんどを占めてたもんなー。

そりゃ批判力・解析力の方が、先に育っちゃうわけだ。
だってそもそも『創造力』を育てる機会は、極端に少なかったし。
思い当たるのは、国語の作文や図工、美術ぐらいですかね。
うーむ奇しくも、私が好きだった分野ばっかりですがhappy01
(それが得意だったかどうかは別問題、というのが残酷ですがweep

『もともと日本の教育システムは、批判力を優先している』という
橋本氏の視点は、非常に鋭いと思います。

まー私みたいなおバカは、それが日本人の優れたコピー能力の一因かなんて
短絡的に感じてもしまうのですが。
創造力の欠如、オリジナルが生み出せないという点でcoldsweats01


その傾向は最近、特に顕著なようにも感じます。
まー私の勉強不足かもしれませんが、私のテリトリーである特撮作品でも
『コレは見たことが無い!お見それしました!』という作品は
’80年代あたりから、出会った事がありませんしcoldsweats01
昔の作品の、セルフコピーを繰り返している感がありますね。
様々な裏事情がありながらも、とにもかくにも新作を作り続ける
制作者のご努力には、本当に頭が下がりますがhappy01


「いや、アメリカのヒーロー作品リメイクをはじめ、それは世界的な傾向だ」
というご意見もおありでしょうが
その「世界的傾向」を、日本人がコピーしているという見方だってあるわけです。


で、さらに強く思うのは、私が一番嫌う
『批判逃げ』ですね。

前述のように、我々はもともと批判力優先で育ってきているわけですから
他人の作品を批判できるのは、当たり前なんですよ。
それを『批判できるという事は、自分はその作品以上のものを創造できる』と
勘違いしちゃう風潮を、非常に感じるわけです。


「今日放送された●●第×話は、○○の脚本の悪い点が云々」
なんて、「すくすくと育ててもらった」批判力だけを発揮する。
そりゃ言ってる方は、気持ちいいですよね。

でも「そこまで言うなら、あなたはそれ以上の作品を作れるの?」と問いかけた時
「いや、それは作り手の仕事」と逃げてしまう。

もう少し、作り手が「もともと学んでいない」創造力を駆使して
どれほど苦労しているかを、理解する努力も必要と思うんですよ。
自分の批判力をカサに着て、創造力の欠如には目をつぶってしまうんですね。
これがもう私は、身震いするほど嫌いなわけですcoldsweats01


力足りずながら、私がしつこく「宇宙船」の企画募集に応募し続ける理由だって
素晴らしい作品を見せてくれた先人の苦労を追体験することで
「創造する事」の大変さ、素晴らしさを味わいたいという
欲求からとも言えるわけで。
あくまでフェアでありたいんですよ。上から目線で批判するだけじゃなくて。
結果が出てないと言われたら、一言もありませんがcrying


誤解の無いように申し上げますが
「批判」と「感想」「解析」「評論」は別ですよ。

見たままのピュアな思いを形にする「感想」は、それはそれで重要だし
史実を調べに調べ、確固たる裏づけの元に展開される「解析」「評論」も
「批判力」に頼らないという姿勢を考えれば、非常に意義深いと思います。
要はどんな作品にも、鑑賞者の根底には
まず「作られたという事に対する敬意」が必要じゃないかという事ですね。
で、その後のアプローチについては、やはり作り手の努力に匹敵する
裏づけ調査やそれなりの論旨がなければ、フェアじゃないと思うわけです。


また、これも私の確固たる主義ですが
「良い悪い」と「好き嫌い」「新しい古い」は、全部違う尺度なんです。
だから「良く出来ているけど嫌い」「古くて出来が悪いけど好き」
なんて感想だって、皆さん持ちますよね?それが自然なんですよ。
根拠の無い批判って、この尺度を混同している場合が多いんじゃないかと。
「嫌いな作品だから悪い」とか「昔の作品だから嫌い」とか。


「批判」は誰でもできるんです。
でも「創造」はそうはいかない。


そこには、ちゃんとした根拠があったんです。
あの橋本忍氏をして、そう言わせるだけの。

今回の番組は、それを再認識させてくれました。


不勉強ゆえ、最近の教育現場は存じ上げないので
曲解や一面的な見方としたら、素直にお詫び致しますが
こういう見方もあるという事でcoldsweats01
またも悪い癖で、長文になっちゃってごめんなさいcoldsweats01
おヒマなら、ちょっと皆さんに考えてもらいたいですから
このお話は、ネヴュラ、mixiの両方にアップします。
まー場末のオタクの独り言と、また呆れてやって下さいhappy01

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2009年10月25日 (日)

軍団再び

前回、完全に混線状態だった、ネヴュラ座裏のケーブル群。

Photo











見るも無残なこのケーブルも
100円ショップの新兵器、ビニール製のコイルチューブでまとめると・・・


Photo_2















スッキリこの通りhappy01 キレイにまとまりました。
不器用ゆえ時間はかかりましたが、始めちゃうと止まらない性格なので
途中からは鼻歌まじり。まー見栄えもよくなっちゃってlovely
これでもうキャスターでケーブルを踏む事も、キナの餌食にもなりませんhappy01


で、速攻でチャンネルを合わせたのが、現在『日テレプラス』で放送中のコレ!


Photo_3
いやー本放送からちょうど30年。
まさか大画面で、このオープニングを目にする事ができるとはweep

この日エアチェックしたエピソードは、第29話『爆殺のプレリュード』。
(1979年4月24日放送 渡辺拓也監督)


もう最初から銀行強盗、倉庫爆破、自動車炎上、パトカー大名行列のつるべ打ち。
もう展開が速い速い。振り落とされずについて行くのが精一杯でした。

初期必殺シリーズにも通じることですが

やっぱりこの手のドラマは、悪役のパワーが面白さのバロメーターですね。
悪が強ければ強いほど、対決場面のカタルシスは大きくなります。

現在の刑事ドラマが退屈なのは、自分が年をとったせいと思ってましたが
こんなのを昔に見せられたら、今のドラマに刺激を感じないのも
当たり前ですね。

息つく暇もないスピード感ながら
後の『西部警察』ほどタイアップが顕著でない分
純粋なアクションストーリーとして楽しめるような気も。

渡哲也と言えば多くの方は
『グレーのニューセドリック』に『ホーネッツ』かもしれませんが
私には『黒セド』に『東京ユニオン』が標準装備なんですよhappy01

もちろん彼の所属は『城西署』。西部署の団長は別人ということでhappy01

いやー黒岩軍団は健在happy02
30年の時を経て再会した『大都会PARTⅢ』ですが
その魅力は、まったく色あせていませんでした。
本放送時の興奮が損なわれていないこういうドラマは、本当に珍しいです。

初期必殺シリーズと並んで、マイ・フェイバリットに加えたい一作ですね。
エアチェック後、今まで何回リピート鑑賞した事でしょう。
これを見られただけでも、チャンネル追加の価値は充分ありましたwink

ささやかなCSライフながら、これからは楽しさがちょっとアップしそうです。
次はホームドラマチャンネルの『少年ジェット』にチャレンジhappy02
もっともこのチャンネルは、お試し期間の二週間しか見られませんがweep

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2009年9月25日 (金)

究極の選局

きっかけは今月6日、自宅への一本の電話でした。
発注していた『BOWS ザ・SOKOJIKARA』が届いたのと同時刻。夕方6時。
電話の相手は、加入しているケーブルテレビ局でした。

おかげで私は電話とインターホン両方の相手をしなければならず
少々パニック。こういう事ってなぜか重なりますよねcoldsweats01

電話の内容は、キャンペーンのお知らせでした。
「お客さん宅のアナログチューナーをデジタルチューナーに変更すれば、
今と同じ月額料金で、視聴可能チャンネルが20チャンネルも増えますよ。」


私の加入プランは、マンションにケーブルテレビが導入された当初に入った
アナログのベーシックコース。

チャンネルNECOやムービープラス、スーパー!ドラマTVやアニマックスなど
一応、有名どころは押さえた24チャンネルパックだったので
特に不自由もなく、お気楽CSライフを送っていたのです。
でも時代はデジタル。昨日も局で先輩ディレクターと
地デジ移行時のワイド画面について語り合ったところでしたhappy01


えっそーなの?チューナーを変えるだけで?20チャンネルも一気に?
そういう事に無頓着だったアナログ頭の私は、すっかり舞いあがっちゃいまして。
「でも、チューナー変更の手続きとか工事費とかかかるんじゃ?」
「今月末までキャンペーン中で、全部込みで6,300円しかかかりません。」

うーむ6,300円ポッキリかー。知らなかったわーeye
くれぐれも月額料金が増えないことを確認して、返事は後日に回しました。
届いたBOWSに気を取られ、一昨日まではすっかり忘れていたのですが
電話卓に残したその時のメモを発見、不意に甦る「今月末まで」のフレーズ。
ありゃどうしよう。気がつけばもう25日ぢゃないの。
このチャンスを逃がす手はないかと、申し込みの電話をかけようとしたその時。


「待てよ。ここでスカパーに切り替える手もアリかな?」
妹宅で目撃以来、ウチのケーブルでは見られないスカパーのチャンネル群に
魅力を感じてはいたものの、番組なんて浮き草のごとく一定していないしなんて
とりたてて、導入を後押しする気持ちもなかったのですが
今回のような事情なら、お話はまた別です。
ケーブルテレビのパック契約よりも、見たいチャンネルだけコンプリートすれば
より充実したCSライフを送れるかなと、妙な浮気心が湧いてきまして。

で、今日は、ケーブルテレビとスカパーのチャンネルを徹底比較していました。



まず調べたのはケーブルテレビ。
番組表を開けば、確かに毎月の料金が変わらない
44チャンネルのデジタルパックがあります。

増えるチャンネルは「日本映画専門チャンネル」「時代劇専門チャンネル」
「チャンネル銀河」などですが、それを除けば圧倒的にブロードキャスト系。
「BSフジ」「日テレNEWS24」などですね。

そーかー。悪くはないんだけど、地上波の延長上のような番組編成は
ちょっと食傷気味だしなー。今ひとつ魅力に欠けるラインナップ。

で、プランのグレードを一つ上げるとさらに5チャンネル増えて
「洋画★シネフィル・イマジカ」「ミステリチャンネル」などなど
ちょっと見たいチャンネルも出てきました。

何より期待大が『日テレプラス』で、何しろ現在ソフト化されていない
『大都会PARTⅡ』『大都会PARTⅢ』が放送中。コレが見られるだけでも
アップグレードの価値はあるかも。前言と矛盾しますがcoldsweats01


ただこのアップグレード、月額が今より1,050円上がるんですよねーweep
結局、合計49チャンネルで月額4,725円。

でもその中には「ゴルフネットワーク」や「囲碁・将棋チャンネル」など
見ないチャンネルもあるしなあ。これが高いか安いかは、悩むところです。



続いてスカパー。以前も問い合わせた事がありましたが、時代は進んでますね。
今日ショップを覗いて知ったんですが、『スカパー!e2』でも今月末まで
アンテナ代とアンテナ設置費用が実質無料になるキャンペーン中だそうで。

ただこれはテレビやレコーダーにBS・CSチューナーが付いていればのお話。
このあたりで不安が頭をよぎったのも事実ですが、そこは後でお話しましょう。

スカパーは基本料金はリーズナブルですが、チャンネルを単品で選ぶと
月額合計が結構高くなる事が分かっちゃって、すっかり落ち込んでしまいましたweep
でも拾う神あり。貧乏な私の為にあるような「基本パック」を発見。
コレはすごい!前述の『日テレプラス』はもちろん
「ファミリー劇場」「FOX」「AXN」「ヒストリーチャンネル」などなど
ケーブルではオプション扱いだったチャンネルが目白押し。

さらにケーブルにもラインナップされていない
「ザ・シネマ」「FOXプラス」「ナショナル ジオグラフィック チャンネル」なんて
見た事もないタイトルも含まれていますhappy02


田舎者の私にとって、こんなカタカナばっかりのタイトルは眩しいばかりeye
合計41チャンネル。基本料金を加えて月々3,980円。
初回加入料は必要なものの、ほとんど見たいチャンネルなのが高ポイントhappy01


ところが前述の通り、このスカパーe2、チューナーがなければ
見られないんですねーcrying
まー当たり前と言えば当たり前ですがhappy01

まー最近買ったネヴュラ座46インチテレビには、当然付いているんですよ。
ですから最低限、見ることだけはできるものの
やっぱり気に入った番組は、どうあっても録画したいですし。
そこで頭をもたげるのが、長年愛用しているレコーダーの性能。

「あっ!ウチのレコーダー、そんな高級なチューナー付いてたっけ?」
あわててメーカーに問い合わせてみれば、案の定「付いてません。」
まー分かってました。そりゃーそーだよねー。このブルーレイ時代に
2005年の時点ですでに型落ちのVHS・DVD・HDD一体型だし。
買った当初はスカパーなんて、露ほども意識してなかったですからねーcoldsweats01


ああそうなると、スカパーを録画するには
なんと今どき時代遅れの、「外付けチューナー」を導入する必要があると。

えっ?いくらするの?そんなの買ったことないよ。
で、間髪を入れずショップに聞いてみれば。

「店頭に並んでいるものでは、32,800円ですねえ。」

た、高いwobbly
それならいっそ、チューナー内蔵のレコーダーを買った方が
コストパフォーマンス的には、よっぱど割安ぢゃないのsad

でも別にウチのレコーダーは壊れてないし、わざわざスカパーの為に
一台買う必要も、お金の余裕も無いしなー。
いやーそーいう事か。世の中、なかなかウマいお話はないわーweep



結局、お話をまとめますと。

●A作戦  ケーブルテレビ

アナログ→デジタルチューナー変更費用               6,300円
49チャンネルパック(アップグレード後)            月額 4,725円
→チャンネルのラインナップは今ひとつ



●B作戦  スカパー!e2

アンテナ代・設置費用                         無料
加入料(初回のみ)                        2,940円      
41チャンネルパック                                        月額 3,980円
外付けチューナー(一例)                                       32,800円
(もしくはもったいないけど、チューナー内蔵レコーダー新規購入)
→チャンネルのラインナップはかなり好み

さらにもう一つ。


●C作戦   ケーブルテレビ

今のまま、アナログ→デジタルチューナー変更のみ       6,300円
44チャンネルパック(アップグレード前)          月額 3,675円
→前述の二作戦に比べ、チャンネル内容は劣る


と、こうなるわけですね。
問題はこのどれをとっても、明日以降あと5日以内に申し込まなければ
料金が変わってしまうという事で。9月末までのキャンペーンですから。



いやー困ったbearing
チャンネルのラインナップでは、スカパーが圧倒的に魅力的ですが
予定外のチューナーの出費がネックだしmoneybag
地上波系が多いながら、多チャンネルを誇り出費が少ない
ケーブルテレビも、それなりに魅力的だし。
こういうのは私、ホントに悩むタイプなんですよ。

まー地上波しか見られなかった頃から考えれば
これもぜいたくな悩みなんですけどね。
例の公募小説の締め切りも今月末だし。
いつになく苦悩の多い、真夏日復活の今日。
いっそ深夜のウォーキングにでも出かけて、じっくり考えてみましょうかcoldsweats01

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2009年9月20日 (日)

観ても観なくても後悔する

いやあ、これは・・・
もうこんなの観ちゃうと、前回リストに挙げた作品の印象は
すべて吹っ飛んじゃいそうなほどのインパクト。

ネットで感想ブログ等を検索しても、この作品に関しては異常に少なくて。
そのあまりの衝撃に、皆さん鑑賞の記憶を封印しているのでしょうか。

今日はちょっと遠出して、割引レンタルセール中のショップを
二軒ほど回り、邦画ばっかり12本も借りてきましたcd
件の一作はその内の一本。普通のショップでもレンタルされているのです。
でも「ネヴュラ」のお仲間の中では、あまり話題に上らない作品だったので
つい見落としていました。で、この年になって初見。

この作品に出会うことなく人生を送れて来ちゃった奇跡に、我ながら驚くばかり。

あまりに鮮烈な内容・ビジュアルイメージなので、今回は感想ではありません。
この作品は、もう言葉の範囲を超えてしまっている。
私の稚拙なボキャブラリーでは、その異常な魅力の1%も再現できないでしょう。
「観た」という事実だけで、もういっぱいいっぱいwobbly

また、あらすじ説明+一言感想は得意じゃないので
今回も、内容や詳細データは一切お話しません。



ちょっとお話を引っぱりますが、今日は件の作品の前に

ある殺し屋     1967年大映 監督 森一生 脚本 増村保造・石松愛弘
地獄の掟に明日はない  1966年東映 監督 降旗康男 
                                  脚本 高岩肇・長田紀生

を観てるんですよ。
でもこの二作の印象は、今は全然残っていません。
これらに続いてプレーヤーに入れた作品が!


盲獣      1969年大映 監督 増村保造 
                                       脚本 白坂依志夫



だったからですhappy02happy02happy02

この作品、ご覧になった方もいらっしゃるでしょう。
いやーオタクを名のりながら、この作品を未見だったなんて。
これを観ずに、やれ『マタンゴ』が人間の暗黒面だの
『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』が乱歩映像化の最高峰だの
大きな事言ってた自分が恥ずかしいcrying
素直に謝ります。『盲獣』鑑賞済みの皆様、おみそれしましたweep
まずいですよコレは観ておかないと。

この作品を前にしたら『吸血鬼ゴケミドロ』が子供向けに見えちゃっても
仕方ないですねー。
あーびっくりしたshock

演出、美術、演技、どれをとってももう、これ以上ないほどのハイテンション。
さすが増村演出。基本を踏まえつつ実に見事なリズム、的確なカットワークで
90分近くの長尺を疾走します。まったく中ダレがない所が驚異的。
で、あのラストシーンの衝撃。
「奇形人間」の『人間花火』は有名ですが、『人間●●破壊』は未体験でしたcoldsweats01
その美術はもう、ヒッチコックの『白い恐怖』と双璧をなす素晴らしさ!
さらに演技。船越英二さんに対する印象が、180度ひっくり返りました。
現にこの後、

氷点             1966年大映 監督 山本薩夫 脚本 水木洋子


を観たんですよ。
『氷点』でも、船越さんはそれなりに常軌を逸した役どころなんですが
それも『盲獣』を前にすると、落ち着いた常識人に見えちゃうから怖ろしいshock

そりゃ息子さんが二時間サスペンスの帝王と呼ばれるわけです。
この息子にしてこの父あり。いやー引き出しの数は凄いですね。
そのエキセントリックなキャラは『黒の試走車』を観た時も感じましたが
後年、『熱中時代』などでニコニコ優しそうな笑顔を見せるキャラしか知らないと
完全にだまされますねこの人には。
いやこういう引き出しを見せられると、絶賛モノなんですよホントに。


普段、演技者に対してはほとんど興味のない私ですが
この『盲獣』の船越演技に関してはもう、『恐怖奇形人間』の土方巽を
超えているんじゃないでしょうかhappy02
それほど鬼気迫る演技なんですね。人に語りたくなる演技。
特にあの『目線』と『指の動き』、そして『キレかた』!
あそこまで演技を極められれば、役者としても本望でしょう。
いやーいいモノ見せてもらったわー。ちょっとビックリして眠れませんhappy02

で、こうして感想も書けないのに、感動だけをお話しているわけでcoldsweats01
未見の方にはまったく意味不明な感動でしょうね。本当に申し訳ありませんcoldsweats01coldsweats01
この作品は今後、折りに触れ採り上げたいと思います。



ちなみにこの『盲獣』、今なにかと話題の『盲獣VS一寸法師』とは別物ですから
お間違え無いよう。
『VS一寸法師』は私も劇場鑑賞しましたが、まーノーコメントという事でhappy01
石井輝男監督は好きなんですが・・・ゴニョゴニョcoldsweats01

今回のサブタイの意味は、たぶん『盲獣』体験者ならお分かり頂けるでしょう。
観ないと絶対後悔します。いや、まだ観ていない人は幸せ。

ただ一つご注意を。この作品、好き嫌いが分かれますので、その点はご了承を。
さらに観ちゃうと、新しい後悔も生まれます。もう後戻りは出来ませんから。
私ももう『大怪獣ガメラ』を、まともに観られなくなりましたcoldsweats01
あの予告編の船越さんのセリフ「ガメラがあなたを狙っています」って・・・
船越さんあなた、ガメラの百倍怖いぢゃないのshockshockshock


※ちなみに今日レンタルの作品に加え
  前回告知の鑑賞予定作品も、鋭意消化中。
   語れる作品に出会えたら、またお話しますhappy01

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2009年9月18日 (金)

名作の夜長

ここ数日、すっかり秋めいてきたおがけで
ウォーキングも気持ちよく、体力の消耗はすっかりなくなりました。

その余った体力を、最近は深夜の映画鑑賞に使っていまして。
歩いて行ける距離のレンタルショップが
年内いっぱい、旧作100円セールを行っているのを幸いに
DVD借りまくりの見まくりですhappy01

ここ二日ほどをメインに、すでに8本を鑑賞済み。
劇場気分を演出する、46インチモニターのネヴュラ座とはいえ
部屋の家具一式が視界に入る昼間の鑑賞よりも
漆黒の中に画面だけが浮かび上がる深夜の方が
集中度も増すというものでhappy01

灼熱の夏も過ぎ去り、澄みきった空気が部屋に満ちる秋になると
見たい作品の傾向も、やっぱり変わってきますね。
大迫力のアクション映画よりも、静かな文芸作品や
名作の誉れ高い、巨匠の作品をつい選んでしまいます。

とはいえ、私のようなおバカが手に取るような作品ですから
皆さんがご存知のものばかりですがcoldsweats01

というわけで初見、再見含め
ここ数日で見た映画はご覧の通り。鑑賞順です。


吉原炎上        1987年東映 監督 五社英雄   脚本 中島貞夫
ホタル      2001年東映  監督 降旗康男   脚本 武山洋 降旗康男
ゼロの焦点    1961年松竹 監督 野村芳太郎 脚本 橋本忍 山田洋次
張込み           1958年松竹 監督 野村芳太郎 脚本 橋本忍 
羅生門           1950年大映 監督 黒澤明    脚本 黒澤明 橋本忍
八甲田山        1977年東宝 監督 森谷司郎   脚本 橋本忍
ブラインドネス  2008年日本・ブラジル・カナダ合作 
                           監督 フェルナンド・メイレレス  脚本 ドン・マッケラー
007慰めの報酬  2008年イギリス   
                           監督 マーク・フォースター 脚本 ジョシュア・ゼトラマー他


8本の内、実に6本までが邦画。しかも最新作は一本もありません。
いやーでもこうして見ると、さながら橋本忍特集ですね。
意識して選んだわけじゃないんですがcoldsweats01

確かに、骨太の人間ドラマには欠かせない巨匠ではあります。
よほどの外れ監督でない限り、橋本脚本で残念な仕上がりは無いですもんね。
その橋本脚本と黒澤、野村、森谷らがガップリ四つに組んだ作品群ですから
これらが面白くないはずがありません。

他の作品も総じて「粘りの脚本」。演出もそれに充分に応え
カメラをじっくり据えじわじわと人間の業をえぐり出す、重厚な作品ばかりでした。

奇しくも『羅生門』と『ゼロの焦点』を同時期に見たというのも
不思議な巡り会わせですが。(この意味は、ご覧になった方ならお分かりかもhappy01

「ホタル」のような作品に涙するのも、私が年をとった証拠かもしれません。
いつも降旗作品には涙腺をやられる私ですが、今回も完敗ですcoldsweats01


二本の洋画に関しては・・・
うーむネット上で皆さんが書かれている感想を
一歩も出ない印象というところでしょうかcoldsweats01
というよりも、残り6本の邦画名作に打ちのめされてしまって
ありきたりのアクションやシチュエーション・サスペンスでは
もはや、心が動かなくなっているのかも。
やっぱり私にとって、秋は名作鑑賞の季節ですね。
作品ジャンルへの興味って、季節の空気も確実に影響していると思います。
あと食指が動くのは社会派サスペンスかな。増村保造監督の「黒」シリーズとかhappy01

でもまー女心と秋の空ですからcoldsweats01 舌の根も乾かぬ内に
「やっぱり秋はアクションねー」なんて豪語しているかもしれませんがhappy01happy01happy01


その証拠に、今後の鑑賞予定作品は


序の舞      1984年東映 監督 中島貞夫 脚本 松田寛夫
球形の荒野   1975年松竹 監督 貞永方久 脚本 貞永方久 星川清司
不毛地帯     1976年東宝 監督 山本薩夫 脚本 山田信夫

に加え・・・

ウォッチメン   2009年アメリカ 
            監督 ザック・スナイダー 
                        脚本 デヴィッド・ヘイター アレックス・ツェー

という、またしても和洋折衷のラインナップhappy01
あるいは重厚、あるいは長尺の作品を、ギブアップせず鑑賞しきれるか。
四作品ともに、この秋は耐えるがごとくのDVDライフとなりそうですcoldsweats01coldsweats01coldsweats01

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2009年9月10日 (木)

体一つで盗み出す!

「いやー人生、まだまだ勉強だねー。」
毎度のおバカゆえ、未見の映画なんて山ほどある私。

ましてやソフト化に恵まれない名作は、よほどの巡り会わせがなければ
鑑賞のチャンスなどありません。
8日の火曜日、たまたまNHK-BS2で放送された『トプカピ』も
そんな、幸運な巡り会わせの一本でした。


『トプカピ』(1964年アメリカ ジュールス・ダッシン監督)
今や、犯罪映画の古典として有名なこの作品ですが
意外にもDVD化されていないのか、検索でヒットするのはVHSのみ。
ですから鑑賞は、こうした放送の機会を待つしかなかったのですが
今回ようやく見る事ができ、高評価もむべなるかなと一人、納得していました。


私はこの手の犯罪もの、いわゆる「難攻不落の敵要塞から、どうやってお宝を
盗み出すか」的な、智略と智略のぶつかり合いストーリーに目がありません。

かの名作テレビドラマ『スパイ大作戦』に心酔するのも、その嗜好ゆえです。
シークレット・サービス=諜報員と言うよりむしろエージェント=工作員の活躍を描く『スパイ大作戦』が、007等とはまた別の系譜を歩む、言わば犯罪映画に近いテイストを持っている事は、皆さんもご存知でしょう。
フィルムに定着されるその犯罪的緊張感、一瞬のミスも許されない刃物のような
演出の冴えが、私の目指すテイストなのです。

そういう意味で、私はむしろ壮大なSFストーリーより、触れれば切れるような
知的プレイヤーの活躍に、愛しさを覚えるタイプなのかもしれませんhappy01


名だたる犯罪映画ファンの口端に上る名作「トプカピ」も、そうした愛しい一作と
なりましたが、何しろ公開から45年も経っての初鑑賞ですから
レビューを見てもネタバレの嵐。
私が受けた衝撃なんてもう、何をいまさらと言わんばかりの書かれようでweep
まーそれでも感心したのは事実ですから、私も遅まきながら書かせて頂きますがhappy01

セキュリティ万全の博物館から、宝物の短剣を盗み出すという
犯罪映画の王道にして、その後の犯罪映画の教科書となったであろうこの作品。

舞台は1964年のトルコ・イスタンブールですから、コンピュータ制御の現代とは
セキュリティレベルも較べようがありませんが
初見で唸った私のごとく、その緊張感はまったく色褪せていません。
その評価はやはり、伝説となったあの「ラスト30分の演出」によるものでしょう。
不勉強ながら私、全然知らなかったんですよ。どうぞ笑ってやって下さいcoldsweats01

ダッシン監督入魂のこの短剣盗難シークエンスのアイデア・演出が
トム・クルーズ主演の
『ミッション・インポッシブル』(1996年アメリカ ブライアン・デ・パルマ監督)にそっくり使われていたなんて。まさに口アングリ。
トム・クルーズはNOCファイルのみならず、アイデアまでパクったのねとhappy01 

そう。あのMIF本部に侵入し極秘データをコピーするシークエンス、
作品の顔とも言えるトム宙吊りシーンの原典は、この『トプカピ』にあったのです。

それほど件のギミックが、優れていたという事なのでしょう。

でも個人的にこのシークエンスの出来栄えは、
先に見た『ミッション・インボッシブル』よりも、今回初見の『トプカピ』の方が
上に感じました。

『ミッション~』を劇場鑑賞した時に思ったのですが、どうもあのシーンだけ
吊られるトムやロープを支えるジャン・レノのリアクション、慌てぶりが
ちょっとコミカルすぎて、ストーリーからやや浮いたような印象を受けたのです。
でも今回、その理由がようやく理解できました。スタイリッシュでライトテイストの
『トプカピ』が原典だから、ああなったのかと。

それでも緊張感という点では、『トプカピ』の宙吊りシーンの方がはるかに
成功していましたが。
要はチームの重要パートの一人が「素人」という、設定の妙ですね。


さらに面白いのが、その「素人」の参加に繋がるストーリー上のアクシデント、
いわゆる「水も漏らさぬ作戦がピンチに見舞われる」というプロットが
『ミッション・インポッシブル』の原点、前述のテレビ版『スパイ大作戦』に
使われているという所です。

もう大笑い。『トプカピ』に於けるあの「ドア指挟まれ」は
『スパイ~』第1話・「核弾頭を奪え」でそのまま行われているんですね。

『核弾頭~』の製作は’66年。『トプカピ』は2年前の’64年公開ですから
まさに「名演出は繰り返される」と言ったところでhappy01
あまりネタバレも何なので、このシーンのお話はこれくらいにしておきますがhappy01


さて。この『トプカピ』が偉大なのは、ストーリーや演出にとどまらず
後年の作品に色々な影響を与えているところです。
美術品や宝石、金庫や重要データなどの盗難犯罪に後ろめたさがなく、
盗みそのものに芸術性を見出すスペシャリスト集団の雰囲気は

後の
『スニーカーズ』(1992年アメリカ フィル・アルデン・ロビンソン監督)や
『オーシャンズ11』(2001年アメリカ スティーブン・ソダーバーグ監督)シリーズ
あたりに受け継がれましたし(『ルパン三世』第1シリーズももちろんですが)
体術を駆使したセキュリティ突破の快感も
『オーシャンズ』シリーズ第二作
『オーシャンズ12』(2004年アメリカ 監督同)や『エントラップメント』1999年アメリカ ジョン・アミエル監督)などが
遺伝子を継いでいるようです。私も好きな作品群ですね。

前述の通り、コンピュータの導入により標的のセキュリティレベルは
革命的に飛躍したものの、展示室に張り巡らされた赤外線センサーの網を
潜り抜ける軽業の妙は、見る者に『トプカピ』と同じ快感をもたらしてくれます。

まあ『エントラップメント』などは、ストーリーをコンピュータ2000年問題に
絡めているだけに、今見れば『トプカピ』以上に、古い感覚を起こさせてしまうのが
ご愛嬌ですがhappy01


個人的にこの「センサー網突破」映画でお気に入りなのが
『ダブルバウンド』(2003年カナダ ウィリアム・フィリップス監督)。
低予算ゆえ登場人物の人数を絞り込んだことと、脚本の上手さによる
予想外の展開、ラストの爽快感が、この作品を手堅くまとまった快作に
仕上げています。

『オーシャンズ』シリーズほどの大作感はなく、カナダ製作の地味さも手伝って
かなりの損をしていますが、市井の若者が主役であるこの作品も
正しく『トプカピ』の子孫と言う事が出来るでしょう。
私、こういう作品が大好きなんですよhappy01

細かいアイデアが作品の勝敗を決める犯罪ストーリーって、他ジャンルに比べ
ちょっとしたシーンさえ、同傾向の作品に受け継がれることが多いですよね。
前述の話題からちょっと逸れますが、ずいぶん昔にそれを知って感激したのが
再三お話している『スパイ大作戦』と『ルパン三世』の関係。


第1シリーズ第2話『魔術師と呼ばれた男』
(1971年10月31日放送 大隅正秋監督)。

後にOVAで続篇も作られたほどの人気ゲストキャラ「白乾児」の初登場篇にして
化学百般に通じるルパンの一面が窺える、人気エピソードです。
劇中、重要な役割を果たす例の「三枚のスライドフィルム」。
あの「分かれたフィルム」というアイデアの元ネタが
『スパイ大作戦』第1シーズン第15話
「ヒトラーの遺産を奪取せよ」(1966年放送 マイケル・オハーリヒー監督)とは!


両作品とも「三枚のフィルムの意味」がストーリーのキーとなりますが
フィルムを三枚に分けて持ち歩く理由は『魔術師~』よりも、『ヒトラーの~』の方が
説得力があるんですね。なるほどと思わせる。
ただ確かに『魔術師と呼ばれた男』というストーリーにとって、あのフィルムは
一つのマクガフィンに過ぎません。
『ヒトラーの~』に於けるそれとは、ドラマ上の位置づけが違います。
『魔術師~』はあくまでも不二子を巡る、ルパンと白乾児の奇妙な関係が主軸。
決して、『魔術師~』が『ヒトラーの~』に劣っているという訳ではないんですね。
ですから両作品を同レベルで語ることは、一概には出来ませんが、
やはり印象としては「コピーするたび、元ネタの説得力は薄まっていく」と
いう事でしょうか。

両作品をご覧になった皆さん、どんな印象を持たれましたか?
まー「三枚のフィルム」の元ネタは、もっと過去の作品にあるのかもしれませんが。私が知らないだけでweep



お話を元に戻しましょう。
冒頭の『トプカピ』から45年。今や美術館・博物館や銀行のセキュリティ突破は
現場より、それを管理するコンピュータのハッキングに主軸が移ってきました。
数年前から言われている事ですが、このハッキング作戦は
いにしえの体術勝負から一転、映像的にカタルシスを感じにくい難点があります。

何しろハッカーは、ひたすらパソコンに向かっているだけですからpc
ですからこれからの犯罪映画は、そこにどうやって映像的な快感を
想起させるかが、一つの課題となっているようです。


ややケースは違いますが、昨年放送されたTBSドラマ『ブラッディ・マンデイ』では
いわゆる「パソコン上のハッキング戦」を、サイバーワールド上を飛ぶ
鳥のCGイメージで表現していました。(例の「ファルコン」ってヤツです)

やはりああいう生体の動き、ある種の皮膚感覚がなければ
「戦い」というものを受け手は認識し辛いという事なのでしょう。

作り手は本当に頑張っていますね。まったく頭が下がります。
システムそのものがブラックボックス化する現代にあって
皮膚感覚を生み出すことは、かように至難の技なのです。


ただ個人的には、やっぱりお宝を盗み出すストーリーは
ハラハラドキドキ、体術を駆使した展開が好みですね。
予想もしなかったアクシデントを、自らの肉体でどう回避するか。
そこが良いんですよ。マイナスをプラスに転じる瞬間のカタルシスが。

セキュリティ侵入のパスワードがヒットした瞬間、という絵を思い浮かべても
今ひとつ、爽快感に欠けますもんね。
『トプカピ』に肉体の復権を感じた私は、あい変らずのアナログ人間のようです。
別に毎日のウォーキングは、宙吊りの体力をつけるためではないですがhappy01

『トプカピ』のオリジナル予告編がありましたので
そのおしゃれな雰囲気を、どうぞご覧下さいmovie

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