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2018年7月 3日 (火)

チルソノアの神

1

人跡未踏・謎の町と呼ばれた中近東の秘境、ガラージに分け入った科特隊は
森の聖地に佇む純白の石像に息を飲んだ!
「チルソノアの神・・・五千年の昔、ガラモンの先祖は地球上に現れ
侵略の魔の手を伸ばしていたのか!?」
(ロボット怪獣を先祖呼ばわりもアレですが、まー原典遵守という事で

2

という訳で今回お迎えしたのは、海洋堂ソフビキット・1/200ガラモン
ガレージキット黎明期にスター原型師として名を馳せた、原詠人氏の手によるもので
白成型色が美しい1989年発売バージョンの、素組み無塗装版です。
そのクォリティの高さは、2016年に再販された事実からも証明できますね

このキットは当時、予想の斜め上を行く個性的造形の原氏が手がけたとあって
仲間内では話題騒然でした。
体中のトゲ再現がネックとなり、それまでメジャーメーカーが二の足を踏んでいたアイテムだけに
大人の鑑賞に耐えうるリアルガラモン、それもあの原アレンジが手に入るというだけで
ファンにはとてつもない朗報だったのです。
さらにキャストに比べ安価で手軽なソフビキットという事もあり、発売直後は争奪戦勃発
幸運にも入手できた者は200個近いパーツ接着にも果敢に挑み
仕上げただけで勇者扱い
思い込みタップリに塗装の腕を競ったものでした

3

かくいう私も当時は東奔西走、行きつけショップで有名な成田画パッケージを入手。
喜び勇んだものの、ガラモン命の先輩が既に一体をロールアウト直後で
その工作・整形・塗装テクの凄まじさに呆然自失、ため息交じりに仰ぎ見るのみで
わが腕のふがいなさに手を出せなくなった過去があります
いわゆるトラウマアイテムですね
自分の実力が十しかないのに百を見ちゃった敗北感と言うか
そんな過去がモチベーションに影を落とし、キットも手つかずのまま手放すハメに
ガレキに手を染めた者なら誰もが通る黒歴史まーそんな昔話はともかく。

4

今回の入手は素組無塗装版だったので、当時のリベンジ的意味合いもあったのですが
前オーナーさんの工作技術が予想以上に素晴らしく、接着剤漏れ一つ無いので
むしろこのままで全然OK、しばらくはオブジェ扱いで鑑賞したい気分になって来まして
ビリケンキット等でもありますよね。無塗装で成型色を楽しむ鑑賞スタイルが。
私には珍しいですが、白のボディカラーにデッサン像的魅力を感じたとでも思って下さい

5

白という色はディテールを浮き立たせ、明暗のコントラストがはっきり出るので
塗装でごまかせない分、造形の嘘がつけません。
その特性が、デッサンのモチーフとして使われる理由でもあるのでしょう
言ってみれば、原型師の腕がそのまま出てしまう恐ろしい色なんですね。
ですからこのガラモンも、期せずして原氏の造形技術を味わう
絶好の立体モデルというわけです
背面の量感からトゲのサイズ・フォルム・配置をはじめ・・・

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7

ガラモンという怪獣が持つ個性、プロポーションはもとより表面の細かい凹凸などが
塗装済みモデル以上にはっきり確認できます。
おそらく造型姿勢は憑依型であろう、豪放にして緻密な原氏のディテールへの執着。
左右非対称な腕の位置などに見られる、ポージングの躍動感。
それでいてガラモンの基本ラインを崩していない、このさじ加減が絶妙なんですね

8

ガラモンの肌ってこんなにデコボコしてたっけ?まるで冷えて固まった溶岩のようですね。
皺の彫も尋常じゃない深さだし。
そこも微妙な原アレンジ。着ぐるみ再現より印象の追及と言う方向性でしょうか
その造型の魅力が、発表から30年近くを経た今も再販され続ける所以なのでしょう

9

ただ白いというだけで巨大感を演出する"スター・ウォーズの法則"で
この一体も、実物以上に巨大に見えます。
梅雨空を切り取るその威容は、全高100mを誇るかの仙台大観音を思わせますね。
怪獣を観音様と比べちゃバチ当たりですけど

で、今回、あえてサイズ表記を避けていましたが・・・

10

意外にもノスヒロやメディコムとほぼ同じ、25cmというビッグサイズなんですね
しかも昔見た時よりボリューミーな印象でした。逆はあるんですけどこういうのは珍しい。
三体並べてみればさながら、ガラモンフィギュア40年の歩み
電動歩行から固定モデルを経て、フレキシブルフィギュアにまでなっちゃうんですから
さすが人気怪獣、大したバリエーションと唸っています
ご覧の通り、海洋堂版はメディコム版よりハードディテールで顔も大きく
近くで見ればすごい迫力
しかも係累を持たない唯一無二のフォルムですから、存在感も抜群です

やっぱりガラモンは特別ですね。
いつかチャンスがあれば、ビリケン版とも比べてみたいところです

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