公害怪獣総登場
早くも梅雨入り間近、貴重な晴れ間を見せた名古屋の片隅で
マスダヤの両雄に挟まれたシブい新着アイテムは!?
原色怪獣怪人大百科で有名な今は無き出版社・ケイブンシャ製EPレコード
『宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン 公害怪獣総登場』'71年当時物。
お値打ち品を狙い続けて数年、やっと私の元に来てくれました
万が一ピープロ検定があっても、コレで対策OKだ!
それにしても物々しいタイトル『公害怪獣総登場』。
いにしえの東芝レコードEP『科学特捜隊』を思わせる熟語仕立ての硬質感が
いやが上にも期待を高めます
石原豪人もかくやのリアル挿絵も、'70年代初頭の雰囲気濃厚で
レコード屋さんで目にしたお子さんを震え上がらせた事でしょう
当時おこづかいを貯めても買えそうで買えない、500円という価格設定が
そこはかとないスペシャル感を醸し出し秀逸。
アダルトな魅力が詰まった、通好みの一枚なのです
パネルレコードというふれこみですが
どこがどうパネルなのか、発売後47年を経た今も分からない所がケイブンシャテイスト。
ジャケットが厚紙だからかななんて、勝手に解釈しています
折れも無く半世紀近くの風雪に耐えられた堅牢仕様に、今は感謝の雨あられ
表紙を開けば早くも飛び込んでくるのは、見開きページの"足あとつき"公害怪獣図鑑
『総登場』のタイトルはダテぢゃありません。
ウルトラ怪獣に比べ極端に露出が少ない、ピープロ怪獣のひみつが満載。
モグネチュードンが起こす震度はなんと20、ギラギンドの弱点が目なんて初耳の嵐
コレと秋田書店刊・スペクトルマン怪獣カラー図鑑が揃えば
あなたも公害怪獣博士だ!(なんちゅう肩書き)
宇宙軍人ラー様の扱いはちょっと残念
あの巨大化が思いつきだったとは
さすがIQ300のゴリ博士。お戯れもスケールが大きい
ピープロ代表怪獣・ゼロンの体長がわずか17メートルなんて
画面からは想像出来ませんね。巨大オーラ出まくりの効果かな?
そんな小さな体で線路を壊滅させ
初スペクトルフラッシュ被害の栄冠を勝ち取ったんですから
超ストロング派とも言えますが
でも"おびきよせの作戦怪獣"って呼び名は、前座みたいで言われたくないかな
発見続出の怪獣図鑑に続いては、めくるめくスペクトル戦闘絵巻。
シルバーロボ中心の構図でお察しの通り、この盤に収録されているドラマの音源は
TV本編27話のサウンドトラック抜粋でした
家庭用ビデオ普及以前、音だけとはいえ番組そのものが手に入るのは
子どもにとって最高の喜びだったでしょうね
それにしてもいやー、この見開き挿絵の迫力たるや素晴らしい。
不勉強で失礼ですが、いかなる画伯の筆でしょうか
まさに怪獣天国(@親桜子)。
一度は迷い込みたい、ピープロ好きの桃源郷でございました
開けばさらに怪獣図鑑。歌詞ページには主役三人の雄姿が。
クルマニクラスやサタンキングは、今でも名獣と思っています。
シュールやお笑いに逃げず、恐怖の存在としての体裁を水際で保っている所が
ピープロ怪獣の素晴らしさと思うのですが
一峰大二氏のコミカライズとは異なるリアリティで、虎視眈々と地球を狙う宇宙猿人コンビ。
ネヴィラの勇士と堂々渡り合ったその姿には、卑怯逃げ腰の欠片もありませんでした。
番組当初のタイトル通り、この二人には悪役の枠を超えた魅力を感じますね
天知茂と書いてニヒルと読むがごとく、ゴリと書いて好敵手と読むのです
このカットも良いですねえ
ダストマンなど、筆使いでしか出せない生物感です。
CGやエアブラシ、スクリーントーンを使わない肉筆画の魅力とは
こういうタッチを言うのでしょう
主題歌「スペクトルマン ゴー・ゴー」
ED曲「宇宙猿人ゴリなのだ」は、先行入手のサン企画盤と同じカバーVer.。
第二次怪獣ブーム当時、会社を跨いで同種のカバー音源が使われる事は
珍しくなかったのでしょうか?
今後このあたりの事情も、ピープロGメンの探索課題になりそうですね
ともあれ、充実の怪獣図鑑から超リアルタッチの挿絵まで
おなか一杯の一枚でした。
そして何より『公害怪獣総登場』というレコードタイトルのシブさ(何度も言いますが)
今のお子さんに公害なんて言っても、意味が分からないでしょうね
まー負の歴史ですから、良い時代になったのかもしれませんが。
ゴジラ対ヘドラ同様、宇宙猿人ゴリという番組も
'70年代初頭にしか作られ得なかった、時代の仇花だったんだなあと
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