銀背びれの怪獣王
うららかな春先の陽気に香る曇天の森で
看板タイトルを奪われリペンジ意欲に燃える、特徴的なシルエットは?
(本編同様一班体制の忙しさで、毎度のお手軽仰角ですが)
出ました昭和50年当時の"最新作メカゴジラシリーズ第2弾"
『メカゴジラの逆襲』登場の'75ゴジラ。通称メカ逆ゴジラ
後に"キングギドラやラドンやマンダのような"人気怪獣となったメカゴジラ2号機の頭を
かわいい顔してもぎ取った、アウトレイジな武闘派です
1997年ビリケン商会製。
原型は同社の名キット・メカニコングも手がけた須合潔貴氏。
'70年代中期のヒーローゴジラを、安定の造形力でモノにしています。
ゴジラスーツではやや不人気で立体化が少ない中、30cmサイズで唯一のこの品は
まさにメカ逆ゴジラの決定版と言えましょう
ヤフオク入手でお迎えしたのはご覧の通り、前オーナーによる製作塗装済完成品。
腕の無い私には願ったり叶ったりです
商品写真が不鮮明で、スレハゲヨゴレ覚悟の入札でしたが
スレは予想以上に少なく、接着部分の白濁やヨゴレも照明のテカリだったという良い誤算。
さらに成型色そのまま素組、眼・口内・爪・背びれのみ塗装の
お手軽仕上げかなと思ったら
接着線整形、全身塗装の上、軽いドライブラシまで施された良品でした
なんて幸せ者なんでしょう私は。
(ディテールを強調する為、撮影時は若干レフを当てています)
とはいえ今回は、出品ページのメーカー名表記で一波乱
どう見てもビリケン製なのに、某王座メーカーB社製という謎の表記。
出品は信頼あるショップなのに、サイズ不明の上全表記がB社で統一されているので
ここまで断定されると私の目がおかしいのかなと、不安の中で最終決戦を迎えました。
幸か不幸か締め切り間際に高騰した事で、私の見立てもあながち的外れではないと
安心できましたが
落札した夜は、今やワンコイン程度の17㎝サイズを手渡される悪夢にうなされ
翌日の店頭受渡しで、ショップのお姉さんが両手に抱え現れた時はホッとしました
こうしたリスク込みの所も、オークションの醍醐味ですね。
そんな苦労の上での対面ですから、実物以上に見栄え良く撮ってあげようと
気合も充分で
でもそんな気合を入れなくても、そのまま撮っただけでこのカッコ良さ
どこから見ても絵になるビリケンクォリティ。
"須合マジック"と評判の通り、その造型力の冴えは
ふた昔前のリリースという事を全く感じさせません。
ヒーロー然としたプロポーションも忠実に再現。
独自のビリケンアレンジも、万人が抱くメカ逆ゴジラのイメージを損ねていません。
ボディは'74年公開の前作『ゴジラ対メカゴジラ』登場時の補修流用らしいですが
『メカゴジラの逆襲』版では、頭部のフォルムがややいかつくアレンジされた印象です
そういえば今回、久々にDVDを再現しましたが
昭和メカゴジラシリーズ登場のゴジラって、背びれの縁取りが銀塗装なんですね
この完成品も同じ塗装なので、おもちゃ風ハデハデ仕上げかなと思ってたんですが
こっちが正解という事で。いやー大変失礼しました
前作で帯電体質になった事と、関係があるんでしょうか?
広角気味なデジカメレンズの影響で、頭部もこの角度では
'74ゴジラそのままの印象ですが・・・
この角度では表情の険しさ、盛り上がった眼の下の筋肉、ややすぼまった下顎サイドなど
メカ逆ゴジヘッド独自の造型が楽しめます
'95年1月刊行の造型研究本「大ゴジラ図鑑」(HOBBY JAPAN社)によれば
こうした怒りの表情は、前作のヘッドに手が加えられた事に加え、
鼻先が潰れた事も関係しているようですが、'74ゴジラと印象が全く違いますね。
(チタノザウルスによく咬みつかれたのが、潰れた原因でしょうか?)
新兵器・回転ミサイルの威力を十二分に伝えた、都市大破壊ロングショットの迫力と共に
今作のシリアスさに一役買った、迫力ある面構えと思います。
重厚な伊福部サウンドも、この造型を盛り立てていますし。
最後はお約束のビリケンコンビ。
実物はゴジラの方が低いんですが、メカゴジラ2と目線を合わせる為にかさ上げ
写真ではゴジラの方が大きく見えます。まーいーか今回の主役だし
中央のパンフは封切時、劇場鑑賞で求めたもの。
こんな所で日の目を見るとは、43年前は夢にも思いませんでしたが
わが家のビリケンGもコレで4体目。
毎度思いますがビリケンソフビって、時代を超えて愛される魅力がありますね。
素組・未塗装でも映える上、手を入れればさらに高品質に。
絶版品が高額取引されるのも無理はありません。
個人的にはこのクォリティで、永遠のフェイバリット・GMKゴジラの登場を
期待していますが・・・
じっくり集めたいシリーズですから、気長に待つことにしましょう

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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
ビリケンゴジラ良いですね
須合さんのゴジラはビリケン以前から大ファンです
確かに逆終ゴジラの方が凄味があって迫力がある感じがします
パンフと一緒も素晴らしい、、懐かしいなあ
投稿: まころう | 2018年3月17日 (土) 13時29分
まころう様 お久しぶりです


須合原型のビリケンソフビは他に
バラゴン、モスゴジ、大戦争ゴジラを持っていますが
怪獣それぞれの個性・生物感・着ぐるみ感のブレンドが絶妙で
それらを30cmサイズにまとめる表現力には、いつも感服しています
このメカ逆ゴジラも、前作より増した凄みを上手く造型していて
違いが一目で分かる所が秀逸ですよね
ビデオが無い時代、パンフは唯一の作品資料として重宝していましたね。

メカゴジラ1からの強化部分が図解されているこの一冊も
当時は目を皿のようにして読んでいました
着ぐるみ毎にリアルなフィギュアが作られる現在から見れば
厭世の感がありますが
投稿: MIYUKI | 2018年3月18日 (日) 09時03分