冬の転身
というわけで昨日、いつもの買●王国を覗いてみると。
一昨日まで930円だったバンプレスト製・タツノコキャラクターフィギュア
破裏拳ポリマーが、なんと半額近くに値下げという快挙
ポリマー大好きなので、このアイテムは以前から欲しかったんですが
’98年製と微妙に年代ものなので妙にプレミアが付いちゃって
市場・ヤフオク共に新品で1,500円は下らぬ高値ゆえ、残念ながら手が出ず
コレも二か月ほど前の店頭デビュー以来
買えそうで買えない絶妙な価格設定に、来店される同好の士同様
お願いだから売れないようにと祈り、値下げの瞬間を狙っていたんですが
実にうまくタイミングが合いました
あまりに嬉しくて、候補おもちゃを全部キャンセルしレジへ直行
帰宅後あわててわが家のポリマーグッズをかき集め、まずは未開封状態で一枚
いやー上がるわーテンションライバルを出し抜いた感さえあったりして
すいません所詮は田舎の争奪戦なので、どうぞ呆れてやって下さい
さっそく開封し円形ベースにはめ込み、まずは基本の正面FF
前述の通り’98年リリースのプライズですから
お持ちの方も多いと思いますが
ガッチャマンやタイムボカンシリーズの商品化が目立つタツノコキャラクターの中で
ポリマーは比較的不遇な存在。
このアイテムのような全高16cmサイズでは
めったに日の目を見ないキャラクターなのです。
ですからコレはかなり貴重。ポーズもキマってああカッコイイ
こうして見ると、エンディング曲の歌詞♪赤い正義の影ひとつ♪がふさわしい
全身赤のスタイリッシュなコスチュームですねー
個人的には、この手の体にピッタリしたヒーロースーツの中でも
かなり洗練されたデザインだと思うんですよ。ポリマーって。
もっともコレを着こなせるのは、鍛え抜かれた筋肉あってこそでしょうけど
今朝は気持ちの良い秋晴れだったので、朝一番の森へ連れ出しさっそく一枚
第一話をはじめ、影の中からヌッと現れる明暗のイメージで
早朝ゆえの強い陽光と、森林の暗がりとのコントラストが生む効果です。
ディテールを若干殺しても、ベタ明かりでは決して出来ないドラマ性を狙いました。
こういうのが森林写真の良いところですね
これぞ正義に燃える、タツノコヒーローの顔!
ポリマーと言うと、拳を握りしめたイメージがあるので
この手刀交差ポーズにはちょっと馴染みがありませんが
いずれにしてもこの後、マトリックス並みの超絶格闘を演じるカッコよさが
ポリマーアクションの真骨頂でしたね。
パンチで敵戦闘員のマスクを砕いた瞬間、手の甲のPマークが輝くところなんか
子供心にうひょーと感激したものです
全身の筋肉、脚の腱まで見事に再現されたこの造形!
’98年製のプライズにしては、ちょっと力が入りすぎてますね
それもやっぱり、作品本編のリアルな作画技術に合わせた物でしょう。
’60年代末から急速に発達した、タツノコの人体造形リアリティの追及は
ポリマー放送の’70年代中盤、頂点に達した感があります。
同時に、極めてアメリカナイズされたキャラクターのコスチュームデザインも手伝って
日本離れした非常にバタ臭いイメージが、タツノコ作品の個性だった気もしますね。
その対極に立ったタイムボカンシリーズさえ、絵面のリアリティとは無縁ながら
しっかりスラップスティックコメディの体裁を貫いていたあたり
他の和製アニメ制作会社とは一線を画していた感があります。
ただ個人的には件の○○マン路線、パターン化された定番ギャグのオンパレードに
いささか食傷気味だった記憶もありますが
私はどーも昔から、いかなるシリーズものも初作のみで飽きちゃう癖がありまして。
まー好みの問題ですから、ハマられた方は誤解なきよう
コレも明暗を活かした、浮かび上がるようなハイライトショット
こんな逆打ちもサマになるところが、ポージングフィギュアの良い所ですね
左足スタンド用のピンが見えているのはご愛嬌
ポリマーと言えば、転身能力を活かした各種メカニックへの変形も
大きな魅力でしたが
放送時はわが家も貧乏だったので、作ったプラモデルは
50円キャラメル箱のポリマーホークのみ、四個セットのバラ売りでした。
作品は大好きだったのに、近くのお店では大物ゼンマイキットはついぞ見かけず
募った恨みつらみが、今もポリマーグッズ入手に走らせる原因なんでしょうか
ポリマーと言うと、私には冬のイメージがありまして。
同番組は全国同時ネットではなかったので、地元名古屋の放送は
名古屋テレビ・毎週土曜17時30分~18時00分の”ガンダムタイム”でした。
当時、病弱だった母が何度目かの入院中で
父は仕事のかたわら、病床の母の看病に追われ
私は幼い妹の世話と、家族分の夕食の食材を買い出す役割だったのです。
1974年も冬休みに差し掛かった土曜日。
二つ下の従弟が、ウチへ遊びに来る事になりまして。
当時は二人ともポリマーが好きだったので、夕食の買い出しを早めに済ませた私は
暮れなずむ陽に追い立てられるように、ガラス戸がガタピシ鳴る駄菓子屋へ直行
わずかな小遣いで粗末なおやつを買って、やってくる従弟を心待ちにしていました。
それまで一人ぼっちで見ていたポリマーを、歳の近い子供同士で楽しむ喜び。
母の抜けた寒々しい家に、久びさに明るさが戻った冬の夕暮れでした。
内容はもちろんですが、作品は鑑賞時の心境も記憶に刻まれるもの。
『破裏拳ポリマー』という作品の明るさ、爽快さ、後味の良さは
母の居ない寂しく不安な、冬の週末を救ってくれたのです。
ですから私には、ポリマーに特別な思いがあります。
リアルタイム派だけが抱ける、哀しくも懐かしい思いです。
そんな父母も今は亡く、従弟も高校生の息子を持つまでになりました。
彼にこの冬の話をしたら、笑って懐かしんでくれるでしょうか
« もういちど見せてほしい | トップページ | キーボードとデジカメの憂鬱 »
「怪獣おもちゃ」カテゴリの記事
- 墓場のスペクトルマン(2019.06.18)
- 大怪獣バラン・岩屋湖掃討命令(2019.05.18)
- 新緑カネゴン(2019.05.10)
- 凶害獣ネズバードン(2019.04.08)
- 桜吹雪B/Oジラース(2019.04.06)
「マイ・フェイバリット・アニメーション」カテゴリの記事
- 冬の転身(2014.09.13)
- ルパン原案ボツの思い出(2014.08.31)
- 紫陽花バンガオー(2014.06.29)
- やぶれ恐怖のデスクロス(2014.05.03)
- すごいぞホバーパイルダー(2014.04.15)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント