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2012年1月30日 (月)

ALWAYS三丁目の夕日’64感想・中篇

さて今回は、先週月曜日に劇場鑑賞した
『ALWAYS 三丁目の夕日’64』についての感想記事

⑤同業者目線

についての感想をお話することにしましたhappy01

結局、思い描いた内容にはならなかったのですが
どこかで形にしておかないと、永遠にまとまらない気がしたものでcoldsweats01
いつもの下らないお話ながら、おヒマでしたらおつき合い下さい。
ちなみに前回の感想記事はコチラ



なお今回も内容上、映画本編のディテールに触れざるを得ず
ネタバレとなるのは必至ゆえ
『ALWAYS 三丁目の夕日’64』及び
ALWAYSシリーズ一作目、二作目を未見の方は
鑑賞後にお読みになる事をおすすめします。

さて。もともと頭も表現力も無い所へ持ってきて
過剰なまでの時代再現が生み出す、強烈なノスタルジーに惑わされた私ですが
全篇に渡って曇りがちになる選作眼を振り絞って
私が今作『ALWAYS 三丁目の夕日’64』(以下『’64』と表記)に
映像屋の端くれとして感じた事は
前回の感想記事でお伝えした通り、大まかには二つありました。


『3D化の功罪』


『三作目の法則』


悪い癖で、いずれも長文になっちゃうので
二点を読みやすくする意味で
今回は一つ目『3D化の功罪』の巻をアップしようと思いますhappy01


3D映画として作られた事が大きな売りの今作『’64』。
とはいえ私は2D版を観た為、3D版について語る資格など無いんですが
ネットに溢れる感想ブログなどつらつら眺めるに
どうやら、3D効果に対する印象は賛否両論のようでconfident


手放しで賞賛する肯定派が居る一方
3Dメガネ着用の為に、画面がボヤけ観にくかったとか
それほど3D効果を感じなかったとか
そもそも3D効果を意識した場面そのものが少なかったとか、ガッカリ派も多数coldsweats01
皆さんの感想を読んでやきもきするくらいなら
私も3Dバージョンを観ておけばよかったと、今さらながら後悔するばかりですが
その一方、2D版鑑賞の時点ですでに、明らかに3D効果を狙ったであろう場面は
ほぼ判別できておりました。



・オープニング、夕日町の路地裏から東京タワーの大俯瞰へ向かう
タイトルバックの大トラックアップショット

・中盤、鈴木オート店内で
ロクちゃん(堀北真希)に結婚を申し込んだ菊池(森山未來)が
則文(堤 真一)に殴り飛ばされるバックショット(スロー処理)

もっともその後の”変身カット”については
感想ではあまり採り上げられていなかった為
3D化の事実は判然としませんが。



感想記事で話題に上った3Dカットは、大まかにはこの2カットでしたが
日本映画専門チャンネルで放送されたメイキング番組での
山崎貴監督へのインタビューによれば
夕景の中に飛ぶ赤トンボのカット等も、3D化されていたと聞きました。
なんと私、その場面はトンボのごとく記憶から飛んでおりまして
まったくお恥ずかしい限りなんですが

トンボが顔の周りを飛び回り煩わしい印象が、3D化の演出意図だったそうですから
3D版をご覧になった皆さんはきっと
秋の夕暮れの雰囲気に酔いしれた事でしょうねwink



他にも、東京上空に五輪の飛行機雲を描き画面手前を飛び去る
ブルーインパルスのカット

(劇場販売パンフレット7ページ上段に掲載された写真のカット)や

ストーリー終盤近くで、手前に夕日町の町並み、奥に東京タワーを捉えた夕景カット
(同パンフ、P6上段写真の画角が近いかと思います)
なども、画面構成や色彩設計、動線演出等が3D化を意識したものに思えましたが
3D版をご覧になった方、実際の効果はいかがでしたでしょうか?



とまあ、頭も動体視力も悪い私がちょっと挙げただけでも
これだけの3D演出が見受けられました。
こんな事は、ちょっと映画好きの方ならすぐお分かりと思いますが
私が気になったのは、そこから先の部分で。



前述のカットそれぞれは、今も印象に残っていますが
3D映像のインパクトを優先するあまり
2Dではそれらのカットのみがドラマから浮いてしまって
ストーリーの流れやリズムを、断ち切ってしまっていたように見えたのです。

鑑賞時は、それらのカットが3Dとは一切知らなかったのに
なぜか非常に、違和感を覚えてしまったわけですね。


その為、観客の意識がアイドリング状態であるオープニング画面あたりは
まだ弊害が少なかったものの
ブルーインパルスのシーンあたりになると
いかにジェットエンジン装備のF-86Fであろうと、動きがスムーズすぎる上
飛行機が手前に迫る、広角レンズ撮影風作画を施している為
デジタル処理そうろうのカットになってしまっている。

その前カット、地上で日の丸を掲げ喜ぶ夕日町メンバーのアナログぶりとは
かなりの隔絶感。
さらに、コレは私だけの感覚かもしれませんが、ディテールが非常にアニメっぽい。
同山崎監督作品『SPACE BATTLESHIP YAMATO』の
宇宙戦闘シーン、ブラックタイガーチームの動きに通じる
演出センスを感じたわけです。
すべてが作り物感覚の『YAMATO』なら違和感無くても
全カットに人間のぬくもりを宿さねば成立しない『ALWAYS』では
木と竹を繋いだように見えてしまったと。


鈴木オートのカットでは逆に、3D処理にスロー演出まで加えられているので

その前のシークエンスで、次は殴り飛ばされる場面であることが
予想できている観客には
いかにも遅く、平板な展開に見えてしまう。
私は、菊池氏がカメラに向かって飛んでくるカットの
カット頭、カット尻の0.5秒程度が、間延びしていた印象を受けました。

映像用語で言えば「編集点が甘い」ということです。


私もあの場面には「あーあ。やっちゃったな山崎監督」という
落胆を禁じえなかったですしsad
あそこはスベっていたという感想も、ネットでは散見されました。
3Dならストレスなく見られたであろうカットも、2Dではその間延び効果が
観客に「スベっている」という印象を与えてしまったわけです。
ALWAYS一、二作目では、ベタなストーリーを演出技法の冴えで
回避し続けられた山崎監督なら
別の手を考えられたろうに、つくづく惜しい結果とは思います。


さらに手前に町並み、奥に東京タワーのカットに至っては

一つの画面なのに、町並みと東京タワーの間に明らかな「空気層の差」があって
その差はさながら、昔の怪獣映画などでよく散見された
書き割り背景の前にミニチュアセットを置いたような雰囲気。

この画面を観た私は
「今のCG技術で、こんな違和感を調整できない筈はないから
コレもきっとも3D処理の弊害で、2Dだとこう見えちゃうんだろうな」
なんて、妙に納得していたものですcoldsweats01


でもそういう事って、どんな監督であろうと
作品全体の仕上がりを見て初めて分かるんですよね。私もよ~く感じます。
たぶん山崎監督も、各場面では悩まれたのではないでしょうかconfident


前述の同作メイキング番組で
今作は、山崎監督の3D演出初挑戦作品と伺いましたが
3Dカットの仕掛どころと演出リズムについては
山崎監督に限らず世界中の映像クリエイターにとって
まだまだ研究課題であることを、再認識した次第です。
加えて、今日お話したこれらは
決して、重箱の隅突きを意図したものではなく
他が完璧だったからこそ、逆に目立った点であることをつけ加えておきます。



稚拙な自論ながら、映画は庶民の娯楽、見世物で良いと思っているので
そういう言わばお化け屋敷的な”ビックリ画面”を折り込む姿勢には
まったく異論が無いのですが
3D・2Dという、二種の異なる上映形態が存在し続ける限り
立体効果のインパクトで、ストーリーのリズムを保ち続けられる3D形態と
同じカットでも立体効果が無いため
その部分がリズムを崩し間延びしてしまう2D形態という
二つの異なる印象を、観客に与えざるをえないわけですね。


自作のリズム、つまりは演出意図を
3Dのインパクトに合わせるか、2Dの平板展開に合わせるか。
監督にしてみれば、頭の痛い選択と思います。
前述の私の感触から考えて
山崎監督は今作に関しては、3Dのインパクトを採ったのでしょう。
でもこういう事も、サイレントからトーキー、モノクロからカラー
スタンダードからワイド画面など、映像技術進化の過渡期で必ず起きる
並行上映形態ゆえのジレンマ、研究項目ですよね。
いつか3D上映が当たり前となり、2Dが過去の遺物となった時
こんなジレンマも、思い出話になるのでしょう。


とまあ、しょせん2D版しか観ていない私が
想像でアレコレ書いても、意味は無いのでしょうね。
機会あればぜひ、3D版も観てみたいと思っています。
間違いなく感想は変わるでしょうが、この記事も未見時の印象として
残す意義はありますしね。
3D版を観ちゃったら、こんな感想は書けなくなっちゃうわけですから。


さあ。あまりダラダラと書くのもアレなので
今回はこのあたりにしましょう。
『’64』感想記事、次は「三作目の法則」。
コレも脳内編集中ゆえ、必ずしも次回の記事でアップできるとは限りませんので
気長にお待ち下さい。
まー待ってる方も居ないでしょうけどhappy01

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コメント

 お久しぶりです。自分のブログも放ったらかしで、先週やっと2ヶ月ぶりで更新したという‥‥。なかなか時間がとれず、またモチベーションが上がらず、ユルユルと続けていきます。

 さて、この記事にコメントしたことでおわかりと思いますが、本日やっと『'64』を観てまいりました。しかも3Dの方で。

 トンボのシーンは、目の前を横切るトンボが小さいので、ハエのような鬱陶しさでした(苦笑)。ただ、あの信越線がフルCGだということで、3DとCGの可能性に感嘆しました。山間の奥行きと陰影が見事でした。

 ご指摘のシーンはまさに3D効果を狙ったものでしょう。変身シーンもブルーインパルスも飛び出してきましたヨ。
タイトルが東京タワーのアンテナの動きとともに現れるシーンは、目の前にタワー先端が飛び出してきて、掴めそうな感じでした(^o^)/

しかし、パンフにも書いてありましたが、この映画が目指した3Dは、「飛び出す」効果よりもむしろ「奥行き」にあるようです。ほとんどのシーンで一番手前のスクリーン・ラインにシーンの中心人物が配され、奥にセットや他の人物がいるという「奥行き」が効果的でした。
 そして、この効果がもっとも発揮されているのが、夕日町の路地。監督の狙い通り、臨場感があって、その場にいるような錯覚にとらわれました。細長い路地の奥行きが感じられました。
温水さんとマギーさんがバカンスに出かけるロクちゃんを目撃するシーンなど、本当に通りの向こうにロクちゃんがいるようでしたヨ。こういう3Dの使い方があるのだなぁと、新しい発見でした。
また、3Dになったことで、小道具やセットの隅々が鮮明になったように感じられました。距離感があるので、画面に埋没しないのでしょうか。この3Dver.は意義があったものと思います。

 ただし、カラーテレビがやってきた冒頭のシーンでは、私の目が馴染んでいなかった所為か、たくさん並んでいる人物が平面的で、自然な遠近感には感じられませんでした。これからの3D表現での課題でしょうか。


 年明けからずいぶん時間が経ってしまいましたが、本年もよろしくお願いします。

自由人大佐様 お久しぶりですhappy01
貴ブログへもなかなかお邪魔できず、申し訳ありません。
コチラも毎度、ユルユルな更新内容ですので
これからもお互い、力を抜いて気ままに続けていきましょうhappy01

『’64』ご覧になりましたか。それも3Dとは。
記事の通り私が観たのは2Dだったので、羨ましいですhappy01
CSの日本映画専門チャンネル制作による『’64』メイキング番組では
本作の3D効果について、様々な角度からリポートされていますが
確かに大佐さんが感じられた部分はすべて、山崎監督曰く
「3D映画じゃないと成り立たない」演出なので
2Dでは間延びした印象となってしまったのでしょうね。
3Dの演出効果が、2Dで観る観客に微妙な時間印象の差を生じさせるという事を
つくづく感じた次第ですcoldsweats01

>ハエのような鬱陶しさ

あのシーンも監督によれば、鬱陶しさをあえて強調することで
「そういうことが子どもの頃の記憶のスイッチを押す」ということを
熱弁されていましたhappy01
他のシーンでも確かに、大佐さんがお感じになった「画面の奥行き」を
演出したであろう画面構成は、今回かなり多かったと思います。
他の感想ブログでも

>温水さんとマギーさんがバカンスに出かけるロクちゃんを目撃するシーン

などは、かなり3D評価が高かったですよね。
うーむ私も、3Dバージョンで再見したくなってきましたcoldsweats01
ただおっしゃるところの

>小道具やセットの隅々が鮮明になったように感じられ

の部分については、劇場ごとの上映設備の違いによるものなのか
「3Dゆえ画面のピントが甘い」「暗く見える」などの感想も散見され
そういう印象が、初見作品での3Dバージョン鑑賞にちょっと二の足を踏ませてしまう
事情もあるんですよねcoldsweats01

でも今作はすでに2Dで初鑑賞していますから、ストーリーはすでに理解しましたし
2Dとの印象差を確認する意味でも、3D鑑賞の意義はあるかもしれません。
山崎監督は今作が初3D演出作品だそうですから、メイキングを見ても気合充分。
それなら3Dで見なければ失礼というものですよね。
都合が合えばぜひ、3Dで再見したいと思っています。

最近の記事でお察しの通り、いつもの公園で季節を感じながらの
ユルユル怪獣遊びが、今やマイブームの私ですので
今後も下らない写真ばかりでお目汚しと思いますが
なにとぞ呆れず、本年もよろしくお願い致しますhappy01

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