ユルい誘拐魔
前回の清水マリさん関連グッズに続き
新たにわが家へ届いたのは、われらの古谷敏氏が演じる
液体未来宇宙生物・ケムール人のM1号製ソフビ(紛らわしいですが)
人着スチールなどからイメージされるケムール人スーツのカラーリングに
比較的近そうな第三期が、運良く手に入りました
あい変らずのネットオークション、相場価格での入手です
以前なら、ショップでもけっこう見かけていたアイテムですから
最近のように微妙に品薄になるとは思いもよらず、ノーマークだったんです。
第一期発売当時・1990年ごろも何度か手に取ったまま
記憶の隅に追いやっていました。
もっともその頃の印象は「頭が大きいなあ」「足が古谷さんみたいに長くないし」
なんてまったくピント外れ、今思えば恥ずかしいもので
当時の私は、ボークス・海洋堂のキャストキットやビリケンのソフビキットなど
劇中のイメージに近いリアルディテール・リアルプロポーションを正解と考えていて
マルブルタイプソフビのコンセプトを理解できなかったんですね。
ケムール人は私の中でも、とりわけ思い入れの強かったキャラクターだけに
なかなか妥協し辛く、決定的なリアル版の登場を待ちわびておりました。
ところが2000年、バンダイからリリースされた
劇中そのままのウルトラ怪獣シリーズ・ケムール人ソフビを見た途端
「あれっ?せっかく待望のリアルソフビが出たのに、なんとなくこのバンダイ版よりも
むしろ苦手だったM1号版の方が、今の好みに合ってそうな気が」
なんて、嗜好が昔と微妙に変わっていまして
どうやら突き詰めすぎたリアルフィギュアに、飽きが来たような感覚なんです。
で、幼さと感じていたマルブルソフビのデフォルメタッチを
味と感じるようになって来たんですね。
今思えばつくづく、若輩者だったなと
で、その後は坂を転げ落ちるように、ユルソフビを追い求める毎日という
まー怪獣と同じく、フィギュアテイストの好みも人それぞれですから
こんなおバカな経緯を辿るのは、私ぐらいのものでしょうけど
ですからこのM1号版ケムール人は
私の怪獣ソフビタッチの好みが変わっていく過渡期に出会い
入手チャンスは何度もあったのに、いつの間にか店頭から消えていた
微妙な一体だったのです。
手元の資料によれば、2000年にバンダイ版が発売される二年前
1998年の段階で
M1号版は、今回入手の第三期のみが販売されていたようですから
やはり絶対的な店頭在庫も少なく、流通の表舞台からは徐々に
姿を消しつつあったのでしょう。
ショップで見なくなったという前述の印象は、そういう事情からだったと。
もっともカネゴン、ガラモンクラスのメジャー怪獣ならともかく
相手は世代人のみぞ知る、ケムール人ですからねー。
そりゃしょうがないことでしょうけど
そんな経緯もあって、各メーカーがこぞって立体化するペギラやパゴスなどは
けっこう積極的にユルユルソフビを集めていたにも関わらず
ケムール人ソフビの好みだけはリアル・レトロの間を揺れ動いていたので
収集ラインナップから、エアポケットのように抜け落ちていて
考えてみれば、一つも持ってなかったアイテムだったんですよ。
でも近く、古谷さんにもお会いできる事だし
わが家に手ごろなケムールちゃんが居ないのは、なんとなく後ろめたいと
そういう理由から、今回の入手に踏み切ったようなわけです。
もっとも、ネットでは比較的見かける品なので
価格も高騰せず、踏み切るなんて気合を入れるほどの散財もありませんでしたが
でもいざ手にとって見れば、コレがまたかわいいかわいい
大きな頭や左右段違いのクリクリ目、短い手足など
着ぐるみと違うというだけの理由で
なんで今まで、このかわいさから目を逸らしていたんだろうと
いやーまさかこの齢になって、ケムール人に心をわしづかみにされるとは。
ユルソフビの底知れぬ魅力に、敬服せずにはいられません
二体揃い踏みの「Q」古谷スーツ怪獣に対峙する
ご存知・星川航空のウルトラエースこと万城目淳。
劇中ではありえなかった豪華な顔ぶれながら
これら思いっきりレトロテイストのソフビたちが
メーカーこそ違え、三体全て新規造形とは。
リアルフォルムの追求こそフィギュア造形の最先端と
誰もが信じて疑わなかった’80年代初頭、後にこんな時代が訪れるとは
いったい誰が予想できたでしょう。
歴史は繰り返すという言葉は、こういう場合にも当てはまるんでしょうか
このケムール入手の際にも、ちょっとしたエピソードがあったんですが
それはまた、別の機会にお話できるでしょう。
あまりにかわいいので日が暮れたら、名古屋都心の大観覧車の前へ連れ出し
写真の一枚でも撮ってやろうかなどと、ひそかに企んでおります
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