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2009年9月 5日 (土)

公園に進路をとれ

ちょっといい体験をしました。
午後四時を少し回った、いつもの公園で。


今日も昼間から灼熱の太陽が照りつけ、最高気温が33度まで上がった名古屋。
ここ数日、最も気温が高い午後二時前後からウォーキングに出かける私も
今日の厳しい残暑には、さすがに二の足を踏んでいました。

そんな根性なしの私がどうにか重い腰を上げたのは、午後四時少し前。
部屋に居てもふらつく高温。ケージでぐったりしているキナちゃんを横目に
どうにかTシャツとサウナスーツを着込んだ私は、ため息と共に外へ出ました。

四時前とはいえ強い西日が肌を刺し、スーツの中にはたちまち汗が溢れます。
それでも歩き出せば、目的地の公園までは止まらない。
ウォーキンクルートの途中には、ちょうど良い日陰のベンチが無いからです。
それを、途中で怠けない為の理由にしているところもあります。
ただ、そういう自分への無謀なルールが、かえって体に無理を与える事も
知っておくべきでした。

いつも以上に張りきったせいなのか、夕方だからと侮った為なのか。
気温よりも湿度の高さが体力を奪うことを、私は忘れていました。
いつも以上に発汗が多い事、汗の流れがいっこうに止まらない事で
すでに体は、異常を訴えていたのです。


サウナスーツの袖口から、じょうごのようにしたたる汗に驚きながら
半ば倒れこむように、いつもの公園のベンチに座りこんだ時は息も絶え絶え。

唯一の命綱、ペットボトルに凍らせた緑茶も、あまりの暑さに融けきっています。
あっという間にそれを飲み干しましたが、すでにその時は
目の前にもやがかかったように、視線の焦点が合いません。
おまけに周りの音まで、耳にガーゼを当てたかのような聴き辛い状態で。
どうやら熱中症の兆候が、視覚と聴覚に異常を与えているようです。


あまりの気分の悪さに、しばらくベンチから動けませんでした。
幸いにも、ベンチの傍らにはセットのテーブルがあるので
私はベンチに腰掛けたまま、テーブルにうつ伏す事が出来たのです。

そんな状態が、どれくらい続いたでしょうか。
もうろうとしながら、ボンヤリ公園を眺めていました。
夕方の公園には何組かの家族連れが、備え付けの遊具などで遊んでいます。
みんな元気だなー。こんなに着こんで熱中症になってるのは、私くらいか。
そんな自分を、ちょっと笑う余裕が出来た頃です。

不意に、誰かの視線を感じたのです。



視線の主は、すぐ分かりました。
公園の中心に据えられたすべり台の近くから、私を見る四つの目。
それは幼稚園児のような、小さな二人の少年の目だったのです。


少年たちは私と合わせた目を逸らさず、まっすぐこちらに歩いてきました。
初対面の、それも息も絶え絶えの不審者に、彼らは何の用があるのでしょう。

迫る彼らの歩幅、ストロークが、何となくヒッチコック映画のワンシーンのような
不条理感を感じさせます。
さしずめ「北北西に進路をとれ」の冒頭、巻き込まれシーンのごとき不穏な空気。
これで「ジョージ・キャプランさん?」とでも尋ねられたら、もう命はありません。
てえことは私は、ケイリー・グラントか?
いやいや意地でも、エヴァ・マリー・セイントと言い張りますが。
ああなんという事でしょう。私は何かの犯罪に巻き込まれたのでしょうか。
そうです。薄幸の美女は、いつもサスペンスと隣りあわせなのです。
(このあたり、熱中症のおバカな妄想という事で、どうぞお許し下さい)



やがて、私の前で止まる二人。
その可愛い口が、不意に開きました。

「ジュース、どこに売ってるの?」

そうです。彼らは、私が飲み干してテーブルに置いたお茶のペットボトルに
視線を合わせていたのでしたhappy01happy01happy01

なるほど。確かに夕方四時とはいえけっこうな残暑。
公園で遊ぶ家族連れも、喉の渇きは抑えられなかったわけですね。

ところが自然の景観を守る為か、公園には自販機が設置されていません。
ですから子ども達も、私がどこでこのペットボトルを買ったのか
知りたかったという事なのでしょう。


困った私が「うーん。ここにはジュースは売ってないねー」なんて笑っていると
ほどなくして、彼らを見つけたお母さん達がやってきました。

「あらごめんなさいねー。ほら行くよ。」なんて、若いお母さんは苦笑いしながら
彼らの手を引いて行きます。
きっと二人とも、ジュースが飲みたかったんだねー。ちょっと残念だったね。

そんなかわいい二人に目尻が緩んで、後姿をじっと見つめる私の目の前で
どうしたんでしょう。私に声をかけた方の少年が、不意に振り向きました。

なぜかお母さんは気づいていません。また視線が合っちゃった私たち。
不思議な共犯意識ですね。
微笑む私に、彼はちいさな手を何度も振って、あいさつをしてくれました。
嬉しくなった私が手を振り返したのは、言うまでもありません。


幼い頃、私も何となく、彼のような経験をしたような記憶があります。
あまりにも幼すぎて、シチュエーションも相手の事も、何ひとつ覚えていませんが。
皆さんにもありますよね。自分と他人の垣根がなかった頃の記憶って。
幼い彼の心の中に、私はどう映ったのでしょうか。
まーいいんですよ忘れちゃっても。彼もきっと私のように
尋ねられる年頃になって、昔の自分を思い出すんでしょうから。


彼に元気をもらって、熱中症などウソのように消えてしまった私。
意気揚々と、帰りは歩きまくってきました。まー単純な私happy01

なんでしょうね。子どもに触れてパワーを取り戻すというのは。
それだけ年をとったのか。大人の世界に疲れたのか。
こういうひとときを大切に紡いでいくことが、心の豊かさに繋がるんでしょうね。
ヒッチな体験で気持ちはリッチ。残暑の一服の清涼剤でしたhappy01

名古屋の最高気温はまだまだ30度を下りませんから
依然として、気は抜けませんがpunch

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