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2009年9月14日 (月)

噛みしめる恐怖

それはあたかも、白日夢のようでした。
めっきり秋となった空気の涼しさにつられ、
久々に覗いた、いつもの駄菓子屋さんの店先。
うまい棒やよっちゃんいか、ココアシガレットなど、懐かしいお菓子が
所狭しと並ぶ、棚の片隅。
クッピーラムネ、フェリックスの陽気なイラストに追いやられ
日も当たらぬ暗がりで、目立たぬ花のように
それはひっそりと、たたずんでいたのです。


Photo


















冷ややかに切なげに、私を見つめる人形の眼。
ああなんと怖ろしい事でしょう。
その凍りついたような二つのまなこに吸い寄せられるように
私はその袋を、買い物カゴに入れてしまったのです。
今思えば、それは人形を操る何者かの仕業だったのでしょう。
いや人形に込められた、哀れな少女の恨みの念かもしれませぬ。
手に取った瞬間、心なしか、少女の顔に笑みが戻ったような気がしたものです。


Photo_2














まるで微熱にうなされるがごとく部屋に帰りつき、恐る恐る封を開けました。
すると出てきたのは、ビニイルに包まれた小さな西洋噛み餅
(近年ではガムと呼ばれるそうですが)と
小文がしたためられた、一枚の紙片。

よく見れば紙片は袋とじになっており、中が見えなくなっているではありませんか。
とじられた紙片の中には、無念に泣く少女の念が眠っているのでしょうか。
それとも。闇に潜む妖怪変化、魑魅魍魎のたぐいが
鋭い牙を光らせ、封印が解かれるのを今や遅しと待ち構えているのでしょうか。
不安におののく私は、勢い霊の怒りを鎮めるべく
震える声で「南無阿弥陀仏」の一言を、唱えたものでございます。

気を落ち着けて紙片をよく見れば、そこには一つの物語が綴られておりました。
何か封印に関係するものかもしれない。
目を剥き、一心不乱に文を追う私の姿は、はたからはさながら夜叉のごとく
映った事でしょう。

読み進む内に、私の手はわなわなと震えだしました。
「なんという事だ。私はこんな怖ろしい物語の扉を開けてしまったのか。
これまでの人生で、ここまでの恐怖があっただろうか。」
背筋を走る悪寒とともに、後悔の念が津波のように襲ってきました。
もうこれ以上読み進みたくない。読み進めばあまりの恐怖に
私は悲鳴を上げ、魂を吸い取られてしまうのではないかと。

しかし、そんな願いとは裏腹に
裏面へと続く物語から、私はどうしても目を逸らすことが出来ません。
それどころか早く先を先をと、自分を急いているのです。
ああ私は哀れにも、妖怪変化の術中に嵌まってしまったのです。
憎むべき悪鬼は昔から、こうして罪なき人々の魂を奪い取ってきたのでしょう。
そして私も犠牲者の一人として、無残にもその毒牙の露と消えるのでしょうか。


Photo_3

















そしてついに、物語は終局を迎えました。
ここから先を知るには、袋とじを開けなければなりません。
この物語の結末は、どうなっているのでしょうか。
T君にはいったい、どんな運命が待ち受けているのでしょうか。
恐怖の淵に立たされた私は今、禁断の扉を前に、ただおののくばかりです。

賢明なる読者諸君。
この物語の結末を、どうぞ予想してみて下さい。
袋とじ開封編は、次回「ネヴュラ」にて。
快刀乱麻を断つ、聡明なる皆様の予想を
果たしてこの物語は、超えることができるかどうか。
さあ、あなたとトップ製菓の知恵比べです!

いやーあまりにもネタが寂しかったので、ちょっと乱歩文体で盛り上げてみました。
本当は次回「探偵倶楽部」にしたかったんですが、怪談なので合わないかなとcoldsweats01
ちなみに例によって、写真はクリックで大きくなりますhappy01

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