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2009年9月22日 (火)

でも第2の挑戦

最近、ちょっと壁に当たっていましてcoldsweats01
お仕事のことじゃないんですが。


秋本番を迎え、時間の余裕をDVD鑑賞だけに使うのももったいないと
無謀にもひとつ張り切って、創作などをと思い立ちまして。

先日から、世間に出回る文芸関係の公募をつらつらと調べていたところ
手ごろなものを、ひとつ見つけたのです。

長くもなく短くもなく、おバカな私でもなんとか応募できそうな短編小説。
むしろ、ショートショートと言ってもいいかもしれません。

しかも、その告知を知ったのが今月10日。
締め切りは今月末なので、制作期間も冗長にならず
勢いに任せて一気に作りこめそうな、理想的スケジュールではあります。

例の「宇宙船」企画以来、お仕事のしがらみや縛りを気にせず
創作を楽しめることに、新たな魅力を見出した私は
この公募を第二の挑戦として、日々無い頭を絞っています。


ところがここへ来て一つ、困った事が。
これは共感頂ける方が少ないとは思うのですが、あえて泣き言をお聞き下さいcoldsweats01


というのは。この公募小説、ちょっと変わっていまして。
入選作品が、新鋭の映画監督の手で映像化される、という特典付きなのです。

つまり前述の「宇宙船」企画にちょっと似たコンセプトで
映像化を視野に入れて、作品を考えなければならないのです。

もちろんこの公募のオーダーは、オリジナルの短編小説ですから
入選作品が数本あれば、それぞれ独立した映像作品となります。
つまり出来上がるのは入選作の数、短編映画数編というわけですね。
ですから応募作は、映画の原作小説という位置づけになるわけです。

だったら最初から、小説じゃなくシナリオを募集すればいいのになんて
最初は思ったりもしたのですが
シナリオ創作には専門知識やテクニックが必要ですから
応募者にはハードルが高くなると判断したのでしょう。
シナリオはプロが手掛けるから、基になるストーリーが欲しいという事ですね。


作品のジャンルは問わないそうで、SFから恋愛、コメディまでなんでもありと
いう事ですが、一つだけ縛りがあります。
これは今日のお話とは関係ないですから、あえてお話しませんがcoldsweats01

で、一昨日あたりまでは、けっこうそれなりに楽しく
草案が組み立てられていったんですよ。出来は悪いながらweep
ところが。これが「壁」であり「困った事」なんですが
やっぱりどうしても、私のテレビ屋の性が顔を覗かせてしまいましてcoldsweats01

要はこういう事なんです。
何を考えても、「こんなあいまいな表現じゃ、監督は困っちゃうな」
「映像化した時、映える見せ場があるかどうか」
映像化の予算を予想して、
「ロケは何日間程度だから、シークエンスはいくつに抑える必要があるかな」
「出演者の人数も、この程度が限界だろう」
「お金のかかりすぎるこんなシーンは、実現不可能だろう」
結果発表時期からロケ時期までのスケジュールを逆算して、
「だったら物語の季節はこのあたりでないと、ロケできないし」
果ては「このカットは思い切り引きの絵で行きたいから、クレーンが必要かな」
なんてところまで、実務レベルに変換してしまうんですよcoldsweats01

プロデューサー・ディレクター目線を外すことが、どうしても出来ない。


小説というのは、文章表現独自の味わいや字面の美しさ
行間や作品全体から想起されるイメージ・世界観を楽しむものなので
映像とは別物なんですよね。
ですから本来、小説が追求する世界は、最初から映像化を視野に入れない
はずなんです。文章そのものが完成品なんですから。
古今東西の名作小説映像化作品が、原作を超えた例がほとんどないのは
それも一因ですよね。
同じストーリーでも映像は、原作とは別の魅力を目指すわけです。

ですから私も本当は、そんな実務に気を回しすぎちゃいけないんですよ。
オーダーされているのは小説なんだし、小説独自の魅力を優先するなら
見せ場もあいまいな表現も、シークエンスや出演者の数も季節も
現実を無視して、純粋に小説世界に没入すればいいはずなんです。
でもやっぱり、職業病が出ちゃう。入選なんて夢のまた夢なのにweep
余計な事ばかりに気を使いすぎて、作品が萎縮しちゃうんですね。
映像化という大きなチャンスが、かえって足かせになっちゃってるんですcoldsweats01


おそらく一般の方なら、ここまで小説と映像の差に苦しむ事はないでしょう。
ただ私の場合お仕事で、印刷物用文章からシナリオへの推敲を
いやというほど行っている為に、よけいに実感があるわけです。


ケースは違いますが、雑誌記事などで写真と共に書かれているキャプション。
あれを手掛けられる出版系ライターの方々に、映像の台本をお願いしても
ほぼ間違いなく、実現不可能な内容になってしまいます。

実例を出すといろいろ差し支えもあるので、これは創作例ですが
「石畳に差す夕日は、彼女の心に80%の安堵と20%の不安をもたらした」
なんて書かれても
「だから結局、これをどう映像化すればいいの?」ってことになっちゃう。
で、それをライターさんに尋ねれば「いや、単なるイメージだから」
「%表示が、彼女の心を的確に表現していると思った」
なんて答えが返ってきたりするわけですhappy01
要はライターさんと私で、話の論点がズレている。
『%』なんていう心の数字を、画面に表現する事など出来ないからです。

でもこれは、ライターさんが悪いんじゃありません。
文章と映像は別、という事なのです。

画面の右下に、『安堵80%』とか出せば楽でしょうねhappy01
ただ今はそういう「文字に頼っちゃう映像」を平気でやっちゃう監督もいそうだから
怖いですねー。私はそれは「映像が文字に負けた」と思っちゃうクチですが。


予算の問題も大きいです。
スタッフ全員を引き連れてのロケ一日の予算は○○円程度と分かっていると
「この規模の公募で、日本縦断ロケは不可能」なんて事は
容易に想像がつくわけで。


他にもありますね。例えば、ロケ日はこの週末の二日間と決まっているのに
「真夏の海辺、紅葉の山、冬の雪原」なんて大自然の季節を追いながら
主人公が生き生きと生活するなんてシーンは、物理的に不可能なわけです。

小説なら一行で済みますが、映像化は難しい。

動物の動きだって同じですよね。
小説なら思い通りになりますが、映像ではなかなか、思うようにならない。
SoftBankのお父さん犬みたいに、膨大な予算がかけられれば別ですがhappy01
「そこはCGで」という発想もありますが、国内CGレベルを予算で割れば
「アナコンダ」シリーズみたいになる事は、火を見るよりあきらかですしcoldsweats01


映像業界が長ければ長いほど、こういう思いに引っ張られちゃうわけです。
草案が煮詰まるにつれて、この危惧も高まってくる。
現場の事情と、創作物との折り合いをつけざるをえなくなっちゃうと。
正直、やりたいことは溢れるほどあっても
私の中の「脳内現場」がそれを許さない、そんな感じになっちゃってまして。


あくまで小説と割り切れれば、これほど悩む必要もないんですが
いやー難しいところではあります。
過去の入選作も調べてみましたが、いずれも私が狙う作品とは
傾向が異なるものばかりで、痛し痒しといったところ。
やっぱり現場事情を知るという事は、両刃の剣ですね。

この「壁」を破る手立てはあるのか。破った先に何があるのか。
今回はちょっと、それを目指してみたいと思います。
お仕事とも、昨年から手掛けてきた「プロット」や「ヒーロー企画」とも
まったく違う世界観の構築は、非常に新鮮に感じますし。

今回は愚痴になっちゃいましたね。聞いて頂いてありがとうございましたhappy01
これも産みの苦しみの一端なら、それはそれで意義深いものですね。
泣いても笑っても、締め切りまではあと9日。
文才などまったくありませんが、チャレンジする姿勢に意義があると信じて
ダメ元で頑張ってみますpunch

作品はメールでも応募できるので、ギリギリまで粘れるところは嬉しいですがhappy01

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