魔界都市新宿⑦
たとえば。
『「宇宙猿人ゴリ」は、フジテレビから制作GOのサインが出てから
第一話放送まで、一ヶ月しかなかった』という史実があります。
その状況が、どれほど過酷なものであったか。
現場はどれほどのハードワークを強いられたか。
それを肌で感じられるか感じられないかで、この史実の受け取り方は
まったく変わってしまいます。
それを理解するには「業界現場経験」というスキルが必要かもしれません。
しかしそれが無くても、ある程度の社会経験さえあれば
「30分番組一本に一ヶ月もかけてちゃ長すぎるよ」なんて
「分かっていない事が分かっていない」乱暴な発言は出ないはずです。
きっとそういう発想に至る方は、生番組は別として
「なんで30分番組が30分で出来ないのか」という、根本的な理屈を調べる
努力を怠っているのでしょう。
「今どき、そんな無知な人は居ないでしょう」と思われるでしょうが
今も呆れるほど多いんですよ。この手の質問で制作陣を辟易させる方が
現場経験のあるなし以上に、その理解度には社会経験に裏打ちされた
節度や、ご本人が生まれ持った人間性が関係するような気がします。
5月17日。この日、新宿で開かれたささやかなオフ会は
そんな大人の節度と遊び心に満ちた、素晴らしいものになりました。
前回のお話でも触れましたが、参加者三人でふらりと入った
居酒屋さんで乾杯の後、ノンストップで展開された会話は実に5時間半。
誤解を恐れずに言えば、その場で交わされたやりとりはある意味
前日の「宇宙船映像倶楽部」部活以上に濃いものだったのです。
さて。そんなわけで、私の新宿での日々も今回が最終回。
ずいぶん引っ張っちゃった上に、更新も間が開いちゃって失礼しました
それにはここ数日、熾烈を極めたウォーキングが関係しておりまして。
新宿から帰って以来、リバウンド防止に加え梅雨前の貴重な晴れを
無駄にするまいと、今まで以上に歩きこんでいたのでした。
その結果、新宿出発前よりさらに4㎏ほど落ちまして。
現在、ウォーキング開始後約3ヶ月半で、合計24㎏ダウンとなりました
まーそんな事はどーでもよく
この最高の夜を書き記しておかなければ寝覚めが悪いですし
痩せるよりそっちが重要だろうとようやく気がつきまして
毎度おバカですみません
前回のお話どおり、この夜の参加者、市川大河さんと自由人大佐さんは
ブログを通じいつも懇意にして頂いている、東京在住のお仲間です。
今回、部活で上京する事をきっかけに、私の方から市川さんへ
お会いできないかとお願いし、市川さんを通じて自由人さんへも
ご連絡頂いた末、お二人とも快いお返事を下さいました。
お二人は、私の都合に合わせて下さったわけですね。ありがたい事です。
そんな奇跡のようなオフ会。本来ならその内容を逐一お話したい所
なのですが、残念ながら今回も、その顛末は伏せなければなりません
と言うのも。この時の内容は、あまりに生々しい他言無用の話題が多く
とても「ネヴュラ」で発表できる性格ではないからです。
要は「ロフト・プラスワンのトークショーの内容は、テレビ放送できない」
というのと、同じ意味合いなんですね。
残念ですがこの夜語られた事は、参加者各々の胸の中に
しまっておく事とします。ごめんなさい本当に
ですから今回は、そんな会話を通じて感じた
市川大河さん、自由人大佐さんというお仲間の印象や
スタンスについてお話しましょう。
「ブログは書き手の内面世界」とよく言われます。
今回のようなオフ会の場合、お仲間はまず直接対面ではなく
ブログやコメントを通じてお知り合いになる場合が多いので
受け手はまずブログの文面や記事内容、言葉の選び方などから
書き手の人となりや考え方を想像するわけですよね。
その想像が、直接お会いした時に大きく逸れることはまずないと思います。
「文は見かけ以上に人を表す」という事かもしれません。
今回お会いしたお二人も、私が想像した通りの方でした。
お話の内容も、いつも拝読しているブログ記事がそのまま
ご本人の口から語られるようなもの。これが楽しくないわけがありません。
「ブログでは書けない事」の方が多かったような気もしますが
さて。なぜ今回、冒頭で「宇宙猿人ゴリ」のお話をしたかと言いますと。
これはもちろん、私がスペクトルマン好きだからとか
一ヶ月で作られた第一話のレビューをしたかったからではありません
この「オタク趣味的データとして残る史実に対するスタンス」の違いが
お会いしたお二人の個性を、より明確にするような気がしたのです。
ご存知の方も多いでしょうが、写真特撮によるウルトラシリーズの
エピソード再現と、独自のウルトラ論でファンも多い市川大河さんは
かつては映像作品制作の現場でご活躍後、ライター経験をされていました。
これがどんな意味を持つのか。
つまり氏の評論は
「現場経験に基づいた史実の理解度+ライター経験に基づいた探求能力」
で成り立っているわけです。
これは非常に微妙なバランス感覚なんですね。
たとえば冒頭の例で行けば。市川氏は
「30分の特撮番組の第一話を一ヶ月で作り上げなければならない時
プロデューサーは何日以内に何を準備しなければならないか。
またスタッフ編成やロケ、編集、音楽入れの段取り
そして放送事前の告知から予算管理などなど
山と積まれた懸案事項を実行していく大変さ」を
「過去の業界現場経験」で肌に感じる事が出来るわけです。
それは単なる「単なるデータとしての史実の文面」を超えた現実性を持って
氏に迫ってくるはずです。
後年に残る例の「親子チラシ撒き伝説」だって
それがいかに大変な事であるかが「推測」できるんですね。
で、さらに。
「その一ヶ月間に、ピープロの鷺巣富雄プロデューサーはどんな繋がりで
誰に連絡を取って、誰の口添えでどうスタッフを編成し、第一話を作ったか」
という切り口、探究心を氏に持たせるのが、もう一つの「ライター経験」です。
このどちらが欠けても、「血の通った」評論は書けないんじゃないかと
思います。
いわゆる「取材」と称したロケ現場の見学だけでは絶対に見えてこないもの。
それが「現場経験」にはあるのです。
「作品」を内側から外へ見る監督や脚本家と、外側から内へと見る評論家の
スタンスは、言わば真逆。
要は市川氏は、その両方の立場を取る事が出来ると言えましょう。
私の場合、現場経験が勝っている為に、内側の立場からは何でも言えますが、「その時、金城哲夫氏はこう思ったのでは」なんて、後年、クリエイター個々の感情にまで思いを馳せる事は出来ないですから
その「両方の立場」から見えてくる解析が、市川氏のブログに強力な説得力を与えている事は間違いないでしょう。
氏のブログが他の追従を許さない理由はそこにあります。
私が氏に最もリスペクトするポイントは、その「本物を知る者の説得力」なのかもしれません。
事実、オフ会中に氏が語った膨大な量の情報や現場経験に、私は圧倒されました。
俳優さんの小道具一つから作品の路線変更の真相まで、その内容は
マニア誌の文面などを軽く凌駕するものがあったのです。
オフ会中、市川氏の口から出たこんなお話が、妙に心に残っています。
「『俳優は待つのが仕事』なんてよく言うけど、スタッフは俳優が待ってる時間も休みなく働いてるんだから。自分達だって休みたいよ。」
現場経験が無い方の中には
「俳優さんはずっと待ってて大変。待たせるスタッフは何をやってるんだ」と
思われる向きもおありかと思います。
つまりそれが、現場スタッフの大変さを知らない証拠。
お分かりでしょうか。「自分達も待ちたい」なんて言葉は
現場を知らない方からは絶対出てこないんですよ。
もちろん私も、市川さんのご意見に全面賛成。
「待つのが仕事」というセリフがいかに贅沢か、体で知っていますから
「史実をデータとしてしか捉えられないファンは「分かってない」って事?」
と思われる方もいらっしゃるでしょう。そういう事じゃないんです
そこからはもう「人間性」のレベルになるんですが。
要は、そういう史実を知った時「俺は業界の裏を知ってるんだ凄いだろう」と
意味も分からずに知ったかぶりを気取らない「節度」の問題なんです。
「第一話を一ヶ月で仕上げたという事は、自分には窺い知れないけど大変な事なんだろう」と考える気持ち。もっと言えば
「自分の仕事にも他人には分からない苦労があるんだから、この史実も
きっとその類なんだろう。楽な仕事はないよね」と
「自分に置き換える事で納得できる」スキル。
それがなければ「本当に理解した」「分かった」事にはならないと思うのです。
実はそっちの方が、現場を肌で感じる私なんかより高度な能力を必要とするように思えます。
そりゃそうですよね。経験が無い事を推測するわけですから。
で、自分のスキルで推測できないと思ったら
「分からないんだから、曲解を避ける意味でも手を触れない」という潔さも
大切。「教えてもらう」という謙虚な姿勢ですね。
この境地に達せられる人は、本当に尊敬に値します。
それが出来るのが、この夜のもうお一人のゲスト、自由人大佐さんです。
ご自分の生きてきた時代を彩った映像作品や音楽、ムーブメントやアイテムを
宝物のごとく大切に捉え、個人の優しい視点で振り返る自由人氏のブログ
「失われた時を求めて」は、読み手にいつも、懐かしさと共に
共感を覚えさせる何かがあります。
私も記事の更新を心待ちにしているファンの一人なんですが
いつも感心するのは「そうそう。そういうのあったよね。」という懐かしネタの
向こうに覗く、自由人氏ご本人の「過去のご自分に対する微笑み」なのです。
「○○デパートによく連れて行ってもらったっけ」
「●●味はあまり好きじゃありませんでした。」なんて
その当時に感じた事を包み隠さず、正直にお話になるスタンスに
非常な潔さを感じるんですね。
変に斜めからではなく、過去を正面から見る潔癖さと言うか
そのスタンスは、ウルトラなど映像作品の紹介記事にも貫かれています。
自由人氏は映像業界関係者ではない為、分からない事もあって当然ですが
「好き嫌いはある。分からないこともある。でも自分はこう感じた。」という
記事の語り口がいわゆる「評論口調」じゃない為に
非常に口当たりがいいんですよ。
「意味も分からずムック本から引用したような、借り物の知識」が全くない。
それは何より、自由人氏ご本人のゆるぎない「自らの立ち位置の見極め」
によるものだと思います。
要は自由人氏は、ご自分の過去や映像作品すべてに「誠実」なのでしょう。
自分を大きく見せようとして必要以上に知ったかぶりをしたり
知識をひけらかそうとしない氏の節度が、記事に抵抗を感じさせない
大きな理由かもしれません。
その姿勢が多くのファンを獲得している事は、皆さんもよくご存知と思います。
前述の通り、ブログは書き手を映す鏡ですから、その誠実さが
自由人氏の本質である事は当然でしょう。
この「誠実さを貫く」というのは簡単なようで、なかなか難しい事ですよね。
なにしろブログは文字だけなので、その気になればある事ない事
何でも書けちゃうわけです。
「自分は映像作品に関して特別の知識がある」なんて大きく出たって
本人が言うんだからそうなのかなとしか、受け手は理解できないわけで。
まーそういう人に限って、ボロが出る確率も高いですが
きっと自由人さんは、その愚かさを誰よりもご存知なのでしょう。
ですから、ご自分の立ち位置がしっかりしている。
「分からないという事を恥じない」という立ち位置です。
前述の、社会経験に裏打ちされた「自らの業界との置き換え理解」も含め
その誠実な姿勢こそ、私が自由人氏にリスペクトするところなのです。
実際、今回のオフ会は、業界経験者の市川氏と私による
「業界内あるある話」が主軸だったので、その微妙な肌感覚が分からない
自由人氏には少々、ハードルが高かったのではないかと反省しております
でもそこで自由人さんは、口かど泡を飛ばしてトークを展開する
私たちのそばで、ずっと微笑んでいて下さいました。私たちを包み込むように。
下手に、文献で聞きかじった程度の知識で参戦するような愚行を
一度として犯す事がなかったのです。
マニアが一番陥りやすい「痛い行動」に走らない、その節度。
これは本当に凄い事なんですよ。
業界人にとって一番始末におえない「ニセ通ぶり」が無いところが
その微笑みはまさに、氏のブログに対する姿勢そのものだったと思います。
ひょっとして今回のオフ会の成功は、その自由人さんのスタンスに
支えられていたのかもしれません。
市川さんと私だけだったらヒートアップしすぎて、収拾がつかなくなっていたかもしれませんから。ね、市川さん
これはあくまで、私がお二人に持った印象です。
若輩に加え表現力も足りない私の事、これでお二人を語りつくせるわけも
ありませんので、先にお詫びさせて頂きます。無礼等、失礼しました。
なにとぞ誤解、ご立腹などなさらぬよう。
この夜、お二方に頂いた極上の一時は、私にとって大きな宝物となりました。
こんな素晴らしいお仲間とお会いできた事を、私は幸せに思います。
まさに宝石のような瞬間がギュっと詰まった、極上の四日間でした。
メインであった部活も含め、振り返れば、今回の上京は
「ヒーローに対するスタンス」を、様々な角度から教えられた機会だったように
思います。
ヒーローの『創造』を目指す、宇宙船映像倶楽部のメンバー。
ヒーローが作られた背景を『探求』する、市川大河さん。
ヒーローが生きた時代とご自身の関わりを『補完』する、自由人大佐さん。
それぞれが意義あるスタンスである事も、今回、改めて確認できました。
そういう意味でこの四日間は、今後の私の活動に大きく影響する事でしょう。
「ネヴュラ」を開設後わずか三年。
これほど見聞が広がった事に驚きを隠せません。
それはとりも直さず、可愛がって下さる読者の皆さんや
ネットを通じてお知り合いになったお仲間のおかげなのです。
それに加え、以前から何度もお話している通り、私の外見に抵抗なく
接して下さった皆様のご配慮にも、感謝を禁じ得ません。
雨宮部長はじめ宇宙船スタッフ、部員の皆さん
市川さんや自由人さんはもちろん
道をお尋ねした一般の方までも、新宿でお会いした全ての方々が
本当に良くして下さいました。
改めて、全ての方々にお礼を申し上げます。
さて。これで5月15日から18日にかけての道中記は終わりです。
下らないお話に長々とおつき合い頂き、ありがとうございました。
まさか自分でも、こんなに長丁場になるとは予想だにしませんでしたが
次回からはいつもの「ネヴュラ」に戻りますので
またからかってやって下されば幸いです。
さて最後に。まだ私のスタンスをお話していませんでしたね。
前述の三つに当てはめれば、私は一つ目の『創造』に入るのですが
実はこの四日間で、自分の姿勢に最も気づかされた言葉があるのです。
それは今回お話したオフ会で、市川大河氏から出た言葉でした。
それは市川氏プロデュースによる「光の国から子ども達へ」での拙作
「ウルトラマン・リトラを護れ!」についての話題。
私が提出したストーリーのシノプシスを見て、市川氏はこう思ったそうです。
『こう来たか!』
「ああ私がヒーローを創造するのは、この言葉を聞きたいからなんだ」と
体に電気が走ったようでした。
「こう来たか。」すべてのファンからその一言を絞り出したい為に
私はヒーロー創出に挑んでいるのかもしれませんね。
もっとも私をご覧になった方は全員、心にその言葉を持ったと思いますが
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コメント
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ご無沙汰しております。きよプーです。
今回の記事、拝見してハタと思い出しました。
お会いした時に容姿がどうのとか全く気にしてなかったのですが(この言い方も失礼かな?)、一つだけ気になってた事がありました。
それは、特に『ウルトラ』やその世代の作品および世相等がどうしても実体験でない分、薄っぺらな感じを与えないかなという事でした。
案の定「リトラ」のクダリでボロが出たりして恥ずかしく思いました。
なかなか後付けで覚えた「知識」では(特に私の頭では)付け焼刃に過ぎず、お聞き苦しかったと思います。
そういう事もあって、もっと話したかったのです。
なんかあれだけの時間じゃ差し障りのない挨拶をしただけのようで、お互いの考え方や思いを理解するまでは到底至らなかった感じです。
私も若い方と話したり、本屋などで当人同士が話しているのを小耳に挟んだりすると、(それ、誰の受け売り?どこかで聞いて事ある台詞やな)と思う事が多く、(自分の言葉で話せよ)と心の中で突っ込んだりします(笑)
私自身ももっと「特撮」を好きにならねばとちょっと反省しました…
なにぶん人より「記憶力」が弱く、体で覚えないと蓄積されない頭なもので…
「想い」だけは誰にも負けない「つもり」なんですけどねぇ。
世の中は広いです。
投稿: きよプー | 2009年6月 9日 (火) 13時20分
何だか恥ずかしいくらいに持ち上げていただいてしまって‥‥(^^ゞ 私なんて、そんな大層な者ではありませんヨォ。オタクイーンさんと市川大河さんのお話は、情報量の多さ、そして濃さ、洞察の深さに、私などはただただ驚かされ聴き入るばかり。唯一太刀打ちできたのが「子門真人さん」の話題だけ‥‥(^^ゞ しかも、あれ、間違っていました^^; 『ファイヤーマン』と『レッドマン』は子門真人名義でした‥‥。この場をお借りして訂正します。
私などが「特撮ファン」を名乗ってしまってイイものかどうか、正直言って迷っています。先日の場でもお話しした通り、『帰ってきたウルトラマン』や『V3』を途中で見なくなり、ピープロ作品は(見ていたのに)ほとんど記憶に無い(失礼!)し‥‥。私がブログで扱っている作品には思い入れもあり、繰り返し見ているのですが、それ以外は本当に知らないんです。つまり、ひけらかすだけの知識が無い!
で、ブログで書く内容といえば、私なりの「エピソード・ガイド」的なものを目指しています。それこそ、どこかの文献で見たようなものも書いてしまっていますが‥‥(^^ゞ ただし、設定やセリフのおかしなところを指摘して笑うようなスタンスではなく、真面目にのめり込むためのポイント、というか、私が感心した描写を採り上げて、作品を120%楽しんでもらいたいという想いで書いています。ですから、「サラセニアン」とか「ミイラの叫び」、「ダコラー」などという検索ワードで上位になっていたりすると嬉しいものです。
ブログを書くに当たっては「良い・悪い」ではなく、「私が『好きか・嫌いか』」という視点で書くようにしています。不毛な論争に発展させたくないのと、人による価値観の違いは尊重したいからです。これはオタクイーンさんも同じスタンスを採られていますよネ(^_-)-☆
ブログを始めたばかりは力が入っていて、何か形のある論調に持っていかなければという想いが強かったんです。「僕らのパパは空手の先生」や「コーラ飲料」など、今読むと恥ずかしい内容の記事もあります。それが、「私的昭和テレビ大全集」のごいんきょさんの「できるだけ記憶だけに頼る」というスタンスや語りかけの文体に影響を受けて、今のようなスタイルになってきました。
同じカテゴリー、たとえば『ウルトラマン』の中でも、その日の気分によってくだけた語調の日もあれば、やたらと硬い文の日もあります。それもまぁ、私なのでしょうネ。
と、こんなもんですヨ、私って(^o^)/
投稿: 自由人大佐 | 2009年6月10日 (水) 00時42分
というわけで、件のご本人です(笑)
いや、本当に褒め殺しですか?という按配にリスペクトいただいて
恐縮至極でございます。
自分はただいま現在進行形で、ミクシィの方でドラマ評などを展開しておりまして
すっかり頭の中が、オフィスクレッシェンドとかクドカンとかになってますが
やはりどうしてもそこで評するときに
「ここの夜間ロケシーンはなんでジェネが足りないの?」とかが気になり
大河さん、評するという行為に致命的に向いてないのかもとか思うのです(笑)
オタクィーンさんへのリスペクトを、ここで甘い言葉で囁いても
外野からは「馴れ合いウザい」になってしまうかもですので割愛しますが
あの新宿の一日は、ちょっと運命的な形で
自分の「これからの方向性」へ軌道補正を与えてくれたのです。
それに関しては、口でいうよりもきっともっと
ブログのこれからや、オタクィーンさんとのやり取りで
ぜひお伝えしていきたいと思います。
まずは、本当にありがとうございました。
追記・もしオタクィーンさんがミクシィアカウントをお持ちでしたら
本当は、今ミクシィで展開している現代ドラマ批評にも
目を通していただいて、評価のほどをお伺いしたかったですです。
投稿: 市川大河 | 2009年6月10日 (水) 00時45分
きよプー様 あの打ち上げからもう26日。時の経つのは早いものですね
>『ウルトラ』やその世代の作品および世相等がどうしても実体験でない分、薄っぺらな感じを与えないかなという事でした。
案の定「リトラ」のクダリでボロが出たりして恥ずかしく思いました。
いやもう全然
きよプーさんとのお話は大変楽しく、久しぶりに充実した一時を過ごせましたよ。
この記事で言いたかったのは、史実やデータに対する「誠実さ」だったんですね。
正確に覚えているかどうかという事よりも、それを表面的に「暗記」するのか、自分なりに「咀嚼」するのかという事だったんです。
ですからきよプーさんのように、史実に思い入れが深い方のご意見は、たとえ後付けの記憶であっても全然薄っぺらじゃないですよ。
逆にリアルタイム鑑賞の世代だって、思い入れがなければ「そんなのあったねえ」で終わっちゃいますもんね。そういう事です
>(自分の言葉で話せよ)と心の中で突っ込んだりします(笑)
それが出来るかできないかが、「頭の良さ」と「賢さ」の分かれ目ですね。
取り入れたデータをどう自分のものにするか。そこは簡単なようでなかなか難しいです。それにはデータというタテ軸に加え、社会経験というヨコ軸が必要なのかもしれません。その両軸を結ぶ交点が「私見」となり、その中身で人物の深さが決まるのでしょう。
私なんかもう、偉そうな事を言っていながらまだまだ不勉強で
>「想い」だけは誰にも負けない「つもり」なんですけどねぇ。
それは私も同じなんですが、実は打ち上げの席でお話したとおり、私はここ最近の特撮番組はほとんど見ていません。
そう書いちゃうとまた怒られるかもしれませんが
結局、宇宙船映像倶楽部って「今放送している特撮番組」じゃないものを目指すわけですよね。
であれば、今の作品って参考にならないんですよ。資料として仕入れるならHPで設定やストーリーを読めば済む事だし。
実際、番組を見てみても、クライマックスを30秒見ればテイストは掴めちゃうし
時間のムダに思えちゃうんです。
ストーリーに於いても、これまで考えられなかったような大アクロバット的展開は今のところありませんし。依然として過去のパターンを引きずっているんですね。
それならもっと、アイデアの参考になるような科学番組や美術番組など
「特撮じゃない知識」を貪欲に集める方が意義深いような気がしてしまって。
幸か不幸か、私は年輪だけは重ねているので

ほとんどの名作をリアルタイム鑑賞している分、若いファンの皆さんのように過去の作品をチェックする必要がありません。
そういう意味で逆に、今の作品に捉われない発想が目指せるのかもしれません。
きっとそれが、私なりの「特撮への想い」なんでしょうね
また色々お話したいですね。物理的にお会いするのはなかなか難しいですから、コメント欄にこだわらず、ご相談等ありましたらメールなどもお気軽にお寄せ下さい。
楽しいやりとりを期待しております
投稿: オタクイーン | 2009年6月10日 (水) 18時24分
自由人大佐様 新宿では大変お世話になりました。改めてお礼を申し上げます
私はオフ会なるものを経験したのはあの日が初めてだったので、非常に新鮮な感覚を味わう事ができました。
記事は本当に素直な感想です。やっぱり書き手のお人柄は記事に出ますね。
大佐さんにお会いするに当たって、事前の不安など微塵もありませんでしたから。
>『ファイヤーマン』と『レッドマン』は子門真人名義でした‥‥。この場をお借りして訂正します。
ご訂正ありがとうございます。この律儀さがまた大佐さんらしくて大好きです


私はそういうデータにはまったくうといので、何となくはっきりしない情報は、大佐さんのブログを検索する事もあるんですよ。
特にお菓子など、メーカー毎に発表されていてもそれを鳥瞰できるようなデータが欲しい時には、大佐さんの情報は大変助かります。
要はそういう「データの咀嚼の仕方」が上手いんですよね。大佐さんは
そこに添えられたちょっとした個人の感想が、またちょうど良い「お茶受け」的役割で、まさに絶妙なさじ加減という
>設定やセリフのおかしなところを指摘して笑うようなスタンスではなく、真面目にのめり込むためのポイント、というか、私が感心した描写を採り上げて、作品を120%楽しんでもらいたいという想いで書いています。
その姿勢を自然に貫ける所も、大佐さんの素晴らしい所ですね。
マニアってどうしてもマイナスの部分ばかりあげつらって、そこを指摘する事で自分を大きく見せたがる傾向が強いんですよ。
それは非常に表面的な見方で、真相は全然違ったりするんです。
ですから大佐さんの記事は、読んでいて安心できるんです。
逆に「感心した描写」は誰も同じ思いのわけですから、そこを採り上げられるのは
読み手も嬉しいものですもんね。
これからもそういう良質な姿勢で、読者を楽しませて下さい
>不毛な論争に発展させたくないのと、人による価値観の違いは尊重したい
これは私も同じなんですが、どんなに「良い悪いと好き嫌いは違う」と主張しても


なかなか理解されなくて悲しいです
「だって悪いと思うから嫌いになるわけでしょ」なんて言われちゃうと、もはや説明の手がかりを失ってしまって
難しいものですね。分かり合うって
>「できるだけ記憶だけに頼る」というスタンスや語りかけの文体
そこには私もこだわっています。記録より記憶の方が、時代の空気を正確に描写できますもんね。

ただボキャブラリーが無い分不自由な表現になっちゃって、真意がなかなか伝わらない所が歯がゆいですが
ともあれ、これからもお互い、気張らずに日々を綴っていきたいですね。
末永いおつき合いを、よろしくお願い致します
投稿: オタクイーン | 2009年6月10日 (水) 19時02分
市川大河様 あの怒涛の夜からもうすぐ一ヶ月。その余韻はまだ醒めません。
>褒め殺しですか?
いえいえ。これでもかなりセーブしたつもりなんですが


もう本当に、あの夜の市川さんのトークをCD化して、凡百の「てんぐマニア」に販売したいくらいです
あれくらい膨大な知識と解析能力がなければ評論なんて書いちゃいけないんだなあと、ホテルに帰った後も一人で頷いていたくらいで
>「ここの夜間ロケシーンはなんでジェネが足りないの?」とかが気になり
それが市川さんらしいところで



私も時々気になりますが、まーロケハン時の打ち合わせ不足か電源車の不備かなんて考えたり
あるよねこういう現場も的な発想に行っちゃうのも痛し痒しですね
でも市川さんには、そういう現場感覚を忘れずにいて欲しいと思います。
それが市川さんの評論にリアリティーを与えているのは、間違いありません
>あの新宿の一日は、ちょっと運命的な形で
自分の「これからの方向性」へ軌道補正を与えてくれたのです。
それは私にとっても、大変楽しみな展開です

私も同じく今回の上京で、自分の中の何かが変わったような気がします。
人間、そんな人との関わりの中で、気持ちの変革がなされるものなんですね。
その意味でも今回のオフ会は、大変実り多いものとなりました。
改めてお礼申し上げます。ありがとうございました
>ミクシィアカウントをお持ちでしたら
お恥ずかしいお話、私は年だけとってますがネット環境は今だにド素人で

)
ミクシィにはまったく手を出した事が無いのです。
最初その単語を知った時も「結婚情報誌?」とボケをかましたくらいで
ですからアカウントも持ち合わせがなく。「ヤマダ電機に売ってるのかな?」とか思っちゃったりして(さすがにウソです
ですからもうちょっと勉強して、持てるようでしたらアカウント取得を目指したいと思います。
毎度のおバカですみません。ウルトラ以外の市川評論もぜひ拝見したいので
またそういう流れになりましたら、ご連絡差し上げます。
これからもなにとぞ、よろしくお願い致します
投稿: オタクイーン | 2009年6月10日 (水) 19時32分
MIYUKIさま、こんにちは!
業界や特撮の世界に関してはわからない事だらけの私ですが、
MIYUKIさんの文章から、新宿での四日間とても素晴らしい出会いと、
そこに幸せな時間が存在していたことがすごく伝わってきます。
そして部長や部員の皆様、市川様と自由人様、
皆さまの素晴らしいお人柄にも触れさせていただいた様な、
私も楽しいひと時を共有させてもらっている様な不思議な気持ちです。
特撮への愛情でみんながひとつになれるの、素敵な事ですね。(*^-^)
投稿: hikari | 2009年6月11日 (木) 03時33分
hikari様 予想以上の長編連載となってしまって失礼しました
でも今回の上京は、あらゆる意味で私に影響を与えてくれました。
加えて、ネット環境が作る絆の素晴らしさにも感嘆しました。
今回新宿でお会いした方々は全員が初対面だったのですが、事前にネットでやりとりしていた為、まるで旧知の友のようにお話が出来たのです。
本当に、皆さんには感謝したいと思います。
>特撮への愛情でみんながひとつになれるの、素敵な事ですね。(*^-^)
おっしゃる通りですね。hikariさんのそのお言葉が、今回の上京の意義を最も表していると思います。
今度はhikariさんとも、お会いできると良いですね
投稿: オタクイーン | 2009年6月11日 (木) 23時19分