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2009年1月 5日 (月)

第三の必殺

いつも通う、美味しいラーメン屋さんnoodle
今日も暖簾をくぐって、期待しながら馴染みの椅子に腰掛ける。

このお店のメニューは一つだけ。「ラーメン」。
コップの水を飲むのももどかしく、自慢の味をオーダー。
出されたアツアツの一杯。レンゲですくう最初のスープが極上で・・・

あれ?舌に感じる違和感に、思わず口をつく疑問。
「ご主人さん、味、変えた?」
職人気質のご主人、眉ひとつ動かさず
「新メニュー。激甘・クレープラーメンだよ。人気あるんだぜー。」
「えーっ?昔の味は?」
「あれは通好みだが頼む客が少ねえんで商売にならねえ。もう作らねえよ。」
「なんだー。それならメニューに書いておいてよ。激甘ラーメンって。」
「何言ってやんでえ。麺も入ってりゃ具も同じ。味が違うだけじゃねえか。
ウチじゃこれを「ラーメン」って呼ぶんだよ。」

「そりゃラーメンはラーメンだけど・・・」


私にとって、昨夜放送された『必殺仕事人2009』はそんな番組でした。

放送後、私はHDD録画したそれをDVDにダビング、「ネヴュラ座」で二回ほど見ました。でもやっぱり、最初に受けた印象は変わりません。
その印象の多くは、一昨年に放送された『必殺仕事人2007』の感想と重なるものだったので、あえてお話しするのは避けましょう。


拙記事をご覧になりたいという奇特な方は、こちらまで。
2007年7月8日(日)『右手の刃が鈍る訳』

http://spectre-nebura.cocolog-nifty.com/cultnight/2007/07/post_eeb5.html

実際の所、そんなつるし上げのようなお話は、する方も聞く方も気持ちのいいものではありませんので、もう口を拭っておこうと思います。
ですから、今作の内容について重箱の隅をつつく事は、あえてしません。
言いたい事はカット数の数、放送時間の100倍はあります。
旧作ファンの憤懣やる方ないお気持ちも、痛いほどよく分かるつもりです。
ただ、それを話したところでまるで筋違い、むしろ制作側の思うツボ。
まー冒頭の一幕が゜、私の印象を全て言い表しているという事ですねhappy01

今回お話したいのは、何故今、そういう旧必殺テイストのかけらも無い作品が、必殺ブランドの王道として制作され続けているか、という点についてです。
まあこれは、長きに渡る必殺シリーズのどの作品をお好みかで受け取り方も変わってくるでしょうから、まあ古いファンはそんな風に考えた、とでも思って下さい。

今作の冒頭に『朝日放送 必殺仕事人シリーズ 30周年記念』と出るクレジット。
これを見た時、私は気づくべきでした。
この作品、「必殺シリーズ」の新シリーズではないんですね。
あくまで「仕事人」という作品の延長線上企画。要は1979年から始まった「必殺仕事人」を基とするあの「キャラクターショー」の新作なんですよ。

そもそも出発点からして、旧必殺のテイストを求める方が間違っているんです。
「鉄が」「半兵衛が」「剣之助が」っていくら言ったって、それは今作のオリジンではない。
この新作の基は「飾り職人の秀」「浪人の左門」であり、そこにあるコンセプトは「人様の命を頂戴して金儲けする悪党」じゃなくて、「世直しの義賊」なんですから。


「そりゃー制作側の言いわけじゃないの?『30周年』の表記だって単なる冠だろうし」なーんてお考えの方もいらっしゃるでしょう。
ところがですね。映像作品にとって冠というものは、それほど軽いものではありません。冠があるかないかで、スポンサーから捻出する制作費や局の制作体制はまるで変わってくるのです。
その代わりスポンサーからも「仕事人30周年なんだから、その冠にふさわしい内容にしなけりゃお金は出せないよ」なんて縛りが出てくるわけですが。

「そんな縛りがあるくらいなら、スポンサーを蹴ってでも内容を充実させるべき」というご意見もあるでしょう。
ところがこれも大きな間違い。現場の立場で言えば、スポンサーが付かないという事は、即、番組の制作中止を意味します。
内容の充実などのレベルの前に、番組企画そのものが立ち消えになってしまうんです。番組はビジネス、先立つものはヤマブキ色のなんとやら、という訳ですね。


視聴者にとっては「つまらなかったら見なきゃいい」という自由はあっても、「番組の内容に口を出す」自由は無いという事です。
もし、そこまで旧必殺にこだわるなら、スポンサーとして巨額の制作費をポンと出すか、もしくは署名活動でもして世論に訴えるしかないでしょう。
現状への不満や夢を語ることは勝手ですが、語るだけでは何も変わりません。

そこまで腹をくくる度胸があるかどうか。私財を投げ打つ覚悟はあるか。
自分の好みの作品を作るという事は、それほどまでに過酷なものなのです。


さて。そういう生臭いお話は置いといてhappy01
なぜそこまで、局側が『仕事人』という看板にこだわるのか。
今作の録画を見ながら、私も色々考えてみたんですが。
無い頭をヒネって至った結論は、やっぱり「時代の流れ」という事ですね。
まーおざなりの言い方で申し訳ありませんがcoldsweats01


「お前はあい変らずとろろ飯が好きかぁ」なんてヒガシ氏のフニャフニャのセリフをボンヤリと聞きながら、おぼろげに見えてきた考えが一つ。
それは『必殺シリーズメイン視聴者の多世代化』とでもいうものでした。
ウルトラやライダー、ガンダムなどと同じく、必殺にも視聴者世代の差が顕著になっているという事ですね。


単純に考えれば、その視聴者世代は三つに分けられるような気がします。
作風の違いじゃないですよ。あくまで視聴者側に立った見解です。
分かりやすいように、各世代がリアルタイム視聴していた作品を見てみると・・・


第一世代 1972年『必殺仕掛人』から1982年『新必殺仕舞人』まで
第二世代 1982年『必殺仕事人Ⅲ』から1992年『必殺仕事人激突!』まで
第三世代 1992年以降のTVSPから2007年『必殺仕事人2007』まで


あくまで私の印象ですので、個人個人で若干のズレはあるかもしれませんが、ほぼこんな感じに分けられるような気がします。
ここだけの私見ですので、異論がおありでしたらごめんなさいcoldsweats01
視聴者が最初に触れた必殺作品がどの世代であるかによって、必殺シリーズという作品から受ける印象はまるで変わってしまうという事ですね。

私の場合はもう、言わずもがなの第一世代なんですが、実際は完全に線引き出来ない為、「自分は仕事人Ⅰで見限った」「私は2007が必殺初体験」なんて方も多いと思います。

あくまで推測ですが、現在の必殺視聴層は、ここで言う第二世代と第三世代がメインなんじゃないかと思うんですよ。つまり人数が一番多い。

おそらく現在、データ上の必殺メイン視聴者とは、1982年の仕事人ブームで必殺視聴者デビューを果たし、以後スペシャルや劇場版などを見て過ごした世代。
そこが中核になっていて、そんな第二世代が親となり、シリーズを幼少期から一緒に見ていた彼らの子供がファンとして目覚めたのが第三世代、という訳です。

第一世代のハードな作風に対し、第二・第三世代のソフト、アイドル路線が市民権を得た結果と言えますが、そちらの作風を好む世代の方が多いのですから、制作側もそちらの方が数字を取れると思うのは自明の理。実に簡単な仕組みです。


確かに必殺シリーズは初作「仕掛人」から1977年「新・仕置人」までが一つの括りであり、圧倒的な高クォリティーを誇る事実は私も認めますが、実はそれらの名作が放送された期間は、シリーズ初期のわずか五年間に過ぎないのです。
実際の所、途中のスペシャル化を挟みつつ現在も続く必殺シリーズの大半であり初期作品の六倍、30年もの期間は、『仕事人』という冠の元に正義の殺しを行う「ヒーロー」の活躍を描くドラマがメインであった訳ですね。
で、実際に視聴率も伸びている。この事実は大きいです。


確かに後年、映像ソフトやCS放送などで旧作に触れる機会があったにせよ、人間、最初に見た物をモノサシとする強烈な習性がある為、仕事人シリーズのライトな作風、華麗(と言うのもなんですが)な殺しのシーンに魅了された者が初期作品に覚えた違和感は、かなり大きかったのではと思います。
事実その強烈な個性ゆえ、視聴者を選ぶ作風でしたからね。旧作はhappy01


逆に言えば、初期作品をリアルタイム視聴し、そのクォリティーを肌で味わう事が出来た私たち第一世代は、とても幸せな時代を過ごせたという事になりますね。
毎週、命を削る仕事師達の生き様、魂の叫びを、共に感じられた訳ですからhappy01


おそらくそのデータが明らかになったのは、一昨年の『仕事人2007』に寄せられた視聴者からの反響や視聴者リサーチによるものでしょう。
秀や勇次の活躍に懐かしさを覚え、ホスト系殺し屋が闇を走る映像に魅了された世代が、最も新作必殺を待ち望んでいる事を、制作側も把握したと推測されます。
さらにその流れを汲み、ジャニーズ系イケメンの主人公を中心に据える事で、80年代に女子高生を虜にした必殺伝説再び、と考えた戦略も、想像に難くありません。


つまり今回の新作『仕事人2009』は、前述の第二世代、第三世代の為に作られた、『80年代仕事人のハイブリッドコピー』なんです。
第一世代の私たちがいくら作風や内容について語っても、意味がないんですよ。
「志村けんのだいじょうぶだぁ」で作られた必殺のパロディに向かって、「あれは必殺じゃない」って言ってるようなものでhappy01
最初から制作側は、第一世代を相手にしていないんですから。


実はですね。私は別にその現状を、悪いと思っているわけじゃないんですよ。
元々、テレビというものはそういうメディアなんです。
番組にとって視聴率は命。第一、シリーズ初作の『仕掛人』だって、裏番組の『木枯し紋次郎』との視聴率競争の中で生まれた訳ですし。
そんな出目の必殺を、「視聴率の為にクォリティーを落とす事は」なんて言ってる方が本末転倒。もっと世の中は公平に考えないとhappy01


「だったら必殺なんてタイトルを付けないで欲しいな。見る方はどうしても、旧必殺を期待しちゃうしねえ」
それは確かにそうですね。冒頭のお話の「ラーメンという名前なのに違う味」とは、そこを言いたかったんです。
でも、その「期待させる」という作戦も、制作側の戦略の一つなんですよ。
テレビは視聴率を稼ぐ為には何でもやります。その程度はまだ可愛い方。
もっと凄い事だって(以下自粛)


だからですね。もっと見る側も賢くならなきゃいけないんですよ。
「ここは商売上の戦略。ここは本音」みたいな『選作眼』みたいなものを磨かなければいけないと思います。

ファンの中には、作品が99%の出来であっても、1%のミスを探し当てると、まるでそれが致命的なミスであるかのごとく拡大解釈、鬼の首でも取ったように騒ぎ立てる人が居ますが、だったらその人は残り99%を考える、作る能力があるのかと思ってしまいます。
99%のレベルなんてほぼ完璧。それ以上、何を望むというのでしょうか?
人間が作る物に完璧は少ないです。(あえて「無い」とは言いません)
しかも前述のように、色々な思惑が絡む番組のこと。
作る側に、思うに任せぬ事情がある事だって多いのですから。


つらつらとお話してきましたが、これが現在の偽らざる思いです。
ご意見等おありの方は、どんどんお寄せ下さいhappy01
でも、一つの光明もあるんですよ。
9日から始まるテレビシリーズ。これは確かに、前述の80年代仕事人のコピー的雰囲気が濃厚ですが、これは回が進むにつれ、どう方向転換するかはまだ未知数。視聴者の動向によってはライト路線に変わり、かつてのハードな作風が復活するかも。
いや、それらのどれとも違う、『第三の必殺』の登場だってありえます。
それは誰にも、制作側にさえ予想できません。
こういう振り幅があるから、リアルタイム視聴は楽しいんですよね。


でも。作風が最後までそのままだったら。
旧作ファンの私は、やっぱりつぶやいちゃうんでしょうね。
意味がないとは知りながら。

「冗談は、てめえだ。」なんてhappy01

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コメント

暖簾をくぐって入る。
「おじさん、ラーメン一つ」
「あいよっ……どれにする?」
見ると、壁のお品書きには、何十ものラーメンのメニューが。

「塩ラーメン」「しょうゆラーメン」「味噌ラーメン」「こってり豚骨ラーメン」「つけだれーラーメン」……更には、到底ラーメンとは思えない「ざるそば」「スパゲッティー」まで。

「どれでも好きなのを選ぶんだね」
「じゃあ、今日は……あっさり醤油ラーメン」

……ちょっと喩えがピッタリ来ませんが、私としては、こんな感じです。勿論こってり豚骨ラーメン(新・仕置人)も好きですよ!(笑)

あけましておめでとうございます。
ご無沙汰しております。ITOYAでございます。
本年もよろしくお願いいたします。

さて。
気づきませんでした!
そういえば、『必殺仕事人シリーズ 30周年記念』でした!
勝手に「必殺○○周年」と思い込んでおりました。

私も第一世代。
特に仕置人前半が大好きで、DVDBOXを買ったのも仕置人上・下のみですが、
他も全て観てはおりましたし、必殺!映画版も映画館で5までは観て、
やはり、仕事人あたりからはマンネリ化を半分あきらめ、半分楽しんで見ていました。

毎度オタクイーンさんの鋭い解説には恐れ入ります。
2009、まったくそのとおりです。
(水川あさみは簡単にやられ、松岡昌宏の態度があまりにも冷たく、逆に空恐ろしくなりました。)
それでも観てしまうのですが・・・。

多分、今の視聴者の求めているのは、
殺しのシーンの表面的なかっこつけと、
せん・りつ/こう・ふくのコメディーくらいでそれ以上は無いのでは?
(このへんは、必殺技・武器が見もののヒーロー対やられるために出てくる怪獣・怪人の図式に似てます。)

以前やった「スマステーション」・・・でしたっけ?の必殺特集での
扱い方(茶化されかたが悲しかった;;)を観ましたら、納得いきます。
・・・とりとめなく失礼しました。
このへんで。
m(_ _)m

都の商売人様 そうですねー。
お品書きがちゃんと書かれていれば、私も今日の好みなんて選べるんですが、問題は「必殺」というタイトルを見ただけでは、それがしょうゆ味なのか塩味なのか、こってり豚骨なのかが分からないという所でしょうね。
味が分かるのは見終わった後という所が、ファンのフラストレーションの元と思うわけです。
「私はこってり豚骨が食べたかったのに、激甘クレープだったなんて!」みたいな敗北感と言うか。最初から激甘と分かっていれば頼まなかったのに、という事ですね。
激甘が好きな人はそれでもいいのでしょうが、「甘いの苦手~」という人はそうはいかないと。

しかも怖ろしいのは、連続テレビドラマの場合、エピソードごとに味が変わる可能性があるという事なんですね。だから毎回、見なければならない。
悲しい性ですが、それが楽しみでもあります(笑)

オタクイーンさん、今年も宜しくお願いします。

さて、今回の「2009」ですが、言いたい事はエベレストほどあるのですが、まぁそれも「味わい」の一つではあるのでしょうね(笑)
尚、私の場合は、吹雪の中で温かい缶コーヒーを買ったら思いっきり冷えたのが出てきたという感じでした(笑)
今作は拙ブログでも取り上げましたが、確かに色々な意味で、今後が注目な番組ではあると思います。

ITOYA様 あけましておめでとうございますfuji
こちらこそ、ご無沙汰して申し訳ありませんsweat01
本年もよろしくお願い致します。

もはや必殺シリーズは「仕事人」と同義になってしまっていますね。
ITOYAさんが勘違いされたのも無理はありません。
実際の所、おそらく今の機運、時代の流れからして、「新・仕置人」のようなハードなドラマは、もうテレビコードからして制作不可能でしょう。
「作らない」のではなく「作れない」んですね。

ですから、そこを嘆いていても仕方がありません。
ただ、ああいうイケメン系のタレントが活躍する無菌状態のドラマに熱狂するファンって、ストーリー上で人の命を奪う罪深さとか、奪った命の重みに耐え切れない人間の葛藤などを全部カットしている為に、彼らの裏稼業がいかに大罪かを理解できないんじゃないかという危惧があるんですよ。

私にとって必殺シリーズの深みは、「自分が獄門晒し首になろうとも、成敗しなきゃならない悪が居る」という、虐げられた者の怒りから来るカタルシスだったわけです。
その「獄門晒し首」への恐れ、死と隣り合わせの生き様が、新作では見事に抜け落ちている為に、「水戸黄門」「大岡越前」状態になっちゃってるんですね。
殺しが正当化されちゃってる。

たぶんそこを描いちゃうと、今のファンは嘆願しますよ。
「大倉クンは良い事してるんだから捕まえないでえ~」ってhappy01
人を殺す事って、いつから「良い事」になっちゃったんでしょうかhappy01

今、五社英雄監督の『闇の狩人』を観ながら書いてるんですが、これを今の仕事人ファンに見せたらきっと卒倒するでしょうね。
これが人の命を奪う罪深さ、悲しさ、凄さなんですがhappy01

ともあれ、あれは「仕事人」。「必殺」ではありません。
昭和ゴジラの良い所を平成ガメラが持っていっちゃったように、初期必殺のマインドは、むしろ別作品で開花させるしかないのでしょうねhappy01

メルシー伯様 本年もよろしくお願い致しますhappy01

>吹雪の中で温かい缶コーヒーを買ったら思いっきり冷えたのが出てきた
ああそれも、よく分かりますhappy01

でもまあ、それも「仕事人」のテイストなんでしょうね。
「必殺」と思うから腹も立つのであって、あれを「銀河旋風ブライガー」の時代劇版として見れば(本末転倒?coldsweats01
とりあえず、それくらい思考のアクロバットを試みなければ、とてもこの事態を理解できないと。あい変らず、頭が固くてすみませんcoldsweats01

今後のテレビシリーズも色んな意味で楽しみですね。いっそ思い切って、八丁掘の旦那がシンクロンマキシムで巨大化しちゃうとか←まだ言ってるhappy01

オタクィーンさま、こんばんは。必殺初心者の私ですが、こちらのブログで取り上げてましたので今回見てみました。(録画で・・汗)それなりにおもしろいと思うのですが、なにか足りない気が・・・。その放送の前日に「朝まで必殺」?と題して昔の必殺をやってました。最初の話が必殺仕掛人で緒方直人が藤枝梅安役で、実の妹を殺してしまうという話でした。そのエピローグで悩んでいるはずの梅安に知りあいと笑顔で挨拶を交わしますが、その笑顔がすごいです。そんな葛藤があったなんて、まったく感じないすごい笑顔でした。この人は殺しのプロか大悪人だなあとかんじさせるそんな演技でした。人間のこころの奥底のリアルさを感じました。
さて今回の新しい必殺ですが、僕が感じたのは東山も相当がんばってますが、たぶん2枚目すぎて、そこがだめなんだと思います。(すいません、素人考えで・・・)主人公が2枚目というかカッコいいと見る人は自分がそうありたいという心理が働き、その主人公になりきり、その主人公の視線で物語を見るように思います。ボトムズを例にとって恐縮ですが、僕がキリコになり、キリコの目線からフィアナやバニラ、ココナ、ゴウト、イプシロンがあぶりだされ、その周りのキャラクターにより物語りはおもしろくなっているんじゃないかと思います。だからキリコにセリフはほとんどなく、キリコだけでは物語は「・・・」のセリフだけで成立しません。いわば、ボトムズシリーズのおもしろいかそうでないかは、周りのキャラクターのできで決まるように思います。
話がだいぶそれました(汗。緒方直人は2枚目ではないと思いますが、その顔の存在感はとてもなりきろうなんて思いつかず、自分とは別の強烈な個性を感じずにはいられません。極端な言い方でしたが、そこが仕掛人の方がその時代の生活感や因果、哀愁をリアルに感じた一因ではないかと思いました。

のん様 私の下らないお話で、必殺にご興味を持って頂きありがとうございます。
これはもう好みなので仕方がありませんが、やはり私にとっての必殺は「ヒーロードラマ」ではなく「ピカレスクロマン」なんですね。
のんさんがご覧になった昔の「仕掛人」は第23話「おんな殺し」という名編で、原作者、池波正太郎氏の小説を基とする人気エピソードです。
この原作はテレビ版の他にも、劇場版仕掛人で採り上げられ、いずれも好評を博しました。

旧必殺にはこういう「因果は巡る糸車」的な、人を殺める職業の業、恐ろしさを描いたドラマが多くありました。
視聴者はそこに彼ら仕事師の過酷な運命を見、感銘を受けたものです。
しかも梅安はそんな因果さえ笑顔に隠し、日々を「生きていかねばならない」運命。
それが、人殺しを生業とした者の宿命なのです。
ラスト、悲しみも葛藤も乗り越え、町の人々に明るく声をかける梅安に当時のファンは戦慄し、人の悲しみを背負うプロの厳しさに共感もしたんですね。

必殺の主人公を演じる俳優には、それほどまでに心の襞を感じさせる演技力が必要なのです。でも今回の新シリーズは、まあ・・・(失笑)
これも好みですからね。俳優の演技を楽しむというよりは、一枚絵としてのカッコ良さが優先されるのかもしれません。
東山氏のポーカーフェイスも、心の襞を感じさせるというよりは、浄瑠璃人形を見ているようで。彼の端正な顔立ちを活かすような演出が、今後輩出されればいいのですがhappy01

おっしゃる通り、確かにボトムズはキリコを取り巻く人々のドラマですね。
だからキリコはさほど自己を主張する必要がありません。
主役の存在感が周りを活性化させるようなドラマを、これからも見たいものですねhappy01

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