2017年11月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

ネヴュラ・プライベートライン

無料ブログはココログ

« 上正は諦めない | トップページ | 地獄への片道切符 »

2009年1月12日 (月)

予告と云えば云うも良し

いやーもう、見れば見るほど酔っちゃって。
いよいよ公開間近。『装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ劇場版』。

正直、行くかどうかは迷っています。
自宅で、46インチテレビで、DVDの高画質で浴びるように本篇を見られる状況で、おそらくOVAの再編集版であろうこの劇場版を、鑑賞する意義が見つからない。
でも見たい。なぜならそれが『ボトムズ』だから。
なんて、言ってる事がカラッポですがcoldsweats01


というのも、やっぱりこれを見ちゃうと。
ボトムズの特徴にして大きな魅力、予告篇。

まずは『特報』からご覧下さい。

これ!このシブい語りあってこその『ボトムズ』ですよhappy01

ボトムズの際立つ特徴は、『予告篇が一つの作品になっている所』ですね。
テレビシリーズ、OVAを通じて、もはや予告篇はこの『一篇の詩のような言い回し』を銀河万丈氏の『筋肉質の低音』が語るというスタイル以外には考えられない。
で、これが重要なポイントですが、実はボトムズの予告って、次回の内容が予想できないところが魅力なんですよね。
全話通じて、別に予告篇は次回のストーリーの内容を語っているわけじゃない。
何ていうか、ストーリーの『テーマ』のような事を語っているわけです。


例えばテレビ版のある回に、こんな予告ナレーションがあったんですが。
『パルミスの高原、ミヨイテの宇宙に、無敵と謳われたメルキア機甲特殊部隊。
この命、金・三十億ギルダンなり。最も高価なワンマン・アーミー』

(『機甲』になっている所で笑った貴方は、ボトムズファンですねhappy01
なんてたたみかけるように語られると、見る方は「おおっ」となっちゃうわけです。


予告を見た視聴者は、そのあまりにも観念的な言い回しに圧倒され「今度のエピソードはものすごい内容みたいだ」と洗脳されちゃうんですよ。
で、予告されたエピソードを見てみると。「なーるほど。予告にあった『最も高価なワンマン・アーミー』って主人公・キリコの事だったのね。上手い事言うなー」
なんて感心しちゃうんですね。

だからボトムズの予告篇は、次回の紹介という立場からちょっと逸脱している。
「次回のストーリーをどう表現するか」という、作り手と視聴者の間で繰り広げられる一種の知的ゲームみたいなものなんです。
キリコのモノローグ共々『ボトムズ節』と言っても良いでしょう。


実際、ボトムズ初心者の方が、もし前述の特報をご覧になったら、もう何が何だかわけが分からないと思うんですよね。
「なんか難しい事を言ってるなあ」「ストーリーがまったく読めないなあ」
「でもものすごくハードなお話みたいだ」
なんてご感想が多いのでは?
ご安心下さい。私にもさっぱりわかりませんcoldsweats01


これがボトムズなんですよhappy01
ボトムズのストーリーは「周りから表現を固めて、鑑賞者が何となく物語を理解する」という作り方がされています。
あまたあるロボットアニメのように、キャラクターが劇中で自分の主張を言語化、怒鳴りあったりはしません。そこまで懇切丁寧ではない。だから分かりにくいんです。
「ストーリーは提示しました。後は自分で考えて下さい」といった姿勢。
前述の『詩』のようなもので、要は鑑賞者の「人生の熟練度」によって作品のコクが変わってくるんですね。
だから理解力が必要なんです。その為には膨大な、あまりにも膨大なhappy01裏設定も知っていなければならないし、「この表現にはこういう意味があるのね」なんて洞察もしなければならない。
あの無骨なATをカッコいいと思えるまでには、それなりの世界観の理解が必要という事なんですよ。


その「突き放した」表現の最たるものが、あの予告篇なわけです。
実写ドラマ、高年齢層アニメーションを問わず、最近の予告は、予告篇内にナレーションを入れずにハイライトシーンのみを積み重ね、「何となく見逃せない」と思わせるスタイルが増えてきていますね。
だからボトムズの予告スタイルはやや古い、昔ながらのスタイルなんですよ。
でももしボトムズの予告を今風の「ハイライトスタイル」に変えてしまったら、もうファンが黙っちゃいません。
それはとりも直さず、「予告ファン」の存在を何よりも証明しています。

ほぼ予告篇だけで一本のセルビデオを作ってしまうアニメーションなんて、私はボトムズ以外に聞いたことがありませんhappy01


だから、予告を見ただけで劇場へ行きたくなるのも、当たり前なんです。
すでに予告が独立した「作品」なんですから。


で、再度ご鑑賞を。こちらは特報の後に作られた『予告篇』です。

この予告篇に至ってはもう、予告の中で一つのストーリーが出来ちゃってますね。
「ふん。嘘を云うな。」から後のナレーションなんて、前半を全部ひっくり返しちゃってますからね。しかも未見の方にはわけがわからないhappy01
でも何となくもの凄そうな作品と、期待はしちゃうでしょ?

これですよ。これがボトムズの凄さ。予告篇まで気が抜けないとhappy01


たぶんこの雰囲気だと、私は前売券を買いに行っちゃうかもしれませんねー。
もう完全に、予告に洗脳されてますから。もうストーリーも知ってるのに。
たぶん気がつけば劇場の中。
私は周りに座る濃~いボトムズファンを見回しながら、一人つぶやいてますよ。

「こいつらは何の為に集められたのか?」なんてhappy01

« 上正は諦めない | トップページ | 地獄への片道切符 »

「マイ・フェイバリット・アニメーション」カテゴリの記事

コメント

「装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ」が好評だったとは知りませんでした。是非見なければ!!個人的には「蒼き流星レイズナー」の方が好きでした。まあ、どっちも世代ではないですが。久々にLDでも引っ張り出して見ようかと思います。
あとはインフルエンザをしっかり治してプロットに着手しないと!あと3週間しかないんですね!短っ!!

「誕生以来変わることなし、閃光と硝煙、鉄の臭いとその軋み、汚れに満ちた酸の雨、加うるもなし引くもなし。脈々となる自己複製、異端といわばいうもよし。我が行く道は荒涼の、友は引きずる影ばかり。赤いインコの緑の目、くるり回ってとっとの目。すべては・・・そうすべてはふり出しに戻る。」

こんばんは( ^o^)/
毎度万丈さんの予告って、すごいですね~。文は高橋監督が考えてるそうですが、ん~しびれます。
でも・・・とっとの目の意味がよくわかりませ~ん(+_+)
今週もボトムズ特集ありがとうございます。YOU TUBEおもしろくて時間忘れます。ボトムズ生誕25周年記念月刊アニメージュをみました。キャラクター担当の塩山氏のインタビューで、キリコの表現について語るところは、私が以前いた工事現場の親方に雰囲気が似ておりました。まさしく監督を取り巻くスタッフはアーティストというより、より実践的な職人という感じがしました。いいものを作るってそれぞれのプロの技術の結集なんですね。中年を迎えた私はしみじみと感じます。

映画はもちろん行きます!ストーリーがわかってる?・・・いやいや、例えば名画を観に何度も足を運ぶように、例えばシェークスピアを観に何度も足を運ぶように・・・
四半世紀に渡る黒い雲が今!晴れ渡り・・・
いざ旅立とう殉教の旅へ!同志たちよ!巡礼者たちよ!
という感じでどうでしょうか?
さぁyou tubeで柳ジョージみようかな。
~Weeping in the rain
~酔って候う

OKAZAKI様 ボトムズ中毒の私にとって「ペールゼン・ファイルズ」は甘美な猛毒でした。
激辛、悲惨、深遠、どんな言葉を使っても、あのボトムズならではの世界観を言い表すことは出来ないでしょう。
もう駄目です。私は今日、前売り券購入の誘惑に勝てませんでしたhappy01

「蒼き流星 SPTレイズナー」も高橋監督の代表作ですね。私も大好きな作品です。
放送当時、OVA「刻印2000」を心待ちにしていたと言えば、そのハマり具合がお分かりかもしれませんhappy01
特に後半、1999年の展開が好きで。あれはもう「華氏451」じゃないですかhappy01
ロボットアニメにもああいう、ちょっと文学的な香りの漂うところが、高橋作品の真骨頂かもしれませんねhappy01

インフルエンザの回復を祈っています。
クスコの聖女・ジュリアのようにhappy01

のん様 「巨大なタピストリーに描かれる、壮大なドラマ」ボトムズの劇場公開って、考えてみますと「ザ・ラストレッドショルダー」以来なんですよね。
「野望のルーツ」は劇場公開が立ち消えになっちゃったしweep
(おぼろげな知識なので、違っていたらごめんなさいcoldsweats01

そう思えば、今回の劇場版がいかに貴重なものかがよく分かります。
言わばこれはファンイベント、ボトムズ祭りなのかもしれませんhappy01
そう思ったら気分はハイテンション、さっそく今日、劇場で前売り券を買ってきました。
もちろん、チラシも鬼のようにゲット。100枚近くはあるでしょうcoldsweats01

高橋監督、塩山紀生氏共、確かに職人の雰囲気はありますね。
「才気」と言うより「腕」で創っている感覚があります。
傑作機・スコープドッグの生みの親、大河原邦男氏にしてからが、「あれは自分の中にあったものを素直に出しただけ」と語っているように、ATの魅力はヒーロー性と言うよりも「機能美」ですもんね。
そういう無骨な職人技が「ボトムズ」に結集したという見方は正しいと思います。

その職人技に絶妙なフレーバーを注ぐのが、あの万丈氏の「語り」。
あれなくしてボトムズは語れません。予告ナレーションを暗記したくなるアニメーションなんて、本当に珍しいですよ。しかも「語り口」まで真似たくなっちゃうhappy01

劇場へ足を運び、同志、巡礼者たちの熱い息吹を、肌で感じてみたいと思います。
「メルキアの星の下に!」と連呼しながらhappy01

ところで。のんさんも柳ジョージファンなんですね。私も大ファンです。
アルバム「雨に泣いてる・・・」はもう、お酒無しには聴けません。飲めないのにcoldsweats01

ダグラムから「予告」には
センスが光っていた高橋作品ですが、
ボトムズの予告は「次回、○○」後の
「一言」が毎回素晴らしかったです。
有名な
「キリコの飲むウドのコーヒーは苦い」
しかり。
僕が好きなのは
「人は流れに逆らい、やがて力尽きて流される」

さすがジャリゴンさんhappy01
ボトムズ予告のもう一つの魅力は、インパクト抜群の「止め」ですよね。
確かに、あのラストの一言が決まらなければ、予告があれほどの名作になったかどうかhappy01
「ウドのコーヒー」は商品化までされましたしhappy01

心の真理を突くその一言は、人生の端々で教えとなって私を誘います。
ある時は教師として。また反面教師として。

「人は流れに逆らい~」は私も好きなフレーズです。
ダイエット中に食べ物が我慢できない時など、いやと言うほど感じますweep

他にも「必然たりえない偶然は無い」なんて好きです。
今回の「ペールゼン・ファィルズ」舞台挨拶にも、「必然の偶然」を期待していますhappy01

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/104767/27069104

この記事へのトラックバック一覧です: 予告と云えば云うも良し:

« 上正は諦めない | トップページ | 地獄への片道切符 »