悪夢はふたたび
いやーもう、1月も下旬に入りましたねー。
時の流れは速い速い。風邪だ必殺だボトムズだなんて言ってる内に、あっという間にリミット間近ですよ。『宇宙船映像倶楽部』。
今回の応募締め切りは2月6日なので、企画案郵送のタイムラグを差し引けば実質、作成期間はあと2週間程度。
毎度の事ではありながら、この締め切り間際の何とも言えない追い詰められ感は、応募者だけにしか分からない独特のものですね
まー勝手に出してるだけですし、部員に選ばれた意地もありますから、焦りに加えて責任感交じりの誇りもあったりしますが。
正直、昨年4月の復刊からこっち、各号の『宇宙船』発売日は応募スタートのピストル音を聞くようなもので、本誌の内容を楽しむと言うよりは、「さて次の企画はどんな手で」みたいな意気込みで鉢巻を締め直す感覚が強かったですもんね
本来のあり方で行けば、企画を発送した直後から、次のアイデアを練り始めるというのが理想的な企画者像なんでしょうが、何しろ発送なんていつも締め切りギリギリで。
送った直後は脱力感で一杯で、次の事なんか考える気力も無いのが本音だったりして。
そのダウナー感から立ち直った後も、「ま、発表を見なきゃ何事も始まらないし」なんて甘え根性で、ズルズルと怠惰な日々を送ってしまうのが、毎度の私だったりします。
で、次号の結果発表後、案の定また締め切り間際に焦るという繰り返し。
こうなるのは分かっているのに、対策を練らないというモノグサで
当然、日々の糧を得る為のお仕事だって重要ですから、企画だけに構っていられない事情だってありますし。
とはいえ、事情は部員のお仲間や新規挑戦の皆さんも同じですから、私一人が泣き言を言っても仕方がありません。
昨年の一大アクシデント、足のケガもほぼ完治に近づいた事だし。そろそろ今回の企画も本腰を入れないとみたいな気運も、ふつふつと湧いてきてはいるのですが。
でも、読者のお仲間や部員仲間の皆さん。
こんな思いに陥った事ってありませんか?
例えば貴方が、一つのヒーロー企画を思いついたとしましょう。
「おっ、これは新しい。これまで見た事もないヒーローだ。」
貴方は小躍りします。でもその企画を文章化、またはイラスト化すべく煮詰めていく内に、一つの思いが頭をもたげてきます。
「この企画、本当に面白いんだろうか?
ただ『新しい、見た事がない』と言うだけで、一番重要な『面白い』というファクターが抜け落ちていないだろうか?
で、この企画の『面白さ』って、テーマなのか、ギミックなのか?」
さあ貴方はもう落ちつかない。『宇宙船映像倶楽部』入選作の著作権は、すべて宇宙船編集部に帰属するからです。
応募時の段階では入選するかどうか未定ですから、自動的に応募作は他人に相談し、意見を聞くわけにはいかない。
いったい何処から、企画の内容が漏れるか分からないからです。
ひたすら自問自答する貴方。
でも考えれば考えるほど、正常な判断が出来なくなってきます。
なぜならその企画を思いついた時点で、貴方は企画に惚れてしまっている。
企画のマイナス点から目を背けようという気持ちが働いてしまうからです。
本来なら客観的な判断を仰ぎたいのに、それが出来ない辛さ。
実は私は今、そんな思いに捉われているのです。
これまで応募した三本の企画では、そんな思いに捉われた事はありませんでした。
おバカな私は『新しい』=『面白い』という公式を、信じて疑わなかったのです。
ところが。これ、考えれば考えるほど難しい事なんですよ。
ひょっとすると、『新しい』という感覚を与える企画を考える事は、さほど難しくないのかもしれません。でも番組企画である以上、その前に『面白い』という絶対条件をクリアしなければならないわけです。
「新しいのはテーマ?ギミック?その両方?
そのどこに重点を置けば『面白さ』に繋がるの?」
今回、私の前にそびえる壁は、まさにそれなのです。
以前から「ネヴュラ」では、そういった悩みについていろいろお話してきました。
そこで交わしたお仲間との意見の中で、やはり王道が作り続けられるのにはそれなりの理由がある事も再認識しました。
だから決して、王道が悪いわけではないんですね。
古今東西のヒーロードラマには、多かれ少なかれ先人の名作が影響しているわけですから。
でも、今回『映像倶楽部』が狙っている『新しさ』とは、その王道の『面白さ』を踏まえた上の単なるパッケージング替え、リニューアルに過ぎないのかな?
応募者は、その料理の腕を競っているだけなのかな?
それとも、王道さえ過去に感じるような、斬新な企画を求めているのかな?
その指針を、ちょっとあいまいに感じてしまったんですね。
思えば、過去二回の私の応募企画は、その『王道の面白さ』を考え直し、別種の新しい感動、エモーションを喚起させる事を目標としてきました。
まーそれが上手く文章化されているかは怪しいですが
ですが、王道にこだわった三回目の応募作は、不本意な結果に終わってしまいました。私の王道への理解が足りなかったせいですね。きっと
ですから今回、数えて四回目の応募作に取り掛かった段階で、自分の方向性をやや見失った事で、少々モチベーションにブレーキがかかっているのです。
確かに雨宮部長は、王道さえ超えてしまうほどの新しさを求めているとも思います。
事実、第一回課題作・吉永匠様の『ホンノバケモノ』は、そんな倶楽部のオーダーに応えた素晴らしい企画でしたし。
ですから私もそんなミラクルプレーを、なんて志高く挑む気持ちもあるんですが、前述の『王道信仰』という壁に阻まれている事も事実で。
「明日はどっちだ!?」みたいな感覚が(古いネタですみません)
まー傍から見れば、そんなのはアイデア枯れの単なる言い訳、なにを泣き言言ってるのなんて事になるのですが
でも、「こういうテーマがあるからこの主人公、このギミックを」と、テーマ先行で考える私にとっては、その根っこの部分を軽視できない辛さがあるんですよね。
料理に例えれば『見た目より素材にこだわりたい』んですよ。
あくまでギミックは、テーマから逆算される発想法なんですね。
だから辛い。確かにギミックはいくつか思いつくんですが、テーマとうまく繋がらない歯がゆさがある訳です。
「そこは王道処理で、深く考えないで」と割りきっていいのかどうかの不安と言いましょうか。
で、正直に申し上げれば。
今回の案は現時点では「ギミック」だけあって、「テーマ」が無い。
キャラクターは浮かぶんですが、世界観やキャラの目的が見つからないんです。
斬新に冒険するか。いま一度、王道で攻めるか。
後付けのテーマを果たしてどっちに振ればいいのか。
その方向性によって、企画の雰囲気はまるで変わってしまいます。
そのテーマという名の素材がぐらついているから、いつもの私の作り方とは逆になっちゃってるんですよね。
ギミックだけで企画を組み立てられる方は、きっとこんな悩みは無いんでしょうが。
テーマに重点を置きすぎる私の、悪癖かもしれませんね
それは考えすぎなのか。もっと単純に考えれば良いのか。
いやーまたしても、昔からの命題にぶつかっちゃった
まーこんな苦しみ、ヒーロードラマのあり方について悩めるのも、宇宙船映像倶楽部あればこそ。こうして募集が続いていればこそです。
そりゃー苦しまないより、苦しんだ方が何倍も良いですね。
より深く広く、ヒーローの構造に触れられる喜びを感じています
さて。そんな悩みを言葉にできて、ちょっとスッキリしました。
まーいつも以上の弱気で。こんなもんですよ私は
こんな愚痴におつき合い頂いて、申し訳ありませんでした。
どんな形であれ、必ず応募は果たしますので、どうぞお許し下さい昨日買った、バンビ生キャラメルで気分転換。
コレ、思った以上に美味しかったんですよ。特に右のチョコレート味が
コタも欲しそうでしたが、歯にくっついて虫歯になるから、コレはおあずけ
このガッカリ顔を見るにつけ、私の悩みも癒されそうです。
泣いても笑っても、応募締め切りまであと二週間。
名古屋の片隅で、今夜もコタと二人で悪戦苦闘しています
« 燃えるファイル | トップページ | ギュ~ッと昼食 »
「宇宙船映像倶楽部」カテゴリの記事
- 二年ぶりの提出(2012.11.08)
- 脳は痩せても腹は出る(2010.08.08)
- 入選を超えた喜び(2010.07.07)
- 右肩に力を、左肩に余裕を(2010.01.08)
- スリップ・ストリーム作戦(2009.10.04)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント