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2008年11月10日 (月)

プロットコンテ作戦

例の事故から一週間。
久しぶりに出向いた所や新鮮な経験が続いたせいでしょう。

色々な意味で刺激を受けていまして。


顛末について、未見の方はこちらを。
11月5日(水)『骨折する心』

http://spectre-nebura.cocolog-nifty.com/cultnight/2008/11/post-8b54.html

事故による体の不調、左足を中心とする節々の痛みにも慣れてはきたものの、メインの足となっていたミニバイクが故障の為、今は車による移動がほとんど。
ここまで頻繁に車を運転する機会は少なかったので、ここ数日はバイク移動とは違った神経を使う事も多くなりました。


例えば道路の選び方。
車の脇をすり抜けられるバイクでは、渋滞などまず気にならないんですが、車ではそこが移動時間に直接影響します。
ですから混まない時間帯やショートカットできる裏道などに頭を使う。

これは本当に久しぶりでした。
通勤ルートを変えることにより、脳が活性化するというのは本当ですね。


また駐車場が確保し辛い都心部には、公共交通機関で向かう機会も多いですが、バスや地下鉄に乗るなんて一年ぶりくらいなので、発車・停車の揺れから車内アナウンス、乗客の様子や駅の風景までが新鮮で
車やバス、鉄道で通勤されている方には申し訳ありません。
いかに、日々の移動をミニバイクに依存していたかがよく分かりました。


ここ数日、怪我の治療に通っている病院も、私にとっては新鮮でした。
なにしろ事故直後、初めて運び込まれた救急指定の病院なので、見るもの聞くもの全てが珍しい。

主に外科中心ですから、患者さんも松葉杖や腕に包帯など、どこかしら怪我をされた方ばかり。ただ皆さん、怪我の部分以外は元気な分、流れる空気もやや活気があります。
ロビーでテレビを見ていても、周りには笑い声が聞こえたり。
そんな空気も、運ばれてくる救急患者によって緊迫したものとなりますが。


そんな風に、見る物の様子やスピード、音や匂いなどが変わってくると、受ける刺激も大きいようです。普段使われない脳神経が使われると言うか。
で、そんな刺激を受けた時、自分でも非常に不思議な感覚に捉われまして。
何を見ても聞いても、『新ヒーローのアイデア』に結びつけてしまうんですよ


ちょっと読者限定ですが、『宇宙船映像倶楽部』の部員仲間の皆さんにお尋ねしたい事がありまして。
先月31日に締め切られた『新特撮ヒーロー』第三回募集後、そのプロットやデザイン考案のモチベーションについてです。


私を含め、結構、締め切りギリギリに提出された方が多かったようですが
(中には持ち込みまでされたスーパーファイターまで
その後、提出まで活性化されていた脳内は沈静化されたでしょうか?

また、提出後の余波がまだ残っていて、ゴール後の「勢い余った助走状態」にあるのでしょうか?
さらには、モチベーションは考案中も今もずっと一定していて、常にアンテナが張り巡らせている状態なのでしょうか?


実は私の場合、「助走状態」のようなんです
自分ではまったく意識していなくて、プロット送付後の開放感が嬉しくもあったんですが、脳内は依然として「創作アイドリング状態」だったようで。
それが今回、事故というアクシデントやその後の様々な刺激によって、表に出てきたみたいなんですね

打ち所が悪かったんでしょうか?(笑えないって?すみません不謹慎で

例えば病院で、傷口の治療に使う「人工皮膚」なんて単語に反応。
担当医の先生に「これ、どんな素材で出来てるんですか?」なんて尋ねちゃったり。


地下鉄でデジタルオーディオを聴いている人々が以前より増えた事に驚き。
「彼らは秘密組織のメンバーで、音楽ではなく本部からの作戦指示を聴き、動かされていたとしたら?この車両のデジタルオーディオ利用者率は●%だから、彼ら全員が一斉行動を起こせば車両制圧も可能かな?」
なんて戦慄したり。
でも思うんですが、デジタルオーディオを聴いている人たちって、なんであんなに無表情なんでしょうか。あの無表情で耳からコードが伸びている姿を客観的に見ると、かなり不気味に感じるのは私だけでしょうか
そんな見知らぬ同士の筈の彼らが、一斉に薄笑いを浮かべたりしたら・・・
(「カンパニー・マン」の見すぎかもしれませんが


事故の瞬間を思い出して。
「強靭な体という設定を使わず、あの現場状況から事故を回避するにはどんな特殊能力が必要か?」なんて考えたり。


愛車Verdeの痛々しい姿を見ながら。
「この破損状態から考えて、オートバジンや『モスピーダ』のライドアーマー以外で、搭乗者を衝撃から守るバイク変形のデザインは?」とか。
そう考えると、コミカライズ版のザボーガーはかなりフレキシブルな動きだったなー、なんてetc・・・
(もっと突っ込んだ案も色々思いついたんですが、今後使えそうなのでここではちょっと秘密にさせて下さい
決して現実逃避じゃないんですが、どんな刺激も新企画に結びつけて考えるようになっているんです。


考えてみれば、衝突するほど目の前に車が迫ってくるなんて経験、そうそうあるものじゃないですからねー。強烈な刺激が残るのも無理はありません。
地下鉄や病院なども、久しぶりに訪れる空間だからこそ新鮮な感覚が味わえるのでしょう。毎日利用される方には、当たり前の事なんでしょうが。

でもそんな出来事さえ、すべからくヒーロープロットに繋がってしまうという「業」のようなものに、我ながら笑うやら呆れるやら。
いつの間にか私はすっかり『部員体質』になってしまったようです
まーそれらはすべて単なる思いつき。とてもプロットの形を成していません。
でもそんなアイデアの断片だって、決して無駄にはならないと思うのです。


以前、先輩の音楽スタッフに聞いたことがあるんですが。
CM曲などの作曲も手掛ける彼は、発想の源としていつも「音コンテ」なるものを心がけているそうです。

要は、ピアノや机の前でウンウン唸ってたって、良い曲は生まれてこないと。
心を打つメロディーは、別のお仕事をしている時や日常生活、果ては夢の中などで突然浮かんでくる訳です。
それはやはり、日々の刺激や何気ない出来事が、脳内でなんとなく結びつき流れ出すもの。ですがそれだってほんの一小節だったり、まだまだ形にならないアイデアの断片に過ぎません。

そんな風に思いついたメロディーを、彼はストックしておくのだそうです。
言わばアイデアのスクラップですね。これが彼の言う「音コンテ」です。
で、アイデアが出ないときには、そのスクラップから選んだいくつかを繋げてみたりちょっと変えてみたりして、形にならないか試してみると。


それは確かにあることで。
例えば海援隊の代表曲『贈る言葉』一番の歌い出し「暮れなずむ町の 光と影の中」にある『暮れなずむ』という歌詞について、作詞した武田鉄矢氏は「非常に語感がよく、いつか歌詞に使ってみたいと温めていた言葉だった」と語っていました。

これなんて『歌詞コンテ』とでも言うべきですよね。


これらはクリエイターにとって、非常にためになるお話でした。
確かに今の私のように、浮かんできたアイデアは断片的なものに過ぎなくても、それをストックしておくという事。
ストック一つ一つのアイデアはものにならなくても、いくつかを繋ぎ合わせたり逆から見てみたり、色々試してみる事で、まったく新しい輝きが生まれる事もある訳です。


ですから私は今、刺激から生まれる数々のアイデアの断片を
『プロットコンテ』としてストックする事に意義を感じています。

事故の興奮が収まり、怪我やミニバイクの回復によって生活が普段のリズムに戻るにつれ、おそらく刺激も薄まっていくでしょう。
そうなると新鮮な発想を生み出す、今見えている切り口が塞がってしまう。
アイデアの糸口が絶たれてしまうような気がするのです。

確かに思いつきですからバカバカしい案も多いでしょう。
でもそれを下らないと、却下するのは簡単。
そこで終わってしまう方が怖いです。
ですから今のうちに、それをストックしておく。
アイデアは煙と同じで、写し取っておかなければ一瞬で消え去るからです。
そして感性が鈍ってしまえば、同じアイデアは二度と現れない。


まー頭のない私には、こんなやり方が精一杯なのかもしれませんね。
せっかく事故で大変な思いをしたのですから、それだけの見返りは手にしないと。まさに「転んでもタダでは起きない」勢いで


部員の皆さん、また賢明な識者の皆さん。
お仕事や企画などにオリジナリティーを盛り込む、皆さんの発想法は?
きっとそれぞれ、独自の技をお持ちの事でしょうね。


皆さんにはご心配をおかけしましたが、
刺激と発想力がほどよくブレンドされたこの状況を
もう少し活用したいと思います。
やがて行われる部活に、きっと役立つと信じていますから

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コメント

僕のやり方は…一勝一敗だけに、胸をはってオススメできる方法ではないですが…まず、現行の作品と自分の作品を見比べて、似てる点を見つけたらどんどん排除していく(※)→ここ何年か使われていないモチーフで補足→オタクじゃない身近な人何人かにモニター?になってもらって、全員を納得させるまで描き直す。
こんなカンジでし“た”。

今回提出した作品は、モニター一名とちょっと絵を見せづらい間からになってしまった(原因は自分ですf^_^;)り、他のモニターが皆多忙だったりで、このやり方はできなかったですが(汗)。

(※)最初の投稿時、郵便局に出した直後にアイアンマンのヘルメット開閉ギミックと自分の考えたヒーローのヘルメット開閉ギミックが被ってると知った時には、絶対入部できないと思ってました。

喬鬼様 
>胸をはってオススメできる方法ではないですが
ご謙遜を いえいえ、同じ部員仲間じゃありませんか
やはり喬鬼さんも、応募するまでにはかなりの努力をされているんですね。
大変参考になりました。ありがとうございました。

>現行の作品と自分の作品を見比べて、似てる点を見つけたらどんどん排除
これは私もよく行います。元々、現行作品に無い物という所から発想がスタートしているので、この作業は意外と簡単ですが

>オタクじゃない身近な人何人かにモニター?になってもらって、全員を納得させるまで描き直す
これは私の環境ではなかなか出来ないですねー
まー口ベタなので思いをうまく伝えられないのが大きな理由ですが。
その点、絵という形でモニタリングできるデザインは、イメージを伝えやすいのかもしれませんね。その分かりやすさは、喬鬼さんの磨かれたテクニックによる所が大きいのでしょうけど

今回提出された作品は、モニタリングがされていない分、喬鬼さんの思いがストレートに出たものかもしれません。大変楽しみです
私は喬鬼さんのデザインラインが好きで、ヒーロープロットを考える時、脳内で喬鬼さんのデザインを実写化、シュミレーションする事が多いです。
最初に採用されたデザインなんて、本当によく活躍してもらいました
そういう意味で喬鬼さんのデザインは、私には非常にしっくりくるんですよ。
いつかコラボできるといいですね

投稿後に発表された他作品が自作とカブった時の衝撃は、筆舌に尽くしがたいものがありますよね
実は私も、第一回投稿プロットの導入部、底流のモチーフが、夏に公開されたある映画にほんのちょっとカブっていまして
それを知った時はもう目の前が真っ暗、私も絶対、入部できないと思っていました。偶然と言うより、人間が考える事は多かれ少なかれ似てしまうという事なんでしょうね
でもそれは形の上でのこと。同じ材料でも、料理次第で味は変わります。
もっと腕を上げて、極上の創作料理を開発したいものですが

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