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2008年10月20日 (月)

科学者の心意気

昨日の法事で、一年ぶりに顔を合わせた、二歳年下の従弟。
昔からの読者の方々には、「セカンドディールの彼」と言えばお分かりいただけるかもしれませんhappy01


ピンと来ない方はこちらを。

2007年11月5日(月)「秘技・セカンドディール」

http://spectre-nebura.cocolog-nifty.com/cultnight/2007/11/post_2a40.html

2007年11月7日(水)「電光石火作戦」

http://spectre-nebura.cocolog-nifty.com/cultnight/2007/11/post_7614.html

要するに「バロム1の仲」というわけですhappy01
時々お話しますが、彼はさる大学の講師。
情報処理の分野で博士号を持つ、エキスパートです。
この従弟と、久しぶりに面白い会話を交わしまして。
今日はちょっと、そのお話をお聞き下さい。

秋とは思えないほどの夏日に行われた法事は、昨年の寂しさなど微塵も感じないほど明るく進みました。両親の居ない日常に、もう慣れたせいもあるかもしれません。
今年83歳になるご住職も、ますますお元気でhappy01

一通りの法要を済ませた後で、参列者全員で食事を囲みました。
参列者と言っても親族ばかりの、気のおけない席です。
でも、お客様をもてなす役目を持つ喪主の私は、ご住職の前に座り。
子ども時代からウマのあった従弟は、自然と私の隣に席を取りました。

仏の教えを分かりやすく説くご住職に、興味津々の私たち。
そんな話題に興味を持つような歳かと、顔を見合わせ苦笑いも絶えずhappy01
楽しいお話に、退屈もしなかったのですが。

「人間に於いて大事な事」なんて、難しい話題になった時の事です。
不意に、従弟の彼が口を開きました。

「そういえば以前、こんな話を聞いてさあ。」
仕事上、彼は情報社会やネットマナーについて、企業や官公庁、学校などで講演を行う機会が多いのですが、そんな中知り合った同業者と、ある話題で盛り上がったそうです。


それは、歴史の偉業の捉え方についてでした。
これは一例に過ぎませんが、今も残る古代都市の歴史的建造物、特に巨石文化による巨大建築は、技術的には建造に何百年もかかったのではという憶測がなされています。
歴史上、建造計画を国民に命令したのは、時の王様や権力者であった場合が多い。
でも単純に考えれば、建造に何百年もかかるわけですから、建造開始から完成まで王様が生きていられるわけがない。
途中で寿命という事もある訳です。でも現在に残る文献には「完成まで王は生きていた」と記述されている。計算が合わないじゃないのと。


その記述をどう見るか。彼は楽しそうに言いました。
「学者の立場や個人の性格が、そこで出るんだよね。」


例えば、彼のような『科学者』は、こう考えます。
国民は「この建物の着工から完成までの数百年、王様は生きておられた」と信じて、建設に精を出したんだなあと推測するんだと。
信仰心が、人々の心に王様を生かしたのだろうと、悠久に思いを馳せる。
だから歴史はあまり追及しない。建造物そのものを見ようとする訳です。
要は歴史の部分より、どんな偉業が残されたか、現在残る「結果」の部分に興味の重点が置かれると。


ところが、彼が出会った『歴史学者』は、意見が違ったと。
王様が何百年も生きていたなんてあり得ない、この歴史資料はおかしい。
この歴史資料には誤りがあるから、そこに秘められた真実を探求したいという方面に興味が向く。
今残っている建造物、つまり「結果」よりも、そこに至る「歴史」を紐解きたい欲求にかられるそうなんです。


「かくして、科学者と歴史学者の対立が生まれる。」
おどけながらつぶやいた彼は、コップのウーロン茶に口をつけました。


確かに、現実はそれほど単純なものではありませんが、
要は「どんな歴史があろうと、いまそこにある結果が大事」と見るか、
「結果に至る歴史が大事」と見るかなんですね。

一見、相反する見方のように見えますが、実はこれは表裏一体、どちらが欠けても真実にはたどり着けない。
道のりがあって結果があるわけです。


ただその時、私は思いました。口には出しませんでしたが。
でもやっぱり、私は科学者派かな、なんてhappy01

前述の例で行けば、たとえ歴史がどうあろうと、現在その建造物が存在するという事実は変わらないわけで。やはり結果が大事じゃないかと思います。
後年の研究で歴史が覆っても、その建造物が消えるわけじゃないですし。

結果の評価ひとつで、歴史の見方も変わりますよね。

極端な例ですが、人気芸能人が不良だったという過去は「元気があった」と評価され、犯罪を犯した芸能人のそういう過去は「昔から犯罪者の素養があった」と見られるようなものです。

考えてみれば私は、あまり過去の歴史を引きずらないですね。
よく「ネヴュラ」でもお話しますが、たとえ過去を振り返るとしても、そこには未来に生かすヒントを探すという目的があるからです。

「初代ウルトラマンではこういう設定だったのに、ウルトラマンAの客演ではスペシウム光線の色が云々」なんて、そんなこと考えてる時間さえ惜しいhappy01
そんな時間があったら、「そもそも光線技はヒーローに必要なのか?」なんて方に興味が湧きます。


皆さんよくご存知の平成ガメラだって、こういう発想から生まれた筈なんです。
昭和ガメラの歴史に縛られていたら、あれほどの傑作になったかどうか。

しかも、作品内に漂うどこか懐かしい雰囲気は、前述の「過去の研究」の賜物でしょう。
それが「未来に生かすヒントは過去にある」という事なのかもしれません。
常に新しさを模索する事。ことクリエイティブな分野に於いて、この姿勢は何より大事なんでしょうね。


すぐこの分野にお話を持ってくるのが、私の大きな欠点ですねcoldsweats01
それもよく分かっているんですが、「物を考える」という事は常に気を抜かず、それくらいのモチベーションを保ち続けるという事なんです。
データ第一主義の方々には、ちょっと理解されにくいかもしれませんね。
ただ一つ言えるのは「覚える」と「分かる」は別という事。
断片的な知識をただ「覚えて」いるだけでは役に立たない。
それを脳内で組み上げて「分かる」努力をする事。それが大事な気がします。


誤解ないように申し上げておきますが、歴史から何かを考察するという姿勢を、私は決して否定しているわけではありません。
考察しようとする段階で、既に「分かる」に向かっているわけですから。
それを極める事で新しい何かが見つかるという意味で、まさに私の目指す方向でもあるのです。



従弟との話は盛り上がり、「宇宙船映像倶楽部」の話題にまで及びました。
お仲間や私の応募活動に興味を持つ従弟は大喜び。
「おおっ新ヒーロー!ぜひ作ってもらいたいね。もしそのプロジェクトが実を結び、DVDでも発売されたら、50枚くらいは買ってやるよ。」
「えーっそんなに。やっぱり持つべきものは従弟だねー。」
「でもその50枚、大量コピーして売りさばくけどhappy01
「海賊版かいっwobbly 失礼でしょそれじゃ」


悪戯っぽく笑う彼のそんな姿に、私は科学者の心意気を見ました。
ウルトラシリーズのDVDをフルコンプリートしているのに、新ヒーローという言葉に反応する彼。
「新しいウルトラマンを企画してよー」とは決して言わない所がhappy01
どうやら、血は争えないようですね。


気がつけば「宇宙船」次回の企画締め切りまであとわずか。
実はこの時、ご住職から一つのヒントを貰いました。

企画に活かせるかどうかはわかりませんが、ぜひ参考にしようと思います。
ヒーローの真理を和尚さんから教わるとは。オタクの魂百まで。
亡き両親も、草葉の陰で泣いていることでしょうcoldsweats01

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