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2008年10月16日 (木)

感性の宝石箱

先日から始めた「BOOK OFF五十音作戦」が、何となく続いてましてhappy01
開始から今日までで、購入した文庫本は16冊。

(あれ?思ったほど増えてないな。でも読了率は80%だからまーいーかcoldsweats01
一冊105円ですから、いつも気軽に入手できます。
考えてみれば、缶コーヒーより安い買い物なんですね。
そんな安価で、知らない知識から人生の悲哀までを知る事が出来るのですから
改めて、コストパフォーマンスの高さに感心する事もしきりでhappy01

この作戦、当初は自らのボキャブラリー不足を補う目的で始めたのですが、
いざ続けてみると、どうやら自分の脳内を覗くような効果がある事が分かりました。
その何たるかを説明するには、ちょっと別のお話をしなければなりません。

実は、ここ数日で増えた文庫本に加え、かねがね買い散らかした本で、自宅の本棚が溢れておりまして。もう入りきらないんですよcoldsweats01

昔から、本を売ることに抵抗が強かった私は、こと文庫本に関しても、子供の頃に求めたものから大事にとってあります。
度重なる引越しにも耐え、集めた冊数はざっと400冊。

まーそれほど多くはありませんね。
その数倍あるオタク本は計算に入れていませんから、世間で言う「一般書」扱いのものです。
ところが、私の本棚のキャパは約350冊。50冊ほど入りません。
本棚の前に積み上げるのも美しくない。


で、今日は、読まない本から順に50冊程度を、別の部屋に移しました。
同時に、手持ちの本を再度ジャンル分け、本棚に整理しなおした訳です。


部屋と同じく、本棚に並ぶ本にも「持ち主の脳内」が表れますよね。
私の場合昔から、自分の興味ある分野、作家順に本を並べる習慣がついています。今回、本棚を整理してみて、その「興味順」が変わっていることに気がつきました。

これが面白かったhappy01
普段掃除する時も、本の位置は変えませんでしたから、この並び順はかなり前から不変だった事になります。


見てみると、整理前の私の興味順位は
①推理小説
②ショートショート小説
③冒険小説
④SF小説・怪奇小説
⑤通常の小説(いわゆる文芸作と呼ばれるもの)
⑥旅行エッセイ
⑦ライトエッセイ(週刊誌等に掲載される程度の短いもの)
⑧ノンフィクション風おバカ本(UFO・幻の怪獣を見たといった類の)
⑨研究本(人類の起源等、カチカチの研究書)
⑩実用書(企画の立て方、人に読ませる文章の書き方等)


大まかに分けると、こんな順位です。
中でも、推理小説の割合が非常に高いですね。全体の40%ほどでしょうか。
ただ、ほとんどが江戸川乱歩、鮎川哲也という、非常に偏った人選ですがcoldsweats01

それまで、この好みは一生変わらないものだと思っていたんですが、今回の整理で、それが見事に覆されました。
⑦のライトエッセイが一番に来たんです。


で、その後は旅行エッセイ、研究本、実用書、おバカ本と来て、小説の類は最下位にランクダウンしちゃった。
冊数の割合じゃないですよ。あくまで興味の順番です。


冒頭のお話、「自分の脳内を覗くような効果」というのは、まさにコレでした。
今でもフィクションは好きだし、ご存知のようにおバカな妄想ばかりお話している私なのに、この心変わりはどういう事でしょうかsign02


「そりゃーオタクイーン、エッセイがマイブームだからじゃないの?」なんてご意見もおありでしょう。まーそうかもしれません。単純ですからcoldsweats01
この現象、最近の私の読書姿勢を如実に反映しているような気がします。
私はエッセイと「試合」しているんです。


エッセイというのは、日々の生活の中で遭遇した出来事を、作者というフィルターを通して表現したものですよね。
確かに小説も同じプロセスを経るものですが、あくまで創作である小説は、事実の改変率が非常に高い。作品になった段階では、作者の体験がどこに活かされているかが判別しにくいんです。
その点エッセイは、体験のリアリティーが勝負の上、作者が感じた事をどれだけ分かりやすく表現できるかが非常に大事なわけです。
作者自身が、自分の心を正確に見つめる「心察眼」とも言うべき力が必要。
私としてはそこが面白く、かつ競い甲斐があるんですよ。
いったい、どう競うのか。


エッセイの多くは、ブログのように一篇の前にサブタイが付いていますよね。
このサブタイを目にした瞬間が、勝負の始まりです。
例えば「怖いもの」というサブタイがあったとしましょう。
その瞬間、私は読む前にまず「この『怖いもの』というお題を与えられたら、自分ならどういうお話が書けるだろう」と想像するわけですね。
怖い人、怖い体験、怖い映画・・・
一通り考え「うん、これなら」と納得した後、おもむろに中身を読み始める。

自分の「脳内エッセイ」より面白いかどうか。展開に意外性があるか。
膝を打つような知識が盛り込まれているか。琴線に触れるような感動が待っているか・・・


これは以前、ショートショートの小説でも試しましたが、読み始めるまでの「シンキング・タイム」が長くなりすぎてよくありません。読む前に疲れちゃうしcoldsweats01
あくまで「瞬時に思いつくレベル」の方が、モチベーションを保ちやすいようです。

結果はほぼ100%の確率で、私の「完敗」ですcrying 当たり前ですがcoldsweats01
うーんさすが、プロのエッセイストは違う。

特に最近は、阿川佐和子さんの諸作に負けっぱなしwobbly
ライトエッセイって、簡単なようで長編よりかえって難しいですもんね。
誰もが日々経験する生活の点描を、これほど簡潔にまとめ上げ、しかも読ませる手腕と才覚は普通じゃない。


以前、小林信彦さんが自らの著書で、故・藤山寛美さんの演技を
「これほど上手いのに、上質の天ぷらのように腹にもたれない軽さがある。
言わば油が良いのだろう」
と絶賛されていましたが、阿川さんの作品にも、そんな食感を覚えました。

日々の断片を絶妙に料理し、安定した力量で等身大の思いを表現できるその心察眼は、私に最も欠けているものかもしれません。
まったくお見それしましたcoldsweats01


思うんですが。私の場合、知識や文章テクニック、ボキャブラリーを勉強しようとしていたのは、ちょっと間違いだったような気がします。
もっと大事なのは「物事をどういう角度で、どう見るか」なのかもしれません。
阿川さんのエッセイだって、特徴的な表現や目を見張る言い回し、専門分野の知識がちりばめられている訳じゃないんです。でも読ませる。面白い。
普通の文章でも、自分を表現する事は充分できるんですね。


でもそこには、ライトエッセイ共通の魅力「読者に共感を与える目線」に加え、絶妙なプロの技が効いているような気がします。
でなければ、普通のブログと大差なくなってしまう。


ただそのレベルを維持するには、表に出ないご苦労もたくさんあるでしょう。
それをあからさまに見せないところが、さらなる深みにつながる訳で。

そういう所を学びたいんですよねー。「隠している爪」の部分を。
そこを学ぶ為には、また別のアプローチが必要なのでしょうが。
人間、一生勉強ってホントですねhappy01


企画を考える上で、知識の収集は何より大事ですが、この「心察眼」も大きなファクターなのでしょう。
どんな知識も結局、自分というフィルターを通して表現されるものですから。

仕入れた情報や知識に対して、自分がどう思ったのかを見つめる眼。
そして、その反応を的確に文章化できるスキル。
感性のインプットとアウトプット部分が要なのでしょうね。
知識を仕入れる事に躍起になるよりも、もっと自分の感性を磨けと。


ライトエッセイの話題から、またまた脱線してしまいました。
小説の魅力も捨てがたいですが、今は「感性の宝石箱」とも言えるエッセイにハマる私が居ます。
ま、私の事ですから、またコロリと好みが変わるかもしれませんが。
その時はまた、本棚の整理で自分を再発見しようと。


秋とはいえ、今日も名古屋は夏日でした。
この暑いのに、汗だくで文庫本を出し入れする私をお笑い下さいhappy01

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コメント

オタクィーンさま、こんばんは。( ^_^)/
いつも面白い記事をたくさん掲載してるので、すごいなーと思ってました。やはり本はたくさんお読みになってますね。ご謙遜なさってますが、とても読みやすい文章だと思います。ただし、一般のエッセイと違いディープなオタク?の世界に特化してますので、そこはむしろオタクィーンさまが読者を選別していると思います。私もなかなかに深い世界なのですが、なんとかついていきます。よろしくお願いします。m(_ _)m

のん様 いやー今回の記事はちょっと独り言っぽかったので
さすがにコメントは来ないだろうと諦めておりましたが。
わざわざ足跡を残していただき、ありがとうございましたhappy01

時々、活字中毒っぽくなる事はありますが
基本的に私は映像人間ですねhappy01
おバカゆえ、読んだ本もほとんど役に立たず。
読後は何となく感触で覚えているだけで
具体的な表現などはまるっきり頭に入ってませんcoldsweats01
どちらかと言えば、知識も映像から学んだ事が多いです。
ただ頭デッカチにならないように
知識だけを先行させないようには心がけています。
必ず自分の意見をセットしようとhappy01

オタクジャンルに特化するのは意識的にじゃなく
これが素の私なんですよhappy01
こんな偏ったブログにお付き合い頂けるのんさんには
感謝しています。

でものんさんのHPにも本当に感服しますよ。
お忙しい中、毎回、あれだけのスピード、物量とクォリティーで
作品を製作できるバイタリティー。
しかもこれは見落としがちな事ですが、工程ごとにちゃんと写真を撮られる繊細さ。
これはなかなか出来る事ではありません。
私もこの秋、そろそろ何か作ろうと思っていますが・・・
また製作する事になったら、いろいろ相談させて下さい。
これからもよろしくお願い致しますhappy01

MIYUKIさま、こんにちは!!
本て知らず知らず増えちゃいますよね。
わたし買ったきり、安心してしまって
読まぬままの本が多いんです。(。・・。)
(本棚の整理は私も大好きです!)

MIYUKIさんは、たくさんの本を読まれてるんですね。
いろいろなジャンルの知識がネヴュラの記事に反映されて
魅力的なブログになってるんだなってあらためて感じました。
共感したり、癒されたり、勉強になったりです。
いつもありがとうございます。(^^)

hikari様 そうですねー。確かに本って、気がつくと増えてますよねbook
こんな本、いつ買ったんだっけなんて思ったり。
何となく、ノリで買っちゃう時があるんですよね。
タイトルに惹かれたり、装丁に惹かれたり。
もったいないことをしてるなーと、時々反省しますsweat01
hikariさんと同じで、ちょっと安心しましたhappy01
本棚を整理する時がいいチャンスなので、その時、未読の本をまとめて読んだりもしますが。
でも時々、読むそばからコタにページをかじられたりしますshock
あんたはヤギかとcapricornus

私なんて読むジャンルが雑多な上、仕入れる知識も中途半端なので、あまり役には立ちませんhappy01
つたない知識をブログに書き、みなさんに呆れられるのが関の山です。
もうちょっと賢い文を綴れるといいんですけどねーcoldsweats01

まーこんなもんです。下らないお話ばかりで恐縮ですが
見捨てないでお付き合い下さいhappy01

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