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ネヴュラ・プライベートライン

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2008年10月 4日 (土)

怪獣大血統

「あらー。しまった。」
ご贔屓のネットショップを覗いてビックリ。
予約したかったオタクグッズに売り切れの表示が。発売前なのに

まだまだ日があるからなんて余裕でいた所への、突然の衝撃でした。
見つけた時が買い時という、オタクの法則をすっかり忘れ
あい変らずのボンヤリ人生で

で、あわてて他のネットショップを検索、何とか予約できました。
あー危なかった

Photo_2頼んだ品はこれ。インスパイアから今月下旬に発売予定の「スペクトルマン」登場怪獣、三つ首竜です。
大きさは20センチもあるそうで

過去、三つ首竜の立体化は数えるほどしかなく(いや、どんなアイテムもそうなんですが)しかもリアル造形による大きなサイズは皆無と言ってよかったので、今回のリリースは嬉しい限り。
雑誌や事情通の方々のブログでこの発売を知って以来、予算を組んで狙っていたのですが。ここに意外な伏兵が登場。
なんと今月末に、あの海底軍艦・轟天号の新世紀合金が発売されるというぢゃありませんか

Photo_8なにしろウチはコタと二匹の貧乏暮らし。そんな高い買い物を両方する事は出来ません
うーむ困った。腕組みがこんがらがるほど考える私。


でも人気アイテムであればあるほど、発売前のネット予約で既にソールドアウトが当たり前。
ネット情報に目を光らせていなければ、発売の事実さえ知らずにゲットチャンスを逃す事もざらですよね


今買い逃せば、二度と手にする事は出来ないと焦る毎日。とりあえず轟天号(限定版・汚し塗装)を先に予約し、この三つ首竜は懸案アイテムだったのですが・・・
今日の売り切れ表示に、背中を押されました
まだ現物は見ていませんが、届くのが楽しみですねー

でも高いなー。上記二点で、今月のオタクグッズ散財は既に2万円を超え
借金などもってのほか、いつもニコニコ現金払いの私は、カードも全く使いません。
その為、手持ちの現金が無くなると、すぐ生活に響いてしまうのです。
先月までは毎日食べていたバナナも、朝バナナダイエットの流行で倍以上に値上げ、しかも品薄で買えないし
一丁48円の特売トウフに、花かつおをまぶした冷やっこを主食とする日々が、とうぶん続きそうで
ダイエットにはいいけど、バナナも食べられない極貧というのはどーなのと
見れば、コタにさえ哀れみの視線を向けられる始末

Photo_3まー愚痴はともかく、三つ首竜とくればもう、スペクトルマン好きの私には必須アイテム。
今もDVDを見ながらの執筆ですが、やっぱりこの独特の雰囲気は、ピープロファンにはたまらないものがあります。
ナイトシーンの暗さも含めて。

(バッテリーライトとレフで何とかなったと思うんですが、現場の事情は現場でしか分かりませんしね


Photo_4「ネヴュラ」をご覧の皆さんなら、この大怪獣のデータをお話する必要も無いでしょうから割愛しますが、この三つ首竜、やっぱりデザインに非常な魅力を感じますねー。
キングギドラ的三本首の解釈が、東宝とピープロでなぜここまで違うのかと

金色に輝く神々しい竜を思わせるキングギドラに比べ、三つ首竜のモチーフは明らかにワニですからねー。
いいわーこの合体ディノクロコ。これがピープロテイストですよ


「豹マン」「ライオン丸」「鉄人タイガーセブン」「シルバージャガー」などなど、とにかく動物をそのまんまモチーフにするピープロの発想は、こと怪獣に関しても存分に発揮されていたようです。
まー「ゴリ」からしてお猿さんですしね

要はピープロって、他社に比べ「キャラ中の動物濃度が高い」んですよ。
ゴキノザウルスやサンダーゲイなんてそのまんまですもんね。バクラーなんかもその系統ですし。ネズバートン、モグネチュードンなんかも・・・
そう考えていくとキリがありません。
交通事故被害者の念が形になった怪獣・
クルマニクラスにしたって、信号機がモチーフなのにちゃんと「動物濃度」がある。目の上のシワとかに
ビーコンなどと較べて見れば、その差はお分かりになるかもしれません。


Photo_5三つ首竜の造形はウルトラ怪獣も数多く手掛けた故・高山良策氏の作ですが、季刊「宇宙船」vol.14(1983年春号)に掲載された氏の怪獣製作日記によると、氏はこの着ぐるみを、1971年6月19日~7月6日の間で製作しています。
製作期間は単純計算で18日。その間、他の仕事もあったでしょうから、実質製作時間はそれより短かったと推測されます。

氏の代表作、ウルトラ怪獣と比較してみましょう。
高山氏初のウルトラマン怪獣・アントラーの場合、同じく製作日誌(「宇宙船」vol.4 1980年秋号)によれば、着ぐるみの製作期間は1966年(と推測)4月12日~5月1日。単純計算で20日間です。

(「宇宙船」vol.4記事の記述「昭和42年」は誤植でしょうか?「マン」アントラー登場回の製作は昭和41年なので、拙記事では誤植と推測、1966年と表記しました。該当号をお持ちか、事情をご存知の方はご教示下さい)
三つ首竜・アントラー共に、一体20日間前後の製作期間である事が分かりますね。要はかけられる手間は同じという事。
日数だけで推測するのはやや乱暴かもしれませんが、どちらかがお手軽造形という訳ではなさそうです。


同じ造形師の手による怪獣なのに、円谷とピープロではテイストが全く違う。
この雰囲気の差はどこから来るのでしょうか?


Photo_6ここからはいつもの私見ですが、やっぱり円谷側もピープロ側も、互いに相手を意識していたという事なのでしょうね。
そうでなければ、同じ造形師の作品がここまで違いを見せる訳がない。
モグネチュードンとグドンが同時期に作られていたなんて、信じられます?


「いやーオタクイーン、それは今の目で見るからだよ。子供が見たら見分けはつかないんじゃない?」
いや。これは、私が子供の頃に強烈に感じた違いなんですよ


あの当時、1971年頃の怪獣ブームをリアルタイム体験された方ならお分かりと思いますが、当時のスペクトルマンは、言わばフジテレビがTBSのウルトラに対抗して放った話題作で、お昼の主婦向けワイドショーなどでもたびたび取り上げられていたんです。

夏休みか冬休み、あるいは春休み、祝日だったかもしれません。
子ども達に向け、当時のワイドショーが「スタジオに怪獣がやってくる」みたいな企画を放送した日がありました。

私はその特集の事を当日、新聞のテレビ欄で知り、正午を今か今かと待ちわびていました。
お昼ごはんは、母が作ってくれるインスタントラーメン。
飲み物はコップの水に過ぎませんでしたが、子供にとって怪獣とラーメンなんてこれ以上無いほどのゴールデンカップリング。
今のように録画機器などない当時、たった一度の放送を網膜と脳に焼き付けようと、いやがおうにもテンションは上がります

で、いよいよ本番。当時、アトラク怪獣と言えば「ウルトラファイト」のイメージが頭にこびりついていた私は、スタジオにも、あの耳の垂れたエレキングや異様にハサミの膨らんだバルタンが現れるものと思っていました。ところが。


ご丁寧にも、スタジオに特設された街のミニチュアセットに現れたのは、なんとスペクトルマン怪獣、サタンキング!
他にも何体か居たと思いますが、はっきりとは覚えていません。(何か今日のお話って、ピープロ怪獣を知る方限定みたいで心苦しいですが
「見た事もない怪獣だ!でもウルトラ怪獣じゃないな。なんか違うもん。」
私はその時、そう直感したのです。


そりゃ子供ですから、フジの番組にTBSのウルトラ怪獣は出ないなんて大人の事情も、サタンキング登場回が放送前なんて局の事情も分かりません。
でも私のオタクセンサーがビンビン反応するんですよ。
「これは絶対、ウルトラマンと戦う怪獣じゃない」って

さんざん街のミニチュアを破壊するサタンキング。ご丁寧に火や煙のエフェクトまで仕掛けてあって。ホリゾントには緑に曇った空まで描かれていました。
当時も今も、ワイドショーは生放送ですから、まさにライブ特撮だったんです。
考えてみれば凄い事ですよねー


まあそんなスタジオでのドンパチはともかく。
幼い私の心には、ピープロや円谷なんてブランドとは関係なく「怪獣の血統」みたいなものが刻み付けられていたのでした。


子供心にもそんな『血統』を感じさせてしまうあたり、ピープロ・円谷の両社がいかにオリジナリティーを競い合っていたかが窺えますねー
現在、ピープロは活動を休止(と信じます)し、本格怪獣番組は円谷の一手市場と化していますが、ピープロテイストを刷り込まれた私などは、キッチュで動物濃度の高いピープロ怪獣の世界をもう一度、なんて思いますねー。
ただそれは「三つ首竜の現代風リファイン」とかそういう方向ではなく、あくまで「スピリットを受け継ぐ」という意味での願望です。

読者の方々だけにそっとお話しますが、例の『宇宙船映像倶楽部』への応募は、私の密かな願い「ピープロテイスト復活計画」の一部でもあるんです。
編集部のスタッフには内緒ですよ


Photo_7いやーまた今回も、三つ首竜のお話から随分脱線してしまいました。
毎度の事ながら呆れるばかり
やっぱりDVDなんか見ながらだと、思いが強くなっていけませんねー。
久しぶりにピープロテイストのお話が出来て、ちょっと嬉しい土曜日の午後です。
ネットショップでの売り切れも、まんざら不幸じゃなかったみたいですね。
散財は凄いけど


こんなに散財が多いと、また働いてお金を貯めなきゃ。
でも考える頭は一つしかないし。
でも口が裂けても言いませんよ。頭が三つ欲しいなんてベタな落ちは

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コメント

うーん、こちらもこちらで深い考察、感服しました!
造形日数を計算に入れて私見を入れる辺りは
自分の主観私見も見習わなくてはとひざを打ってみたり、

個人的に、怪獣という創造への動物の導入の流れは
「仮面ライダー」→「ウルトラマンA」という流れが主流かなと思い込んでましたが
なるほど、ピープロラインをすっかり忘れてました!
ピープロは確かに、猫科ヒーローは印象深かったんですが
怪獣の方はライダーに先立って動物をイメージの中心に取り入れていたと忘れてましたよ!
(個人的に、ビーコンとクルマニクラウスの比較論はいつかやりたいと思ってましたが……)
そういやモグネチュードンって高山氏がデザインまで手がけたんですよね。

個人的にインスパイアの三つ首竜は、一遍の隙もない傑作フィギュアです!
スペクトルマン好きだったら買わない手はないですよ!
社長のまーみさんも、これの売れ行き具合を見て
今後このシリーズを怪獣で行くか、もう一回ヒーローへシフトさせるか
数字で決められるみたいですし。
なにはともあれ、絶対買いですよ!

直接の関係はありませんが……。

今日から(ちょうど、今やってます)KBS京都では
古谷一行主演の第一期・横溝正史シリーズの
「三つ首塔」(真野響子・黒沢年男)を再放送です。

クライマックスで三つ首塔が崩壊すると、
「アンギャア~~!」と叫び声を上げて
三つ首竜が姿を現す……そんな話ではありません!(笑)

市川大河様 いやーお恥ずかしい
貴ブログの高山さん記事に刺激され、ちょっと真似してみましたが、市川さんの足元にも及ばないヘタレ記事になってしまいました
やっぱり慣れない事はしない方がいいですねー。でも久しぶりに「宇宙船」誌をひっくり返し、楽しい時間を過ごせました。
改めてこの雑誌の資料的価値、特撮ファンに与えた影響の大きさを感じました。
私なんて今もお世話になりっぱなしですし

でもおっしゃる通り、ピープロ作品ってホントに光が当たりませんよね。
「熱中夜話」でスペクトルマンが採り上げられるなんてあり得ないし
まー、そんなマイナーな所も愛おしくて仕方がないんですが。
「ボトムズ」といい、どうも私はマイナー贔屓のところがあります。
自分の存在がマイナーなせいでしょうか
「’70年代初の巨大ヒーローは、ゴキブリと戦っていた」なんてよく言われるんですが、それはそれでインパクトありますよね。
そんな「ウルトラが到達し得ない地平」へ向かったピープロ作品の世界にこそ、造形なども含め、一つの大きな鉱脈があるような気がするんですが
贔屓の欲目でしょうねー。ゴキブリだし

三つ首竜、確かに素晴らしい出来ですね。
市川さんは見本をご覧になったんですよね。羨ましいです
一応、一個予約できました。到着を心待ちにしています。
届いたらまた記事に上げますが、興奮しすぎてワケの分からない内容になりそうで。まーいつもの事ですが

都の商売人様 三つ首塔から姿を現す三つ首竜!見、見たい
「大魔神」など、神像などが変身するパターンはありましたが、
三本の塔の中にそれぞれ首が一本ずつ入っているというイメージは斬新です!
「ようし!分かった」のポーズから放たれる等々力ビームと、
かきむしる頭から降り注ぐ「金田一スノー攻撃」で、果たして三つ首竜は撃退できるのか!大迫力巨編の妄想で、今夜も眠れそうにありません

そんなおバカ話はともかく
「三つ首塔」は放送当時からまだ未見で、よくレンタル店で見かけるのですがなぜかスルーしてしまいます。
いい機会ですから、一度見てみようと思います

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