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2008年10月25日 (土)

脳内第一話

ここ数日のアクセス数ダウン、コメント激減状態に追い打ちをかけるような話題で申し訳ありません

『宇宙船映像倶楽部』の応募プロット、なんとなく形になってきました
今回も締め切りギリギリ。しかもまだ文章化されていませんが


この話題が皆さんの興味をひかない理由は、あまりにも読者層を限定しすぎているからでしょう 
でも今、一番力を入れている取り組みがコレですからしょうがありません。
皆さま、単細胞な私のいつもの発作と、なにとぞご理解下さい

さて。今回、改めて思ったのですが。
どうも私には、この『新特撮ヒーロープロット』の発想に一定の手順があるようで。
前回、前々回も、同じような手順を踏んでプロットを作成していました。
まー皆さんにお話するまでもない、単純な手順なんですが

どうも私は「思いついたプロットを番組という枠に変換し、一本分のシナリオを考えないと気が済まない」タイプなんです。

第一話から最終話まで一本のストーリーを貫く長編ドラマは別として、同一設定で一話完結エピソードを量産するアンソロジードラマのプロットは、番組の大まかな設定や方向性、エピソードのバラエティー性を考慮する必要があります。
ですから企画会議レベルでは、ストーリーなども「こんな感じの案」くらいアバウトに留めたほうが良いものなんです。
言わば初期プロットに「遊び」が必要なんですね。
会議でスタッフのアイデアを取り込み、作品を膨らませる「隙間」と言うか。
そうしなければ、ドラマの世界観に幅が生まれにくくなります。


ちょっとお話は違いますが。
多くのスタッフの頭脳が結集して作られる映像作品では、番組開始後も、撮影現場のアイデアや出演者の人気がストーリーに影響する事が
多いです。
逆に、当初の設定に無理があったり、視聴者に受け入れられない場合、方向性を変える場合もありますね。これがよくご存知の「テコ入れ」です。
そういう意味でテレビシリーズは、ある種「視聴者の動向を計りながら作るライブ感」が特徴でもあります。
作品完成後に修正のきかない映画とは、そこが大きな違いですね。
ですから、最初に何もかも決まっていては、そういう「舵取り」が出来なくなっちゃうんですね。過去のヒーロー番組にも、そういった例は数多くあります。


ですからどんな番組も、第一話の段階では、後々使われなくなる設定が多く散見されます。
テレビ版「日本沈没」で、小野寺俊夫役の村野武範が「何かというと物を蹴飛ばす」という設定を与えられながら、その設定を活かしきれなかったのは有名なお話です。
でもやっぱり、設定をいろいろ試しておく必要がある事に変わりはありません。その設定が、後々どう活きてくるか分からないからです。
逆に言えば初期設定をどう活かすかが、脚本家の腕でもある訳ですが


お話を戻しましょう。
『宇宙船映像倶楽部』で募集されている番組プロットの場合、前回から内容がA4用紙二枚に抑えられました。
その文章量のオーダーからも、雨宮部長が望むものはあくまで「魅力的な素案」「骨組み」であり「完璧なストーリー」ではない事が分かります。
出来上がった世界より、複数の部員がアイデアを加えられる隙間を持たせた素案が求められているわけです。


ところが。前述の通り、どうも私はその「素案」が苦手で
癖なんでしょうね。オープニングからエンディングまで一度考えて、しかも脳内で再生してみないと気が済まない。
主題歌まで想定し、BGMの入りタイミングやCMチャンスまで考えます


実はこれは、私が小心者であるがゆえの悪癖なんですよ
昔から、先輩によく言われました。
「その企画と、今までかき集めた収録素材で、○分の番組枠を埋められる自信があるか?」なんて。
企画書を読んだプロデューサーからも、「オーダーされた番組尺は60分だけど、このネタでは30分持たせるのがせいぜいだな。もっとネタを膨らませろ。」なんて怒られて。

つまり考えた設定で、30分なら30分のドラマを成立させられるかどうか。
これが気になって仕方がない訳です。


例えば、巨大化して闘うヒーロー『ビッグマン』を思いついたとしましょう。
主人公が巨大化するというだけで30分のストーリーが持ちこたえられるか?
何か技や特徴がなければ、クライマックスが盛り上がらないのではないか?
30分を成立させるには、何人の登場人物が必要か?
敵の存在理由は?などなど、色々と懸案事項が生まれてくるわけです。
それを最も手っ取り早く鳥瞰する方法が
「一度、脳内で30分のエピソードを作ってみる」という事なんですよ。
「脳内第一話」と言ってもいいかもしれません。俗に言う「パイロット」ですね。

30分という器の中に思いついた材料を入れてみて、足りるかどうかを試す行為とでも言いましょうか


これをやると、問題点がものすごくよくわかるんです。
つまり、ストーリーを作っていく上で自分が迷った箇所、うまい展開が思いつかない箇所に、設定の問題点がある訳ですね。


「巨大化する必然性が弱い」なら、敵の存在理由があやふやだからとか。
「クライマックスまでお話を引っ張る見せ場が作りにくい」なら、世界観や登場人物の役割がはっきりしていないからとか。
「物語の着地点が凡庸」なら、あまりにも使い古された展開だから、一度ならヒネり技で何とかできるけど、二度とは使えないとか。

で、「これじゃ設定が足りないから、ドラマのない退屈なお話になっちゃうかな」みたいな展望が見えてくるんですね。
「これは一発ネタだから、スペシャルドラマなら成立するけど、一話完結で何本も作るにはお話のバリエーションが少ない」みたいな事だってあるでしょう。
そこが分かるという事。アイデアだけでは、そこまでは見えないものです。


確かに『映像倶楽部』の募集要項には、スペシャル番組かレギュラーかなんて細かいオーダーはありませんから、どんな風に考えたっていい訳です。
でもやっぱり、そこを決めるのと決めないのでは、企画の密度がまるで違ってくると思うんですよ。

30分レギュラーと60分スペシャルでは、プロットも変わって当然なんです。
ここをしっかりやっておかないと、いざ作品化した時に取り返しがつかない。
確かにそこは、今後の部活で肉付けされていく部分なのでしょうが。


ただ私の場合、アイデアの段階で完成作品が見える事が、モチベーションを保つ上で非常に大きいんですね。
たとえ提出企画には細かい設定を記述していなくても、自分の中で「こんな感じになるといいな」みたいな漠然としたビジョンは持っていたいんですよ。

ですからたとえ妄想でも「この企画は30分。週一で4クール、52本」と仮定したら(大きく出ましたが)やっぱりその仮定が成立するプロットを作りたいわけです。
逆にその縛りを作らなければ、プロットが思いつかないとも言えますね。
その成立度を試す事が、前述の「脳内第一話」なのかもしれません。


こんな事をやっているのは私だけか、あるいは部員の皆さんにもいらっしゃるかもしれません。でもこれは本当に地味な努力ですね。
手間も時間もかかるし、それは絵画で言うデッサン、下絵のようなもので、決して世には出ないからです。
ただ、これまでの経験から言えば、この作業の有無で、完成企画案の説得力はまったく違ってくるような気がします。


前述の通り、ワンアイデアを部員の皆さんの視点で膨らませていく事が『宇宙船映像倶楽部』の趣旨でしょう。それは非常に良い事です。
事実、どんな番組だって、そうやって作られていく訳ですから。

極端に言えば、原型を留めていなくても、作品が面白くなれば良いわけです。
私だって自分の案にこだわりを持つよりも、それがさらにブラッシュアップされた方が嬉しいですし
でもその前の段階では、「発案者の思い」みたいなものは、やっぱりあってしかるべきと思うんですね。
たとえ企画の変容により、完成企画にその思いが活かされなくても。


また長くなっちゃいましたね。ごめんなさい。
今回も、その「脳内第一話」を試している私が居ます。
いやー楽しい。どんな凄い特撮もCGもタダ、出演者もよりどりみどりで
冒頭の「なんとなく形になってきた」という言葉の意味は、これが完成しつつあるという事です。当初の案より、少しずつ面白くなってきました。
まーあい変らず、自己満足の世界ですが


問題は、脳内で感じたこの面白さを、どこまで文章で再現できるかという所で。頭の無い私には、これが毎度の難題
いっそ、脳内の映像をそのままダウンロードできれば苦労ないんですが
そんなおバカを言っている間に、ウンウン唸って書き上げる事にします。
応募締め切りまで、あと一週間足らず

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コメント

日々楽しみにしているのは、このブログとTV番組の「爆笑問題のニッポンの教養」ですから。
コメントしたい記事も多々ありましたが、最近忙しくて・・・
てゆーか、今から「宇宙船映像倶楽部」のプロット書きます!!
あー、早く部会を開いてくれぃ、部長!!!!

Okazaki様 お忙しい中コメントありがとうございました
私も「爆笑問題のニッポンの教養」は時々見ます。
けっこう、発想の参考になりますよね。あの番組。
ひょっとして今頃は、Okazakiさんもプロット執筆の最中でしょうか。
あっ、同じ番組を見ているという事は!発想がカブる可能性も 
なんて冗談ですが

私も、部活開催の連絡を心待ちにしています。
どんな活動になるのか、今から待ち遠しいです

オタクィーンさまこんにちは(^-^)
部活の創作活動お疲れさまです♪それほどがんばっておられる作品を、ぜひ映像で観てみたいです~ ちなみに、ちょっとお色気・・・(≧▽≦)/というか、かわいいヒロインさん希望します♪

のん様 毎度毎度、締め切り真近に泣き言を書いてしまうのが私の悪い癖で
本当に申し訳ありません
今回のプロットも個人的には割合お気に入りで。
まー自己満足に過ぎないので、またこっぴどく叩かれるでしょうが
かわいいヒロインさんですか?
そうですね。リクエストにお答えしてちょっと考えてみましょう。
でもどんなかわいいヒロインも、のんさんの奥さんとお嬢さんにはかなわないかも。
そんなヒロインさんに囲まれて、のんさんは幸せ者ですよ

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