ウルトラなお宝
それは偶然か必然か?
お仕事に向かうべく部屋を出た直後。
マンション前の道路に停まる、赤いゆうパックの配送車。
気の良さそうなおじさんスタッフの手には、なんとなくそれらしい小包が。
オタクのカンが教える、待ちに待った逸品。
「それ、ひょっとして?」無粋ながら彼に尋ねる私。カンは当たっていました。
おかげでお仕事には遅刻しそうになりましたが
という訳で。昨日、ついに届いた驚愕のアイテム。
お仕事を終え、帰宅するが早いか梱包を開いた私。
それを眼前にした途端、心は一気に昭和40年代へ。
もうこれはお宝と言うかなんと言うか。反則ですよこんなの。
まー勿体ぶるのもなんですから、さっそくおひろめという事で。
どーですかこれ!
パチモンプラモ、『ULTRA M.S号』台紙付きほぼコンプリートという代物。
昭和40年代、駄菓子屋さんで多く売られていた箱なしプラモの生き残り。
当然、当時物です。いやービックリ!こんなものがまだ残っていたなんて。
これそのものを作った記憶はありませんが、この手のプラモは本当によく買いました。
先日のサブタイ『あなたの予測は、完全に裏切られる』の意味がお分かりでしょうか?
もともと謎が多く、現在も研究は困難を極める駄菓子屋アイテムですから、こんなものを予測しろという方が無理というもの。いやー失礼しました。
逆に先日の記事からこれを当てられたら、かえって引いちゃうくらいで
でも、版権取得済の正式アイテムよりも、現存率、市場出現率はこの手の物の方が低いでしょうから、ある意味奇跡の出会いと言えますね
欲しがる人が居るかどうかという問題もありますが
この台紙・タグのパチぶりも凄まじく当時のテイスト
どこかで見たような戦闘機がそろい踏みで、怪獣に魅入られた子供の心を鷲掴みにします。『ULTRA』と来てこの絵ですから、見せられた子供が何のためらいもなく握り締めた10円玉を差し出してしまう絶対の効果があるのです。
しかしこの『M.S号』とは何の略なんでしょうか?
「モンスター・シュート号」?「まるっきり・そのまんま号」?
謎が謎を呼ぶこのネーミング。
日本広しと言えど、その意味を知る識者は少ないでしょう
中央の『M.S1』はちゃんとM.Sシリーズを主張しているのに。
右側の一機にはナンバリングも無く。
左端・3号に至っては『S』の字が消されている始末。
うーむ複雑な事情があったのでしょうか。
と言うより、そもそもこんなに似せて良いんでしょうかという問題の方が重要
まー当時は大らかでしたからねー。
現在では考えられない版権意識だったでしょうし。
で、これが件の3号。
右のCDと比較すれば、サイズがお分かり頂けると思います。
まーいわゆる食玩サイズですね。
本来、24個付きで完品なんですが、今回入手の物は4個売れちゃって
20個付きでした。いやーそれでもレア度はまったく変わりなく。
実に当時の雰囲気ですねー
マルサンやブルマァクの正規品に少しもひけをとらないこのフォルム。
青空モデリングに最適な、簡素なパーツ割りも高ポイントですし。
資料が無いので分かりませんが、たぶん定価は20円くらいでしょう。
毎日10円のお小遣いを一日我慢、二日目に20円出して買う!
これが駄菓子屋プラモの正しい買い方なんです
使うのを一日我慢するから、買うときのテンションも上がるというもので。
当時の私はそれほどプラモ好きだったんです。うーん女子なのに
よくよく見れば、正規品より若干見劣りもしますが
そこは脳内補正。お安い品ですし。
第一、子供の遊びにはこれで充分だったんですよ。
今みたいにDVDを見ながら「ここのディテールが甘い」なんてツッこみを入れるような時代じゃないですから。
怪獣ゴッコするにも、一週間はこの新型機が主役でしたねー。
手持ちの怪獣はこの3号に手も足も出ないという。
飽きた頃に撃墜される運命なんですが
この手のキットにありがちなカラーバリエーションも楽しいですね。これはご覧の三色。
色によって人気に偏りがあったりするんですよね。私はやっぱり青かな。
茶色を選ぶ子供はちょっと渋い趣味ですね
こっちも素晴らしい謎の戦闘機。いや、救助機と言うべきでしょうか。
なにしろ、台紙に描かれていないので設定が分からない。
まー予想は付きますが。でもそうなると凄いですよ。
ウル●ラ警備隊と国際●助隊・夢のコラボという快挙
大変な事になってますね。パチモンプラモの世界は
ナンバリングがないのに、何故か2号と言いきれてしまう所がなんとも
ちなみにこれは24個付きの完品。
いやー24個もあるとものすごく贅沢な気分になりますね
チョコレートパフェの上にアイスを三段重ね・ポッキーを20本刺したような賑やかさというか。何言ってるんでしょうか私は
これも今井科学のミニトップに迫る抜群のフォルム、ディテール。
当時の駄玩具には正規品をそのままコピー、縮小したようなものが多かったですから、これもそういう部類に入るのでしょう。
今などミニトップの2号は目の飛び出るような値が付くのに、これは本当に可愛い価格でしたよ。貧乏人の私には嬉しいお買い物で。
この角度から見れば、その素晴らしいフォルムは一目瞭然。これがパチなんて信じられませんが、よーく見るとオリジナルには無い星型のディテールなんかが刻印されているんですよねー。ある意味貴重なアイテムです。
こう見ると何かの佃煮みたいですが
これもカラーバリエーションは三色。
ゴールドの2号なんてものすごく新鮮に見えますねー。
青色もそれなりに珍しいんですが、このメタリックブルーって、当時のプラモの成型色としては結構ポピュラーなものだったので、パッと見ても違和感が無いんですよね。言ってみれば、懐かしい色なんでしょうね。
時々ネットで検索するんですが、有名模型メーカーの正規品に比べ、この手のパチモンの知名度、研究資料って極端に少ないんですね。
しかも、こういうものを集めて楽しまれている方もさほど多くはないようで。
ましてやプログで一人喜んでいるおバカなんて、私くらいのものかも
ちょっと寂しい思いもしています
まー、私が知らないだけなんでしょうけど
いやーここまで来ると、ぜひM.S1号も見たくなりますが。
あるんだろーなーどこかに。未だ発掘されない完品が
以前、ご紹介した高藤の電撃シリーズ・ロボットも加え、今、オタク部屋は昭和テイストに溢れています
超プレミア付きの高額アイテムより、私の部屋にはこういう身近なおもちゃがよく似合うようです。私は潜在的に、部屋を下世話に飾り立てたいんでしょうねー。
ですからこれらのお宝は、コレクションとしてよりインテリアとしての機能が大きいですね。
ただこうなってくると、かえって食玩や出来の良いフィギュアが浮いて見えたりして。うーんオタクグッズのバランスも考えないと
ま、ともかく、今回も納得のお買い物が出来ました。
そしてさらに。実は昨日届いたお宝は、これだけじゃなかったんです。
レア度は分かりませんが、懐かし度では今回にひけをとらないでしょう。
おひろめはまた次回。引っぱりますねー
『ネヴュラ駄菓子屋計画』はとどまるところを知りません
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うあ~~~。
余りのDeepさに、思わず落涙。
投稿: ガメラ医師 | 2008年8月22日 (金) 12時36分
ガメラ医師様 懐かしいでしょ~

出来の良いフィギュアに慣れた今の子供さんは、これを見てどう思うのでしょうか?
案外、受け入れてくれたりして
投稿: オタクイーン | 2008年8月23日 (土) 07時00分
おおー、ウルトラMS号でしたか!!
オタクイーンさんの購入されたのは、ホーク3号とTB2号のパチモンですね。
実はこれ、ホーク1号、2号、3号と、TB1号、2号、3号の計6種類があったんです。
ホーク1号は実物同様3分割するスグレモノでした。
>こういうものを集めて楽しまれている方
ウルトラセブンコレクターの三浦さんが凄いですよ。
リンク貼っておきますね。駄菓子屋コーナーが凄いんです。MS号の画像もあります。
http://www.miura-piano.com/7/index.htm
ここへ行くと2時間くらいは余裕で楽しめます(つうか、ハマる)ので、お暇な時間に。
投稿: 雀坊。 | 2008年8月23日 (土) 11時22分
雀坊。様 もう絶対雀坊。様の見解が頂けると期待しておりました。

さすがの正確なデータで
そうですか!やっぱりホーク、TB共に1号から3号まで揃い踏みだったんですねー。
うーんウルトラにビックリ。笑いがとまりません
言われてみれば昔、このシリーズのホーク1号を作ったような記憶が・・・
マルザンのミニキットと思っていたんですが、どうやら勘違いだったみたいですね。
確かに袋売り、囲みランナー無しのキットだった覚えがあります。
そーか。昔、このシリーズに出会っていたのか。
そう思うと感慨もひとしおです。
三浦様の情報、ありがとうございました。

早速拝見しましたが、いやーこの方のコレクションはすごいですねー。
すっかり見入ってしまいまして
マルザン電動セブンのミニパチモンまであったとは思いませんでした。
この世界は奥が深いですね。
またまた掘り出し物を探したくなってきました
投稿: オタクイーン | 2008年8月24日 (日) 08時50分
MIYUKIさま、こんにちは!
箱に入っていないプラモデルだったんですねー。
しかもこんなにいっぱい、すごい迫力です。
色のバリエーションもきれい。
台紙のイラストや商品のディスプレイ方法も含めて
全てがキュートですね。
とっても楽しいです。(^-^)
投稿: hikari | 2008年8月26日 (火) 00時55分
hikari様 いやーすみませんでした。こんな分かりにくい代物で。


当てろと言う方が無理ですね
もう昔から貧乏だったものですから、こういう安いプラモの方が身近だったんです。
ですから再会した時は本当に涙が溢れ
でもおっしゃる通り、今見ると原色使いが綺麗ですね。
最近見られない、ボリュームたっぷりのディスプレイもキュートだし。
何となく、大らかな時代の置き土産という雰囲気が漂って好きです。
こんなおもちゃばっかりで、最近、自宅は昭和化が進む一方です
投稿: オタクイーン | 2008年8月26日 (火) 01時31分