陣痛する頭
以前からさんざんお話し、いいかげん呆れられていると思いますが
例の「アレ」が結構煮詰まってきまして。楽しい毎日を過ごしています。
「宇宙船映像倶楽部」。
子供の頃なら誰でも一度はトライした「特撮ヒーローを創出する」というお遊びを、この年になってまた楽しむ事が出来るとは
最近、すっかりこの企画に夢中になっている私は、ウォーキングをはじめ、夜の床の中でも新ヒーローの構築に余念がありません。
その作業もそろそろ佳境。まさに頭が陣痛状態と言いましょうか
この企画、プロット・デザイン・イメージボードという三本立ての募集ですが、最初からプロットのみに絞り込んでいる私。デザインや作品イメージはあくまでプロットありきと思っているので、まずは企画の骨子を固める事を最重要視しています。
宇宙船編集部への応募締め切りは5月9日ですから、実質的なプロット考案時間はあと二週間程度。まー今の段階で思うところを綴っておくのも、それなりにいい記念になるかなと思いまして。「締め切りギリギリでデッチ上げた」と思われるのもシャクですし
とはいえ、ここで企画の内容をお話してしまっては意味がありません。
たとえ私程度が無い頭をヒネった下らない企画としても、著作権が宇宙船映像倶楽部に帰属する以上、ここでお話する訳にはいかないからです。
まー好き勝手考えてますから、万に一つも採用される事は無いんですが
さて。頭が陣痛の今日は、いつもより手短に、考えを突き詰めた上での感触をお話してみようと思います。
実はここで、先日の記事「正義」の「定義」に頂いた数々のご意見が大変役に立ちまして。この場をお借りして再度感謝致します。ありがとうございました。
記事、ご意見が未見の方は下記をご覧下さい。
4月5日(土)「正義」の「定義」
http://spectre-nebura.cocolog-nifty.com/cultnight/2008/04/post_3249.html
記事に頂いたお仲間の皆さんとは大変有意義なやりとりをさせて頂いたのですが、実はその内容と、今回考えているヒーローのプロットを照らし合わせてみると、ある発見があったんですよ。まー大した事でもないんですが。
『正義』という絶対的な観念とヒーローの『距離感』。
または『ヒーローの立ち位置』とでも言うんでしょうか。
これが、コメントで語られているヒーローごとに違うという事が分かったんです。
さて。これをお話しようとするとまた長くなっちゃうので、今回はこのネタふりだけにしましょう。例の「スペシウム光線」とも関係がありますので、詳しい私見はまた次回以降に。
あい変らずイジワルな私
で、この「ヒーローの立ち位置」を選ぶ、もしくは創出することによって、自然と物語のテーマは決まってくると。
そういう「作劇の力学」みたいなものが見えてきたんです。
ヒーローの立ち位置って、実はストーリーの世界観を構築する上で非常に重要な項目なんですよね。
この企画を考え出してから、私はずっと「ヒーローが戦う理由」を考えてきました。それは実は「正義」という観念を根本から紐解いてみる事に繋がり、またヒーローの存在理由そのものを考えてみるいい機会になりました。
そして行き当たった結論は、ヒーローという存在はやはり「物語の必要性」から生まれるという事。それがうまく機能すればするほど、作品のテーマやメッセージ性がはっきりしてくる事が見えてきたのです。
物語の必要性とは。それは対立する存在の創出がキーなんじゃないかと。
「『悪』を明確にする事によって、おのずとヒーローの立ち位置は決まってくる」という事なんですね。
考えてみれば当たり前の事ですね。
ドラマというのは「問題意識」から生まれるものです。社会にはこういう問題があるから何とかしなきゃいけない。それにはヒーローが必要だ。という発想の流れがある訳で。
まず「悪」が決まらなければ、ヒーローが創出できる訳が無いんですね。
ヒーローは「悪」に形を借りた問題意識の「アンチテーゼ」として登場するんですから。
結局「正義の定義」って、「悪の定義」でもあるんですよね。
ウルトラマン、仮面ライダー、私の好みでスペクトルマンと 時代を駆け抜けたヒーロー達は、常にその時代の「問題意識」を具現化した「悪」に対して正義の鉄槌を下しました。やはり時代とヒーローは切り離せないものなのです。
あくまで私見ですが、最近のウルトラやライダーが勢いを失って見えるのは、この「問題意識」が「悪」に投影されていないからなのかもしれません。
その作劇は意図的になされているのか。それとも制作側に「問題」を「問題」として捉える能力が欠けているのか。敵を見失い立ち尽くすヒーローが『諦めない心』や『友情』などメンタル面に向かうのは、ある種仕方がない事なのかもしれませんね。
でもそれでは、ドラマとしてのパワーが弱い。
『諦めない心』や『友情』は確かに大事なものですが、それは『心の持ち方』『人とのかかわり方』であって、社会への怒りや問題提起ではないからです。
ですからどうしてもドラマの矛先が鈍くなる。
悪に名を借りた問題意識に対する『怒り』のベクトルが弱いからです。
今回、私は出来るだけ、この「悪」「問題意識」のスケールを大きくしようと務めました。(それが実現できたかどうかはともかく)
そうすればおのずとドラマの訴求力、パワーも大きくなり、ヒーローの存在意義、立ち位置も決まってくると思ったからです。
今、私たちが抱えている問題とは何なのか。
ヒーローを考えるって、意外と社会問題と向かい合うハードな作業なんですよ
・・・とまあ、これ以上お話するとネタバレになっちゃうので、今日はこれくらいでご勘弁下さい。でも私の中では、既にターゲットとなる問題や「悪」、そしてヒーローの立ち位置は決まっています。しかもちょっとヒネリも加えてみたりして
私の考えた「悪」は凄いですよ。「ええっ、そんなことしちゃうの?」と叫ばざるを得ないほど、もう悪い悪い。負のオーラ出しまくりです。
これでこそヒーローも引き立つというもので
今日のお話で唯一オブラートに包んだ部分、「正義とヒーローの距離感」については、私の企画の根幹に当たる部分ですので、もうちょっとお待ち下さい。
企画書を提出してからお話できればと
こういう事がお話できるのもブログの大きな利点ですね。
普通、企画立案の進行状況なんて書き止める類のものじゃないですし。
でもこうして文章化することで、思考の整理や分割、未消化部分の把握も出来ました。なんでこの情熱がお仕事に活かせないのかと
まー、企画書や台本の穴を見つける手っ取り早い手段はまず書く事、と言われますからね。まんざらこの手も悪くないのかもしれません。
ともあれ、締め切りは来月9日。
このタイムリミット戦は、何物にも変えがたい愉悦です
下らない独り言で失礼しました。
「生みの苦しみ」の一端でも感じていただければ幸いです。
苦しんでないって?そういえばそうですね。
きっと今夜の寝顔もニコニコ。なんたってマイヒーローとのデートですから
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