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2008年3月 9日 (日)

勝利の定義

いやー今日の午後はテレビに釘付け。
お仕事仲間の局アナが大挙出動していた事を抜きにしても、今回のかじりつき方は異例。これまでマラソン中継なんて一度も見たこと無かったのに。
前回のお話の流れで見ちゃいました。「2008名古屋国際女子マラソン」。

初出場の21歳・中村友梨香選手が一位に輝き、実況アナをして「新時代の到来」と言わしめたレースでした。

中継をご覧になった方はもちろん、ニュースなどでもご存知でしょうが、応援していた高橋尚子選手は意外な結果、不調に祟られ27位。
北京出場は絶望的とか。ファンには残念な結果となりました。

「予感はしていても考えたくない展開だったなー。」
正直、中継直後の私はそんな気分でした。

中継枠は本当に無情ですね。なにしろQちゃんのゴールは放送時間に間に合わなかったんですから。実況アナが叫ぶ「ガンバレ!高橋」の声をバックに、必死に走る彼女の姿がラストカット。こんな展開、さすがに予想していませんでしたweep

前回のお話で「どんな結果になろうとも」なんて含みを持たせた事に多少ながらも後ろめたさを感じていましたが、いざその通りの結果になってしまうとうろたえてしまう私。きっと予想を裏切られたかったんでしょう。
まあこれも厳しい現実。どんな世界にも新しい風は吹くものですし。
中村選手も本当に頑張ったと思いますhappy01

その明るい笑顔に元気をもらい、ひそかに応援していたQちゃんの今回の結果に沈んでいた私は、その後の時間をやや失意の中で過ごしました。
自分と重ねるわけじゃないんですが、やっぱりこういう結果は辛いですよね。
そんな私の気持ちが180度変わったのは、夕方のニュースを見た時でした。


今日の大会後、会見席に姿を見せたQちゃんは、予想に反して明るい笑顔でした。
「やっちゃいました」なんて苦笑いする彼女の顔からは、とても北京出場を逃したとは思えない爽やかさまで漂って。まさにいつもの明るいQちゃん。
「なんでこんなに明るいの?」見ているこちらが拍子抜けするほどでgawk
その後彼女の口から出た言葉は、実に意外なものでした。


たぶん、どこにも発表していなかったと思います。少なくとも私は知りませんでした。昨年8月、彼女が右ひざ半月板の手術を行っていた事を。
術後の回復は順調でしたが、今日を目標に定めた調整・練習をまともに始めたのは今年になってから。長距離の練習は問題なかったですが、ダッシュのパワーには不安が残ったままのスタートだったそうです。
本番中、彼女が右ひざに水をかけていたのは、術後のひざの不調ゆえだったのでしょう。誰もが不審に思ったその動きには、深い理由があったんですね。


「まさかここまで遅れるとは思ってなかったですが」
明るく話す彼女を見てその胸中に思いを馳せた私。
顔では笑っていてもきっと辛いだろうなーと。
でもそんな私の気持ちは、その後少しずつ変わっていきました。


「あきらめなければ夢は叶う。優勝して、そのメッセージを伝えたいんです。」
今回の大会に先駆け、彼女はそう語りました。
確かに今日の大会で優勝していれば彼女の思いは現実になっていたでしょう。でもそれが簡単ではない事、残念な結果に終わる事だって、立派なメッセージじゃないかと。

たとえ順位は落ちていっても、沿道で彼女を応援する人々の熱気は少しも衰えていなかったですから。
それはファンの欲目だけでしょうか?


そしてもう一つ。これが今回、最も感じたことですが。
彼女の「優勝」という言葉に込められた、もう一つの意味。
珍しくオタクネタ以外の私見ですが、悪い癖とお許し下さい。


「諦めちゃダメだ。諦めちゃダメだと、何十回も何百回も何千回も繰り返して臨んだ本番」と語るQちゃん。
そんな彼女の目に映るライバルとは。目標とは。優勝とは。
これ、きっと「自分自身」じゃないかと思うんですよhappy01
マラソンという競技は、敵対する相手と向かい合う構図を取りません。
ですから選手はペース配分や自分のタイムを伸ばす事、完走する事を何よりも重要視するような気がします。

そういう意味で、相手は「自分」なのかもしれませんね。


ライバルは「諦めようとする自分。」目標は「過去の自分を超える事。」
Qちゃんにとって「勝利の定義」とは、相手に勝つ事じゃなく自分に勝つ事なのかも。
優勝とはその結果に過ぎません。


「今はこれが、私の実力です。」
今日、会見の席で躊躇無く語るこの言葉には、自分のサイズをしっかり見定めた彼女の勇気、意地が感じられます。
なかなか出来ませんよ。自分の実力を認める事って。

私なんかには絶対真似できないセリフですねcoldsweats01
でもこの一言で、彼女はまた目標を持てたと思うんですよ。


実際彼女は、4年後のロンドン五輪に目標を定めていない。
会見でもそう語っています。
彼女の目標はあくまで「自分」。勝利とは「今の自分に勝つ事」。
多くのマラソン選手と同じく彼女もまた、走る事で自分を高めていく一人なのでしょう。

人生は短距離ではなく長距離。よく言われる言葉ですが、それを体現している彼女たちアスリートには、私たちには見えない境地があるんでしょうね。
今日の成績をもってなお「マラソンを続けて本当に良かった」と語るQちゃん。
自分というライバルがいる限り、彼女はこれからも走り続ける事でしょう。
「これからも走らせて下さいとスタッフにお願いしたんです」と彼女。
その原動力はオリンピックでもライバル選手でもない、他ならぬ自分に勝利する事。私はそんな彼女の姿から、いつも元気を貰っています。


「オタクイーン、目が星になってるよshine
まー確かにこんな私見は美しすぎるお話、実際にはそれほど綺麗じゃない事も分かっています。私だって、いい年しておとぎ話を信じる訳でもなくhappy01
でも今日の彼女の成績を見て「これで高橋も終わりだな」なんて冷静な見方をするより、彼女から学ぶ方がはるかにポジティブじゃーありませんかhappy01
いつもおふざけが過ぎるグータラな私にはいい薬ですhospital

今日の中継を見ていて思い出した映画があります。
「ロッキー・ザ・ファイナル」(2006年アメリカ シルベスター・スタローン監督)。ベタベタですが、私はあの作品にいたく感動した一人でして。
既に過去の人と化した高齢の元ボクサー、ロッキー・バルボアが今だ持つ熱い思い。無名の新人俳優だったスタローンをスターダムにのし上げたこのシリーズは、ことアメリカンドリームという点でスタローンの生きざまがロッキーと重なり、いつも格別の味わいがあります。
今回の「ファイナル」でも、実際に高齢となったスタローンが見せる渾身の試合シーンが彼の俳優人生と二重写しになるんですね。
単なるリングストーリーにはない感動を覚えてしまいます。


私の中で、ロッキーの生きざまはQちゃんと重なるんですよ。
何度ものスランプ、でも決して年齢を言いわけにしない攻めの姿勢。

Photo_2

「誕生日を何度も重ねたって、挑戦をやめる事はない。」
「人生はどんなパンチよりも重くお前を打ちのめす。でもどんなキツいパンチだろうと、どれだけこっぴどくぶちのめされようと、休まず前に進み続けろ。
ひたすら苦痛に耐え前に進むんだ。その先に勝利がある。」

「自分の価値を信じるなら迷わず前に進め。決してパンチを恐れるな。」
「自分を信じて生きろ。でなきゃ人生ではなくなる。」
「人の目にどう映るかなんてどうでもいい事。自分自身が納得できるか。」
「心だけは年をとらない事を証明してみせて。」


他の作品と同じく、「ファイナル」でも前述のように多くの名ゼリフがストーリーを彩ります。荒削りな理想論ではありますが、ボディーブローのように心に響く人生のエールばかりです。
これらは全て「自分に負けない」という事を言っているんですね。
私には耳が痛くて仕方ありませんがcrying
これがQちゃんのイメージと重なるのでしょう。


彼女は今日も、最後まで試合を捨てませんでした。
試合には負けたけど自分には負けていない。
彼女のそんな思いが、ファンにはよく分かります。
ですからどんなにスランプでも応援したくなるのでしょう。
おバカで怠け者の私などは、今も彼女に教えられてばっかりです。
決して偉そうな事なんて言えませんcoldsweats01
View6009019_2
















自分に勝つ事を『勝利の定義』に置く事は、ある意味過酷な生き方です。
でも、あえてそれを人生の目標に課したQちゃんの潔さには敬服します。

人生の教えって、今日のような出来事にも感じるものなんですね。
黙々と走るアスリートは、走りで語る言葉もこんなに雄弁なんでしょうかhappy01

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コメント

オタクイーンさん、こんばんは。
拙ブログでも高橋選手を取り上げましたのでTBさせて頂きました。
私も高橋選手のNEXTが楽しみな一人です。
って言うか、「目が離せない」と言った方が良いでしょうか。
何となく高橋選手には惹き付けられてしまうモノがあって、そういう意味では、高橋選手はアスリートでありながら「表現者」でもあるのかもしれません。

尚、私、以前に「ROCK THE FINAL」についても駄文を書いておりまして、調子に乗ってソレもTBさせて頂きました。
スパムではありませんのでご了承下さい(笑)

メルシー伯様 9日の名古屋マラソン後、世間が受けた高橋ショックは凄かったですね。どのニュースでもQちゃんばっかりで、優勝した中村選手が気の毒な程でした。
それだけ世間も、Qちゃんから目が離せなかったのでしょう。

彼女には人々を惹きつける何かがありますね。
「何をするかわからない」的な。
と同時に、私たちが潜在的に持つ「不屈の精神への憧れ」を具現化する存在でもあります。
それはスポーツ選手誰もが持つものかもしれませんが、彼女の場合は人間離れした超人性ではなく、どこか爽やかな人間性に裏打ちされたものなんですね。
そこが人々を魅了するのかもしれません。

何千回と「諦めちゃだめだ」の言葉を繰り返す等身大の彼女は、本当に生きる勇気を与えてくれます。
その思いを貫き通す難しさが分かるだけに、余計その憧れは強いのですrock

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