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2008年2月 7日 (木)

「虹の卵」新マン風味<Bパート>

さて。前回に引き続き、「虹の卵」新マン風味<Bパート>のお話です。
お話の前半は、下記のアドレスから飛べますので、読んでやろうなんて奇特な方はそちらを先にご覧頂ければ、より私のおバカがお分かりになれます。


「虹の卵」新マン風味<Aパート>
http://spectre-nebura.cocolog-nifty.com/cultnight/2008/02/post_a959.html

Aパートで土砂崩れに巻き込まれ、ウランカプセルと共に洞窟に閉じ込められたピー子ちゃん。Bパートは、彼女を探す郷隊員から幕を開けます。

Photoかろうじて洞窟の中で生き埋めを免れたピー子ちゃんは、ウランカプセルを抱え、お婆ちゃんの事だけを考えていました。
ポケットから出したのは、お守りのサザメ竹。
「お婆ちゃんはこのサザメ竹と虹の卵で、歩けるようになる。」
そんな思いを強く念じるピー子ちゃん。

その心の叫びが、郷の中で反響しました。
ウルトラマンの超能力が、ピー子の叫びを捉えたのです。
まだ崩れ続ける岩。その一つが郷に激突し、後ろのポケットに入れた小型通信機が故障してしまいます。入口が埋まった洞窟に駆け寄る郷。
「ピー子ちゃん、怪我はないか!今助けてあげるからね!」
岩をどけようとする郷。人間・郷秀樹の戦いが始まりました。
パゴスの麻酔が切れるまで、あと3時間。



主人公がウルトラマンに変身するまでのドラマに比重を置く構成も、新マンの大きな特徴ですね。
このドラマの末に主人公は変身、その意識を若干残しながら新マンは戦うわけです。
これは視聴者がウルトラマンに感情移入しやすくなる効果を持つ反面、ウルトラマンの超然とした強さ、神秘性を奪う結果ともなりました。
よく語られる事ですが。同じ姿をしていながら、初代と新マンでは印象がまったく違うのは、この作劇による所も大きいと思っています。
余談ですが、私などはこの作劇がどうしても苦手で(涙)。
「ウルトラマンが人間臭い」という相反する印象は、やはり初代に魅入られた者には非常に高いハードルなのでした(笑)。



Photo_2一方、MAT本部では、麻酔で眠ったパゴス追尾の傍ら、行方不明のウランカプセル探索が続けられていました。
特別調合されたカプセル中のウランがなければ、パゴスを倒すニュートロンミサイルはパワーの調整が出来ないのです。
通信担当の丘隊員を基地へ置き、2機のアロー1号でパゴスを追尾する南、岸田隊員。ジャイロでカプセルを探す上野隊員。
どうやらパゴスは地中で眠っているようでしたが、がけ崩れの為、現場は深い靄が発生、カプセルは依然として発見できません。

郷を呼び出そうとする丘隊員ですが、どんなに呼び出しても応答なし。
状況は悪化する一方。時間だけが刻々と過ぎていきます。
住民避難も急ピッチで進められますが、わずかな待避時間の為、統制が取れない避難住民は大パニック。とても全員待避は不可能な状態でした。


作戦を指揮する加藤隊長の心は乱れていました。
「このまま無益に時を溶かし、タイムリミットを迎えたとき、ミサイルは未調整のまま発射されてしまう。
もう一度麻酔弾を撃ち込むか?しかしおそらく、その時にも多くの被害が出るだろう。第一、パゴスの耐性では、二度と同じ麻酔は効かないはずだ。
ウランカプセルの再調整は?それもこの短時間では不可能。
住民の生命は何にも増して重要なはず。しかし「怪獣攻撃隊」たるMATの主目的は怪獣掃討にある。」
住民の安全か?怪獣の撃退か?
立場と信念の間で苦悩する加藤隊長。

リミット30分前。夕暮れも迫っています。
それまで沈黙を守っていた岸田長官が作戦室に現れました。

「加藤隊長。もう時間がない。ミサイル発射の準備を始める。
同時に現時点をもって、私が作戦指揮を執る。」
「待ってください。まだ30分あります。隊員は必死でカプセルを探しているんです。もう20分、いや、10分の猶予を。」
「加藤君。君はMATの主目的を忘れたのかね?怪獣被害は最小限にとどめる必要がある。だが被害ゼロという訳にはいかんのだ。
君は充分に努力した。後は私に任せたまえ。」

苦痛に歪む加藤隊長の顔。その時、隊長の目に、ある決意が宿りました。


Photo_5「分かりました。岸田長官。では私は現場へ赴き指揮を執りたいと思います。
丘君。南たち全員に通信したまえ。ミサイル発射は決定。
今後の作戦は
『B作戦』で行くと。」
怪訝な顔の丘隊員。
「B作戦・・・隊長、B作戦とは?」
目で合図する隊長
「B作戦だ。ポイントSW6で待機せよと伝えてくれ。
通信担当の君なら分かる筈だ。すぐに連絡してくれ。」

隊長の目をじっと見つめる丘隊員。彼女の瞳が輝きました。
「分かりました。隊長。『B作戦』ですね!」
「頼んだぞ。丘くん。」
岸田長官に礼、アロー2号で一人飛び出す加藤隊長。作戦席に陣取る岸田長官。決意の表情。彼もまた苦渋の決断を下したのです。


「全隊員に連絡。ミサイル発射は30分後に決定。
これより隊長の指揮により、現場は『B作戦』を決行。
ポイントSW6で待機せよ。ポイントSW6で待機せよ。」

ミサイル発射決定の事実を驚きつつも、機内で怪訝な顔を見合わせる南・岸田・上野
。『B作戦』という作戦名はそれまで聞いたことがなかったからです。
しかし隊長の指示という事は、何か裏があるはず。
作戦室は岸田長官が仕切っている。と言う事は・・・
「了解。丘隊員。『B作戦・SW6で待機』だな。」
「そうです。通信担当、丘が伝えています。」

共に死地を潜り抜けたMAT隊員たち。
全員が丘隊員の言葉を理解するまで、時間はかかりませんでした。
通信機の周波数を「B帯域」に変更、周波数帯を「SW6」に合わせる南・岸田・上野。



いい加減ながら、ここでちょっと解説を。おそらく軍用無線を採用しているであろうMATの通信システムは、通常「短波帯」を使用していると考えられます。
短波帯は通信域により「A帯・B帯」などと分類され、しかも低い周波数範囲からSW1、SW2などと表示する場合があるそうです。
(局の技術スタッフから聞いたおぼろげな知識なので、基本的な覚え違いなどもあるかもしれません。ここでは雰囲気を優先しました。
先に謝っておきます。ツッこまないでね(涙)。

つまりここで加藤隊長は丘隊員に「通信チャンネルをB帯域、SW6に切り替えろ」と指示したわけですね。通信担当の丘隊員は、その用語にピンときた訳です。
丘隊員が自分の立場を強調することにより、他の隊員も理解したと。
作戦室で指揮を執る岸田長官に聞かれたくない、という加藤隊長の心情まで予測するあたり、さすがMAT隊員。
かくして、隊長から隊員への極秘通信が開始されました。



「みんな、よく私の指示を理解してくれた。
これは間違いなく、MAT上層部に対する反逆だ。
しかしもし私の言う事に耳を傾けてくれるなら、少しだけ聞いて欲しい。」

アロー2号のコックピットから、無線で隊員たちに語りかける加藤隊長。
「ミサイル発射は決定された。上層部の決定は覆せない。
しかし、考えて欲しい。君たちがMATに入った理由は何なのか。
確かにMATの目的は怪獣掃討にある。だが、怪獣掃討は何のために行うのか。それは被害者を一人でも出さない為じゃないのか。
私はその時思った。漠然とした人々の姿じゃない。自分の家族のことだ。」


Photo_6もし、君たちの愛する家族が怪獣襲撃の危機に瀕していたら。一人でも被害者を出したくないと思う筈だ。
それはMAT隊員以前に、人間として当たり前の感情じゃないのか。
守る人の顔を具体的に思い浮かべて欲しい。
私には家族の顔が見えた。愛する人たちの顔が見えた。あの怪獣が暴れる現場にも、私たちと同じ人たちがいるんだ。
身近な者を案ずる人たちが。
私は隊長失格かもしれない。しかし、愛する人がいる限り、守る人がいる限り、私は一人の人間として、非情な命令は下せない。
ミサイル発射は決定したが、私に賛同してくれるなら、力が続く限り、一緒にウランカプセルを探して欲しい。
これは命令ではない。私からのお願いだ。以上。」

途切れる通信。顔を伏せる加藤隊長。一秒・二秒・・・
「了解!」「了解!」「了解!」元気な南・岸田・上野の声が。
隊長の顔に明るさが戻りました。
作戦室でやりとりを聞く丘隊員も、一人大きく頷きます。
四方に散るアロー1号。2号・ジャイロ。盛り上がる「ワンダバ」。



いやーこのシーンは、書いていて鳥肌が立ちましたねー(笑)。
これは加藤隊長ならではの流れですね。寡黙にして強い意志。規律は第一でもやるときはやるという。おそらく伊吹隊長なら違う展開になるでしょう。
第6話「決戦!怪獣対マット」のテイストですが、ここではもっとタイムリミットを短くし、心の叫びを強調しました。

さて。ここからは余計な解説を挟まずに一気に行きます。
新マンならではの、熱い展開が再現されたかどうか(汗)。




洞窟の外で必死に岩をどける郷は、やっとの思いで洞窟に片手が入るほどの隙間を作りました。そこから手を差し込み、ピー子ちゃんの手を強く握る郷。
「もう大丈夫だよ。すぐにお兄ちゃんが助けてあげるからね。」
必死に語りかける郷に、弱々しく答えるピー子ちゃん。
「郷さん、もういいの。私は助からなくても。でも、このサザメ竹と虹の卵があれば、お婆ちゃんの足は良くなるの。だから早く、この虹の卵を・・・」
そんなピー子ちゃんに、郷の心は動きます。
この子はまだ、お守りに頼っている。人を救うのは人なんだ!


「ピー子ちゃん!お婆ちゃんはそんなお守りなんかいらないんだ!
ピー子ちゃん自身がお婆ちゃんのお守りなんだよ!
君が元気でいてくれる事で、お婆ちゃんも元気になるんだ!」

必死に叫ぶ郷。その叫びがピー子ちゃんの心に届きます。
「私が、お婆ちゃんのお守り・・・」
郷の手を強く握り返す、その幼い手。


「郷!」その時、郷の頭上で大きな声が響きます。
天を仰ぐ郷の目に、上野の操縦するジャイロが。
「見つかってよかった。」「カプセルもここにあります!」
彼方から駆け寄る加藤隊長・南・岸田。
「ピー子ちゃん、岩から離れて。虹の卵も離さないで。」
岩を撃ち砕くマットシュート。救い出されるピー子ちゃん。
「もう時間がない。このカプセルをすぐ、ミサイル発射本部に。」
そこへ丘隊員からの緊急連絡が。「隊長、パゴスが目を覚ましました!」
「私と南、岸田、郷は戦闘体制!上野はカプセルとこの子を運べ!」


「ピー子ちゃん。よく頑張ったね。もう大丈夫だよ。」
助け出されたピー子の手をとり、微笑む郷。
「今度は私が、お婆ちゃんを守らなきゃ。」元気につぶやくピー子。
「ありがとうピー子ちゃん。今度はお兄ちゃんが頑張る番だ。」
サザメ竹のお守りを郷に渡すピー子。初めての笑顔。


Photo_3 「MAT出動!これより怪獣掃討に向かう!」「了解!」
ピー子とカプセルを載せて飛び立つ上野のマットジャイロ。アロー1号2機・アロー2号に分乗、パゴス攻撃に向かう隊長・南・岸田・郷。
覚醒し、空腹に耐え切れず、原子力発電所に向かうパゴス。避難が間に合わない住民がバニック状態、絶体絶命の危機。
牙を折られ手負いのパゴスに、郷のマットアローは追い詰められていきます。

苦戦する郷。その時、コックピットに置かれたサザメ竹のお守りが郷の目に留まりました。
郷の脳裏に浮かぶ、ピー子ちゃんの顔。
「ピー子ちゃん!」その時、眩い光が郷を包み込みます。

ウルトラマン登場!


お婆ちゃんが入院する病院に運び込まれるピー子。
病室からその様子を覗くお婆ちゃん。
「ピー子!」お婆ちゃんの足が、車イスから離れました。


夕暮れにかかる金色の虹の元、組み合うパゴスとウルトラマン。
しかしパゴスの勢い、重量に、ウルトラマンは徐々に圧倒されていきます。
空腹とは思えないパゴスの力。
組み伏せられ、動きを封じられるウルトラマン。
原子力発電所を前にしては、スペシウム光線も使えません。
カラータイマーが赤へ。ウルトラマン、絶体絶命!


「人は、守るものがあるから強くなれるんだろう。」
ウルトラマン=郷の中で、健の言葉が響きます。
守るものへの思いが勝負を決める。

パゴスを跳ね除けるウルトラマン。全身にみなぎる力。
猛然とパゴスに挑みかかるウルトラマン。
一瞬、パゴスの虹が輝きを増しました。
分子構造破壊光線!草木一本残さず消滅する一帯。
様子を見るウルトラマン。


Photo_4「奴が光線を吐く前、虹が発光するんだ!奴の背中は皮膚が厚すぎて、攻撃を受け付けない。おそらく奴の弱点は、光線を貯めるあの喉仏だ!」
叫ぶ南隊員。アローの合図により、コンビネーションアタックを理解したウルトラマン。
虹が一際鮮やかに光りました。

顎を狙ったウルトラキック!蹴り上げられたパゴスの顎が上を向きました。
すかさずアローから放たれるミサイルの嵐!
内部爆発を起こし、喉から内臓のウラン袋が焼け爛れるパゴス。

狂気の形相で挑みかかるパゴス。
タイムリミットのウルトラマン、最後のスペシウム光線。

「あっ!スペシウムはまずい!」思わず叫ぶ南隊員。
その瞬間、大きな閃光が辺り一面を包みました。


一瞬の後、四散したと思われたパゴスの体が空中で凝固、バラバラと降り注いだのです。カプセルは間に合いました。
スペシウム光線と同時に、カプセルのウランにより威力を制御したネオ・ニュートロンミサイルが、前線基地の専用発射口から放たれたのでした。


満身創痍のウルトラマン、満足げに頷き、夜空へと飛び去りました。
満天の星空にかかった金色の虹が、ゆっくりと消えていきます。
パゴスの最期です。



「君が返してくれた虹の卵のおかげで、ウルトラマンは助かったんだよ。」
病院の一室で、ベッドのピー子ちゃんに語りかける郷と、加藤隊長以下MATメンバー。アキ、次郎の顔も見えます。ピー子ちゃんの回復も順調な様子。
傍らに立つのは、満面の笑みを浮かべるお婆ちゃん。
その手には、郷から返されたサザメ竹のお守りがしっかりと握られています。

「ピー子、お婆ちゃんの足を治したのは、このお守りでも虹の卵でもない。
お前の強い心なんだよ。
お前が頑張ってるんだから、お婆ちゃんだって怠けてるわけにはいかないじゃないか。」


「もう、これはいらないね。」
お婆ちゃんの手から、サザメ竹がテーブルに置かれました。

人は守るものがあるから強くなれる。
この二人にはもう、お守りも虹の卵も必要ないのです。

ピー子ちゃんの笑顔は自信に満ちていました。
                                                                              終わり





私が感じる新マンの印象をストーリー化すると、ほぼこんな感じになります。
事件中心ではなく、人の心を描く展開。
組織や怪獣掃討、住民避難のリアリティーあふれる描写。
ウルトラマンよりもその人間体、郷秀樹の内面を全面に出した作劇。

そして何よりも、そのほとんどのエピソードが「人間の成長」を描いているという点です。前回のお話で「虹の卵は新マンではありえないストーリー構造」と書いたのはまさにその点で。
Q版「虹の卵」では、ピー子のキャラクターはブレがありませんよね。でも新マンではピー子は成長しなければならない。そして郷も、そんなピー子の姿から学ぶ必要があったのです。
そうなるとピー子のキャラクターは変える必要があると。
設定の大幅な変更はそういう理由からです。
新マンに於ける「虹の卵」は、「ウランカプセルを信じるピー子」ではなく、「その思いから卒業するピー子」でなければならないのです。


劇中、何度も登場するキーワードが、このストーリーのテーマである事もよくお分かりと思います。
人と人の生の思いがぶつかり合う新マン世界のお守りは、「物」ではなく「人そのもの」なんじゃないかなと思いまして。


こういう風に、テーマが必ず「人」に帰結するのも、新マンの大きな特徴でしょうね。
書いていて思いました。「作り手の思いが、最もストレートに出るのが新マンの作劇だなー」と。まだまだ未熟な私ですから、こんな舌足らずな駄作しか書けませんが(涙)。
いやーそれにしても、今回はちょっと大変でしたねー。
久しぶりに、ウルトラマンというものを真剣に問い直しました。



例によって「オタクイーン、虹の卵をメチャクチャにしちゃって!」とか、「新マンを誤解してるよ。新マンって言うのはねー」などなど、ご意見、ご感想をぜひお寄せ下さい。
自分じゃわからないものなんですよねー。自分の穴って。
しかもアウェーだし(涙)。


ちなみに。読まれてお分かりの通り、このエピソードは加藤隊長時代、しかもウルトラブレスレット登場以前です。私はあのブレスレットがどうも苦手で。
「武器はスペシウムだけ」派なんですよね。
スペシウム光線・八つ裂き光輪だけでいいじゃないと。
あくまで好みの問題です。ブレスレットが新マンの個性を際立たせていたのも事実ですし。


ただ個人的には、二つで充分ですよ。スシマスターじゃないですが。
(書き疲れてますねー。オチませんでした(涙)

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コメント

 アウェイから来ました(笑)。生まれて初めて見た「ウルトラ」が新マンです。
 正直、「帰ってきたウルトラマン」に仕上がっていると思います。
 組織内の対立、責任を追及される個人、万能ではないウルトラマン、と言う要素が、「新マン」を構成しており、それが上手く取り入れられています。
 もうひとつ、坂田兄弟の存在は必要不可欠で、この比重が大きい事が、初期ウルトラとの最大の差別化につながっています(精神的支柱として、また、「郷が帰るべき場所」として)。この「主人公のプライベート」は「マン」にはなく、「セブン」でも希薄なものでした。
 Q・マンが「ファンタジー」、セブンが「侵略SF」なら、新マンは「下町スポ根モノ」であり、従って、「虹の卵」を移植した場合、元の「卵」が、上記の調味料によって薄れてしまいそうなものですが、オタクイーンさんの手腕はさすがだと思います。
 (新マンの構成要素は、上原正三(橋本P)が直前に担当した「柔道一直線」の終盤のプロット(2年生との対立)が、そのまま使われているのだと思います)
 次は「宇宙猿人ゴリ」風味でお願いします(笑)。

 まずはお疲れ様でした~(^o^)/ 読み応えのある作品に仕上がっていますヨ。しっかり『帰りマン』風味になっていると思います。

 加藤隊長の「これは『命令』ではない。私からの『お願い』だ。」という無線のくだりには、思わず熱いものが‥‥。しばしの沈黙のあとの南、岸田、上野の「了解!」なんて、素晴らしいシーンになりますネ。
 そして真意を汲んでくれた隊員たちの気持ちをかみ締めるように、ふと目をつぶる加藤隊長。ん~、そんな表情を見たことがあるような気がするので容易に想像できます。これは「コピー」ではなくて、『帰りマン』での「典型」としてのシーンだと思います。塚本信夫さんの名演技が期待できます。
 その後の「ワンダバ」キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!! これは盛り上がります! Aパートの攻撃では流さず、ここに持ってくるところがニクイ! しかも1号2機、2号、ジャイロのそれぞれの役割もあって、ワクワクします。「1号2機」というところがイイですネ。

 1つ無理があるとすれば、ネオ・ニュートロンミサイルの存在です。そのための「虹の卵」の捜索がストーリーの中心になるのですが、「人間の武器がウルトラマンを助けて事件の決着をつける」というパターンが、『帰りマン』には無かったような気がします。(私もアウェー側の人間なので、詳しくはよくわかりませんが‥‥。)でも、「こんなパターンがあってもイイじゃない」というくらいの感じで、ネオ・ニュートロンミサイルの存在意義が盛り込まれた結末になっていて、オタクイーンさんの苦心が偲ばれます。


 子どもの頃は途中リタイアしてしまいましたが、今見ると後期の伊吹隊長の頃の「イケイケ感」は、深みはありませんが面白いと思います。MATの作戦行動に重点が置かれ、幼児対象の「怪獣特撮番組」としては良い方向にシフトしたと感じられます。加藤隊長は大好きなキャラクターですが、番組カラーとしては後期の方が好きです。でも、前期の方が怪獣の魅力はあるんですよネ。バリケーンやグロンケン、バルタン星人Jr.は苦手です。タッコング、ゴルバゴス、ステゴン、シュガロンの方が魅力的だと感じます。

 私はウルトラブレスレットは嫌いです。武器持ちのヒーローには違和感があります。(Xライダーだけは許せるのですが‥‥。)

ゲッターピジョン様 長期シリーズのウルトラやライダーは、初めて触れたキャラクターがその人にとっての「初代」なので、その思い入れも強くなりますよね。
私のようなアウェーが書けるような代物ではない事も分かっていたんですが。
結果はご覧の通りでした(涙)。
なんとか新マンとして見ていただければ、大変ありがたいです(笑)。

実は今回、最も頭を悩ませたのは、坂田健の立ち位置でした。テーマに触れることをさりげなく語るのが、劇中における坂田兄妹の役割(彼らが主人公のエピソード以外ですが)という印象があったので、今回もテーマとの距離感を計るのに苦労しました。クライマックスの伏線となる「効く一言」って難しいんですよね(笑)。
まー成功しているとは言いがたいですが。これが私の限界という事で(涙)。

確かに橋本Pが「柔道一直線」の構成要素をウルトラに移植した、というお話はよく聞きますよね。ご本人もそう語っていますから間違いありません。それが新マン最大の特徴であり、また題二期ウルトラシリーズのカラーを決定付けたような気もします。A、タロウ、レオのそれぞれに、この構成要素は形を変えながら継承されていきました。時代の空気も決して無関係ではないでしょう。

ゴリ風味!これ、出来るかなー(汗)。
最も思い入れの強いシリーズなので、きっとパゴスは散々な目に遭うでしょう。
いつになるかわかりませんが、いずれ挑戦してみたいとは思います。
期待しないでお待ち下さい(笑)。

自由人大佐様 長文の記事で失礼しました。書く方は思い入れたっぷりなので苦になりませんが、つき合わされる読者の方がいい迷惑ですよね。
ホントに申し訳ありません(笑)。

帰りマン風味になってましたか?そう言って頂けると大変嬉しいです。
料理人冥利に尽きるというもので(爆笑)。
再三書いていますが、私は新マンについては本当にアウェーなので、識者の方々のご感想をビクビクしながらお待ちしていました。
何とか補欠合格ギリギリでありがとうございました(笑)。

当初、今回のドラマは、ここまで加藤隊長にウエイトを置いていなかったんですよ。
記事でも書きましたが、「守るものがあるから強くなれる」というテーマを「虹の卵に頼る自分から卒業するピー子」を通じて描こうとしたのです。
ですから加藤隊長の行動はそのテーマを強調する役割。立場の違いを越えて、「守る人の大切さ」を訴えかけたかったのですが、そのあまりのカッコよさに自分がやられてしまいまして(爆笑)。ご覧の大演説になってしまいました。
無線の場面は、隊長から隊員の顔が見えないところがいいんですね。
沈黙の数秒間が効果を上げているような気がします。
書きながらコタに「カッコイイねー加藤隊長!」なんて言ってましたから(笑)。

アキに始まり、健、隊長と、キャラクターがそれぞれ「守る人」について語る事でテーマを掘り下げ、「ピー子ちゃん自身がお守り」という郷のセリフに結実させようとしたのですが。さらにラスト、お婆ちゃんがサザメ竹を置くことで、その主張をシンボル化したかったと。でも、まー舌足らずでしたね。
もう少しバランス配分を考えればよかったと、今になって反省しています。

記事内ではちょっと分かりにくくしてありますが、ラストのニュートロンミサイルのくだり、実はウルトラマンはスペシウム光線を発射しているんです。もちろんパゴスに命中。普通ならバラバラに四散し、あわや原発も大惨事というところにミサイルが、という流れです。
ミサイルはパゴスを破壊する為ではなく、パゴスの四散を止めるだけの役割だったんですね。

カットワークも考えました。

ウルトラマン越しに迫るパゴスを捉え、スペシウム光線発射。
その時下手からミサイルがチラリと映る。(映像力学的に、ここは下手が適当です)
閃光がカット変わりの効果を出し、ロングショットヘ。
四散する姿のまま空中で静止、凝固するパゴスの体表アップ。(空中静止は物理法則を無視していますが、ここは心象時間という事で)
バラバラと崩れ落ちるパゴスのロングショット。

・・・程度のさじ加減でした。
要は「マンと人類の共闘」というテイストを出したかったんですね。もちろんウルトラマンも、スペシウム直後の全面バリヤーなど対処法は考えていたと思いますよ。
でも一瞬の隙を突いたミサイルの攻撃にバリヤーの必要はなかったと。
相変わらずの曖昧な表現で失礼しました(涙)。

この拙文の為、今回は久しぶりに新マンを十数本見ましたが、確かに子供番組としては、伊吹隊長の方が分かりやすいキャラクターになっていますね。
おっしゃる通りです。
でも年のせいでしょうか。今見ると、加藤隊長の職務にかける思いや悲哀の方が、私にはリアルに迫ってきちゃうという(笑)。
子供の視点には戻れませんねー。悲しい事です(爆笑)。
MAT内部の対立だけは苦手ですが。

私も前期の怪獣の方が好きですね。何しろ新マンと言えばグドン・ツインテールを思い出しますから。あの二体だけは初代マンに出しても違和感が無いような気もします。欲目ですが。
ブレスレットは好みが分かれるところでしょうね。
私にとってウルトラマンは「武器に頼る必要がないくらい強いヒーロー」なので、ブレスレットは違和感の塊です。
よく言われる「新マンはブレスレットの為に弱く見える」という印象は、私も頷けます。

でも、これも好み。私のように初代が物差しになってしまった人間は、そんな思いを一生抱える事でしょう(笑)。
でもなぜか、私もXライダーには違和感がありませんね。
ライドルを構えるポーズがキマっているせいかもしれません(笑)。

遅くなり申し訳ありません。。。。
いやーオタクイーン版新マン、堪能しました~

まさに新マンの世界です。。なんですか、、アウェーだなんてご謙遜を・・・
加藤隊長は子供ながらに中間管理職の辛さを感じてました。。
しかし、その隊長の熱くまっすぐな信念に触発され、ひとつにまとまるMAT!!まさに鳥肌展開です。。。パーパラッパッパー、パラッパッパー~♪
いつの時代でも求められる理想の中間管理職です!!
正直、以外かも知れませんがセブン風味より、素晴らしい作品だと思いました、すみません。。。
自分も新マン風を色々考えてみたのですが、何せ文才もなく、、、難航しており・・・・自粛。

オタクイーンさんもご指摘の通り、「ウルトラマンの超然とした強さ、神秘性を奪う結果」は今、強く思います。
個人的には新マン世代の自分も現在ではマンの方が面白いし、好きです。
新マンは視聴者自身ががウルトラマンなのに対し、マンでは好きな格闘家の試合をハラハラしながら見守っている感じとでもいいましょうか。
幼きころは根拠のない万能感に支配されている時期があり、そのタイミングでは自分がウルトラマンになりきれる新マンの方が面白いのでしょうね。
それとは逆に年齢と共に自分の能力の限界がわかり、分別をわきまえる歳になった時、傍観者としての立場で見れるマンの方が心地よくなるのでしょうか?
それは歳をとったということですね~(笑)

大和少年様 いやーお恥ずかしい。こんなおバカな妄想、自分のブログじゃなければ出来ませんでした。
長文の記事にお付き合い頂いて、こちらこそ感謝致します(笑)。

実は今回、新マン風味を書いていて思ったことがありました。
「セブンは絵で語り、新マンはセリフで語る」という感覚です。
何故新マン風味が長文になったかと言うと、新マンは登場人物の心の動きやセリフが物語を進めていくからなんですね。ですからセリフの語尾まで正確に表現しなければストーリーが描写できない。
拙文劇中の加藤隊長のセリフなど、はしょってしまってはあのカタルシスは得られない訳です。

対してセブンは、映像の迫力やシャープなカットワークでストーリーを進めるところがあります。
大和少年さんの感想は実に的を得ていて、セブンの魅力は本来、文字では伝えにくいものなんですよ。セリフが書き込んである新マンの方が、具体的に映像をイメージしやすいんでしょうね。
まーそんな言い訳より、私のボキャブラリー不足が最大の敗因ですが(爆笑)。

傍観者としての立場で見れるマンの方が面白い、というご意見を聞いて、ある文献で読んだ映画評論家のエッセイを思い出しました。

「自分は昔、小林旭主演の日活映画が嫌いだった。あまりにも旭が強く、リアリティーがなさすぎる。石原裕次郎のリアルな青年像に惹かれていた。でも歳を重ねるに従って、キンキラの衣裳で登場する旭の方に魅力を感じてきた。フィクションをフィクションとして捉えられる年齢になったのだろう」なんて内容でした。

私もその事は感じていて、今は昔より初代マンが好きになっています。そういう意味では、初代マンは大人になって、より楽しめる作品なのかもしれませんね(笑)。

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