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2008年1月15日 (火)

「咀嚼力」の参考書

「アポロ11号月面着陸は捏造だったのか!?」

Photoこんな見出しを声高に叫ばれちゃ、興味を持たずにいられない私。
もちろん速攻で買っちゃいました。
今日発売の「週刊 歴史のミステリー」。
まーここ数日、いやと言うほどスポットCMも流れている事ですし、皆さんもよくご存知と思います。

詳しくはこちらを。
http://www.de-club.net/rms/

創刊号ならでは、お試し価格の190円は続刊購入への呼び水と分かっていても、手を出さずにいられない不思議マニアの悲しい性。薄いからすぐ読めちゃいますし。

これまでにも、DeAGOSTINIのパートワーク・シリーズは「週刊THE MOVIE」などいろいろ手を出していますが、その号数の量にいずれも途中で挫折する事が多く、今回も先行きは不安。でも考えてみれば全号揃える義務はない訳で、低価格の創刊号だけ読んでもバチは当たらないと。続刊は読んでから決めればいいですし。

帰宅後、早速かじりついてみましたが、これ、なかなか良いですね。
あっという間に読めちゃう上に、その資料性に大きな価値があります。


テレビ屋なんぞをやっていますと新しい話題、人々の興味を引く話題に敏感になるのが一種の業、いわば職業病でもあるんですが、そういう時、常に用意しておかなければならないのが「資料」なんですよ。
「そんな。新しいネタはそれだけで価値があるんだから、わざわざ資料と照らし合わせる必要は無いんじゃないの?」
そう思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし、万物は「古い事」と照らし合わせるから「新しい」と分かるわけで、頭の中や手の届く所に過去の資料を蓄積しておく事は、物事を解析する上で何よりも重要な事なのです。

まー私だって、偉そうな事を言っていながら「今さら他人には聞けない常識」なんて山ほどありますし。いつも恥ずかしい目にばっかり会っています。
ですから余計、資料の大切さを痛感する次第で。

ある本に「資料はいつも分かるように整理しておく事。埋もれてしまった資料は無くしたのと同じ。」なんて書かれていましたが、まさにその通りと思います。「ネヴュラ」で私見を語るようになって、その思いはますます強くなりました。
「あー、あれ、どこ行ったっけ?」なんてガサゴソやってる内に語りたい事を忘れてしまったり。こういうおバカの積み重ねがそんな思いとなるのかもしれませんね。


で、この「歴史のミステリー」。これが何故資料的価値を持つかと言いますと。
この本の構成は常に、まず、これまで語られてきた史実が記述され、その後に「その史実に関する疑問点」が箇条書きになっているんです。で、その疑問項目を一つずつ解析、現時点での結論が語られています。
この構成が分かりやすいんですね。


もともと人類の歴史についてまったく無頓着だった私には、この構成は非常に便利。例えばこの号ではまず「本能寺の変」について語られていますが、私などこの史実についてほとんど知識がありませんでしたから。
この本を読んで「あー、そーいう事だったのねー。」なんて、その史実自体に納得しちゃうんですよ。お恥ずかしいお話ですが(笑)。
で、そこからがこの本の真骨頂、「この史実に於いて、明智光秀は本当に織田信長に憎悪を抱いていたのか?」という推理が展開する訳です。
この流れは大変面白い。ミステリードラマによくある「動機なき殺人の謎」みたいなものですよ。歴史ミステリーの本にしばしば登場するこの史実も、定説とされている史実がまずしっかり解説されているからのめりこみやすい。いわゆる「もう知ってる人」相手じゃないんですね。ビギナー向けなんでしょう。
無知な私にはこの「しっかり解説」が非常にありがたいのです。


つまりこの本、史実の部分だけ読めば「歴史図鑑」として資料的価値を持ち、その先に進めば「推理の解析」になるという二段構えなんですね。で、推理の部分は「別に信じようと信じまいと読者の勝手」的なところがある。あくまで史実に基づいた、現時点での推理に留まっている所もいいんですよ。

さらにこの構成、物事の「咀嚼力」をトレーニングする上で非常に大切な事と思っています。「ネヴュラ」で語るおバカな私見は、この「咀嚼力」から来ている事が多いんです。
「この作品は別の作品のエッセンスを取り込んでいる。」「こちらの作者は、常にこういうテーマを内包した作品を書いている。」たとえ的外れでもこういうお話は、作品単体を見ていては思いつかない事なんですよね。
史実や作品をどう咀嚼し、別作品と関連付けるか。どうやら私の作品解析はこういうスタイルなので、この「週刊 歴史のミステリー」は考え方の上で非常に良い参考書となるようです。

まー私の場合、稚拙なこじつけばっかりで申し訳ありませんが(涙)。


さて。入手された方には蛇足かもしれませんが、私がこの号で興味を持った話題をちょっとお話させていただければ。まーほとんど全部なんですが(笑)。
前述の通り日本史が苦手な私にとって、第一特集「本能寺の変」にはあまり食指が動かなかったんです。
一応は読み込めたんですが、それより私を急かしたのは次の話題「イエス・キリストに子供は存在したのか?」でした。

Photo_2まーいつもの通り、内容は実際お読みになればご理解いただけますから解説は割愛。
私が注目したのはその解析部分で。
これ、往年の地上波番組「特命リサーチ200X」の手法ですよね。

私はあの番組が大好きで第一回からほとんど録画、現在も所有しています。
この本に「特命」の匂いを感じたのはこのページ、有名なダ・ヴィンチ作「最後の晩餐」でイエスの隣に座る人物、そしてそのポーズの検証を行っている部分。この「絵画に隠された意図」なんて、完全に「特命」のそれですし。
語られるのは確かに独善的な推理かもしれませんが、非常に興味を引きますよね。近年話題になった映画「ダ・ヴィンチ・コード」(2006年アメリカ ロン・ハワード監督)でも、この絵画の持つ意味が重要なキーとなっていました。
かようにキリストの周辺には多くの謎が存在し、それぞれが一級のエンターテイメントとなりえる「おいしい」話題なのです。


Photo_3「歴史」と銘打つ通り、このシリーズは古代文明についてもおいしい切り口を持っていまして。
今号のジャガー信仰神殿「チャビン・デ・ワンタル」(ペルー)も、古代アンデス文明の中で謎とされる紀元前1000年頃作られた空中遺跡。標高約3150メートルの急斜面に位置しています。この遺跡、あのインカ帝国よりさらに2500年も遡るんですね。
巨大地下回廊を進むと、そこにはチャビン文明のシンボルとも言うべき半人半獣像が見られるそうで。この像、ジャガーの頭に人間の体といういでたち。何か不思議じゃありませんか?
そうです。1967年にピープロがパイロット版を制作した「豹(ジャガー)マン」に酷似した姿かたちなのです。ちなみに豹マンは「バビロニアの星の超能力を持つスーパーマン」という設定。古代文明の名を冠する二つの「豹」が、ここで奇妙な符合を見せました。
ここで私は「豹マン」企画者、鷺巣富雄氏の博識ぶりに感心しました。
たとえ子供番組であっても、こういう部分に企画者の勉強の跡が見えるものなのです。
「当時、何かの文献で見たんでしょ」と思うのは簡単。その「見る」という行為がどれほど大切な事か。これはその立場に立たなければ分からない事かもしれません。


Photo_4で、今回の目玉、「アポロ11号月面着陸は捏造だったのか?」。
映画「カプリコン・1」(1978年アメリカ ピーター・ハイアムズ監督)の元ネタと言われる程酷似しているお話しゆえ、これはもうある意味「ファンには周知の話題」ですよね。
様々なメディアにも採り上げられ、2006年には件の月面着陸記録ビデオが紛失、なんて発表も記憶に新しいこの事件、この記事では捏造疑惑にかなり傾いています。
皆さんはこの事件についてどんなご意見をお持ちでしょうか?


個人的には、この事件の話題性を高く買いたいと思います。関係者がいらっしゃったらお詫びいたしますが、乱暴な言い方をすれば真偽はどちらでも、という意見です。
それよりこの事件のミステリアスな部分、さらにビジュアル的に抜きん出たストーリー性が私を強く魅了するのです。
「これは映画になりえる話題。」そっちへ嗅覚が動いちゃうんですね。

まー前述の「カプリコン・1」で先鞭を付けられちゃいましたから、今はどうしようもありませんが。ただ映画製作当時、この疑惑はまだ一般的ではありませんでした。とすれば、映画を企画したプロデューサーは怖ろしく先見の明があった、時代の先を行く人物だったと思います。その符合具合はとても偶然とは思えないほど。
たまたま、件の映画を先日DVD鑑賞しましたが、ちょっとピーター・ハイアムズの演出が私には合わなかったみたいで(笑)。しかしながら
、そのストーリーの先見性にはほとほと感心しました。
腕利きの企画者とはこういう人物を指すんですね。


Photo_5史実を元にしたと見られる逸話も、この本には独自の解析がなされています。
巻末近くに記されている「ハーメルンの笛吹き男」がそれです。

不勉強ながらこのお話、私はほとんど知らなくて。でも逸話部分を読み進む内に、あるエピソードが脳裏をかすめました。
何の事はありません。このお話、「ウルトラマンA」第23話「逆転!ゾフィ只今参上」1972年9月8日放送 真船禎監督)じゃありませんか。
私はこの有名な逸話のウルトラ流翻訳を、既に36年前に見ていたのです。


今回のお話のテーマ「咀嚼力」が最もはっきり表れているのはこの部分でしょう。過去を紐解くと言うのはこういう事なんですよ。
一見、まるで関係ないと思われた歴史解析本が、ネヴュラ常連の話題「ウルトラ」の線で繋がる不思議さ。

件の「A」エピソードは、宿敵ヤプールの実体化という重要な意味を持つものだけに、製作側も気合を入れて取り組んだ事でしょう。その下敷きになった逸話がこの「ハーメルン」という事実に、私は感激を禁じえませんでした。
お恥ずかしいお話、私は「A」放送時には既にウルトラから離れていましたから、この23話はたまたま何かの折に見たもの。しかしそのインパクトの強烈さゆえ、現在も記憶の隅に残っていた訳です。でなければ今回、元ネタを見て思い出す筈がない。


今作の脚本は監督も兼ねた真船禎氏の作ですが、真船監督もこの有名な逸話を「咀嚼」し、A最大の敵キャラクターを肉付けして行った筈なのです。
印象的なエピソードには必ず下敷きあり。昔から言われている事ですが、改めてそう感じました。


そういう意味でこの「週刊 歴史ミステリー」はストーリー作りの宝庫なのかもしれません。前述の通りどの史実も、後々形を変えて映画やテレビの一エピソードに昇華されている。これはおそらく、たまたま読んだ一冊の偶然ではないでしょう。およそ古今東西に伝わる史実は、形を変えて現在も行き続けているのです。
作品作りの上では「咀嚼力」=「創造力」と言い換えても良いでしょう。過去の事実をうまくパッケージングし現在に蘇らせる行為も、発想という点では大きなオリジナリティーなのです。ただそこには「時流を読み解くセンス」が必要である事は言うまでもありませんが。
企画者にとって大事なのは「作品の元ネタを知っている」という受身の姿勢ではなく、「作品になりうるネタを常に探す」という攻めの姿勢という事を再確認した次第です。


Photo_6さて。ここでちょっとお話は別の本に移ります。私は昔からこの手の話題が好きで、少ないながらもこういう本は持っているんですが、中でも最近気になっているネタがこの本にあります。まーこれは最近よくある「500円本」。一時間もあれば読めちゃいます。
でも前述の通り、企画者の端くれたる私にはこの上なく楽しいものなのです。



Photo_8問題のネタはこれ。これまでにも色々な番組で採り上げられたのでご存知の方も多いでしょう。古代マヤ王国で製作されたらしい水晶髑髏「ヘッジス・スカル」なる代物です。
人間の頭蓋骨を、極めて正確に再現したとされるこの水晶は、下から光を当てると全体が炎のように輝き目が発光、虹のような効果まで計算されているそうです。
さらに文字を書いた紙を髑髏の下に敷けば眼球から文字が判読可能、真上から覗けば拡大文字が見えるという効果が。
優れた加工技術、水晶のプリズム効果などの高度な計算がなければ出来ないこんな物体は、現在の技術をもってしても製作不可能と言われています。


いわゆる「オーパーツ」に分類されるこういう物体は世界中で発見されていますが、私は特にこの美しいオブジェにイマジネーションを刺激されますねー。
例えばウルトラマン第19話「悪魔はふたたび」に登場する金属板みたいに、これが古代人からの警告メッセージで、光の当て方で警告文が浮かび上がるなんて、ちょっといいじゃないですか。
いつもながらおバカな事ばっかり考えている私などは、こんな眉ツバ情報にもロマンを感じちゃうのでした。でもこういう発想って、頭を柔軟にするトレーニングには絶好ですね。
そんな意味でも、私はしばらく「週刊 歴史のミステリー」を愛読したいと思います。
ちょっとバラしちゃいますが、実は長期継続考案中の「G×G」もこの世界観で展開するんですよ(笑)。


Photo_9今日の最後はこの写真から。
これ、「歴史のミステリー」の一ページなんですが、この絵は「トロンプ・ルイユ」と呼ばれるだまし絵の一種だそうで、この絵の中に、通常の見方では判別できないある物が描きこまれているそうです。

ちょっと考えてみて下さい。キーワードは今日の本文中のどこかにあります。

正解は、直接書店でお確かめ頂ければ(笑)。

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