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2007年6月16日 (土)

「イピ・カイ・エー」を聞く為に

・・・いつもながらフラフラ。
一回目のウォーキングを終え、ちょっと落ち着いたところです。

少し更新に間を開けてしまいました。ごめんなさい。
木・金と超ハードワークが続き、昨夜は帰宅後、即爆睡というありさまだったのです。
それでも昨日、お仕事の帰りには劇場へ寄り、こんな物を買ってしまったりして。疲れていてもこれだけは。

Photo_894 今月29日より公開される話題のシリーズ最新作
「ダイ・ハード4.0」の前売券。

コンビニの打ち出しチケットではあまりに味気ないので、前売券だけはどうしても劇場で手に入れたかったのでした。
チラシや特典(今回はカードホルダーみたいですね)が手に入るのも、作品への期待を高める絶好のアイテムとして重要ですね。
正直、この手の特典はどんなにチープでも構わない。
「封切日へのテンションを高める」為の物なんですね(笑)。

さて。「ダイ・ハード」と言えば、「ネヴュラ」読者の方々のみならず、いまや説明の必要さえない程の大ヒット・アクションシリーズですね。私も大好きなシリーズです。
実は私、1988年公開のシリーズ1作目「ダイ・ハード」は劇場鑑賞していません。
当時、何故行かなかったのかはちょっと記憶にありませんが、とにかく「1」についてはビデオ鑑賞が初体面。鑑賞後そのあまりの面白さにひっくりかえった私は、1990年公開の「ダイ・ハード2」、1995年公開の「ダイ・ハード3」とも劇場へ足を運び、その作品世界を充分に堪能しました。
そんな経緯もあり、前作から12年を経た今回の「4.0」は満を持しての鑑賞体勢、私としては前売券購入は遅いほどだったのです。

Photo_896 「ダイ・ハード」の魅力とはいったい何でしょうか?
これはもう雑誌や評論、はたまた映画に詳しい皆さんのブログで語られつくされていますから、今更私などがつまらない分析をお話しても仕方がない事です。
ブルース・ウィリス扮するニューヨーク市警の警官、ジョン・マクレーンが毎回遭遇するテロリスト集団との戦い。「1」公開当時、伏線が張り巡らされたシナリオの妙と、その舞台設定の斬新さが大きな話題となりましたね。
正直、「ダイ・ハード」の面白さはこの2点に尽きると言っていいでしょう。


昔読んだある雑誌に「ダイ・ハード」シリーズに関するエッセイがありました。
「2」公開に合わせて書かれたと記憶しているこの文には、他のアクション映画にはない「ダイ・ハード」シリーズ独自の特徴が示され大変興味深い内容でしたので、私もおぼろげながら覚えています。


「ダイ・ハードの条件」として、
 事件は場所を限定し、閉鎖された空間で起こる。
 テロリストのグループは人質をとって、場所を封鎖する。
 テロリストのリーダーとマクレーン、そして関係者は電話や無線などでコミュニケーションできる。  
 一部の有能者(マクレーンにとって唯一信頼のおける人物)を除いて、関係者は全員無能。
 敵は恐ろしく強く非情。さらに用意周到。
 マクレーンの不屈の闘志とずば抜けた創意工夫が事件を解決に導く。
以上の6点が挙げられていたと記憶しています。
(あくまでも記憶ですのでお許し下さい。)


Photo_897 私はこのエッセイに大変共感しました。実は、「ダイ・ハード」が「ダイ・ハード」足りえる特徴のほとんどは、この6項目でほぼ言い尽くされてしまっていると思うのです。
前述の「シナリオの妙」「舞台設定の斬新さ」を少し噛み砕いて説明すればこの6項目になってしまう。
おそらく皆さんも頷かれていると思います。

超高層ビルを舞台とした「1」空港を舞台とした「2」はテイストもほぼ同じ。「1」の縦、「2」は横という、それぞれの場所の動線を最大限に活かしたストーリー展開が、私たちに独自の「ダイ・ハード空間」を感じさせてくれました。
確かに、前述の6項目を網羅し、存分に伏線が練りこまれたシナリオを作成できれば「ダイ・ハード」は出来てしまう。
言わばこの6項目は「ダイ・ハード」というゲームのルールブックなのかもしれません。
「ダイ・ハード」の設定を流用したあまたの類似作品が本家のシリーズを超えられない理由は、この6項目をうまく料理できないシナリオにあるのかもしれませんね。


しかしながら。
この6項目、実はダイ・ハードの「1」と「2」だけに当てはまる条件なんですよね。
このエッセイが書かれたのは1990年の「2」公開時ですから、それは当たり前の事です。
さらに5年後、1995年に公開された「3」に於いては、この6項目に当てはまらない部分がいくつか出てきてしまう。
その為「3」は、「1」「2」とは若干テイストの異なる作風となっています。


「1」「2」と「3」のどこが違うのでしょうか。
私が思うに、それはやはり前述の6項目の内、条件1番の「閉鎖された空間」という部分が最も大きいと思います。

「ダイ・ハード」という作品が斬新だったのは、とりも直さず舞台が限定空間である事だったと思うのです。大枠としてこの舞台空間が設定されたからこそ、条件2番以降の「封鎖」「コミュニケーション」などの設定が生きてくる。
条件4番以降の、普通のアクション映画なら当たり前の法則も、前述の「限定空間」という設定により、俄然新しい輝きを放ってくるのです。


本来限定空間という設定は、うまく使えば作劇上非常にアイデアを盛り込みやすい、魅力的な設定だと思います。「どこかに閉じ込められる」「その空間の特徴を使って脱出・反撃の機会を窺がう主人公」こういった作品に名作が多いのはその為です。
ただ、この素材はシナリオライターにとって両刃の剣で、自分の引き出しの数を試されるものでもあります。ですから、この設定をうまく使いこなせるライターは相当の実力派と見ていいでしょう。以前、私も「テレビ局がテロリストに乗っ取られる(架空のレジスタンスを設定しました)といったストーリーを考えた事がありましたが、あまりの引き出しの少なさに敗退した苦い思い出が(笑)。

SF・アクション映画なら「ジョーズ」「エイリアン2」「ジュラシック・パーク」など、またちょっと意味合いは異なりますが「恐怖の報酬」(1953年版)あたりがすぐに浮かびますし(動く限定空間という意味で)、邦画SFなら「吸血鬼ゴケミドロ」などが代表格といった所でしょうか。
(作品の傾向が物凄く偏っているのは私の勉強不足によるもので(汗)。


Photo_898 ただ、「ダイ・ハード」が他の限定空間物と一線を画すのは、やはり「孤軍奮闘」という所に尽きると思います。前述の「ジョーズ」にしても「エイリアン2」にしても、主人公側はいわゆる「団体」であり、たった一人で戦うブルース・ウィリス程のヒーロー性はありません。
しかも巧妙なのは、主人公マクレーンが「等身大」である事でしょう。
上半身はタンクトップ一枚、靴もない裸足で突然テロリストの攻撃を受けるハメとなった彼の武器は、ベレッタ92F一丁とその明晰な頭脳のみ。体力だってスタローンやシュワちゃんには程遠い彼が一人きりで知略を尽くすからこそ、「ダイ・ハード」は喝采を持って観客に迎えられたのだと思います。


そして、これは前述の6項目にも無かったのですが、作劇上の最大の魅力は「主人公が取る次の一手が、観客にさえ読みにくい」という点だと思います。

ご存知の通り「ダイ・ハード」のドラマ構造は、「準備を万全に整えたテロリストが遂行する作戦を、主人公マクレーンが先読みして防ぐ」この繰り返しですよね。
観客はまず「敵テロリストは次にどんな手を打ってくるのか」「彼らの最終目的は」という部分に興味を引かれます。しかし、それを防ぐマクレーンがテロリストの次の手に気づくタイミングは、「観客よりほんの少し早い」んですね。ですから、マクレーンがオロオロしながら何か準備している意味が分からない。
観客はその行動理由にも興味を持つ訳です。
つまり「ダイ・ハード」は、観客の興味を二重に引き付けるドラマ構造を持つんですね。
で、演じるのがまたあのファニーフェイスの、ちょっと風采の上がらないブルースさん(失礼)ですから観客は彼の行動から悪意を汲み取れない。
これは実に心憎い、秀逸な作りですねー。


例えば「1」のラスト近く、テロリストのボス、ハンス・グルーバー(アラン・リックマン)と対決に行く直前、いつものごとく対抗手段を探すマクレーンの目に飛び込んだあの「クリスマス梱包用ビニールテープ」あれがあんな使い方されるなんて、あの段階で皆さん想像できました?
「ダイ・ハード」の醍醐味は、あの後ホールド・アップしたマクレーンのバックショット、背中のアップを見た時に感じる「ゾクゾクッとした爽快感」にあると思うのですが(笑)。


今回公開される「4.0」は、私にまたそんな「ゾクゾク感」を与えてくれるんでしょうか。正直な所、私はかなり心配しています。不勉強で監督のレン・ワイズマンという方も存じ上げないし。

Photo_895 これはチラシの隅に書かれたキャッチコピーですが、「2007年 全米 機能停止」とある今回の舞台、これは「3」に続く「限定解除空間」(笑)ですよね。
この設定でどう「ダイ・ハード」テイストを再現できるのか。
不安はパウエル巡査部長の体格並みに肥大します。

でもあのマクレーンの事です。想像も出来なかった設定と優れたシナリオ・演出で勝算は完璧、私の不安などいつものあのセリフ「イピ・カイ・エー」一言で吹き飛ばし、胸のすくような活躍を見せてくれるだろう、なんて期待も少しあったりして。
公開まであと2週間。
「レット・イット・スノウ」を聴く私の胸は複雑な心境です(笑)。

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コメント

オタクイーンさん。こんばんは。
「ダイ・ハード4.0」、期待半分、不安半分といったところでしょうか。
実は私もそうです(笑)
さて、以前の記事ですが、TBさせて頂きました。
御笑覧頂ければ幸いです。

 SF以外のアクション映画を見るようになったきっかけが『ダイ・ハード』でした。

 マクレーンの「生身の人間がボロボロになりながら、機転を利かせて形勢を逆転し、巨大な悪に1人(と外部の利口な協力者と)で立ち向かっていく」という描写に痺れました。ウィットも効いてるんですよネ。

 無印と「2」には、妻ホリーとTVレポーターのソーンバーグが登場し、EDで「ソーンバーグがホリーにぶん殴られる」というお約束のシーンがあったことは、2つの映画がシリーズであることを感じさせてくれました。「3」にはそれらが無くなってしまったことも、私が「3」を続編と感じられない理由の1つです。ブルース・ウィリス演じるマクレーンが登場すれば「ダイ・ハード」シリーズだとは呼べないと思います。

 そして、無印と「2」はどちらも「クリスマス」でしたよネ。これもお約束だと思っていました。

 ソーンバーグを演じた役者さん(名前は失念^^;)は、『ゴースト・バスターズ』の環境省(?)のお役人でしたネ。「こいつが出てくると事態がややこしくなる」という役を演じたら天下一品!

 ロス市警の現場指揮官を演じるポール・グリーソンは、『ブレックファスト・クラブ』(監督ジョン・ヒューズ)ではイヤミな先生を好演していました。彼も「権力は持っているけれどもマヌケなヤツ」を演じさせたらピッタリの役者さんです。

 カール役のアレクサンダー・ゴドノフは『マネー・ピット』でも見たことがあります。もうお亡くなりになったのですよネ‥‥。

 私が『ダイ・ハード』の中で好きなシーンって、マクレーンとパウエル巡査以外がマヌケなことをやっているシーンです(^^ゞ マクレーンをテロ一味と勘違いしてヘリから攻撃したり、装甲車が身動きできなくなったり‥‥。マニュアル通りにしか行動できない連中が右往左往しているそんなシーンに大爆笑して、ストレスを発散しています。

こんにちはです。この記事を読んでダイハード4観に行きたくなりました。ラストはいつもクリスマスのシーンで奥さんと再会していたように記憶してますが、今の時期公開ですとちょっと変わるんでしょうか?

メルシー伯様 コメント&TBありがとうございました。
ハリウッドは最近企画不足と言われ、世界各国の名画を軒並みリメイクするなど、オリジナルシナリオの欠乏は深刻な状況のようですね。
人気シリーズの続篇に走るのも、そんな流れの一つである事は間違いないと思います。
前作のネームバリューに頼り安易に作り上げる続篇は、ファンにとって果たして歓迎される物なのでしょうか。

「絶対つらいだろーなー」とは思いつつも、やっぱり公開を心待ちにしてしまう私などはもう完全に制作側の策略に乗せられているのですが、それでも期待してしまうのは、やはり「ダイ・ハード」という作品の魔力ゆえなのかもしれません。
鑑賞後どんな心持ちになっても、とにかく落ち着いて。
まさに修行僧のような気持ちで、公開に臨みたいと思います(笑)。

MIYUKI様、こんばんは。
ダイハードシリーズ大好きです、特に一作目は素晴らしいですね。
このシリーズ以後、(閉鎖空間の)舞台を変えた、低予算ものから、大作級のものまで、いろいろな映画があった様な気がします。それを思うとダイハードって、やっぱりエポックな名作なんだなーと、あらためて思ってしまいました。
今回ワイズマン監督になりましたが、「アンダーワールド」の監督さんならきっとハイテンションなアクション大作で楽しませてくれると、楽しみにしています。(でも、ちょっと心配・・)

前売り券、私も劇場派です!!チラシと特典いいですよねー。
映画のロゴ入り缶バッチとかキーリング、ポストカードとか、もらうと大切にしているんです。(*^-^)

自由人大佐様 コメントありがとうございました。
「ダイ・ハード」独自の魅力は、その設定やキャスティング、秀逸なシナリオに負う所も大きいと思いますが、やはり「1」「2」と「3」では大きな違いがありますよね。やはり自由人大佐さんがおっしゃる通り、「ブルース・ウィリス演じるマクレーンが登場すれば「ダイ・ハード」シリーズだとは呼べない」というご意見はファン全員の気持ちを代弁していると思います。

個人的に感じるのですが、あの極端なテイストの違いはそのカメラワークによる所にもあると思います。映像作品に於けるカメラマンの存在は想像以上に大きいもので、あまたある作品で監督が好みのカメラマンを指名するのは、自分の演出意図を画面に反映させる上でカメラワークの重要性を大きく認識しているからなのです。

「1」のジョン・マクティアナン監督にしても、ヤン・デ・ポンという卓越したセンスの撮影監督がいたからこそ、あの独特の緊張感を画面に反映させる事に成功した訳です。「2」で監督がレニン・ハーリンに変わってもテイストに変化が無かったのは、「1」のカメラワークを研究し尽くした撮影監督、オリバー・ウッドの功績でしょう。
事実レニン・ハーリンは「1」のレプリカをどう作るかと言う事に心血を注いだ」とコメントしている事ですし。

「3」で、「1」のジョン・マクティアナンがメガホンを取ったにも関わらず「ダイ・ハード」のテイストが感じられず、その面白さがヤン・デ・ポン監督作品「スピード」に移ってしまったと感じたのは私だけではないと思うのですが。
各セクションの才能が結集する映画というメディアは、かように偶然のいたずらが作品に大きく影響するものなのですね。

今回公開の「4.0」では、現在私の知りえる情報は監督名のみ。
ジョン・マクレーンは出演するものの、それが果たして「ダイ・ハード」として成立しているのかどうか。
自由人大佐さんもおっしゃる通り、私もその点に大きく注目したいと思っています(笑)。


のん様コメントありがとうございました。
そうですよね。確かに「1」「2」はクリスマス時期、最後マクレーンは奥さんと再会、というのが「ダイ・ハード」のお約束でした。
そのお約束が「3」で破られて12年。今回「4.0」の舞台はいつのシーズン、そしてどんなエンディングが用意されているのでしょうか。
私もすごく楽しみです。
ただやっぱり、マクレーンの「制服」汚れたタンクトップ・シャツは変わらないようですね(笑)。

hikari様 コメントありがとうございました。
おっしゃる通り「ダイ・ハード」の設定は、まさに一ジャンルを築いてしまうほどのエポックとなりましたよね。
類似作品も山ほど制作され、世界中のありとあらゆる場所が「閉鎖」されました(笑)。

類似作品の中で個人的に傑作と感じたのは、「パッセンジャー57」(1992年ケヴィン・フックス監督)でしょうか。公開当時「沈黙の戦艦」と同時上映だったこの作品。まったく予備知識なしで観た私は「沈黙」より面白いと大絶賛。ちなみに私、この二本立てを「ワーナー ダイ・ハードまつり」と読んでいましたが(笑)。

おっしゃる通り、やっぱり前売券は劇場購入がいいですね。
劇場購入でしか手に入れられない特典も楽しいものです。
hikariさんと同じく、私も特典は大事に保存し、事あるごとに眺めて楽しんでいます。
大したものではないのですが、こういう物って公開時の思い出が真空パックされているようで。まさにお宝です。
このコレクションもやめられませんね(笑)。

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