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2007年6月 4日 (月)

謎の「科学玉手箱」

「なーるほどねー。」
例によってオタクなDVDを見ていた私。

OVA「ジャイアントロボ THE ANIMATION 
地球が静止する日」の特典ディスク。

アニメ界の鬼才、今川泰宏監督に平成ガメラの樋口監督ら「濃い」人たちを加えた、(もう中身が想像できるような)作品の裏話等を語る対談でした。
このメンバーですからもう内容は大変な事になっていて。あれだけの個性を誇る樋口監督をも凌駕する今川監督の語り口は、まさにあの超大作にふさわしいものでしたが(笑)。
そんな近年まれに見る超絶対談の中、私が膝を打ったのは、劇中の設定の元となった今川氏のある経験でした。

アニメ「ジャイアントロボ」には、劇中ストーリーの大きな根幹を成す「シズマドライブ」という設定があります。それは絶対安全絶対無公害のエネルギーシステム。その画期的なシステムは世界の隅々にまで行き渡っているという世界観です。
ところがそのシズマドライブ停止を企む者が一人。この男は秘密結社BF団と結託、シズマドライブのエネルギー駆動を中和し、世界中の動力を停止させる「アンチ・シズマドライブ」というシステムを開発します。
その「アンチ・シズマドライブ」が仕込まれたもの。
それは3つのアタッシュケース。
この小さなアタッシュケースこそ地球の命運を分けるパンドラの箱。ストーリーはこのアタッシュケース争奪戦を中心に大きなうねりを見せていくのですが・・・


今川監督は、この「アタッシュケース」という設定の元はある幼児体験だったと言うのです。
今川監督は子供の頃、映画館で「フランケンシュタイン対地底怪獣」(1965年東宝 本多猪四郎監督)を鑑賞、冒頭ドイツから運び出される「フランケンシュタインの心臓」に恐怖し、劇場で大声を上げて泣き叫んだそうです。
あの心臓の入ったアタッシュケースが印象的だったとか。
以来、「怖いものや危ないものはアタッシュケースに入ってるんだ」というトラウマが出来てしまったそうです。それがジャイアントロボのアタッシュケースに繋がったと言うんですね。

「そうだよねー。アタッシュケースってどこか、秘密の物が入っている感覚があるよねー。」
今川監督のそんな幼児体験に共感した私。
皆さんはいかがでしょうか。
古今東西、あらゆる映像作品に登場した「アタッシュケース」「トランク」「ジュラルミンケース」の類って、中には必ず「秘密の何か」が潜んでいませんでしたか?
今日はそんな「魅力一杯の謎の箱」についてのお話です。

「アタッシュケース」と聞いて、私がまず思い浮かべるのはやはりアレですね。
「007 ロシアより愛をこめて」(1963年イギリス テレンス・ヤング監督)。たぶんアタッシュケースという名称を一般的にしたのはこの作品でしょう。

世界で最も有名なスパイ、ご存知ジェームズ・ボンドが活躍するこの007シリーズの中で、最高傑作とされる「ロシア」ですが、この作品がシリーズ全作中でもやや異色の作品である事は、ファンの皆さんはよくご存知と思います。

なにしろ秘密兵器が地味。かの「アタッシュケース」にしたってライフル、予備銃弾や催涙ガス、飛び出しナイフ、買収用金貨が内蔵されている程度で、後のシリーズに登場する大仕掛けな「クリスマスのおもちゃ」にはとても太刀打ちできません。
ただこのアタッシュケース、劇中での使われ方が実に効果的で、武器一つ一つに「見せ場」が与えられている為に、見ていて思わず「欲しくなる」んですね(笑)。
たとえアストンマーチンDB5を持っていても使う機会はありませんが(あるかな?)あのアタッシュケースを持っていたら、ちょっと「フタのつまみを横にずらしてみたく」なりませんか?そんな悪戯心を感じさせる所が、この秘密兵器の魅力と思うんですが。

また、このアタッシュケースを持ち、スーツをビシッと決めている男性は魅力がありますしね。(それは私の女子目線でしょうか(笑)。

実は、アタッシュケースというと前述の「フラバラ」「Gロボ」「ロシア」ぐらいしか思い浮かばなかったんです。
相変わらず無知ですねー(笑)。
それなのに何故、ケースに「秘密感」を感じさせるのか、ちょっと考えてみました。
どうやら私の場合、その「秘密感」は、怪獣映画やウルトラシリーズなどに登場した新兵器のキャリーケースにあるような気がするのですが。

例えば「ウルトラQ」などでケースが印象的なエピソードと言えば、なんと言っても第9話「地低超特急西へ」(飯島敏宏監督)でしょう。
なにしろ「怪獣入りのトランク」ですから(笑)。

阪大の相川教授が開発した人工生命M1号。高圧ボンベに押し込まれたそれは、効果的な電飾も手伝って実にミステリアス。カメラのフラッシュで細胞分裂してしまう危うさも素晴らしいですね。
で、あの愛嬌ですから(笑)文句のつけようがありません。


第17話「1/8計画」(円谷一監督)と言えば、これもビックリの「由利ちゃん入りケース」ですね。1/8に縮小された我らが「由利ちゃん」が、S13地区から脱出する際に使った「非常用ポッド」とでも言うべきものですが、何故か化粧バッグくらいの大きさになっている所が良くって。
途中、拾い上げたシスター達が由利ちゃんを見て「まあ、可愛い」と言うのも無理はないと。(ただあのセリフはかなり不条理性を含んでいて、素直には笑えませんが)。


他にも{Q」では、第4話「マンモスフラワー」でジュラン撃退の為に使われた「炭酸ガス固定剤」入りトランクなど、怪獣掃討の決定打となる薬品などに「ケース」が多く使われています。まー考えてみればケースは「運ぶ為の物」ですから、あるのは当たり前なんですが。
「Q」の場合、前述のM1号や1/8由利ちゃんのように普通では考えられないようなものが入っている所が、その印象を強くしているのでしょう。
ある種「フラバラ」の心臓に通じる所もありますね。

「ウルトラマン」になると、今度はぐっと「科学兵器」の割合が強くなります。なにしろ使うのは我らの守り(笑)科学特捜隊ですから。またこの「専用ケース」を開けた時の、武器の収納具合がかっこよくて(喜)。
私が特に心惹かれたのが第16話「科特隊宇宙へ」(飯島敏宏監督)第27話「怪獣殿下・後篇」(円谷一監督)などに登場した超兵器「マルス133」。
イデ隊員発明のこの「科特隊製スペシウム光線銃」は、イデ隊員特製の専用ケースで輸送されます。まるでスナイパーの商売道具のごときそのプロユースぶりは、流星マーク入りのシックなケースによって一層強調されるのでした。
バルタン星人やゴモラなどの超人気キャラクターを相手にひけを取らない所も、超兵器としての魅力を倍増させていましたね。


「怪獣殿下・後編」では、ゴモラの動きを補足するために「怪獣探知発信弾」も使われましたね。発信弾が眠る特製ケースが開く時、私などは「あーこれが科学の粋を集めた怪獣探知の切り札なんだ」なんて興奮を覚えたものです。
「ケースを開く」このまがまがしさも、兵器の登場を盛り上げる大きな演出だったのかもしれません。

「マン」では、敵キャラクターも魅力的な「ケース」を持っていました。第31話「来たのは誰だ」(樋口祐三監督)に登場した謎の男、ゴトウ隊員。彼の怪しい行動は、その持ち込まれたトランクを開けた瞬間頂点に達します。
トランク内にうごめく奇怪な植物。しかも彼は、小さな球体を腕の静脈に押し付けるという奇行を見せます。もう怪しさ満点。
こういう品物が入っているのが「トランク」という日常性が、怪しさをより増幅させるんですね。


最近のゴジラ映画などにも、この手の「異常な物質を運ぶケース」は登場します。そう。「ゴジラVSビオランテ」(1989年 大森一樹監督)に登場する、「ゴジラ細胞輸送ケース」です。
これも考えてみれば凄い事ですよね。ゴジラの細胞を運んじゃおうって言うんですから。あの放射能の塊を(笑)。
ゴジラの破片が飛び散った新宿で、自衛隊に交じってゴジラ細胞を採取するバイオメジャー。彼らが手に入れたゴジラ細胞は、さらにサラジア国のシークレット・サービスによって奪い去られる・・・
その細胞がとてつもない価値を持つゴジラならではの壮絶な争奪戦でした。
まーあれが後々ビオランテとなっちゃうんですから、あのジュラルミンケースも「アンチ・シズマドライブ」並みに危険なケースだった訳ですが(笑)。


こう見てくると、やはりアタッシュケースを基とする一連のケースには「何が入っているか分からない」という恐れと期待、そして開けたいという誘惑が詰まっているような気もします。
最近、「仮面ライダー555」の変身アイテム、ファイズ・ドライバーをケースごと買ってしまったのも、そんな誘惑にかられたせいかもしれません。あの「開く瞬間」の興奮を味わいたくて。

でも最後に一つだけ。フタの裏に鏡が付いている化粧ケースだけは開けたくありませんね。私の場合、そこには「現実」が待っているだけですから(爆笑)。

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コメント

オタクイーンさん、おはようございます。
コタちゃんはもう起きてるかな?
アタッシュケースのお話、とっても楽しく読ませて頂きました。
いつもながら、こういったアイテム一つでこれだけ語れるなんて、羨望のまなざしです。(*^^*)
そしてここに紹介されている作品が、ホントに見たくなっちゃうんですよね~。
私はこれを、「ネヴュラ・マジック」と呼んでおります(笑)。

ポン太様 コメントありがとうございました。
返事が遅れて申し訳ありません(笑)。
コタは夜行性で、朝は本当に弱いですね。巣箱で丸くなっているので、朝食のレタスで背中を撫でてやるとモゾモゾと起きてきます。
その寝ぼけまなこがまた爆笑もので(笑)。

お恥ずかしい話、私の記事はなぜかいつもこんな感じ。自分の思考パターンって、こうやって書き続けないと分からないものなんですね。そういう意味で、ブログは自分を知る良いツールだと思います。
ポン太さんをはじめ皆さんの温かいコメントも大きな励みですし。
「ネヴュラ・マジックのインク」はいつも切れそうですが(笑)。

オタクイーンさん、こんばんは!
夜行性のコタは、いまごろ回し車の中でダイエット中でしょうか(笑)?

まさに新緑の季節ですね。
鮮やかな緑が目に眩しいです。
カタツムリ(でんでん虫)は、いませんでしたか? 私はもうずいぶん長い間、見てないんですよね。
「でんでんむし、むし、ど~こいった~ ♪」

ポン太様 おはようございます。
返事が朝になってしまいました。ごめんなさい(笑)。
コタは最近何故か、回し車には目もくれずケージを上ったり降りたり。天井にぶら下がって遊んでます。
天井から落ちてビックリしている顔がまた(笑)。

つい先日桜が満開と思ったら、同じ公園でもうあじさいが満開。
本当に季節の移り変わりは早いですね。
毎日のウォーキングの楽しみは、そんな季節の変化を感じる所にもあります。
でもまだカタツムリは居ませんでしたねー。雨が降っていなかったせいでしょうか。今週末は全国的にお天気が崩れるようなので、その時はまた見に行ってみようと思います(笑)。

【追伸】 オタクイーンさん、お早うございます。
コメント投稿記事を間違えてましたね(^^ゞ いや慌て者でして、、、

ポン太様 そんなにお気を使われなくても(笑)。
どの記事にでも、いつでもコメント下さい。
そのお気持ちだけで充分有難い事なんですから(笑)。

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