2017年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

ネヴュラ・プライベートライン

無料ブログはココログ

« 閉ざした部屋に雨が降る | トップページ | ウルトラ風味 »

2007年4月28日 (土)

目からウロコの二人組

久しぶりに寄った「Hobby off」。
最近はネットショップばかりで、リアルのお店を覗く事も少なくなっちゃって。たまには行かないと、という訳で。

「トイザらス」もそうですが、この手のお店は客層が広いところが良いんですよね。
いわゆるマニアの方々以外にも、ファミリーやカップルなどいろんな人たちが来るのが楽しいところ。平日だったのでお客さんは少なかったのですが、それでも居ました。
オタクショップでは絶対見かけない二人組が。

初夏を思わせるキャミソールにチューリップミニといういでたち。
指先のネイルまでしっかりとコーディネートした20代前半の女性達です。ショルダーバッグには大きくエルメスのマークが。

この二人、どうやら知り合いの男の子へのプレゼントを探している様子。
ガンダムのプラモデルを興味なさそうに見る仕草はあきらかに「素人さん」(笑)。二人は私の横を通り抜けると、あるウィンドーの前で立ち止まりました。近くに居た私には彼女達の会話が筒抜け。
その時片方の彼女が言いました。


「このキュウリみたいのでいいんじゃない?」

「キュウリ?」セリフを聞いた私は思わずそのアイテムに釘付けとなりました。
二人が去った後私が駆け寄ったウィンドー。そこには。


Photo_736 これがあったのでした(爆笑)。



皆さんに説明すれば「バカにするな!」と怒られそうなこれ。
言わずと知れたスーパーマリオネーションの名作、「サンダーバード」の最高人気機種、2号です。


「目からウロコ!」その時私は、本気でそう思いました。
正確には、ウィンドーに飾ってあったのはコンテナを切り離し4本の足を立てた、レスキュー状態の全長30センチほどのリアルモデルでした。
それにしても、あの有名メカを「キュウリ」と言い放つセンス!
なんて素晴らしいセンスでしょう!


結局彼女達は他のウィンドーに飾ってあったリアルなオートバイのミニチュアモデルを買っていきました。
何も買わなかった私が店を出た後、かみ殺していた笑いを爆発させたのは言うまでもありません(笑)。

Photo_737 1966年の「サンダーバード」初放送以来、イマイ、バンダイ、アオシマと受け継がれた金型をはじめ、一体何体の「2号」が世の中に放たれた事でしょう。
1960年代、70年代に子供時代を過ごした方々にとって、この「2号」には特別な思いが満ち溢れているのではないでしょうか。

以前、番組で知り合ったイギリス人のタレントに、本国イギリスでのサンダーバードの評価について尋ねた事がありました。
彼はこう言ったものです。
「子供の頃よく見ていた。ただあの番組はイギリスで制作されたけどセリフは【アメリカ英語】が使われていて、子供ながらにちょっと違和感を感じた。だからイギリスでは日本ほどの人気はない。」
日本での高い人気をよそに、本国での扱いはそんなものかと思ったものでしたが、それでも「2号」に代表されるサンダーバードの思い出は少しも色あせないのでした。
それはともかく。

熱狂的なファンの皆さんには怒られるかもしれませんね。
ただ私は、そんな歴史を彩った名作メカを「キュウリ」と言い放った彼女達に、たまらない愛おしさを感じてしまったのでした。

だって「キュウリ」ですよ。「キュウリ」(笑)。
世の中の移り変わりを感じますね。確かにフォルムといい色合いといい、キュウリに見えなくはない。コンテナを切り離した状態なら「輪切り」でしょうか(笑)。
その言われぶりはジェリー・アンダーソン氏も想像できなかったのでは。


オタクを長くやっていると、そのジャンル内での情報認識が徹底しすぎる弊害があります。
随分昔、「TVチャンピオン・TVヒーロー王選手権」で優勝した特撮ライター、大石真司さんがこんな事を言っていました。

「鉛筆、消しゴムなど普通のものを認識するような感覚で、怪獣の名前を言える。」
あまりにもその世界に没入しすぎると、普通の人が「怪獣」としか認識できないものが、一体一体の固有名詞まで普通に記憶できると言うんですね。
これは私も同じなので納得できます。「キンゴジ」「バルガメ」なんて日常用語ですし。でもそれは、一般の人たちには分からない一種の「隠語」と捉えられるんですね。


「2号」の場合、サンダーバードを知る世代とそれ以外の世代に分かれるので、必ずしもマニア間の隠語とは言えないんですが、ある種「世代間の隠語」と捉える事も出来ます。
ブーム当時、私の周りでは「2号」と言えば「サンダーバード」を意味しました。ウルトラホークではなく。
それは決して悪い事とは思いません。むしろある種の共通認識として同世代、同じ趣味の人々を結ぶ連帯感にも通じるからです。

今日の出来事があった後、部屋に帰って持ち合わせのアイテムを見回しました。大したものもありませんが、それなりに好きなものを集めた部屋を見渡しながら、「キュウリ」に匹敵する超絶解釈が可能なものを探したんですね。

ところが、私の頭は彼女達を超える事はできませんでした(笑)。
やっぱり頭が固くなってますねー。確かに作品に惚れ、デザインに惚れて手に入れたアイテムばかりですから、最初から「そのもの」としか認識できない。発想が広がらないんですね。

そもそもの出発点が違うんでしょう。サンダーバードを知らない、ブームを経験していない彼女達にはあのメカニックに対しての知識や思い入れがない。だから「キュウリ」と発想できた訳ですね。決して彼女達には悪気はなかったと思います。
物を作る上で、こういうニュートラルな考え方は凄く重要なんですよね。


平成ガメラシリーズについて書かれたある評論にこんなものがありました。随分前に読んだので出典は失念しましたが、核心を突いたものだったのでよく覚えています。
「確かに完成度は高いが、なんとなく怪獣映画が好きな制作者が怪獣映画ファンの為に作ったもので、どこか制作者・ファンの間で【閉じた】作品の感覚がある。」

平成ガメラに心を奪われた私はまさにファンの側。一般客からはそう見えたのかもしれませんね。
「それのどこが悪いの?」と言うのは簡単ですが、「物作りに当たっての平衡感覚の難しさ」を再認識したのも事実です。

金子修介監督は、決してそういう発想で平成ガメラを作ったのではないと思いますが、作り手の思いというものはどうしても作品に出てしまうんですよね。怪獣映画というのはこうじゃないと、という固定観念がどこかにあったと。ただこれも両刃の剣で、「固定ターゲットだからより高次元でテーマが描ける」のも事実。
映画という商業作品として、その落とし所が難しい部分でもあります。


ただやはり作品作りにおいて、発想の自由度は広くありたいと思うわけです。
私も平成ガメラは大好きですし、あれを否定してしまったら「じゃー貴女にとって怪獣映画って何なの?」って事にもなりかねない。あれも一つの「正解」ですしね。


でも私は今日、2号をキュウリと言い放った彼女達のピュアな精神を大事にしたいと思ったのです。同じものでも見る角度によってまったく違う印象を持てる。
怪獣映画黎明期のクリエイター達だって、怪獣という前例のない分野をそんな風に切り開いていった筈じゃないかと。
先入観と固定観念の袋小路に入り、身動きが取れなくなった感がある現代の怪獣達からの、苦痛に満ちた叫び声が聞こえるのは私だけでしょうか。


Photo_739 ここ数ヶ月ほそぼそと考えている「G×G」のストーリーを、もう一度練り直そうと思っています。
やっぱり固定観念に捉われすぎていますねー。
「ガメラ」「ゴジラ」って所から考え直さないとダメかなー。
もともとメチャクチャなストーリーでしたが、さらに破天荒なものになりそうです。「キュウリ」の発想を取り入れた「G×G」。考えただけでもワクワクします。

最後に。
Photo_738 「Hobby off」を後にした私は、別のお店でこれを買い求めました。
これ、私が大好きな作品のキャラクターなんです。お分かりですよね。
正統派ファンからはやや引かれている作品。

この作品を「発想の飛躍」と見るか「冒涜」と見るか。
貴方はどちらですか?(笑)

にほんブログ村 その他趣味ブログ 特撮へ

« 閉ざした部屋に雨が降る | トップページ | ウルトラ風味 »

「怪獣おもちゃ」カテゴリの記事

「怪獣私見」カテゴリの記事

コメント

シャイニング・フィンガー、僕は好きですよ。
マンダラガンダムを見た時は、
「タイムボカン」の悪玉メカかと思ってしまいましたが・・・。

ジャリゴン様 コメントありがとうございました。
マンダラガンダム、大好きです!(爆笑)
あれをガンダムと呼んでしまえる懐の深さが、あの作品の大きな魅力でしょうね。マタドールガンダムを見た時は「ガイキング?」と思っちゃう程で(笑)。
ドラマの熱さもいいですね。大きな声を出したもん勝ち的な所が。
夏を先取りしたような、熱い、熱いシリーズでした(笑)。

 このあたりのGって(∀までは)守備範囲外なんですが。
風車ガンダムとか半魚人ガンダムにはぶったまげましたね。
 同級生の友人と、「どこまでがガンダムか?」「ガンダムはどうやったら定義できるのか?」について激論を戦わせた記憶があります。
 結論は「額にアンテナがあって、目が二つあればガンダム!」
 その後、前者は∀で、後者は「モノアイガンダム」で否決されました…

ガメラ医師様 コメントありがとうございました。
「ガンダムの定義論争」私もこの番組の放送当時、友人と頻繁に展開しました。結論は出ませんでしたが、結局「面白ければなんでもアリ」という事でうやむやに(笑)。
でも、さしもの「本家」ヒゲのモビルスーツもモノアイも、ネーデルガンダムやマーメイドガンダムの前では影が薄いですねー(笑)。
ある意味「出オチ」的なキャラクター達ですが、そんな思い切りが閉塞していたガンダム世界に新しい可能性を開いた、と言ったらまた怒られちゃいますか?(笑)

「ゴジラVSキングギドラ」当時、大森一樹監督が「ゴジラ映画はゴジラという素材を使って何を描けるかが命題」と語っていましたが、ガンダムにもそういう事が言えるんでしょうね。

こんばんは! オタクイーンさん。
キュウリとは恐れ入りました(笑)。
当時、みんなコンテナキットを集めてましたね。
一箱100円位?だったような気が・・・(記憶が曖昧です)
コンテナの中に入るぐらいの小さなメカ達・・・
なつかし~~~い (*^^*)

ポン太様 コメントありがとうございました。
今思い出しても口元が緩みます。
「キュウリ」という発想はなかったですね。さすがに(笑)。
昨日、46インチ画面で劇場版サンダーバードを観たのですが、大画面に飛ぶ2号の勇姿は、とてもキュウリとは思えません(笑)。
イマイのコンテナ、私も集めました。一個100円でしたね。
全部は揃えられませんでしたが・・・(涙)。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/104767/6233808

この記事へのトラックバック一覧です: 目からウロコの二人組:

» ガンダム関連の情報色々 [ガンプラ&フィギュア]
ガンダムシリーズの色々な情報を集めました。 フィギュアやガンプラの新作情報や他、 色々な情報をいち早く紹介していきます☆ [続きを読む]

« 閉ざした部屋に雨が降る | トップページ | ウルトラ風味 »