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2007年3月30日 (金)

’71年物の深いコク

もうすぐ夜明け。随分遅い時間の更新になってしまいました。
これには理由がありまして。

私、実は昨日から来月1日の日曜日まで連休なんです。
まーフリーの私にはこの言い方は正確ではなく、「お仕事を入れていない」というのが正しいんですが。
で、昨日からの四日間をどう過ごそうか考えていたのです。

せっかくの四連休。ここで普通の方なら旅行、レジャーなどを発想されると思うんですが、ご存知の通りオタクでおバカな私。
そんな健康的な過ごし方など思いもよらず。

先日、妹宅で甥たちとプラモデルを楽しんだ事から「工作部屋」を復活させた私。
丁度春休みの頃合です。せっかくですからちょっと子供の頃に戻ってこのプラモデル三昧を楽しもうと。
思いっきりレトロな四日間を過ごすことを決めたのでした。

今はその一日目が終わったところ。年度末でご多忙な読者の皆さんには申し訳ありませんが、今日は久々のプラモまみれなお話です。
小学生の頃に戻って、同級生の部屋を訪ねた感覚でお聞き下さい。

Photo_622 さて、今回私が「夢の四日間」を共にするべく選んだキットはこれ。「宇宙猿人ゴリ」の登場怪獣としてアオシマ文化教材社から発売された「化石怪獣ガレロン」です。
以前にもご紹介しましたがそれはキット状態でしたので、製作過程をお見せするのは初めてですね。

Photo_623 このキット、初版の発売は当然の事ながら「宇宙猿人ゴリ」放送当時の1971年。
この現物は1983年ごろの再版ですが、内容は初版と同じなので『70年代初頭』のブラモデルの味を充分堪能することができます。
なんとゼンマイで手を振り足を上げて歩行するというハイブリッドキット。ガンダムのディスプレイキットが逆立ちしても真似できない高性能です(笑)。
なぜ私がこのキットを選んだのか?
実は私、今までこのキットの完成品を見たことが無かったんです。


「宇宙猿人ゴリ」の怪獣プラモデルは、71年の放送当時この「ガレロン」を含む4種類が発売されました。(怪獣以外にはスペクトルマン、ゴリ、ラーの3種。ラインナップの合計は7種)
この怪獣シリーズはいずれも大変出来がよく、作りやすさも手伝って小学生の間では爆発的な売れ行きを誇っていたのです。友人たちも先を争ってそれぞれを作り倒していました。
ところが私の周りではなぜかこの「ガレロン」だけ、手をつける者が居なかったのでした。


後に「スペクトルマン」関係の文献で明らかになったのですが、この「ガレロン」という怪獣は、実際には「スペクトルマン」番組中に登場しなかった幻の怪獣だったんですね。
Photo_624 まあ業界でよくある「お蔵入り台本」の一本「コンビナート破壊計画」というエピソードに登場する怪獣だそうで、実際、一峰大二による「スペクトルマン」コミカライズで作品化されています。
(「冒険王」71年3月号掲載)。
当時「宇宙猿人ゴリ」という番組が掲げていたテーマ「公害」を体現した怪獣で、有機水銀を浴びた化石が怪獣化したという恐ろしい設定。
巨大な三本の角牙を備え、これを使って空けた穴に、口から直径3メートルもの水銀球(!)を吐き出して射ち込み、相手を撃破するという斬新かつストロングなファイト・スタイルを持ちます。


これが映像化されていたらさぞかし大迫力のエピソードになったことでしょうが、残念ながらメディアに載ったのは前述の「冒険王」のみ。(一峰氏の画力も手伝って、この一篇もすばらしい仕上がりではありましたが)
そんな経緯を持つこの「ガレロン」は、「宇宙猿人ゴリ」番組立ち上げ段階、図らずも現場の錯綜により「アオシマ文化教材オリジナル怪獣」の道を辿った悲劇の一頭だったのです。

でもビデオなんて影も形も無かった当時のメインターゲット・私達は、テレビ怪獣もコミックスのみの怪獣も分け隔てなく愛していました。
この「ガレロン」も他の怪獣同様「カッコイイ一頭」として見ていた記憶があります。誰も作らなかったのは、たまたま売っていなかった為とかそんな単純な理由によるものだった筈です。
当時をご存知の方は頷かれると思います。
あの頃、怪獣を好きになる基準は「カッコイイかどうか」。「円谷」「ピープロ」なんてブランド分けもしなければ、テレビ出演の有無で格付けをする事もなかったのです。

Photo_625 さて、そんな訳で「36年前を経た初挑戦」として箱を開けた私。このキットは83年ごろの再版ですが(しつこいですね)、それでも発売から四半世紀近くを経た「年代物」。
まずは心臓部のゼンマイボックスをチェックです。

これが奇跡的にまだ動く。やはりビニール袋に入っていたおかげでしょうか、空気にあまり触れない分ゼンマイ部分に錆がまったく見られません。

Photo_626 心臓部の健在に安心した私は久々に部品を点検しました。
「ガレロン」は映像化が叶わなかったものの、そのデザインは「帰ってきたウルトラマン」のステゴンを凶悪化したようななかなかの美形。
顔つきもこの通り精悍そのものです。

ある本に「尖った部品が多いので、今このキットは子供には与えられませんねー」みたいなコメントがありましたが、まあ確かにそうかもしれませんね。

Photo_627 いやーそれにしても、今のガンダムキットなどに比べてこの部品数はどうでしょう(笑)。
今の目で見れば実に他愛の無い、簡単な部品構成に見えますね。
ところがこの部品一つ見るだけでも、私はぐっと気が引き締まるのです。それはなぜか?
当時、これらの怪獣キットを組み立てたご経験がおありの方々は体でおぼえていらっしゃると思います。
「部品の合いが悪い」んです(爆笑)。


私は昨日、29日の朝からこのキットの製作に着手しました。
この手のキットは可動部分があるのに加え、口の中などは再現されず素抜けのまま。
今回は「改造せず、キットの味を堪能する」事をテーマに当たっていますので、別に口の中を工作する必要はないのですが、それでも可動によって見える胴体の中や素抜けの口の中、つまり「胴体部品の裏側」は無彩色にはしたくありません。
昔から「見えないところのおしゃれ」にこだわる性格で(笑)。

私の工作は、まず胴体の内側を彩色する事から始まるのです。と言っても暗めのガンメタルですが(笑)。

他にも手足の部品の「裏側」を塗っていきながらの組み立て。これが想像以上に時間がかかる。なにしろ色が乾かなければ次に進めないという(笑)。以前から仲間に「手が遅いな」と言われる理由は、私のこんな妙なこだわりのせいなのです。

さて、朝から塗りを施した部品も乾き、午後からやっと「接着」へ。
いよいよプラモデルらしい工程を迎えるわけですが、ここで前述の「緊張」が頭をもたげてきます。
「部品の合いが悪い」。これがまた完成への道のりを恐ろしく困難なものにするのでした。

Photo_628 これが、日付が変わる頃に終わった「今日の進行結果」。お恥ずかしい限りですが、一日格闘してここまでしか進みませんでした。
全然遅いでしょ(号泣)。

Photo_631 その理由をご覧下さい。さっき接着が終わった胴体の背びれ部分の接写ですが、よーく見ると背びれの張り合わせ部分が少しズレているのがご確認いただけますよね。
これが昔のプラモデルの味なんですよ(笑)。

アオシマに限らず、この頃のキットはどこのメーカーも「部品がピッタリ合う」なんて事はまずありませんでした。それでもまだロボットなどのメカモデルはましな方。部品の合いが最も悪いのがこの「怪獣キット」なのでした。やはり当時、部品の金型やキット成型機「インジェクションマシン」の精度にも限界があったのでしょうね。
当時の子供達はこの「合いの悪さ」と格闘しながら完成を目指していたのです。


部品の接着一つにも非常に気を使います。
「どう張り合わせれば最もズレを少なく、その後の成形処理を簡単にできるか」が常に頭にあるのです。スナップキットに慣れた今の子供達には考えられないでしょうね。「合わないのが当たり前」のキットなんて(笑)。

でも私などはこういうキットじゃないと作る気がしない。「メーカーと対峙している」感じがするんですね。
担当者の「ここまでが我々の限界ですから、後は貴方がフォローしてね」という語りかけが聞こえるんですよ。「大丈夫。何とかしますから。」なんて、キットを通じてメーカーとやり取りしている感覚。
この頃のキットにはコンピュータなど使わずに設計している「メーカーの温かみ」が感じられるんですね。


部品の裏塗り、接着、そして一部の成形。36年前のプラモデルをまともに組み上げようとすれば、当然これだけの工程が必要になります。
私の手が遅いのは勿論ですが、初日の結果がこの程度なのは「36年前のコク」を味わっているからでもあるのです。

Photo_630 ようやく一日目も終了。次は、これらパテ打ちした部品の成形です。このペースで行けば、おそらく完成までにはこの4日間を全て費やす事でしょう。でもそれはそれでいいような気がします。

久しぶりに「手が喜んでいる」んですよ。

まーブランクも長いですから決して満足行く出来にはならないでしょうが、それはそれでいいリハビリになると思います。
やっぱり物を作るのは楽しいですね。

次の悩みはカラーリング。
さて、どんなテイストにしようかな(笑)。

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コメント

プラモ、はかどってますか?
僕は1度始めると、完成まで時間が
かかるんです。
その割りに完成すると
ホコリまみれの放ったらかし。
作っている間が楽しいようです。

ジャリゴン様 コメントありがとうございました。
実は私もジャリゴンさんと同じで、制作ペースも数年に一度なら手も異常に遅いんです。今もやっと胴体の下地色を決めたところで(笑)。
このガレロンという怪獣は画面に登場していないので色のイメージが掴みにくく、悩んだ末結局自分の独断色で塗る事にしてしまいました。でもおっしゃる通り、こういう試行錯誤の間が楽しいんでしょうね。
久しぶりの「動力怪獣制作」の一時をもう少し堪能したいと思います。

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