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2007年2月10日 (土)

哀しき電獣

「ほらーやっぱりー。」
「ネヴュラ」画面の右下、「ココログからのお知らせ」を見た私は、大声で独り言を発してしまいました。

ここ数日、ココログ管理画面へのアクセスが恐ろしく重くなっていたのです。
クリック後普段なら1~2秒で現れる管理画面が、なんと2分も3分も現れない。ひどい時にはエラーが出てしまう。
パソコン壊れちゃったの?これじゃ記事が書けないよー。

「買う時値切ったんでしょ」なんて、野村浩三さんにからかわれても仕方ないと諦めていたんです。なにしろこんな時はお手上げ状態。
どう手をつけていいかまったくわからなくて。
メールでココログに問い合わせても、「特に問題ありません」という返事だったんです。

結局ココログ側の問題だったようで、コメントスパム、トラックバックスパムによる高負荷が原因との事でした。
あーよかった。とりあえずパソコンの故障じゃなかったと胸を撫で下ろした次第で。


今回の一件に限らず、機械の故障や予期せぬ不調が引き起こす不安感、恐怖感は計り知れない物がありますねー。
機械。その冷酷な響きと金属の硬質感。
そんな今日は、「鋼鉄の体躯=ロボット怪獣」についてちょっと、お話してみようかと。

再度パソコンが不調にならない内に(笑)。

Photo_500 私などが「ロボット怪獣」などと聞いて思い出すのは、まず何と言っても「地球防衛軍」(1957年東宝 本多猪四郎監督)に登場した「モゲラ」でしょうか。
地球侵略を画策する遊星人ミステリアンの尖兵として突如現れ、人々を恐怖に陥れる巨大な影。生物と一線を画す不気味さを演出するあの作動音。
生命の温かさを廃したブルーの瞳が輝く時、町は炎に包まれるのでした。

あれはゴジラなどとはまた違った怖さがありましたねー。
あの恐怖感は「宇宙戦争」(2005年アメリカ スティーブン・スピルバーグ監督)に登場したトライポッドに通じるものがありました。

何故、モゲラが怖いのか。
やっぱりそれは感情を持たず、命令遂行の為には手段を選ばない非情さを感じるからではないかと思うのです。

無敵と称するゴジラなど怪獣だって、やはりそこは生命を持つ生き物。感情もあれば肉体的ダメージを受ける事もあるでしょう。
初作「ゴジラ」でオキシジェン・デストロイヤーに屈した訳ですし。
生きている以上、どこかで終焉を迎えなければならないという儚さを宿しているわけですよね。

ところがロボットにはそれが感じられない。
「生命が導き出す感情の起伏や、肉体の躍動」がない訳です。
これがとてつもなく不気味なんですね。


例えば怪獣などでも、「瞳」を見ればなんとなく「こいつはこんな事を考えてるな。だったらこうしよう」なんてこちらだって対処の心構え(笑)が出来そうな訳ですよ。同じ生命体同士、意思の疎通ができそうな気がする。
でもロボット怪獣にはほぼ、「黒目が無い」。
意識的に感情移入をさせないよう、デザインされているんです。

(ここで「GMK」の「白目のゴジラ」を思い出した貴方、お分かりでしょう。あの白目がどれほど怖かったか。あのゴジラはこの理屈で作られているんですよ。)

受けたダメージを「部品交換」で済ませてしまえる所も恐ろしいですよね。一体倒しても代わりがいくらでも居るという。ただ任務遂行の為だけにプログラミングされた、意思を持たない存在。
生物としての怪獣を「荒ぶる神」と表現するなら、ロボット怪獣は「氷の刺客」とでも言えそうな気がします。


東宝特撮映画で言えば、モゲラに続いて印象的なのは「電子怪獣・メカニコング」でしょうね。
「キングコングの逆襲」(1967年 本多猪四郎監督)に登場した、「ロボット版キングコング」でした。

このメカニコングもロボット怪獣として充分な不気味さを誇っていましたよね。これも特徴的な作動音が印象に残ります。
ところがこのメカニコング、ちょっと出目が違う。
純然たる「汎用猿型決戦兵器」ではないんですね。

悪の科学者、ドクター・フーにより作られたメカニコングは、南極で貴重な鉱物「エレメントX」を掘削する為に製作された「重機」でもある訳です。これが主目的だから若干戦闘能力に欠ける。
キングコングとの東京タワー戦(まさに頂上決戦ですね)に敗れ、地上に激突してバラバラ、という最期はちょっといただけませんでした。

Photo_501 メカニコングと来ればもうお分かりと思います。日本の特撮映画史上、おそらく最高の知名度と強さを持つであろうキャラクターがこれ。「ゴジラ対メカゴジラ」(1974年 福田純監督)で華々しくそのデビューを飾った機械製ゴジラ「メカゴジラ」です。
この登場は非常にインパクトがありました。
初代メカゴジラについては「この時代、正義の味方になってしまったゴジラに対するアンチテーゼ」なんてよく言われますね。
ゴジラの皮を破って登場する銀色の表皮。輝くばかりの存在感。この作品でメカゴジラは、主役のゴジラを完全に食ってしまう魅力を放っていました。


公開当時劇場で「ゴジラ対メカゴジラ」を観た私。後年言われる程の感動は持たなかったものの、仲間の熱狂ぶりを見るうちに「これはゴジラ映画の新鉱脈か?」なんて妙な感触を持ったものです。
思えばヒネた子供だったんですね(笑)。

初代メカゴジラは、ロボット怪獣の魅力を全て備えていました。
移動要塞のごとき動く武器庫。生命体同士の意思の疎通をあざ笑うかのごとき攻撃。
敵が絶命するまで一切容赦しないその非情さ。
まさに「非生命体の長所を最大限に体現した」キャラクターでしょう。

以前「ネヴュラ」でもお話しましたが、メカゴジラがゴジラとキングシーサーを左右に捉え、首を反転させてビームとミサイルで同時に2体を倒す場面。シネスコ画面の利点を最大限に利用したあの名場面が、メカゴジラの魅力を最も表していたのではないでしょうか。
いかにゴジラが無敵でも、「首を反転させて放射能を吐く」事は絶対に出来ない。
生物の常識を軽々と覆す非生命体の強さ、恐ろしさが、あのワンカットに凝縮されているのでは。


このメカゴジラというキャラクターはよほど高い人気を獲得したようで、後年色々とリニューアルされてゴジラ映画に登場しましたね。

Photo_502 まあ機械なので、他のレギュラー怪獣よりも新しい設定を作りやすかった事もあるでしょう。でも私は「機械の恐ろしさ」という点で、この初代メカゴジラを超えるキャラクターは登場していないと思います。
例えば「ゴジラVSキングギドラ」(1991年 大森一樹監督)に登場したメカキングギドラ。また「ゴジラVSメカゴジラ」(1993年 大河原孝夫監督)のメカゴジラ。そして「ゴジラVSスペースゴジラ」(1994年 山下賢章監督)のMOGERAなどが、初代メカゴジラを凌駕する存在感を持っていたでしょうか。


Photo_503 これもいつもの私見なのでお許し頂きたいんですが、これらが魅力的に映らなかった理由はとりも直さず「人間が搭乗し、操縦する」という所だと思っちゃうんですよね。
確かに見た目は「ロボット」「メカ」なんですが、その実動かしているのは人間という。
これでゴジラと対峙する図式はやっぱり「生物対生物」なんですよ。普通の怪獣映画(これも変な言い方ですが(笑)と何ら変わらない訳です。
人間側が巨大化してるたけ、みたいな物ですから。


生物同士ですからいわゆる「戦いの呼吸」も感じられるし、特に人間側には非情になりきれない弱さが露呈してしまったり。
まあ平成ゴジラはファミリープログラムですから、「命のやりとり感」を意識的に希薄にしているせいもあるでしょうが、どんなに搭乗者が気勢を上げても「機械ゆえの、冷たい恐ろしさ」は表現できなかったような気がします。
言わば平成ゴジラのロボット怪獣は、モビルスーツやアーマード・トルーパーに近い存在なんでしょうね。


Photo_504 「あの、昭和メカゴジラの非情さを再び」と思っていた私が期待したのが「ゴシラ×メカゴジラ」(2002年 手塚昌明監督)。
この作品に登場した「機龍」は、人類側の兵器でありながら初代ゴジラの骨を用い、そのDNAを活かしたハイブリッド・ゴジラ。

「ゴジラ版エヴァンゲリオン」という訳です。言わば生体兵器に近いんじゃ、と解釈しまして。
「暴走」というストーリーも耳に挟みましたから、その妄想は膨らむばかり。
でもその結果は皆さん周知の通りでした(笑)。

惜しかったとは思います。当時、雑誌「宇宙船」にも似た感想が載っていましたが、やっぱり暴走状態があれだけ、というのはもったいないと。
釈由美子操る「決戦兵器・機龍」が、非情な「ロボット怪獣」になる瞬間を観られると思ったのに。人間が持つ手綱から解き放たれた非生物の恐ろしさが描かれれば、この作品はまさに「新世紀メカゴジラ」になるのでは、なんてあらぬ期待を持ってしまったゆえの落胆でした。けっして機龍も嫌いではないんですが、続編「東京SOS」も含め、「彼」はちょっと大人しすぎますよね。
やっぱり初代ゴジラの影をひきずっているせいでしょうか?


機械なんだから、人間が想像もつかない恐ろしさを持って欲しかったと。
「エイリアン」(1979年アメリカ リドリー・スコット監督)で、私達に機械人間の恐ろしさを存分に見せつけたあの「アッシュ」のように。


Photo_505 でも考えてみると、ロボット怪獣って哀しい存在ですよね。人間の感情移入を拒むほど魅力は増しますが、その分人間から見た「同情心」は薄れていく。
ゴジラに対するような感情はメカゴジラには湧かないですもんね。でも、そんな相反する感情を抱かせる「一機」の登場を期待するのも事実。
魅惑の「氷の刺客」に出会いたいものです。


おっと。パソコンもどうやら持ちこたえたようですね。
うちの「一機」は大人しくしていてね(笑)。

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コメント

昭和モゲラや昭和メカゴジラの
素晴しい所は、
本当に重そう(正に機械の様)に見える
デザインや演出。

首がもげても戦い続ける昭和「メカゴジラ」。
首だけになってもしゃべり続ける「アッシュ」。
首が無くてもジオングを仕留める「ガンダム」
(これは違うか)。
これらはクールな無機質キャラに与えられた
特権ですよね。
それを逆手に取ったのが
「実写版ジャイアントロボ」や「大鉄人17」、
マニアックな所では
走れ!ケー100の「K-100」、
新・必殺仕置人の「死神」の末路ですかね。
(死神は人じゃん)

こんにちは!
楽しく読ませて頂きました。
「モゲラ」っていう名前だったんですね!知りませんでした。

さて、ここには出てきませんでしたが、オタクイーンさんの言う「氷の刺客」に一番ピッタリくるのは、初代「ターミネーター」でしょうか?
あれは本当に恐かった!
インプットされた目標に対して、電源が止まるまで、どんな形になろうと、とにかく動き続けるんですから…
怪獣じゃありませんけど…m(__)m
ま、アッシュも出てきたんで、まんざらNGでもないでしょ(笑)。

ジャリゴン様 コメントありがとうございました。
実は今回のお話にはまだまだ続きがあったのです。
あまりに長くなってもと思い割愛したのでしたが、それがジャリゴンさんに頂いたコメントそのものだったという訳で。
いやーさすが。感服しました。(ジャイアントロボの写真まで用意していたんですよ(笑)。
見事にまとめて頂きましたね。すばらしい!
さすがに「死神」までは頭が回りませんでしたが。
でもあの「ギリヤーク仮面」はロボットっぽかったですよね(笑)。

ポン太様 コメントありがとうございました。
そうでした。御大「ターミネーター」をすっかり忘れていました。
相変わらずおバカな私です。

「T1」から「T3」まで、すべて公開当時劇場で観ました。
いずれもシュワルツェネッガーという、表情作りの苦手なキャラクターを活かした演出が見事でしたね。
ても何と言っても殺人機械として際立った存在感を見せたのは、おっしゃる通り「T1」でしたよね。「T2」「T3」になると感情めいたものが見えてきて、ちょっと冷徹さに欠けるような気も・・・

「つららが融ければ春だけど、その切っ先は丸くなる」
なんて所でしょうか(笑)。

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宇宙人の戦略兵器だった昭和版メカゴジラとは異なり、『ゴジラVSメカゴジラ』のメカゴジラは、対ゴジラ対策チーム・Gフォースのゴジラ討伐用戦闘マシン。本作はタイトル通りゴジラとメカゴジラの激烈な戦いを真正面から描いた作品で、さらにベビーゴジラ、ラドンなどの怪獣が絡む“VSシリーズ”の一作。 特筆すべきは18年ぶりに銀幕に復帰したメカゴジラの、前作を上回るその秀逸なデザインだ。重量感あふれるボディから川北紘一特技監督十八番の華麗な光線が放たれ、伊福部昭による音楽が一体化するその映像から... [続きを読む]

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