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2007年2月 3日 (土)

虹色の希望

ついにやっと。
この「恋するネヴュラ」、今回で200回目の記事を書くことができました。

いやーまさか、ここまで続ける事ができるなんて。
なにしろ始めた頃なんて右も左もわからない手探り状態でしたから、ブログという物の感触さえ分からず。ただ闇雲に書き飛ばして来た感じがします。
これは本当に、普段覗いて下さる皆さんのおがけです。
感謝いたします。


さて、200回の節目となる今回は、ひょっとして皆さんが疑問に思われている(かもしれない)このブログタイトル「恋するネヴュラ」の由来についてお話したいと思います。
一部の方々にはご質問などもありましたので、今回の記事でご納得いただければありがたいのですが・・・
実はこの200回というもの、お話したくてしょうがなかったんですよ(笑)。

Photo_473 「ネヴュラ」。「星雲」という意味を持つこの妙なタイトルの由来は、読者の皆さんのお察しの通り、1971年放送の特撮ヒーロードラマ「宇宙猿人ゴリ」に登場するあの「ネヴュラ」です。
未見の方の為に番組内容を少しご説明しましょう。

この番組は円谷プロ、東映と並び当時のヒーロー番組を数多く排出してきた独立プロダクション「ピープロダクション」制作のヒーロー番組。当初のタイトルロール、「宇宙猿人ゴリ」と宇宙サイポーグ「スペクトルマン」の戦いを描いた全63話のドラマです。回を追うに従って番組タイトルが「宇宙猿人ゴリ」「宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン」「スペクトルマン」と変わって行った為、一般の方々の認識が少し散漫になってしまったきらいもあると思います。
要は「ヒーロー名が番組タイトルじゃない時があったから、憶えていない」という物ですね。

Photo_474 確かにこの番組、開始当初は「ゴリ」という猿人が主役でした。
このゴリという男、地球からいて座の方向へ4万光年の彼方に位置するガイシテス太陽系の第5惑星「E惑星」なる猿人の星出身の科学者。宇宙で最高度の文明を持つこのE惑星で、彼は超電子科学の研究を手掛けていました。しかし彼は突然変異的な独裁者でもあったのです。
軍と結託して超兵器を開発、惑星独占を画策するも、自動防犯組織に指摘され法廷によって精神改造刑を言い渡されてしまいます。
しかし彼は屈しませんでした。腹心の軍人ラーと一緒にE惑星を脱走。宇宙の放浪者となったのでした・・・

1971年当時、これだけ詳細な設定を持つ敵役キャラクターが居たでしょうか。
このしっかりした設定あればこそ、彼は悪役キャラクターながら番組のタイトルロールを冠する事ができたのです


Photo_475 円盤一機で宇宙に飛び出した彼らは磁気嵐に見舞われます。気がついたとき円盤は太陽系第三惑星、そう私達の「地球」上空を飛んでいました。
ゴリは言います。「まるで宇宙の宝石ではないか。」

ところがその星に生きる人間達の行いを見た途端、ゴリの怒りは頂点に。
当然です。1971年当時の日本は公害問題の真っ最中。高度成長の名の下に、あらゆる自然が工業廃棄物などで大きく荒らされていた頃だったのです。
「人間はこの美しい星地球を、自らの欲望の為にドロのように汚している。許せん!
たとえどんなに高い文明を作り出したとしても、この美しい星を汚し、腐らせてしまう人間どもを許す事はできない。」


ピープロの社長、鷺巣富雄さんの考えが投影されたこのゴリの主張。実は誰も否定できなかったのでは?この視点が凡百のヒーロー番組と「宇宙猿人ゴリ」との大きな違いなのです。
「悪の主張の方が正しい。」
こんな番組、他にあったでしょうか?


Photo_476 Photo_477 しかし、彼の主張は彼自身の独裁者的性格によって捻じ曲がった方向に。
「自分が独裁者として君臨しなければ、地球は滅ぶ」とばかりに、当時人々にとって大きな問題であった「公害」をモチーフにした怪獣を大挙して、人間を襲ったのです。

考えの根本は正しいのに手段を間違える。
思えばゴリも悲しい存在だったのかもしれませんね。


Photo_478 宇宙の秩序は、こんなゴリの暴挙を見逃しませんでした。
ネヴュラ71。宇宙連合所属の人工二重惑星。未開発遊星を保護、かつ警備する任務を持つこの存在はゴリに対し、一人のエージェントを地球に派遣したのです。

超電子頭脳により強化されサイボーグマンとなったネヴュラ遊星人、スペクトルマン!
彼はゴリの侵略、破壊行動をいち早く察知し、地球人に与える被害を最小限に防ぐべく、怪獣たちと戦闘を繰り広げるのでした。

Photo_479 ・・・とまあ、ご存知の方も多いと思いますが、これがこの番組の大まかな骨子です。
当初はゴリを主役に据えた感のあるエピソードも多かったのですが、やがてヒーロー、スペクトルマンへのスポット比率が高くなり、番組タイトルも「対スペクトルマン」そして「スペクトルマン」と変わっていきました。

Photo_480 本放送当時物心ついたばかりの年頃だった私は、ゴリの独裁者的思想や、人間が生み出した公害が形を変えた「公害怪獣」という皮肉などには気がつかず、スペクトルマンと怪獣たちが織り成す大迫力の戦闘に心を奪われていました。
後年いろいろな文献で、「ゴリと部下ラーの掛け合いが漫才」とか「スペクトルマンとネヴュラ71の関係は上司と部下。スペクトルマンに単身赴任の公務員の悲哀」などの言葉をよく見かけますが、それは大人の視点ですよね。
子供の視点で考えればこのスペクトルマン、やっぱり派手なアクションと大破壊に彩られた「怪獣映画」なんですよ。

「ネヴュラ」という言葉への思い入れにたどり着くまでには、もう少しお話しなければなりません。
この手のエピソードは、有名人の思い出などにしばしば登場するのであまり珍しくもないんですが、実は「宇宙猿人ゴリ」が放送されていた頃、私の身辺ではちょっと辛い出来事がありまして。
母が持病の糖尿病で入院していたんです。

Photo_481 1971年頃と言えば週休二日制など影も形も無かった頃。「ゴリ」が放送されていた毎週土曜日午後7時と言えばまだ父親は仕事中で、預けられるように母の病院に居た私はいつも病院の待合室(ロビーなんてとても言えない質素な場所でした)で「ゴリ」を見ていた記憶があります。
スペクトルマンは寂しかった私を勇気づけてくれたヒーローだったんです。

Photo_482 当時の私にとって、怪獣を必殺技「スペクトルフラッシュ」一撃で粉砕するスペクトルマンはまさに無敵のヒーロー。後年言われる「弱さ」などは微塵も感じさせませんでした。
今でも私の中では初代ウルトラマン以上の存在感があるのです。「スペクトルフラッシュはスペシウム光線よりも威力が上」という(笑)。
そして彼は、なにより優しさがありました。
数年前に発売されたDVDBOXを予約買いし、再見を果たした私は、当時のその考えが間違っていない事に気づかされたものです。

Photo_486 スペクトルマンは地球では「蒲生譲二」という名前(後年、ビッグバンを提唱した物理学者、ジョージ・ガモフをもじったなんて初めて知って、そのハードな出目にビックリしましたが)の日本人に姿を変え、公害調査局第八分室「公害Gメン」の一員となっています。
日本中の公害を調査し、対処方法を検討する公害Gメンである彼は、当然の事ながら公害の被害にあった人々の叫びを聞く立場でもあります。

Photo_483 第2話「公害怪獣ヘドロンを倒せ!」に、こんな一場面がありました。
ゴリが送り出した公害怪獣ヘドロンに父親を殺害された少年みのる君は、Gメン室長、倉田にこう詰め寄ります。ヘドロさえなければ怪獣は生まれなかったのに!
「おじさん!どうして大人は、あんなに臭くて汚いものを放ったらかしにしといたんだよ!」
ヘドロによって生まれた怪獣ヘドロン。その元凶は人間である事を小さな心で訴えかけているのです。詰め寄られた倉田室長は言葉に詰まってしまいます。

傍らでそのやりとりを聞く譲二の、苦渋に満ちた顔!

後のシーンで同じような質問をみのる君にされた時、譲二はこう答えます。
「悲しい事に大人達は、綺麗なものと汚いものの区別が付かなくなって来てるのさ。」
譲二は、大人でもなくネヴュラ遊星人でもない、まぎれもなくみのる君と同じ、子供の視点に立っていたのではないでしょうか。
この譲二=スペクトルマンは、こういう「弱い人間の立場に立った言動」が実に多い。彼は初代ウルトラマンのように超然としたヒーローではなく、むしろ「弱者の代表」のような考えを持っているのです。
地球をゴリの魔手から守るヒーローとしては、視点がミクロすぎるのかもしれません。

幼かった私には、この譲二の存在がとても身近に見えました。
土曜7時。私はいつもブラウン管から「お母さんを励ましてがんばれよ」というスペクトルマンからのエールを受け取っていたのです。


Photo_484 蒲生譲二は、母星であるネヴュラ71に変身許可を求め、許可が下りなければスペクトルマンに変身できません。それもネヴュラを肉眼で確認できなければ変身不可なのです。
これは作劇上、サスペンスを作る為の措置と思いますが、放送当時の私は違った印象を持ちました。
「ネヴュラは譲二が人間の姿で努力した結果見える、ヒーローへのパスポート。」

自分が頑張らないと「ネヴュラ」は見えないんだ。なんて。
子供にしてはちょっとおませな考えですが(笑)。


Photo_485 ここに、ブログタイトル「恋するネヴュラ」のいわれがあります。お恥ずかしいお話ですが。
「ネヴュラ」という存在は、私にとって今でも「自分を映す鏡」なんですよ(笑)。

いつも見上げる空に輝く「ネヴュラ」も、お仕事や私事でつらい時などは霞んで見えない事があります。
そんな時は「努力が足りないんだな」なんて反省したりして。
自分が納得できたお仕事ができた時、ふと見上げる空に「ネヴュラ」は輝いているんです。


いつもネヴュラを見られるように。ネヴュラに恋していたい。
おバカな私がブログタイトルに込めたささやかな思い。
言わばスペクトルマンにちなんだ「虹色の希望」なんです。


たとえ世間の評価がどんなものでも、「宇宙猿人ゴリ」という作品、スペクトルマンという存在は、私にとってそれくらい大きな物です。
大のウルトラファンは「M78星雲・ウルトラの星が見える」と言いますが、私の「ネヴュラ」もそれに近い感覚なんでしょうね。

「ゴリ」を始め、ピープロダクション制作の作品はその多くがB級扱いされる事が多いです。ある種マイナーな作品群ですよね。そりゃどうしたってウルトラやライダーには叶わない。でも私はそのマイナー加減が、実に作風に合っていて好きなのです。
あの優しい「隣のお兄ちゃん、蒲生譲二」が有名になったら、どこか遠い存在になっちゃいますからね。


今日はいつも以上にお話が長くなってしまいました。ごめんなさい。
大したいわれでもないんですが、人それぞれ思い出に残る作品ってあるもので。
ついに「ネヴュラ」でピープロ作品が解禁。
さあこうなると止まりません。これから「スペクトルマン」についてのお話も増えると思います。未見の方はお分かりにならないかも知れませんがお許し下さい(笑)。

「ネヴュラ」はこれからもまだまだ続きます。
つたないお話ばかりですが、呆れずによろしくお願い致します。

【追記】
いつも仲良くしていただいているポン太さんから、またしてもとても嬉しいお祝いTBを頂きました。
この場を借りてお礼申し上げます。
思えば私は、ブログを通じて沢山のスペクトルマンに見守られているんですね。
本当にありがとうございました。

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コメント

オタクイーンさん。TBとコメントありがとうございました。
こちらからもTBをさせて頂きます。
それと、200回目の記事との事。おめでとうございます。
これからも素晴らしく、且つ内容の濃い記事を楽しみにさせて頂きます。

200回おめでとうございます。
ブログタイトルに込められた意味に
素晴しい思いがあったんですね。

かつて僕の家には
「スペクトルマン」の飛行状態を模した
「ジョウロ」がありまして、
(指先から水が出ると云う代物です)、
記憶では、それが最初に家にあった
「おもちゃ」でした。
「進め進め進め~スペクトルマン~」と
唄いながら庭に水をバラ巻いたものです・・・。
(宇宙猿人ゴリ版の主題歌は当時知らなかったので)

確かに「ピープロ」作品はB級ヒーロー物として
扱われるし、多分事実です。
しかし、ウルトラやライダーには出来ない
「チャレンジ精神」がピープロ・ヒーロー達には
あると思うし、きっと僕もオタクイーンさん同様、
あのマイナー加減が心地いいと思っている一人なんです。
だって、「本郷猛」や「モロボシ・ダン」も
子供の頃に一種の憧れを抱いていたけど、
もっと「カッコイイ」と思ってたのは、
電人ザボーガーの「大門豊」ですもん。

「いつもネヴュラを見られるように、頑張る」か・・・素敵ですね~!
なるほどね、、謎 説けました。(*^^*)

それにしても 宇宙猿人ゴリ and スペクトルマン の数々のグッズ、私も懐かしく拝見させて頂きました。
子供の頃夢中で見た番組。レコードも持ってました。

「ネヴュラ」200回目の記事、おめでとうございます。
これからは、スペクトルマンだけじゃなく、ミラーマンやシルバー仮面、レインボーマンなんかのお話(ピープロ作品じゃありませんが)も、オタクイーンさんから聞いてみたいものです。

メルシー伯様 ようこそいらっしゃいました。
200回を迎えながらも、記事の内容は行き当たりばったりという
情けないブログです(涙)。
ただひとつの思い入れだけで日々勝手な事を綴っております。
貴ブログほどの守備範囲も、解析能力もありませんが、お互い好きな作品を語り合って行ければ楽しいですね。
これからもよろしくお願い致します。

ジャリゴン様 コメントありがとうございました。
お祝いのお言葉、感謝いたします。

「ネヴュラ」に込められた意味はこんな所で・・・
子供時代の思いがそのまま投影されておりまして、お恥ずかしい限りです。自分の感性が一番むき出しになっていた頃に受けた影響って、一生離れないものですよね。

スペクトルマンをはじめ、ピープロ作品は私にとって特別な思いがあります。「電人ザボーガー」もそのひとつ。
今使っているミニバイクを好きな形に改造できるとしたら、私が望むのはサイクロンではなく、「マシーンザボーガー」だったりしますから(笑)。
「チェンジ!ザボーガー」と叫ぶ大門豊の、あのインカム付きのヘルメットも憧れましたねー。「ザボーガー」放送当時、私は空手を習っていたので、「飛竜三段蹴り」もよく真似しました。
あれ、空手の受けの構えが流用されているんですよ(笑)。

こんな風に、語りだしたらきりがないピープロ作品。また記事にアップする事もあるかと思います。
ジャリゴンさんの鋭い解析コメント、またお待ちしています。

ポン太様 コメントありがとうございます。
ポン太さんとのお約束通り、記事200回目にしてようやく「ネヴュラ」の由来をお話する事ができました。
こんな風に、自分の思いをネットのお仲間にお話できるなんて、実に幸せと思います。
きっと今、空を仰げば「ネヴュラ」は輝いている事でしょう(笑)。

「ミラーマン」「シルバー仮面」「レインボーマン」・・・
これらの作品は私にとってもはや血であり肉(笑)。ただ思い入れがありすぎてとても「大人の目」で語れないのが弱点と言えば弱点で(涙)。でもそんな風に優しい目で作品を語れる特権は、ポン太さんをはじめ、彼らをリアルタイムで応援できた私達だけに与えられた「心のウルトラアイ」ゆえなのかもしれませんね(笑)。
これからもよろしくお願い致します。

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