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2007年1月24日 (水)

路地裏美術館

こんな物が見つかりまして。
Photo_450 どうですか、このそうそうたるメンバー。東宝、円谷の人気怪獣が大活躍(ゴルゴスはどうか、というお話はさておき)画面の片隅には違う世界のお友達までが参戦、子供の夢をそのまま具現化したような(笑)一場面です。

Photo_451 このイラストは有名な怪獣図鑑のものを流用した、今で言うポストカード。
ほら、裏にはちゃんと宛名欄があります。
モグネスな切手スペースにある「七円切手をはる」という一文が時代を感じさせますねえ。

こういうハガキは、昔よく駄菓子屋さんなんかで売っていました。
考えてみれば、こういうハガキを使って便りを出した事など一度もありませんでしたね。まあ当時流行った怪獣ブロマイドの一種とでも考えていたんでしょう。

1971年に流行った「仮面ライダーカード」に先駆ける事数年。カルビーがテレビであのスナックのCMを放送するはるか昔から、私達子供の間ではプラモデルやチープトイと同じ比重で「紙モノ」と呼ばれる一連のおもちゃが流行していました。
その多くはテレビで放送されていたウルトラシリーズなどの一場面を紙焼きした、迫力あるブロマイドでしたね。
今もマニアの間で珍重されている「5円プロマイド」という代物です。
今で言う「トレーディングカード」のような物ですね。袋入りで中身が分からないところが、子供達の購買心を煽った心憎いアイテムでした。

私も当時よく集めましたが、後に書かれている色々な研究文にもある通りこのブロマイドはその全貌が非常につかみ辛く、正直集めても集めても集め切れないあせりが付きまとっていました。専用のアルバムなんて気の利いたものもなかったので、ただトランプのように重ねて保存していたものです。
当初はこのブロマイドもテレビで見たメジャーなヒーローや怪獣ばかりでしたが、そこには商業原理が付きまとい(笑)。加熱するブームに合わせて、なにやら怪しい怪獣や怪人、ヒーローが山のように量産され、版権逃れの「加筆」や、写真とはとても言えない「イラスト」に姿を変えて、駄菓子屋さんの片隅で怪しい輝きを放っていたのでした。

実はこの頃メインターゲットだった私達もこのまがい物ブロマイドの存在は察知していて、正統派ブロマイドとの住み分けを行っていたのです。「これは偽者でから買わない」なんて。
ところが好事魔多し!(笑)メジャーな「ウルトラ」や「ゴジラ・ガメラ」などは早々に売り切れちゃうわけですよ。
で、どうしてもそっちに手を出さざるを得ない状況になるわけで。

この頃の空気は1980年代初頭の「ガンプラブーム」に非常に似ていましたね。バンダイのガンダム、ザクが店頭では品切れで、仕方なく売れ残りの「アニメージ」や「モビルフォース・ガンガル」に手を出す心理と同じでした。
それにしたってこれらブロマイドの出来はお世辞にもいいものではなく。
なにしろオリジナルの怪獣に露骨に作画してるから違和感もまあ大したもので。ひどいものでは実景の写真に怪獣だけセル画まがいの「絵」という、TV版「バンパイヤ」みたいな出来の物もあったのでした。冒頭のハガキなどまだ出来がいい方だったのです。


しかしながらこの「まがい物ブロマイド」、東宝や円谷の図版がムック本などで手軽に見られる今の時代にはかえって貴重なものになりつつあります。まあとりたてて騒ぐ事もないんですが、今見てみるとそれなりに時代の空気を感じるものが多いですねー。

Photo_452 こんなお話をするのも、先日オタクショップで見つけたこの本の影響なのです。
この本にはあえてオリジナルを載せない(載せられない?)まがい物怪獣のブロマイドを中心に置こうとする編集者の酔狂な心意気がありまして。少し前の本ですからお持ちの方も多いのでは?
でも私、これを見て久しぶりに旧友に会った気分(笑)。

Photo_453 例えば円谷や大映の人気怪獣だって、ちょっと角を生やしたりデザインをいじっただけでまったく素性の異なる「別人」になっちゃうんですねー。この豪気さ!(爆笑)。
メガネをかけただけでスーパーマンとは分からないクラーク・ケントの芸風を踏襲した、見事な存在感です。


Photo_454 ネーミングのセンスも常人を超えたものがあると思いませんか?古今東西、大体の怪獣にはそれなりに名前の由来などがあるものですが、これらの名前の素性はどうひねっても推測できない。私もそれなりにやってみたんですよ。逆読みしたり一個飛ばしにしたり。
「レッカカトリス」って何語なんでしょうか(笑)。

Photo_455 でもこれはこれで実に駄菓子屋にマッチするキャラクターですねー。私も当時、この内のいくつかを掴まされた事があります。こういうのって子供心に「負け」なんですよね。だからコレクションの一番下に重ねて置いたりして。
束の一番上はやっぱりウルトラマンで(笑)。

Photo_456 Photo_457 ヒーロー達もこれまた個性溢れる方たちがいっぱいで(笑)。
左のライダーもどきなんかいい味だしてますよね。

このあたりのセンスって私大好きなんですよ。皆さん子供時代に遊んだキャラクターって、必ずしもテレビヒーローそのままじゃなかったんじゃないですか?妄想好きな私などは、テレビヒーローの設定を自分で勝手にアレンジして、オリジナルストーリーをでっち上げながら楽しんでいましたから。
子供の想像の幅って、設定デザインにがんじがらめにならない分無限の広がりを持っていたと思ったりするのです。

Photo_458 これもいいでしょ。
右上の「変身正義の人」(笑)。ネーミングが素晴らしい。
名は体を表すとはまさにこの事で(爆笑)。

「変身剣士」や「ロボット人間」もいいですねー。「地球を守る隊員」って何の隊員なんでしょうか。
でもやっぱり「正義の人」のセンスが好きです。
某ライオンヒーローよりかっこ良くないですか?「正義の人」って(笑)。


Photo_459 これはSFイラスト界の巨匠、小松崎茂先生が描かれた作品ですから、ちょっと特別扱いしなければならないイラストなんですが、これらの怪獣、当時50円のプラモデルとして発売されていたんですよ。だからこれは正確には「箱絵」なんですよね。
「公害怪獣ヘドロ」「スモガ」「ギャオー」。私、このフラモデル作りました。近所のおもちゃ屋さんには「ヘドロ」「スモガ」しかなくて、「ギャオー」までコンプリートしている友達が羨ましくて。
その友達とは今でも交流があります

物持ちがいい彼の事だからまだ持っているんじゃないかな。でも彼は今リバプールに居るので、確かめる事はできませんが(笑)。
左下のイラストのヒーローは当時見かけなかったんですが、こんなのもひょっとして発売されていたんでしょうか?まあこのあたりのお話は長くなりそうなので別の機会に。

でもこうして見ると、今も昔も駄菓子屋さんって「日の当たる裏道」って感じがしますよね。大人のおよび知らない所で繰り広げられる、路地裏アートの世界って言うんでしょうか。まあある意味、資本主義が引き起こす商魂のパワーも感じますが(笑)。
でもそんな部分は子供にはうかがい知れない事。なんだかんだ言っても、昔の私はこういう「まがい物」に創造力を刺激され、楽しませてもらったような気もします。

理由はどうあれ、子供の頃にこうした「オリジナルを圧倒するパワー」に触れた事も、決して無駄ではなかったと。そうでなければ作品世界の広がりを感じる事や、サイドストーリーを楽しむ力だって育まれていなかったはずですから。

こういうアレンジが許された時代は、まだ版権に対する意識が大らかだったのでしょう。
ただここが難しい所ですが、私達が子供の頃、周りに溢れていたヒーローや怪獣のイメージって、決して公式設定やデザインだけではなかったのでは。むしろこうした「まがい物」を含めた総合的なイメージで受け止めていたのではないかと思うのです。それが大きなうねりとなってブームを作り上げていたような記憶があります。


「公式設定にとどまらない、無限の怪獣世界」に触れる事ができた、幸福な時代だったんですね。
まちがってもこれらの怪獣やヒーローは食玩にはならないと思いますが、もしなったらどうしよう?
「HG変身正義の人!」
コナミあたりが出しそうで怖いです(笑)。

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コメント

 「公害怪獣ヘドロ」
 思い出した!
これ、作った覚えがあります!
 形成色が目にも鮮やかなグリーンで、パーツ数が「ガンダムさん」の「サク」並みに少なかったはず・・・。
 ヒーローは、確かに見た覚えがありませんねえ。

こんにちは。いつも楽しく拝見させて頂いております。
パチモン怪獣カードを集めておりまして、サイトも作っています。
一度ご笑覧頂ければ幸いです。

http://jumbow.main.jp/5en/index.html

こんばんは、オタクイーンさん。
いやいやこんな「まがいもの」始めてみましたよ私(笑)。
ただ記憶にないだけかも知れませんが・・・
それにしても、書いてある名前や文句が最高に笑わせますね!
珍?なるものを見せて頂きました(笑)。

ガメラ医師様 コメントありがとうございました。
やはりおありですか。「ヘドロ」(笑)。
これ、意外に皆さんの子供時代の一エピソードとして記憶率が高いアイテムじゃないかと。箱のインパクトもそれなりで。
おっしゃる通り、成型色はグリーンでしたね。「ヘドロ」というネーミングにピッタリ・・・と思っていたら、「スモガ」「ギャオー」も同じ成型色で、並べると何がなんだか。
でもこの3つで問題意識もなく遊んでた訳ですから、思えは壮絶な子供時代だったんですね。

左下のヒーロー、誰なんでしょうか?今もって謎が謎を呼ぶまがい物の世界。まだまだ奥が深いです(笑)。

雀坊。様 はじめまして。ようこそいらっしゃいました。
早速サイトを拝見させて頂きましたが、微に入り細にわたる解説に圧倒されました。あれだけの点数を集められるのは大変な労力と、すばらしいネットワークをお持ちなのですね。感服いたしました。
実は私、「ウルトラエース」の実写化を敢行した人物とは少々関わり合いがありまして(笑)。
このあたりのお話はまたおいおい。

こんなオタクなブログですが、またいろいろ教えていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

ポン太様 コメントありがとうございました。
こういう物こそ昭和の遺産(笑)じゃないかと最近思います。
映像化された怪獣は公式に後世まで残りますが、この手の「まがい物」はその場の勢いだけで作るので、作られた当時の空気まで印刷されちゃうんですよね。
この空気を楽しむのが粋という(笑)。
アクロバティックなネーミングも楽しめますね。後年これほどツッこまれるとは、当時の業者さんも考えていなかったでしょうが(笑)。
楽しさ一杯のコレクションです。

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