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2006年12月 2日 (土)

「本番後」の怪獣たち

12月に入りましたねー。
師走の風がお肌に良くない時期がやってきました。
この季節は忙しさも手伝って、とても趣味に没頭する時間が取れないんですが、昨日はたまたまお仕事が早く終わりまして。

年末の番組編成の都合で、レギュラー番組担当の私はちょっと作業量が減ったような訳です。

お仕事の緊張感から解き放たれると、つい覗いてしまいたくなるのがいつもの「オタクショップ」。本当にここは心落ち着く場所で。でもこの日はちょっと面白い光景が見られました。
ボーナス時期だったんですねー。金曜日という平日なのに、店内は私と同年配の怪獣マニアの方々で一杯。こんな光景、休日でもめったに見られません。怪獣ソフビが並ぶショーウィンドーを食い入るように見つめるおじさま達というのはかなり微笑ましい光景ですね。
私も人の事は言えませんが。
そして!見つけてしまいました。先日記事に採り上げたおかげでしょうか。

Photo_370 ご覧下さい。最近発売された、老舗ソフビメーカー「マルサン」のバルゴンとバイラスでございます。
これ、以前覗いた時にはなかったなー。

ショーウィンドーに入っていたからお値段もそれなりか、と覚悟していたら、なんと一つ840円じゃありませんか。ま、中古ですからね。
貧乏人救済の奇跡の安値。
思わず大声で店員さんを呼んでしまいました。

めでたく「オタク部屋」の一員となったこのお二人。相変わらずユルユルなこのデフォルメテイストが好きなんですよねー。
もう可愛い可愛い。
なぜこんなに好きなんでしょうか。

以前にも「ネヴュラ」に書いた事がありますが、私、以前はハードディテールモデル信奉者で、とにかくガレージキットに収入の大半をつぎ込んでいたんです。こういう可愛いものは邪道のように思えちゃって。でもある頃から、その考えは突然崩れてきちゃいまして。
きっかけは特に無いんですが。

その後、堰を切ったように集めだした「ユルユルソフビ」は、今や「ネヴュラ」を書いている私のパソコンまわりをほぼ占領しています。プリンターの上にまで鎮座している怪獣の皆さんは、お仕事でプリンターを使う時など、「もう邪魔なんだから」なんて言いながらどいてもらう始末で。
でもそんな時でもなぜか、頬がゆるんでしまうんですよね。

今でもハードディテールのモデルは決して嫌いじゃないんですよ。
でも心が和む。これは何故なんでしょうか。

Photo_371 新顔のバルゴンをじっと眺めながら考えていると、なんとなく思い当たる事が。
今日はもう「超私見」なので、いつも以上に引かれるかもしれませんが。
私にとって、この「ユルユル怪獣」は、どうも「本番後の、素に戻った俳優」に見えるんですよ。
怪獣は基本的に縫いぐるみですから、(最近はCGもありますが)撮影本番もオフもありませんよね。撮影が終われば倉庫にしまわれるなり、展示会に貸し出されるなりします。
でも怪獣を「映画に出演する俳優」と考えると、毎日の撮影にはメイクもし、衣装も着替えて本番に臨むだろうと。私達が劇場やブラウン管で鑑賞する怪獣たちの勇姿は、本番中の演技であろうと考える訳です。いわば「仕事中」ですよね。

山崎努がオフタイムを念仏の鉄の姿で過ごさないように(分かりにくいかな?)怪獣だって「お疲れ様」を言い、メイクを落とした後は、こんなユルーい姿に戻るんじゃないかってね。

これは、いわゆるタレントさんと多くお仕事をした私ならではの考えかもしれません。ブラウン管で見せるキャラクターのまま、毎日を過ごすタレントさんなんか居ませんから。
ロケでの移動中、実に真剣にやりとりの打ち合わせをする芸人さんを、私は尊敬して見ていたものです。
オフではみなさん、本当に気のいい常識人なんですよ。

都市を破壊し、相手怪獣と死闘を繰り広げる怪獣は、ある意味真剣な演技をしている訳です。その姿から放たれる絶大なオーラは、彼らの演技力の賜物なのでは。
そんな彼らが「はい、オッケー」の声とともに「どーだった?今の」と口走る時の表情は、きっとこんなユルユルな顔に違いない、なんて思っちゃうんですよね。
こんな考えは、きっと悪い意味で「業界ズレ」をしてしまった私の、ナナメな見方なのかもしれませんが。
でも私にとってこのユルいソフビは、子供の頃に遊んだ記憶を甦らせるためのアイテムではないんです。
なぜなら、私は子供の頃、ソフビで遊んだ覚えが無いからで。
バリバリのプラモデル派だったものですから。

「オフタイムの皆さん」なんて考えるからこそ、親近感が湧くのかもしれませんね。
悪役の俳優さんこそ実はいい人、なんてお話もある通り、怪獣たちもきっと、プライベートは気のいい奴らなんでしょう。
こんなソフビに囲まれていると、怪獣たちの本音が聞こえてくるようです。

ガメラとバルゴンならこんな風かな?

Photo_372 「いやーガメラさん、その節はお世話になりました。」
「あーバルちゃん。お子さんも大きくなって。
もう小学生?」

「ええ。一回ガメラのおじちゃんに会わせてもらいたいってうるさいもんですから」
「おじちゃん、空飛べるの?すごいなー」
Photo_373 「坊や、おじちゃんが空を飛ぶにはね。手足の穴に係の人たちがいっせいに火をつけないといけないんだよ。火が続くのは2分くらいだから、その間に急いで撮影しなきゃならないんだ。」
「ガメラさんはね。本当に苦労して飛んでるんだよ。お父さんの映画だって、ガメラさんが衝突してダムが決壊するカットでは、水を被ってるのに画面右手のダム事務所がまだ燃えてるように照明が当たってるだろ。火や水は本当に難しいんだよ。」

おっと。今度はガメラさん、ギャオス姉妹とお話です。
Photo_374 「ギャオちゃんとは平成になってからも共演するとは思わなかったよ」
「そうですねえ。昔は、ガメラさんを子供の味方にする為、あえて私も人を食べちゃったり手足を切ったりと、体当たり演技で頑張ったものですが。最近はすっかり後輩に任せっきりで。
でもまあちょっと最近の子は、線が細いようですが。」

「相変わらずコメントも、超音波メスなみの切れ味だねー。そうそう、あの真っ二つにした車、後が大変だったでしょう?」
「あー、あれは、脚本の高橋二三さんが、車の展示場で見つけてきたカットモデルなんですよ。最初から切れてたんで。
別にあれはどうって事ないですけど。
それよりも妹の就職先が大変でした。」

Photo_375 「そういえば、ギャオちゃんには妹さんが7、8羽いたんだよねえ。彼女達もデビューしたって聞いたけど?」
「そうか、ガメラさんはお会いしてないですよね。板前のギロンさんと共演させていただいたんですよ。全身に銀粉塗られて。」
「ああ、彼女がそうか。「怪獣界のシャーリー・イートン」なんて言われてねえ。当時話題になったもんだけど」

そして、最近ご無沙汰のバイラスさんも。
Photo_376 「いやーガメラさん、その節はひどいことしちゃって。」
「なに言ってるんですかバイラスさん。貴方の串刺しがなかったらあそこまで盛り上がらなかったですよ。
いつも相手役の皆さんには本当に感謝しています。」

「手加減しないようにと湯浅さんに言われたもので思いっきりやりましたが、痛くなかったですか?所で私、確か刺したのは一回だけだと思ったんですが・・・」
「いやいやあれは画面で見ると何度も刺されていますが、実際は一回刺されたカットを編集で増やしているんですよ。湯浅監督も気を使ってくれているんですね。」
「そうですか。よかった。38年間ずっと気になってましてね。
古傷もうずく季節ですから、お体には充分お気をつけて」

Photo_377 なんてね。怪獣たちも本番後は、きっとこんな風にお互いをいたわっているんですよ。
怪獣界も狭いですから、皆さん仲良くやっていると思います。
リアルなモデルからは聞こえてこない、こんな会話が聞こえてきそうな「ユルユルソフビ」。
これもオタクでおバカな私の、ひそかな楽しみなんですよ。

ところで、「人形には魂が宿っているから、ぞんざいな扱いはしてはいけない」なんて、よく聞きますよね。
これは怪獣にも当てはまるんでしょうか?

結構手足なんかいじくりまわして、笑いながら飾ったりもするんですが(笑)

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コメント

こんばんわ。
マルサン・ブルマァク系とでも言いましょうか、
リアルディテールなフィギュアも当然素晴らしいのですが、
こうした、昔テイストなソフビも、やはり味わいがありますね。
それを、本番を終えた俳優に見立てるセンスに脱帽です。
本日、東京ビックサイトにて「トイ・ショー」が
開催されるのですが、取り敢えず色々観てこようと思います。
(限定商品購入で並ぶのがメインですが)

ジャリゴン様 コメントありがとうございました。
ひょっとして今頃は、トイ・ショーの入り口に並ばれている頃かな?
地方在住の私はその類の所には行った事がなく、ジャリゴンさんのように出かけられた方のお話を聞いて、いつもため息をついているのです。「いいなー」って。
でもまあ、部屋にひしめく「マルサン・ブルマァク系」の皆さんがなぐさめてくれるのでちょっと癒されるんですが(でも涙)

トイ・ショーで限定品を狙うという事は、ジャリゴンさんのコレクションはきっと充実しているんでしょうね。
無知な私に、またおもちゃのお話などご教授下さい。
今日のトイ・ショー、レアアイテムゲットの朗報もお待ちしています。

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