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2006年11月29日 (水)

いいオモチャだ。クリスマスに売れ。

「ごめんなさい。キャンセルさせて下さい。」
いやー大失敗。最近のコンビニって、映画の前売券が文字のみの打ち出し式なんですねー。こんなに味気ないとは思わなかった。完全に世間ずれしてました。

前売券を打ち出してくれた店員さんに丁寧にお詫びして、目指すチケットを手に入れるため結局は劇場まで足を運ぶ事に。
やっとの思いで手に入れた前売券は、来月1日から公開の
「007 カジノロワイヤル」。


Photo_364  私にとって映画を劇場で観ることは一種の「大イベント」。劇場はちょっと時間が空いたからと寄る場所ではなく、こうして前売券を買い、チラシと前売り特典を見つめながら封切日を心待ちにする毎日こそ、貧乏な私に許された「心の宝くじ」だったりするのです。
(このところ外れっぱなしですが)


さて、1962年の「ドクター・ノオ」に始まり、今年で生誕44年、21作目を迎える007シリーズ。かつては私も、フジテレビ系番組「カルトQ」の007特集挑戦者募集に応募しようとしたほどの007オタクでした。今でも前作「ダイ・アナザー・デイ」まで、公開時は必ず劇場で鑑賞していたのです。
いにしえの昔には目新しかったスパイアクションの傑作も、近作はさすがに趣向をこらした他のアクションヒーローに押され、やや精彩を欠いていますね。甘すぎるマスクが女性ファンに好評のピアース・ブロスナンの、線の弱さが原因という噂もちらほら。
今回新たに登場する6代目ジェームズ・ボンド、ダニエル・クレイグの苦みばしったマスクと、シリーズの原点に戻った「007以前のボンド」という筋立てには、やや期待したいところもありますが。

Photo_365 かつて傍系作品として制作された同名エピソードとはまた全然違ったものになっていると思うので、隠れ007オタクの私としては、数年ぶりに楽しみな公開直前なのでした。
写真の旧「カジノ・ロワイヤル」(1967年アメリカ)も、それなりに面白い作品ではありましたが。
本流を見慣れている目にはちょっとしたカルチャー・ショックだったりして(笑)。

新作公開に合わせたのでしょうが、映画史に燦然と光り輝く旧作品のDVDも、新たな特典付きで単品発売されていますね。私は007のDVDはこれまで、「ネバーセイ・ネバーアゲイン」しか持って持っていなかったので(また石投げられるかな(泣)
この新発売は歓迎すべき事でして。

BOXでリリースされていた頃から欲しいとは思っていたのですが、なにしろセットは高い。とても手が出ない状態で。
今日、前売券を買ったついでに立ち寄ったDVDショップでも店頭に大きなコーナーが作られ、人目を引いていたのでした。
Photo_366 平日の昼間にもかかわらず、年季の入ったファンらしい白髪のおじさんが「ダイ・アナザー・デイ」のパッケージを食い入るように見つめる隣で、私の目を奪ったのはシリーズ第2作「ロシアより愛をこめて」(1963年 テレンス・ヤング監督)。
同輩の多くの洋画ファンと同じく、私もこの作品こそが007の最高傑作と信じて疑わない一人なのです。
ここで「007ファン」と言わないのには訳がありまして。

007ファンには独特の感覚があります。言わく「SFまがいの秘密兵器」「大仕掛けなアクション」「浮世離れした敵キャラクター」「サンダーバードもかくやの敵基地」などなど。こういう要素がなければ007じゃない、といった感覚。美術監督はケン・アダムじゃなきゃ、みたいな輩も。
(じゃーシド・ケインの立場は?)

Photo_367 ですから1964年、日本での初公開時「007危機一発」とタイトリングされたこの作品はアクション映画としては名作でも、007としては本流ではない、みたいな言われ方さえしてしまうのです。


でも私は、シリーズの方向性を決定づけた「ゴールドフィンガー」(1964年)「サンダーボール作戦」(1965年)よりも、アタッシュケース一つで敵と戦う「ロシア」のボンドに強く惹かれてしまうのでした。

とまあそんな訳で、レーザーディスクを持っていながらもつい「ロシア」に手が伸びてしまう私。
こんな風に、好きな作品をメディアが変わる度に買い揃えなければ気が済まない悲しい性こそまさに「血を吐きながら続けるマラソン」なんでしょうが(涙)。

帰宅後、いそいそとパッケージを開ける私は、今回のDVDならではの特典に心を躍らせていました。まずその前に「コネリー・ボンド」との出会いをお話する必要があるでしょう。
なにしろ私が「ロシア」に初めて触れたのは劇場ではなく、
1976年3月29日放送のTBS系映画番組「月曜ロードショー」だったのでした。

その前に劇場では「黄金銃を持つ男」(1974年 ガイ・ハミルトン監督)でボンド初体験をしていたのですが、なにしろそれは「ロジャー・ムーア」版で。
私の性格からして、そういう出会い方をすれば「ムーア・ボンド」が007の物差しになりそうなものなんですが、ブラウン管で出会ってしまった「ショーン・コネリー版ボンド」にはまさに「ワルサーPPKでハートを打ち抜かれたような」衝撃を味わったのでした。

「初めて見た作品がシリーズの物差しになる」事の例外を体験した、貴重な出来事だったのです。

「コネリー・ボンド」の魅力を挙げていけばきりがありません。当初「ジェームズ・ボンド」を生み出した小説家、イアン・フレミングはボンドのイメージを「俳優で言えばケイリー・グラント」などと考えていたようです。しかし映画化の際、実際に初代ボンドとして登場したコネリーは、ケイリー・グラントとは似ても似つかない「野性派俳優」。
なぜこういう経緯になったのかはちょっと分かりませんが、いずれにしてもフレミングの意図した「クールでスマートな情報部員」というイメージとは程遠く、第一作「ドクター・ノオ」も、当たるかどうかが大いに懸念されたものだったのです。
(「ドクター・ノオ」には面白い逸話がありまして。当初このタイトルを当時の翻訳家が直訳し、「医者はいらない」とタイトリングしたらしいのです。ボンドの超人的な活躍は医者いらず、という解釈だったんでしょうか(笑)

Photo_368 ところがこれが大当たり。原作小説とかけ離れたイメージのコネリーが、なぜこれほど大衆の心を掴んだのか。やっぱりそれは「コネリー本人の魅力」につきるでしょう。
「ちょっとテンションの高い役」が似合う俳優って居ますよね。日本で言えば三船敏郎や市川雷蔵のような。コネリーもそうした俳優の一人なのでは。いわゆる「ヒーロー顔」なんですよ。この人を見ていれば物語はきっと盛り上がる。そんなオーラを発しているんですね。
これはこういうヒーローストーリーには不可欠な要素で。

好みもあるのでいつもの私見と捉えていただければいいんですが、2代目ボンドのジョージ・レーゼンビー以下のボンド役者の中で、私がコネリー以外に認めるのは(予想通り?)「リビング・デイライツ」「消されたライセンス」のティモシー・ダルトンだけで。
もうピアース・ブロスナンの「コールデン・アイ」アバンタイトル時の「ガニ又走り」を見ただけで愕然となってしまいました。
ただのおじさんを見る為に劇場に来た訳じゃないのに・・・

正直な所007映画は、ボンド役を誰が演じてもストーリーの骨子は変わらない作りだけに、演じる俳優のキャラクターが浮き彫りになってしまうシリーズなのでしょうね。

Photo_369 そして!今日私が声を大にして言いたいのがこれ。「吹き替え」の魅力です。
オリジナル音声派の方には大変申し訳ありません。「月曜ロードショー」でコネリー・ボンド初体験をした私にとって、ボンドの声は若山弦蔵さん以外にはあり得ないのでした(笑)。
外人俳優と日本人声優の幸福なマッチングって、こういう事を言うんでしょうね。
ジャッキー・チェンと石丸博也とか、
ルイス・コリンズと若本規夫とか(笑)。

実際、あの低音の魅力は私を何年虜にし続けている事でしょう。「月曜ロードショー」での「ロシア」を「録音」(なにしろ当時、ビデオデッキは20万円以上しましたので、庶民にはとても手が出ず)して、セリフを覚えるまで聞いた日々。私の中では、コネリーと若山さんは一体化しているのです。
若山さんの吹き替えで、コネリーの魅力は倍増していると言ってもいいでしょう。
実際、コネリーの地声は特徴に欠けるそうですから。

この感覚を持っている方は多いようですね。後年、コネリーの声を他の俳優さんが演じたとき、違和感を感じた方も多いと聞きます。
もうあのロートーンは、男の色気爆発ですよ。
(ちょっとはしたなかったかな(汗)


で、特典のお話。今回発売されたDVDには、あろうことか若山弦蔵さんご本人の「新作吹き替え」が大きな特典となっているのでした。この特典に惹かれて買ったようなもので。
「やっぱりコネリーは若山さんでなきゃ」といきなり日本語音声を選択し、再生した途端、あの懐かしいコネリー・ボンドの名調子が。
いやーそれにしても、若山さん声が変わらない!
やっぱりコネリーはこの声しかありえない!
若山さん以外の声のキャストは当然ながら総入れ替えなので、特にダニエラ・ビアンキやロバート・ショーなどの声には違和感がありましたが、「若山コネリー」が聞ければ全てOKとなってしまうのでした。もうあっという間の116分で。


でも大したもので、昔聞いた「月曜ロードショー」バージョンのセリフ回しをほぼ覚えていたおかげで、今回の新録音で変更された吹き替え台本との違いがよく分かって面白かったです。時代の流れなんでしょうね。「月曜」バージョンの吹き替えの方が表現に情緒があったような気がします。今の吹き替え台本は表現が直接的なんですね。

地下から潜望鏡で、敵の様子を探るボンド達。そこへ敵スパイ、タニア(ダニエラ・ビアンキ)が現れます。ボンドは彼女の顔を知りません。潜望鏡の角度の都合でタニアの顔が見えない。興味深々のボンドのセリフです。
「この角度から見る限りではスタイルは抜群だな」
「うーん、眩しくて顔も拝めないや」
貴方なら、どちらのセリフがお好みですか?


そんな訳で、久々に「若山コネリー」を堪能した午後でした。
この吹き替え入りDVD、
テレビ世代のファンには売れるんじゃないでしょうか。
今日のタイトルの意味がお分かりの方、
ひょっとしてもうお持ちでは?(笑)

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コメント

こんばんは♪
TB、コメントありがとうございました☆
私は007シリーズは大好きですが、ショーン・コネリー時代はあまり観ていません。
最近発売されたBOXを購入して勉強中です(笑)
吹き替えしなおしたものだとしても、やはり若山さんのお声で聞けるのはうれしいもんですね。
それにしても高かった^^;

投稿: ゆかりん | 2006年12月13日 (水) 22時26分

ゆかりん様 TB&コメントありがとうございました。
「007 DVDBOX」買われたんですねー。すごい!うらやまし~。
私は何作品かレーザーディスク(古いですね)で持っているだけで、DVDは記事にある通り「ロシア」と「ネバーセイ~」のみです。
007オタクを自認するわりにこの始末で(涙)。

一作ずつご覧になって、丁寧な感想をアップされる姿勢はすばらしいです。またお邪魔させていただきます。よろしくお願いいたします。

投稿: オタクイーン | 2006年12月13日 (水) 22時49分

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