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2006年10月27日 (金)

時のゆりかご

朝7時。何気なく覗いた幼馴染のブログ。
彼は「ネヴュラ」でも何度かお話した、劇団で活動している社会人。3人のお子さんを持ついいお父さんです。
つい最近、家族と一緒に遊びに行ったレジャー先で、不慮の事故から片膝のお皿を割ってしまい、今療養しながら仕事を続けています。
彼が所属する社会人劇団は近々公演を控えており、当初彼にも役がついていました。
でも人生は予測できない。その不慮の事故のせいで今回彼は出演を断念せざるを得なくなってしまい、スタッフ側に回ったのです。

彼の落胆の気持ちはよく分かります。
膝の回復は順調なので舞台復帰は問題ないんですが、今回の役は彼の新境地を予感させるものだっただけに、私もすごく残念だったのですが。

今日見た彼のブログには、小道具係として公演に臨む彼の奮闘ぶりが書かれていました。
今回の演目は昭和36年が舞台。小道具として使いたい、その当時の生活用品が見つからないと言うのです。

なにしろ半世紀近く前の時代。電化製品など、今も現役で使っている方は少ないでしょう。そんな小道具集めの苦労が書かれていました。

職業柄、私もこういう苦労はしょっちゅうです。番組で使う小道具も、なかなか「コレ!」というものが見つからない。苦労した記憶を辿った私はある思い出にたどり着きました。
「そういえば、実家に古い扇風機があったんじゃ?」

数分後、私は車のハンドルを握っていました。(今日はお休みだったんですよ(笑)。

私は今一人暮らしですが、実家までは車で25分ほどの距離なんです。ある事情で(いずれお話する事もあるでしょうが)今、実家には誰も住んでいません。
鍵を開け、朝日が差し込む部屋に入ると、さっそく私は記憶の糸を辿りながら扇風機を探し始めました。
ところがこれが記憶違いなのか、どこにも無い。
押入れまで全部ひっくり返しても出てきません。

私達の年代にとって、エアコンが普及していなかった夏は扇風機だけが避暑の手段でした。それだけに扇風機への思い入れはひとしお。
特にその一台は私が生まれる前の年に買った、と親に聞かされていたので、特に敬意を払って使っていたのです。扇風機に人生の先輩を感じるのもおかしなお話ですが(笑)。

家での捜索を諦めた私は、近くにある物置に向かいました。さほど広くない物置には数年分の埃がたまり、ひどい状態でした。でも、こういう時ってなにかワクワクしますね。忘れていたものを探し出すような「宝探し感」が、私の中にもありました。

結局ここにも扇風機はなし。でもこの物置で久しぶりに再会した「お宝」がいくつかありました。
「ネヴュラ」向きの一品はこちら。まあご覧下さい。

Photo_305 Photo_306 この「アニメーションマシン」、子供の頃に学研の雑誌「学習」に付いていた付録です。
要は連続した、少しずつ違う絵を映画のフィルム状に印刷し、それを見る教材。「手動カセットムービー」ですね。「フィルム」も写真のもの以外にいっぱいあって、パラパラマンガのように動く絵を楽しめるという代物です。

Photo_307 小さな窓から覗いた光景がこれ。台座を回転させる事でこの絵が送られ、動いて見えるという(笑)。映像ソフトが画質の良さを競っている現在では考えられない、のどかなおもちゃですよね。

Photo_308 小学生の頃は、毎月学研の「科学と学習」(今は逆の言われ方をしますけど)を楽しみにしていた私。普通の学習雑誌にはあり得なかった、学研ならではの「ブラスチック製教材」が、子供心にとんでもなくハイブリットに見えたものです。
いろいろな付録がありましたよね。紙製のおもちゃでは味わえない、どこかプラモデルに通じる「ミニ実験室」は、私の心を捉えて離さないのでした。
何年間か購読していましたが、なぜか残しておいたのはこれだけ。どういう訳でしょうか。
こんな手動映画館を残す気になった当時の私は、既に後の人生を予見していたのかもしれませんね。

幼くして映画の魅力に取り付かれてしまった私は、今もその頃から全く変わっていないのでしょう。
(成長もしていないんですよ(泣)。

結局扇風機は見つかりませんでしたが、ひょっとしてこんな物が使えるんじゃないかと持ち出した品物があります。
Photo_309 ご覧の掛け時計は私が物心ついた時からずっと家にあった物。
ネジ巻き式で今でも動きます。
「当時の物だし、昭和36年の部屋には合うんじゃ」なんて思ったりして。

迷惑をかえりみず、朝っぱらから彼に電話をかけた私。顛末を話して、舞台の演出手法とのマッチングを確認してもらう事にしました。

久しぶりにネジを巻いてみると、今でも順調な動きを見せるこの時計。いやーやっぱり昔の物は作りがしっかりしてますよねー。これ、50年近く前の物なのに。
今記事を書いている私の傍らでも、時計は懐かしい振り子の音を響かせながら時を刻んでいます。

不思議なんですよね。この振り子の音を聞いていると、子供の頃を思い出すんですよ。
テレビを消して家族全員が寝静まった夜。その静寂の中で唯一聞こえたこの振り子の音が、「家のBGM」だったのでしょう。

無音の時計やビデオのディスプレイで時刻を知る今。「時計が奏でるBGM」なんて忘れていました。
昔に戻ったような、なぜか懐かしい振り子の響き。
期せずしてそれは、私を過去へいざなってくれる「時のゆりかご」だったのです。

幼馴染のブログから、彼と無邪気に遊んでいた昔を思い出すというのも何か不思議な偶然を感じますよね。
日差しの翳りがちょっと寂しさを感じさせる、秋の悪戯でしょうか。なんてね(笑)。

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コメント

膝の皿を真っ二つに割って、裏方に回った男です。
裏方とは言っても、稽古にもろくろく顔を出せず、小道具係としての仕事もまともには出来ていません。
そんな私を心配して、朝から駆け回ってくれて本当にありがとう。

時計の振り子の音や、毎正時に時を知らせる音。
鳴る度に、分かっていても本当にその回数鳴るかどうか数えていた子供の頃。懐かしいね。

その時計の音が、今回の芝居の効果音として何度か入ります。
鳴るたびにきっと、観ている人の気持ちがその頃に遡っていくんじゃないかと思います。

ro_oku様 コメントありがとうございました。
返事が遅れてゴメンね。
実は記事の時計はしばらく使っていなかった物で、今回久しぶりにネジを巻いてみました。
振り子の音、本当に懐かしかったですよ。

きっと今回の公演は、こんな懐かしい音が随所に「出演」する、いにしえの世界が広がるんでしょうね。
懐かしさで泣かない自信がありません。
ハンカチを3枚持っていきます(笑)。

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