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2006年10月23日 (月)

仮面ライダーカイジ

2003年1月。毎年お正月になると私の部屋に集まるオタク仲間は、前年末に公開された「ゴジラ×メカゴジラ」の話題で盛り上がっていました。
今回のゴジラ、メカゴジラの造形、ストーリー、過去のメカゴジラ作品との比較解析・・・
白熱する議論の末に意見を求められた私は、一言こう答えました。

「機龍」より「龍騎」。

そう、私は当時、公開初日に観た新作のゴジラ映画のことなどほとんど眼中に無く、毎週日曜日に繰り広げられる「バトルジャンキーの狂宴」に魅了されていたのでした。

Photo_287 「仮面ライダー龍騎」。「クウガ」に始まり、現在の「カブト」まで連綿と制作され続ける通称「平成ライダーシリーズ」の中で、今なお異彩を放つ作品です。
平成ライダーシリーズは一作毎にまったく違う世界観を持ち、それぞれ強烈な個性と過激な主張で、私達視聴者に挑戦し続けてきました。かく言う私も「クウガ」以来、いくつかの作品を見ています。
(ゴメンナサイ。あまりに出演者の演技力に問題のあった「ブレイド」、第一話のミュージカル風演出に拒否反応を示してしまった「響鬼」は見ていません。)
「ライダー」のセオリーどころか、一般ドラマの枠さえはみ出さんとする制作陣の暴走ぶりは、「日曜朝8時の衝撃」として、私の中に今も息づいているのです。

Photo_288 「龍騎」は、平成ライダー第三弾として、2002年2月から翌年1月まで放送されました。
「13人のライダー登場」「毎回がライダーバトル」「イケメン俳優多数出演」など、巷の話題にもなりましたね。
「ネヴュラ」読者の皆さんなら、「龍騎」をご覧になられた方も多いと思います。皆さんはあの作品をご覧になってどう思われました?

あれ、本当に子供番組だったんでしょうか?
平成ライダーは昭和のライダーと違い連続ドラマのスタイルを採っています。その為、予備知識なしで途中の話を見てしまうとよく分からず、「なんだかよくわからないけどライダーと怪人が戦ってるなー」っていう印象を持ってしまいますよね。それが物語の本質と番組のメッセージを受け取りにくくしてしまう原因でもあります。
その為登場人物が多く、内容もおそろしく入り組んだ「龍騎」の全貌を、いま一つ摑みにくくしているような気もするのです。

Photo_291 未見の方の為に、簡単に設定を説明しますと・・・
人間の世界と並行するように存在する世界「ミラーワールド」。この世界の存在を突きとめたある科学者がいました。彼はミラーワールドに出入りするシステムを開発し、「ある理由」の為に、ミラーワールドで人々を戦わせようと目論むのです。
「戦って生き残った人間には、思うとおりの望みを叶えてやる」という、甘い誘いをかけて。
そして、そのシステムを使ってミラーワールドに出入りし、果てしない戦いを繰り広げる者達。彼らの総称が「仮面ライダー」。

そうです。これは、「正義」や「人間の自由」を守る為に「悪」と戦った、あの「仮面ライダー」のタイトルだけを借りた、まったく別のお話なのです。

なにしろこのお話、劇中ではっきりと「この戦いに正義は無い」と明言してしまう程の恐ろしさ。じゃあヒーローが悪を倒す爽快感や、勧善懲悪のメッセージは?と聞かれても、そんなものどこにもありゃしません(笑)。
ライダー達は、純粋に自分の望みを叶える為だけに戦います。「永遠の命を得る為」「恋人の命を救う為」「巨万の富を得る為」・・・中には「ライダーの戦いそのものが望み」などというキレちゃった者も。こんな人間達がただ、己の欲望の為だけに相手を倒そうとするのです。

Photo_289 仮面ライダーであり続ける過酷さが描かれたのも、この番組の大きな特徴でしたね。
ライダー達は自分の能力を強化する為に、ミラーワールドに生息する「モンスター」と呼ばれる存在と契約します。数々の超能力を持つ「モンスター」は、契約したライダーと共闘して敵ライダーを倒すわけですが、ライダーは契約したモンスターに常に餌を与え続けなければならない。その餌とは、ミラーワールドに生息する他のモンスター達なのです。
ライダー達は敵ライダーとの戦いに加え、ミラーワールドのモンスターと戦って契約モンスターに餌を与えなければ、あろうことか「契約モンスターに食い殺される」のです(驚)。
ライダー達は自分が生きながらえる為敵ライダーと戦い、さらに契約モンスターを「飼いならす」必要がある。
このハードな設定。

こんな過酷な設定のライダーがかつてあったでしょうか?
常に戦い続けなければ、命を落とすなんて!

Photo_290 凶悪犯までライダーに数えられるメンバー達。視聴者は彼らの誰にも感情移入できません。しかしここに、「ライダー同士の戦いを止める事が望み」というライダーが現れます。
これが主人公、「龍騎」です。
視聴者はここでホッと胸をなで下ろします。
「あー、「龍騎」って、この主人公が戦いをやめさせる物語なんだ」と。ところが。
なんとこの「龍騎」、最終回を前にして命を絶たれるのです。しかも「あんな」最期なんて。
「仮面ライダー龍騎」は、平和を望む心が報われない物語だったのです!
こんな番組、子供に見せていいの?

このハードな世界観、どこかで見たことが。
そうです。「龍騎」を見た時の言いようの無い「追い詰められ感」は、どこか他でも体験した事があるのです。

Photo_292 「賭博黙示録カイジ」(福本伸行)。
有名な作品ですね。これはテレビ番組ではなく、講談社「ヤングマガジン」に1996年から連載された、ギャンブル漫画の傑作です。作品中に張り詰める緊張感とある種地獄の淵を覗き見るような恐怖感は、他のギャンブル漫画とは一線を画す作品として評価も高いですね。

この作品と「龍騎」。ご存知の方はすぐピンと来ると思います。そう、私が指すのは「カイジ」第一部「希望の船」篇の事なのです。

日々を漫然と生きる若者、伊藤カイジ。保証人詐欺に合い返済の当てに困った彼は、金融業者の誘いに乗り、ある船で開催されるギャンブルに参加する事になります。
深夜密かに日本を離れた豪華客船「エスポワール」。「希望」という意味を持つこの船の中で始まったのは、人知も及ばない恐怖のギャンブル「限定ジャンケン」。

もし「カイジ」を未見で、「ジャンケン」と聞いて吹き出した貴方。きっとビックリしますよ。
この「希望の船」篇は、ヤンマガKC「カイジ」第一巻から第五巻。私は一度読んで、頭をハンマーで殴られたような衝撃を受けました。(女の子が言うセリフじゃないですね(笑)。
ジャンケンにたった一つのルールが加わっただけで、あんなにスリリングなギャンブルになるとは。
知略、出し抜き、読み合い、裏切り、信頼などなど・・・。およそ考えられる、ありとあらゆる人間関係の要素がこのギャンブルに込められているのです。
「ジャンケン」が、人の生き死にを左右するなんて。未見の方、信じられます?

「仮面ライダー龍騎」の空気は、この「賭博黙示録カイジ・希望の船篇」に実によく似ています。限られた時間・空間の中で、相手を倒さなければ自分が生き残れないという状況。そこで繰り広げられる極限の人間模様。「そこに正義はない」という所までそっくりです。
「カードバトルを仮面ライダーの世界に持ち込んでみたら」と考えた「龍騎」制作スタッフは、期せずしてギャンブル漫画の最高峰「カイジ」に迫るテイストを作り上げてしまったのです。

ただし、この二つの作品、迎える結末はまったく違います。
その違いを生み出したもの。それは、一言で言えば「伊藤カイジは龍騎のように戦いを止めようとはせず、戦いの真相に迫ろうとした」という事では?
この二つは似ているようで別の物。
真相を知った時、カイジは勝利者を目指したのですから。

「仮面ライダー龍騎」と「賭博黙示録カイジ」。
キャラクターデザインや癖のある作画に好き嫌いが分かれる事は充分承知の上です。私も最初はかなり抵抗がありました。でも、一度ハマってしまうとそれは甘い毒の味。

今となっては「昔の作品」とも呼べるこの二作品が私の中に今も息づいている事が、毒の強さを物語っています。
あの興奮を味わいたくて、日曜日は早起きでブラウン管に向かう私。でもその中に立っているのは・・・

これ以上は書くのはやめましょう。結論はおそらく来年1月頃。
興奮の中「カブト」が凄い!と書きたいものですが(笑)。

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コメント

おはようございます。オタクイーンさん。
こちらは 今日も朝からいいお天気です。and 静かな休日です(笑)。
で、お話に立ち寄らせて頂きました(笑)。

「賭博**カイジ」またまた、眠っていた記憶がよみがえってきました。
当時会社の若いやつが、時々休憩室に持ってきてたのを読んでました。面白かったですね~。私が見てたのは、パチンコ勝負の時と、刑務所?のようなところから脱出しようとしてるあたりでしたか・・・。
オタクイーンさんの記事を読んで、さっそくレンタル本屋(私のところにはあるんですよ)さんへ直行しました(笑)。
たくさんシリーズがあるんですね!これから楽しみだー!
ここの本屋さん、私が高校生の時に初めて「会員」になったお店です。ここには 今のBookOff などでは決してお目にかかれないような古い古い名作が山のようにあるんですよ。
お店のおじさんも、いかにも道楽でやっているような感じで(笑)、気が向くとプイット休んじゃったりします(笑)。
ここのおじさん、元気でいつまでも続けて欲しいものです。

でわっ(*^^*) by ポン太

ポン太様 コメントありがとうございました。
「カイジ」については、読む前と読んだ後で物事の受け取り方が変わってしまうほど、影響を与える作品のような気がします。
「破戒録」のチンチロ賭博、パチンコ「沼」篇をご覧になったポン太さんなら、私の言わんとする事はおそらくお分かりでしょう。
「黙示録」の「限定ジャンケン」篇も面白いですよ。いや、面白いだけじゃなく、なにかこう、他の要素があるんですよね。

「レンタル本屋」さん、羨ましいです。私の実家近くにも昔はあったんですが、最近はBookOffなどの台頭ですっかりなくなってしまいました。ああいうお店って一軒ごとに特徴があって、そのお店の空気を楽しみに行くような所がありますよね。
そちらのお店のおじさんの、お顔が浮かんでくるようです(笑)。

カイジも面白いですが、最強伝説黒沢もおもしろいので
よんでみては!? 共に福本が書いています。

カイジ様 コメントありがとうございました。
「最強伝説黒沢」は、私も気になっていました。
そうですか。面白いですか。いやー楽しみ。
また福本世界に浸る喜びが増えました。
ありがとうございました。

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