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2006年9月13日 (水)

ヒーローは「赤」から始まる

Photo_177 いつか出るとは思っていましたが。
ついに実現してしまいましたねー(笑)。
今日の新聞にこんな写真が載っていました。

このおいしそうな肉まん(?)の名前は「ウルトラまん」。
今年の、ウルトラマン生誕40周年を記念してローソンから発売されるとの事。

記事によると既に関東、中国、四国地方では発売が始まったそうで、私の住む地方では今月19日にデビューの予定です。

いやー誰もが考えながら誰も実現できなかったこの企画、生産は山崎製パンで、日本のヒーローだけにカツオしょうゆの和風味。1個150円で18万個の限定販売だそうですよ。
これはもう、顔がこんなに丸くなるまで太っても買って食べなきゃ。限定だし。

昔から、この手の「限定販売」には弱い私。もともと、番組の放送期間中に店頭に並ぶキャラクター商品は、お財布の許す限り細々と入手してきたものです。ただ、おもちゃの類はまだ保存が利くからいいものの、こういう「食べ物」「生もの」は、その時じゃないと楽しめない。「時代の証人」を目指す私などは目の色を変えてローソンに走るのです(笑)。

ウルトラマンも生誕40周年ですか。私も年をとるわけですね(笑)。でも、今だにこんなに人々に愛されるキャラクターの誕生時をリアルタイムで鑑賞できた、という幸せは、何物にも変えがたいなー、なんて一人悦に入っています。
おかげで立派なオタクになっちゃいましたが(笑)。

Photo_173 Photo_176 今も、コンビニやスーパーのお菓子売り場で、子供達から大きなお友達までを楽しませてくれる「キャラクターのお菓子」。これら、キャラクターのマーチャンダイジングが本格的になったのは、1966年の「ウルトラマン」放送時が最初だと言われています。
それまでも出版物や子供の持ち物などにキャラクターが印刷されたものは多くありましたが、キャラクターそのものの商品化や、お菓子などの食品に本格的にキャラクターが参入してきたのは「ウルトラマン」からなんだそうです。

Photo_174 考えてみれば(この辺は当時メインターゲットだった強みですが)「ウルトラQ」放送当時、確かに「Q」関係のお菓子って見たこと無かったですねー。あったかもしれませんが私の近くではお菓子は売っていなかった。
「ウルトラマン」からですよ。シスコのチョコレートやガムを買った記憶があるのは。

今はもう無くしてしまいましたが、ウルトラマンチョコの包み紙を大事に集めて持っていたものです。何種類かあったので集める楽しみがあったんですね。(当時から既にコレクター気質でした(笑)。

Photo_175 そんな風に、「お菓子」という子供の楽しみにキャラクターを結びつけた産業は、時代の流れとはいえ今や一つのビジネスとして巨大な市場を抱えるまでになっています。
よく言われる事ですが、「キャラクタービジネスが番組そのものの内容まで決めてしまう」なんて事は、やっぱり「ウルトラマン」にもあったんでしょうか?

「キャラクター番組は、そのキャラクターの商品を売るための30分のコマーシャル」なんて言われて久しいですね。
おもちゃメーカーやお菓子のメーカーがヒーローや武器に「おもちゃになりやすいデザインを」と口を出してきたり、おもちゃのバリエーションを増やす為に新キャラクターの登場を要望してきたり。こういう事情で「苦しい展開」を余儀なくされる番組は、今でもよく見かけます。(どの番組とは言いませんが(笑)。

実は、もう20年近く前に放送されたウルトラマン関係の対談番組で、その事に触れたお話をした人が居たのです。

上原正三さん。特撮ファンには「上正」の愛称で親しまれる名脚本家です。「帰ってきたウルトラマン」のメインライターであり、その後も数々の特撮番組で名作を残しています。
この上原さんが、初代ウルトラマンのヒーロー性について尋ねられた時、こんなような内容のお話をしています。

初代のウルトラマンが唯一無二の存在であるのは、その背景に商売という意識が無かったから。あの番組が作られたとき、スタッフの誰もが面白がって、良いもの、新しいものを作ろうと頑張っていた。
誰の頭の中にも「これが商売になる」なんて考えはなかった。だから初代ウルトラマンだけはまず「作品ありき」だと思う。そういう意味で、ああいった番組はもう二度と作れないのでは。

この対談が放送された時、私はこの上原氏の言葉に強い感銘を受けました。なるほど。「ウルトラマン」のマーチャンダイジングは、作品制作に影響していなかったのかと。
あの「怪獣ブーム」は、マーチャン先行型ではなく、純粋に作品の内容、良さが生み出したものだったんですね。

上原氏のお話はさらに続きます。
「帰ってきたウルトラマン」あたりから、とうやらこの番組は商売になるぞ、という考え方がみんなの頭の中に出てきた。そういう意味でも「ウルトラマン」と「帰ってきたウルトラマン」には純然たる違いがある。

「ウルトラセブン」についての言及が無かった為、上原氏の真意は推測するしかありませんが、やはりマーチャンに対しての考え方は「セブン」の頃にも少しずつ芽を伸ばしていたのでしょうね。
「ウルトラマン」が39話という中途半端な話数で終了したのも、現場の制作が放送に追いつかなくなった為だけでは無いような気もするのです。
「ウルトラマン」の制作が、番組の高品質を維持しようとするあまり、話数を重ねれば重ねるほど赤字だった事は、当時のスタッフの回想にも記されていますから。

上原氏はこうも語ります。
ヒーロー番組というのは、制作会社にとっては最初から赤字。放送局から提示される制作費よりもお金がかかる番組なので、放送期間一年かけて、おもちゃなどの売り上げを見込んで作らなければ採算の取れないビジネス。
番組の人気がなくて、おもちゃなどが売れなければ成り立たない。スポンサーが番組内容に口を出すのはある意味当たり前で、そうしなければ「共倒れ」になってしまう。


ヒーロー番組はその第一話から、カラータイマー赤の状態で始まるのです。

何とも夢の無いお話ですが(笑)、これも現実なんですよね。「ガンダム」「イデオン」「レイズナー」など、アニメーションの名作がことごとく打ち切りの目に会い、くやしい経験をされた読者の方もいらっしゃるでしょう。私もその一人です。
アニメーションはもとより、特撮番組などの子供番組は何かとリスクが高いんですね。「好きでなければやってられない」なんて言うスタッフも多いですからね。でもそういう現実に負けず、良質な作品を目指す制作側、スポンサー側の皆さんにも、素直に敬意を表したいと思います。

お話は最初に戻りますが、生誕40周年を迎え、映画公開も控えてまだまだ続きそうなウルトラマン。「ウルトラまん」をはじめ、関連商品を数えだしたらきりが無いほどビッグビジネスとなったシリーズですが、その基礎を築いた初代ウルトラマンを作ったスタッフには、この現状は想像できなかった事でしょう。
ウルトラシリーズ全体を通しても、圧倒的な人気を誇る初代ウルトラマン。
上原正三氏の言葉にもある通り、人気の礎を作り上げた初代ウルトラマンに通う、商売抜きの制作姿勢が無かったら、これ程息の長い人気を勝ち得たかどうか。
そう考えるとこの現状はなんとも皮肉に見えてしまうのです。
「商売抜きの作品が一番人気」という。

余計な事を考えず、作品の質を上げる為だけに全力を投入できた当時のスタッフの意欲は、今の私達にも確実に伝わっているんですね。

関東ではもう売っているという「ウルトラまん」。
上原氏は口にされたのでしょうか。
ちょっと感想を聞いてみたいですね(笑)。

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コメント

いつからかは知りませんが、はじめに玩具ありきのTV商法はよくわかります。
○○レンジャーの合体ロボットなど、まさにそれですよね(笑)。
TVに出てくるメカの合体や変形を 忠実に再現しようとすれば、はじめに玩具から作った方が確実ですもんね。
それを使って撮影してるかまでは知らないけど。
そういえば昔、 マクロスのバルキリーの完全変形モデル(戦闘機形体から二足歩行ロボット形体まで、3段階に変形)を手に、楽しそうに説明してくれた友人がいました。(*^^*)
「超時空要塞マクロス」 当時私の住む地方では、日曜の昼2時からと「誰が見るの?」って時間帯に放送されてました。ビデオデッキがまだ10万以上もする時代にです。しかし、彼のおかげで私は全話(しかも解説付きで(笑)見ることが出来て、いまでも結構スキなんです(笑)。

ポン太様 コメントありがとうございました。
一時期に比べ、露骨な商品先行の作品作りはちょっと控えめになったような気もする特撮作品ですが、まだまだいかにもなストーリー展開など、「これはおもちゃを売るための・・・」的なものはありますね。
仕方が無いとは分かっていても、「こんな変身バリエーションは要らないんじゃ」とか思っちゃうのは、スレたマニアの見方なんでしょうね(泣)。

さて「マクロス」のバルキリー!これはタカトクというメーカーから発売されていた「完全変形バルキリー」のプラトーイですよね。
実は「マクロス」は、私も第一話のスペシャル(第一話だけ一時間でしたね)から、かなり気合を入れて見た番組でした。
あの日曜午後2時という放送時間帯は全国的な措置だったらしく、制作側もかなりの冒険だったようです。
「バルキリー」のプラトーイは、発売された瞬間買いまして(笑)、
あの三段変形を遊び倒しました。
あのプラトーイは、バルキリーのデザイン、変形機構を見事に反映させたおもちゃとして、今でも玩具史に残る「名トーイ」なんだそうです。

ああいう、設定先行のおもちゃなら大歓迎なんですけどね。
ビジネスとしてのテレビ番組は、なかなか思惑通りにはいかないもので。難しいものです(笑)。

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