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2006年9月27日 (水)

胸躍る背水の陣

今年5月19日に開設した「ネヴュラ」。
いつもご覧頂いてありがとうございます。

おかげさまで、今朝早く(だと思いますが)開設132日目にしてようやく10000アクセスを達成することができました。
ここまでマイナーで、偏ったネタ連発なので、さぞや「知る人ぞ知る」もしくは「見向きもされない」ブログと思って始めたのですが、予想以上に毎日ご覧頂き、嬉しい限りです。
おバカな私の考える事ですから、路線など変えようがありません。
これからも呆れずに、お付き合い下さいませ。

さて、実は私、この10000アクセスを楽しみにしていました。
予想としては「今月末ぐらいに達成できるといいけどなー」ぐらいの感覚だったんですよ。
どうも職業柄、自分でタイムリミットを設定して楽しむ(ある意味自分の首を絞めるんですが)のがいつもの癖で。おかげで毎日がスリリングだったりして(笑)。

考えてみると、この時間的、空間的な「リミット」って、ドラマを盛り上げるストーリーとして効果的に使われる事が多いですよね。この設定をうまく使うと、実にドラマのクライマックスを引き締める事ができます。
今日はそんな、魅力的な「背水の陣」についてお話しましょう。
別にストップウォッチなど必要ありませんが(笑)。

読者の皆さんが「タイムリミット」と聞いてまず思い出すのはこれでしょう。
昨日のつながりではありませんが「ウルトラマン」(1966年)。


Photo_210 太陽エネルギーによって無敵の力を誇るM78星人、ウルトラマン。ただ変身後、ウルトラマンがその姿を維持できるのは、地球上ではわずか3分間。残り時間が少なくなると、胸のカラータイマーがタイムリミットを知らせる。残された時間はもう僅かなのだ!

制作上の予算の都合で「特撮の時間は3分程度」しか許されなかった(実作品では2分程度)とか、本放送当時家庭用テレビは白黒テレビが多く、ウルトラマンのピンチを視聴者に分かりやすく知らせる為に考えられたとか、諸説溢れる「タイムリミット3分」の設定。
ただこれは、当時のメインターゲットの子供達を興奮させる設定でしたねー。

「戦え!ウルトラマン」のBGMに乗せてウルトラマンがその勇姿を現すとき、私達は胸を躍らせるとともに、「持ち時間3分。がんばれウルトラマン!」的な緊張感に包まれたものでした。ウルトラマンがピンチを迎え、カラータイマーがあの独特の「金属音」を奏で始めると、リングサイドの私達の興奮は最高潮。
あれは多分、ボクシングの試合1ラウンド分の「興奮配分」だったんでしょうね。
ヒーローにはやっぱり、「魅力的な弱点」が必要ですよね。スーパーマンの「クリプトナイト」と同じく、「その弱点を克服すべく戦うヒーロー」に、私達は声援を送りたくなる訳で。それが「タイムリミット」というすばらしさ。あの3分で格闘の緊張感がぐっと引き締まったと思いませんか?
また、ウルトラマンの神がかり的なカリスマ性は、あの設定があったからこそ保てたのでは、なんて思います。
「人々の前に3分しか現れない存在」って、神秘的ですもんね。

劇場用映画に目を移すと、意外にも怪獣映画で「リミット」を扱った作品はゴジラシリーズよりガメラシリーズの方が多かったような気がします。
Photo_211 心に強く残るのは「大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス」(1967年大映 湯浅憲明監督)。
昭和のガメラシリーズでも人気の高い作品で、平成ガメラシリーズでもリメイクされましたね。この作品に登場したガメラの敵怪獣「ギャオス」は夜行性で、紫外線を浴びると体の細胞が破壊されるという設定。また首の骨が音叉状の二股になっていている為、首が後ろに回らない体の構造になっているのです。(ギャオスの必殺武器「超音波メス」は、この首の音叉を振動させて発射するという、見事な設定も唸らせますね)

要するにギャオスは体組織破壊の本能から、夜しか活動できない訳です。
対するガメラはギャオスの足に噛み付いて、日の出を迎えさせるという荒業を見せます。これが第一のタイムリミット。

朝日が昇る頃、なんとギャオスはガメラが咥えて離さない自らの足を、超音波メスで切り落として逃げるという行動に出ます。

凄い展開ですねー。
この弱点を知った人類側は対抗手段として、ギャオスを朝まで足止めさせるため、その血を好む性質と、首が回らない体の構造を利用する作戦を考えます。これが第二のタイムリミット。
回転する巨大な台座から人工血液を噴出させ、ギャオスが血液に釘付けになった所で台座を高速で回転させる作戦。首の回らないギャオスが目を回し、そのまま日の出を迎えさせる訳です。朝日と回転電力の闘いですね。

この作戦も、台座を回すモーターのオーバーロードにより失敗してしまいますが。こういう分かりやすいタイムリミットも、ドラマを盛り上げますよねー。

Photo_212 「タイムリミット」と言えばどうしても外せない作品が「日本沈没」(1973年東宝 森谷司郎監督)。出ると思ったでしょ。
これは日本全土を舞台にした壮大な「タイムリミット」作品ですよね。
地球物理学者・田所博士(小林桂樹)が発見した「マントル対流の変化」により、日本列島の大部分が1年以内に水没するという驚愕の事実。秘密機関「D計画」の調査により、列島の崩壊、沈没は確実視、しかも刻一刻と迫っている事が判明。
故・丹波哲郎さん演じる、時の首相・山本総理がマスコミを通じて全国民に発表する「日本国土が壊滅的な被害を被る事が・・・確実になりました」のセリフの重厚な響き。

この作品は私の中に強烈なトラウマを残しました。なにしろ作品中、D計画が日本海溝に設置したロボットモニターからの情報で、日本が沈没していく様子がシュミレーションされていくのですが、はじき出された沈没までの残り時間はわずか10ヶ月!
怪獣ならまだ逃げられそうですが、その逃げるはずの地面が、僅か10ヶ月後に消えてしまうという恐怖感は、ちょっと言葉では言い表せません。こんなタイムリミットは他の作品では味わえないですよね。

この「森谷司郎版」がなぜ怖いかと言うと、沈没の進行状況と、登場人物のドラマが実に密接に絡み合っている所。
海外に避難すべく約束している主人公、藤岡弘と婚約者いしだあゆみが、突然の火山の噴火で離れ離れになってしまうとか。(お互いに相手を探し出さなければ日本を離れられない!)
迫る沈没の事実を国民に匂わせる為の「捨て石」として、田所博士がテレビに出演、自説としてセンセーショナルに発表し、国民に風説として受け取らせる事で、事実のショックを和らげるとか。(このあたり、実際ありそうで怖いですよね)

こういうストーリーが丹念に描かれる事で、日本沈没という絵空事にリアリティーを持たせることに成功しているのです。
この森谷版では日本は完全に沈んでしまいますから、タイムリミットは回避されないわけですが、「回避しようのないタイムリミット」の怖さと、ある種の無常観を描ききった名作と思います。

Photo_213 この「日本沈没」よりさらにスケールの大きい作品が(もうお分かりですね)「妖星ゴラス」(1962年東宝 本多猪四郎監督)。
地球の6600倍の質量を持つ黒色矮星ゴラス(今で言うブラックホールですね)が、地球に衝突するという超大型ディザスター・ムービーでした。
この作品は皆さんご存知と思いますので簡単に紹介しますが、これもゴラス発見から衝突までの軌道計算、衝突回避の国際会議など、地味ながら丁寧な描写で見る者を作品世界にいざなう名作ですね。

当時の東宝特撮作品はこういう地球規模の大災害に向かって、人類一丸となって立ち向かう図式が確立されていた為、この作品でも南極に国連の対策本部が設けられました。
田沢博士(池部良)を中心として、世界各国のブレーンが集結した本部の動きは実に地味。具体的な対策は伏せますが(荒業中の荒業ですね)これを推進する為の描写はまさに、霞ヶ関ビルの建造を描いた「超高層のあけぼの」(1969年日本技術映画社 関川秀雄・高桑信監督)のテイストですね。


「超高層のあけぼの」はもう「プロジェクトX」の世界ですから、あのテイストを思い浮かべていただければ。(「超高層」も「ゴラス」も、池部良が同じような役で出演しています。偶然にしてもこれはもう(笑)。「タイムリミット戦」にはこういう描き方もあるのか、と感心させられました。
監督の本多猪四郎はこの作品のインタビューで、「こういう地球規模の災害に対しては、人類は一部の隙も無い対策スケジュールを立て、それを確実に遂行していかなければならない」という趣旨のお話をされています。
なるほどねー。「妖星ゴラス」に関してはまた別の機会にじっくりお話させていただきますので、今日はこれくらいに。

今日も、なんかとりとめのないお話になってしまいましたね。「背水の陣」作品に関してはまだまだ名作がありますよね。後は皆さんの豊富な知識にお任せしましょうか。

今日の「ネヴュラ」もそろそろカラータイマーが鳴り出しました。
「ネヴュラ」は次のタイムリミット目指してまた頑張りますので、皆様よろしくお願いします。
「20000アクセスまであとX日」
(最後はこのネタ。デスラーもCMやってるしね(笑)。

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コメント

こんにちは、オタクイーンさん。
昨日実に33年ぶりに「日本沈没(1973)」見ました。
やはり名作にハズレなし!実に見応えのあるすばらしい作品ですね。
人間がはじき出した10ヶ月というタイムリミットをあざ笑うかのように 次々と各地を襲う自然災害の恐怖!
山本総理の「地球は生きているんだね?」の言葉がズシリと響きましたね!

それにしても山本総理を演じる丹波哲郎は最高でした!
by ポン太

ポン太様 コメントありがとうございました。
「そうなんです。地球はとてっつもなく大きい生き物なんです(笑)」

「日本沈没」(1973年版)は、私の中ではVIP待遇の邦画です。
「ネヴュラ」でも独立カテゴリーを作っているくらいで(笑)。
あれだけ練りこまれた脚本、重厚な演出で迫る特撮映画も珍しいのではと思います。公開当時、大変な話題になりましたよね。
何度も鑑賞して、丹波哲郎さんが「オンリー・ワン」の俳優さんであった事が身に染みてわかりました。

怪獣映画にあの重厚なテイストを期待し続けて数十年。
頭の中では既に構想は出来上がっているんですが・・・
これ、映画化すると制作費がハリウッド大作10本分くらい軽くかかっちゃうんで、毎晩夢の中で上映しています。
タダで見られる超大作です(笑)。

 映画版のポスターを見て、子どもが見てはいけない映画だと思い込み、『日本沈没』は劇場では見ていません(^^ゞ その分、TVシリーズを堪能しました(^o^)
 後年ビデオで映画版を見て、「日本民族の存亡」に重きを置いたつくりに感心しました。単なるスペクタクル映像を見せるための映画ではなく、しっかりとした軸があって、重厚な映画ですネ。

 『対ギャオス』は、怪獣映画として大好きです。オタクイーンさんの本記事にもあるように、ギャオスの体の構造の設定や、自分の足を切断して逃げる生存にかける本能など、ギャオスの圧倒的な存在感!

 カラータイマーによるタイムリミットは、私はその音が鳴り始めてから初めて意識する程度の認識でした。中でも第11話「宇宙から来た暴れん坊」、第34話「空の贈り物」で最もこの設定が活かされていたように思います。

自由人大佐様 コメントありがとうございました。
「日本沈没」(1973年版)は、今も時々DVDで見ます。
「ちょっとおなかに響く作品を見たいな」と思った時、私の期待を裏切らない作品です。TV版も全話再見しましたが、これはこれでいいんですよね。やはり26話に渡る長編シリーズだけあってストーリーのキメが非常に細かい。
「タイムリミット」の恐ろしさもうまく描かれていたと思います。

「ガメラ対ギャオス」は、怪獣映画として非常にバランスのとれた「ハンサムな作品」と思いますね。ガメラのけなげさとギャオスの非情さの対比、そして怪獣という「生物」の生態をうまく設定に織り込んだ脚本の勝利でしょう。超然とした存在を印象付ける東宝怪獣の対極に立つ、存在感溢れる大映怪獣の一つの到達点かもしれません。

おっしゃる通り、ギャンゴ戦やスカイドン戦でのウルトラマンはタイムリミットの重要性を意識させてくれましたね。両怪獣ともその戦いぶりは大変コミカルなんですが、ウルトラマンをあれだけ追い詰めたという事はかなりのつわものという訳で。
さすがのウルトラマンも、相手の芸風にちょっと油断したという事でしょうか(笑)。

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