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2006年7月 9日 (日)

お財布を狙う怪獣

例えば貴方の目の前に、エクスプラスのドラコ(5,999円)が売っていたとしましょう。
そしてその隣の売り場には、可愛いキャリングケースに入った夏のトラベル用コスメセット(2,800円)があったとします。
怪獣マニアの方なら間違いなく、あの出来のいいドラコに手が伸びるでしょう。ところが今日の私は、不覚にも迷ってしまったのです。それはコスメセットに惹かれたせいもありますが、何よりも6,000円近く散財するならこれ、という「一頭」が別に居るからなのです。
どうしても好みの怪獣というのは出てきてしまうもので。ドラコに思い入れがおありの方、ごめんなさい。決して否定しているのではないんですよ。

だったらお前の好みとやらは?よくお尋ね下さいました。よろしければお聞き下さい。
1_6 ゴジラなど東宝怪獣を別格とすれば、私の最も好きな怪獣は、「ウルトラマン」第3話「科特隊出撃せよ」に登場した「ネロンガ」なのです。古代から地中に棲み、剣豪に退治されて山に篭った怪獣。地上に発電所が出来たおかげで電気をエネルギーに変える事を覚え、普段は体を透明にして、電気を「捕食」したときだけその巨大な体躯を現す。
動物にはあり得ない超能力。まさに「ウルトラ怪獣」の見本のような一頭です。

考えてみれば、「ウルトラマン」という作品中、本格的な怪獣対決ストーリーはこの第3話が始めてなんですよね。第1話は宇宙怪獣ベムラー、第2話は宇宙忍者バルタン星人と、どちらかと言えば変化球で来ていますから、当時の怪獣デザインの流れから言ってもこの「ネロンガ」が、本格怪獣として満を持して登場、という感はあったと思います。
(1話、2話の面白さは当然の事ですが。)

1_7 なんといってもこの怪獣、「血筋」がいい。バラゴン、パゴスという「名獣」の着ぐるみ改造ですから。しかしながら頭をすげ替え、多少の装飾を加えて彩色を変えただけでよくあれだけイメージが変わるものですよね。今さらながら造形担当・佐々木明氏の卓越したセンスと技術には驚嘆せざるを得ません。その後ガボラ、マグラと続く一連の「地底怪獣」ラインナップにも、当時の造形陣の才能がいかんなく発揮された事は、皆さんならよくご存知でしょう。

そんな地底怪獣の「サラブレッド」ネロンガのどこに私は惹かれるのでしょうか。

まず「怪獣」という名称以外に表現しようのないデザイン。ツノの先から尻尾の端まで、あんな動物は地上に存在しません。(地中については未知ですが)
それならガラモン、ペギラなど同じ理由の名デザインはいっぱいありますよね。なのでそこからはもう「好み」としか言いようがありません。(笑)

2_7 そして、「ストーリーの要求に合った能力と、それを活かした演出」。
この「科特隊出撃せよ」は、実に「ウルトラマン」という番組の基本フォーマットに忠実な作り方がされています。城の古井戸からの唸り声、という怪事件発生から怪獣出現、建物破壊と来て科学特捜隊の「出撃」、息詰まる攻防の果てに、「我らの」ウルトラマン登場、胸のすくような活躍の末の大団円。「ウルトラマン」とはこういうお話ですよ。という見本のような一本です。初期のお話なので、脚本の山田正弘・演出の飯島敏宏両氏もそういう部分を意識されたのでは。そんなストーリーに登場するネロンガも「怪獣の見本」(そんなものがあればですが)のような一頭である必要があったのでしょう。

その登場の仕方も心憎いばかりに「怪獣映画」。井戸の中、ホシノ少年の目の前で見開かれる巨大な目!ネロンガの大きさと迫力を一目で印象付ける名演出です。
透明状態の発電所襲撃もいいですよね。突如放たれる地中からの稲光に続いて、発電所敷地内の山肌を踏み抜く透明な足跡!後年「禁断の惑星」(1956年アメリカ)を観た時、イドの怪物の円盤襲撃シーンに「これネロンガじゃん」と思ったものです。ネロンガは透明状態の時でも鳴き声だけは聞こえるんですよね。この迫力もいい!

電気を蓄えて現したその姿も大迫力。あの顔が目の前に来たら腰を抜かすんじゃないでしょうか。もう意志の疎通なんか最初からあり得ない顔ですもんね。あのツノの電飾もたまりません。触覚のアクションと共に放つ放電光線も、超能力を持つ「ウルトラ怪獣」の魅力たっぷり。

3_1 そのタイトル通り、このお話では科学特捜隊は防衛軍と共同で実に勇壮な活躍を見せます。暴走したホシノ少年がネロンガの目に致命傷を与えるも(彼は井戸で見た「目」に一矢報いたわけです)怒ったネロンガに追われ危機一髪。
「正義のヒーロー」ウルトラマンの登場!
いいですねえ。この流れ。そしてウルトラマンの強さがまた、並じゃない。
あの細身のウルトラマンが、自分の体重の何倍もありそうなネロンガを頭上に持ち上げ、投げ飛ばしちゃうんですから。そしてあの体躯を一瞬にして爆破する、スペシウム光線の威力!
あの圧倒的な強さこそ後のシリーズにはない「ウルトラマン」のカリスマ要素と思うのです。

いつのまにかウルトラマンのキャラクターにお話が移ってしまいましたが、結局「脇役なくして主役なし」という事なんでしょうね。ネロンガのあのルックス、暴れっぷり、超能力のカッコ良さ。その散り際も含めて、あれだけの活躍を見せてくれたネロンガが居たから、ウルトラマンも光ったと。

Photo_26 いやーでも、これだけ長く続くウルトラシリーズですが、現在に至るも「ネロンガ」の二代目とか、ネロンガジュニアって出てこないですよね。(「マックス」のゲロンガは別物ですから)
この「親族怪獣の無さ加減」も大好きな一頭。
40年も前に一回しか出現していない怪獣が、なんで「マイ・フェイバリット」なんでしょう?
自分でも不思議です。その後私は未だに「ネロンガ」と見ると、すぐお財布に手をかけてしまう習性が身に付いてしまいました。おかげで家の「ネロコレ」はご覧の通り。まったく節操がありません。

なんとかしてよ。「村井強右衛門」さん!(当て字です(笑)。

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コメント

ネロンガといえば、少年マガジンに初めてウルトラマンとバルタン星人と共演した表紙を思い出します。まさか、あれがパゴスやバラゴンの改造なんて、気づきませんでした。(知ったのはうんとあと)
触覚がゆるやかに方向をかえ、角と接触し、角からは光が体内から放出されるかっこよさ。
ウルトラマンにあごを砕かれ、はいずりまわる生き物らしさ。
ウルトラマン怪獣の原点ですよね。

コメントありがとうございます。この記事の為に今回あらためて第3話を見直したのですが、やっぱり怪獣はこうじゃないと!と唸ってしまいました。
困るのは記事の作成に集中できなくなっちゃう事で、4話、5話と続けて見てしまうんですよね。本当に怪獣が細胞にまで浸透してるなーと笑うやらあきれるやら(泣)。

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