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2006年7月11日 (火)

魅惑の「目力」

1_8 2_8 「あーこんなのあったねー」部屋のオタクグッズの中にこんな物を見つけてしまいました。
以前発売された「ウルトラQ」のDVDボックスのショップ特典、「ナメゴンの目」だそうです。なんでも「実際に撮影に使用されたぬいぐるみについていたもののレプリカ」で、中央のガラス模様は目を均等に光らせる為に張られたものでは?との事。直径は約8センチなので、ぬいぐるみの大きさを逆算すると1メートルぐらいのものだったんでしょうか。
こんなものを特典に付けるというのもHMVさん、「粋」にも限度と言うものが(笑)。

考えてみると、日本の怪獣の「目」には、海外の怪獣にない特徴があるように思います。
例えば世界中のファンから悪評を受けたアメリカ・トライスター版の「ゴジラ」(1998年)。あの目に強い印象があるか?と聞かれると、う~ん・・・となりませんか?
海外版ゴジラに限らず、エイリアン、プレデターなど、海外の名だたるモンスターの「目」は、和製モンスターに比べて印象が薄いように感じるのです。まあその代わりに、他の部分で思いっきり個性を出しているので、マイナス要因にはなりませんけどね。

やっぱりそれは、日本人と欧米人の「瞳の色」の違いが原因なんでしょうか。黒い瞳を持つ私達日本人の方が、「目力」に対しての思いが強いという。
どうも生まれた時、既に「ゴジラ」が存在していた私には、「怪獣の瞳は黒で当然」という常識が出来てしまっていて、以後なんの疑問も持たずに育っちゃったもんですから、物心ついてから観た海外のモンスターには、いまひとつ感情移入ができないんですよ。
その感情移入の出来なさがモンスターらしくて良い、という考え方も確かにありますが。

私達が夢中になった、昭和の日本の怪獣の目は、「黒い瞳にきれいな白目」、という暗黙の了解があったような気がします。そして特筆すべきは目の「表情」。
初代ゴジラの、左右で視線の違う「イっちゃった」目。キンゴジの「ファイターアイ」。モスゴジの「恐怖の三白眼」。ガメラの「クリクリ目」。
テレビに目を移せば、前述のナメゴンの「血走り目」に始まり、ペギラの「眠そうだけど開くと怖い目」。ガラモンの「無表情の目」。怪獣ではありませんが「悪魔くん」の「百目」なんてのも居ましたね。数えだせはキリがありません。
確かに、モンスターの数では世界で群を抜く日本ですから、目のバリエーションが多いのも頷けますが、それにしたってこれだけ「目の演技」が達者なキャラクターが多いのは不思議です。

やっぱりこれは、東宝-ウルトラの流れをくむ、一連のデザインラインにあるんでしょうね。

すぐに思い出すのは高山良策さんの「ウルトラ怪獣」。白目を電飾で光らせる発想は大したものです。あれが怪獣の生命感、キャラクター性、感情移入のしやすさに貢献していたのは間違いないでしょう。怪獣がウルトラマンに倒されて、白目の電飾がスーッと消えていく時、「あーかわいそう」と思った方、いらっしゃいますよね。
あの目があったからこそ、怪獣はエイリアンのような「種族」ではなく一頭一頭の「名前」を持つ「キャラクター」となれたんじゃないか、とも思います。ここが海外のモンスターと大きく違う点なんでしょうね。

生命感に溢れた怪獣とは反対に、あえて感情移入を拒否することを目的にデザインされた(であろう)キャラクターもいます。言わずと知れた「ウルトラマン」。もし彼に瞳があったら、今ほどの人気を持ちえたでしょうか。きっと彼は、最初から人知を超えた存在となるべくして生まれてきたのです。「仮面ライダー」もそうですよね。表に感情が出ないからこそ、観る側はその内なる感情を推し量ることができる。という。
このあたりはよく言われる「能面」的な、日本人ならではの感覚なのでしょう。怪獣とヒーローの「目」の対比。研究するには面白いテーマかもしれません。

目と言えば、怪獣関係のコラムやエッセイなどでよく書かれるコメント。
「ウルトラQのオープニングナレーションで、「これから30分。あなたの目はあなたの体を離れて、この不思議な時間の中へ入っていくのです」ってのはウソだよねー。自分なんか30分どころか、もう本放送以来ずーっと離れっぱなしだもん」というやつですが、

私もまったく同じ気持ちです。今年で「体から目が離れて」40年目に入りました!

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コメント

うーん。なるほど、と思わず、ひざをうってしまいました。人語を解せない怪獣から、唯一われわれ人間が、読み取れる意志や感情が目だったんですね。それどころか意識の有無まで表現してしまう目。ガメラが大阪城でバルゴンに凍りづけにされたとき、目の電飾が、ガメラの現状を演技していましたよね。
ところで、「ナメゴンの目」。そんなショップ特典があるとは、知りませんでした。知っていたら、DVDボックスを買っていたかも(笑)

コメントありがとうございます。同じ怪獣でも、登場作品によるデザインの違いや「目」の違いが楽しめて、ファンとしては楽しいところです。
私は「GMK」のゴジラが大好きなのですが、あの黒目のないゴジラは、過去の作品があるからこそ成り立つ「番外編」的位置づけだからいいんでしようね。
ナメゴンの目についていた簡単な解説文に、「危険なことにご使用にならないようご注意ください」とありました。「危険なこと」って?ちょっと思いつかないんですが・・・(笑)。

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