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2006年7月 5日 (水)

さすが!円谷忍法

雲行き怪しい平日の夕方。部屋に帰りついた私は一日の疲れにもう、ウンザリ。
こんな時見たい、とっておきの清涼飲料番組が私にはあるのです。

「ウルトラQ」から始まった栄光の「空想特撮シリーズ」。途中「ウルトラシリーズ」と名称は変わっても、その高尚なテーマ、精緻を極めた特撮技術は近作にも生かされています。ところがここに、ウルトラファンからちょっと違った目で見られている(熱狂的なファンの存在も知っていますが)作品が。その名は「ウルトラファイト」。

1970年、毎週日曜夜7時の「タケダ・アワー」における番組制作が一段落した円谷プロが、「外部に持ち出す現金支出ゼロ」を目指して制作した、5分枠の平日デイリー、帯番組です。その内容は、「ウルトラマン」「ウルトラセブン」のクライマックス、怪獣との格闘シーンの「抜き焼き篇」と、ウルトラセブンと怪獣の格闘を新たに撮影した「アトラク篇」からなる全196本にも渡る「果てしなき戦い」。いわゆるストーリー部分がまったくないので、ほんとに看板に偽りなしの怪獣バトルが楽しめた番組でした。

本放送は毎週月曜~金曜の夕方5時30分からだった為、夕飯を待つ一時の怪獣タイムといった風情で、本放送で見た(はずの)ウルトラマン・セブンの勇姿を再確認するとともに、バラエティーに富んだ怪獣達との再会も楽しみにしていたのです。

後々よくマニアの皆さんが語る「ウルトラファイトの二大魅力」があります。
「山田二郎アナの実況風ナレーション」と「アトラク篇の面白さ」ですね。
ところが本放送当時、私はそのどちらも好きになれませんでした。どちらかと言えば「マン・セブンの本放送にはあんなナレーション無かったのに」「造成地で光線も出さずに「夕方」戦うセブンなんて・・・違う!」みたいな感じで。こればっかりは周りの友達と話が合いませんでしたねー。やっぱりビデオが普及していない1970年。頭のハードディスクに録画する映像はあくまでオリジナル!という「オタクエンコードソフト」の干渉があったんでしょうね。

Photo_24 さて時は経ち1990年代。激増する特撮作品のソフト化に伴い、この「ウルトラファイト」もレーザーディスク化(絵の出るレコード!)されました。それまで他の円谷作品LDのおまけ扱いだったこれが、遂に(ほぼ)全話ソフト化という快挙。もうこれを逃せば手に入れるチャンスは無いと、約30,000円もの大金を投じて購入したのでした。
古いお話ですよね。先月28日に発売されたDVDのレビューだと思った皆さんゴメンナサイ。この古臭さが「恋するネヴュラ」なんですよ。

「ウルトラファイト」との再会は、私にあの懐かしい「1970年の夕方」を思い出させてくれました。おそらく私も含め、マニアの皆さんには「Q」「マン」「セブン」あたりまでは度重なる再放送や高画質のソフトの見すぎで「本放送」の記憶がやや薄れがち、という方も多いのでは?ところがこの「ウルトラファイト」は再放送の機会も少なく、ソフト化と言えばこのLDと今回リリースのDVDぐらい。極端に鑑賞のチャンスが限られていただけに、言ってみれば「スレていない」作品なのです。しかも!その全貌が一望できる!

「ウルトラファイト」全話のサブタイトル、あらすじを記憶している方を私は尊敬します。200話近くある作品ですし、なにしろ中身が「似ている」(笑)。よほどのウルトラファンでもこの作品の全貌については解説がむずかしいのでは。でも、別にいいじゃん!と思わせる「おおらかさ」がこの作品にはあります。

というのは「ウルトラファイト」って、一本正味2分40秒(オタクイーン調べ)なので、LD(DVDもですが)連続で見ると、オリジナルとのあまりの世界観の違いに一種ドラッグ的なドライブ感を呼び起こすのです。これは見た方ならうなづかれるはず。
いいんですよね。あの「脳が溶けてゆく」感覚。

そして、子供の頃苦手だった山田アナのナレーション、これがまた「味がある」。
第16話「ブルトンが不気味だ」
なんて、山田さんちょっとカミ気味で「ウルトマン」なんて言ってるし、ブルトンが「ウルトマン」の攻撃で内部からスパークした時なんかのナレーション「オーバーヒートです。ちょっとやりすぎました」なんて、食事中にLD見てた私にはご飯噴き出す程のナイス実況。ちょっとクールな話しぶりも絶妙のマッチングです。

で、造成地で延々と戦いを繰り広げる「アトラク篇」!オリジナルとの落差がありすぎで「特撮というものがいかに難しいか」という事が日を追ってわかる脅威のラインナップ。
一日で何本も撮ってるから、何本かに一回は日が落ちる直前の撮影で、何が映ってるか分からない回もあったりして。さらに、アトラク篇の主人公「ウルトラセブン」のスーツが一着しかなかったんで、多分撮影の合間に洗ったんでしょう。みょうにツヤのいいセブンが居たりして。そんな撮影のご苦労までが偲ばれる、すばらしい作品なのです。

こんな「ウルトラファイト」を見ていると、「自分はなんてつまらない事で悩んでたんだろう」と、妙に心が広くなり、仕事でやりあった相手にも一理あるよね。なんて落ち着いて考えられてしまいます。これはホントですよ。
ああ、この作品のすばらしさに、36年も経って気がつくとは。我ながらなんておバカ!
難しいテーマを追い求めるオリジナルとは別に、「怪獣番組にはこんな楽しみ方もある」と教えてくれた「ウルトラファイト」。未見の方はぜひご覧下さい。
ただ、その時は必ず「20話単位」で見て下さいね。なーに。ほんの一時間弱。
でも見終わった貴方はもう、「元のウルトラファンには戻れない」。

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コメント

おぼえています!ウルトラファイト!「薦めウルトラマン」の前奏で始まり、いきなりの「イカルス、死に神になけ!」などと、本題ズバリのタイトル!出てくる怪獣はもはや記号化したといえる形態。殺陣もなにもあったもんじゃない・・・でも、毎日見てました。セブンがかんたんに負けたりするのもご愛敬でしたね。(なかったかな?)

コメントありがとうございます。「ウルトラファイト」に関しては、さすがの濃いマニアの方々も余り語りたがらない、半ば封印された作品ですね。語れるのはやっぱり本放送で「時代の空気」とともに番組を見た人達だけに許されたすばらしい特権だと思います。今見ると爆笑の連続。熟成されたワインを楽しむように鑑賞できる「これぞカルト・ウルトラ」ってところです。

レッドマンで検索して来ました。レッドマンとウルトラファイトの
地続きの面白さと、三分間怪獣映像を作る参考にレッドマンLD
捜しているのですが落ち着くところに落ち着いているようで中々出てきません。ゼットンが出てくるウルトラファイトがレッドマンのような(解説が無いですが...)

maru様 いらっしゃいませ。コメントありがとうございました。
「レッドマン」「ゴッドマン」「グリーンマン」など、ウルトラファイトのテイストを継ぐ作品はなかなかソフト化に恵まれず、視聴が難しいですよね。
これからのDVDリリースに期待したいところです。

三分間怪獣映像を制作されているのですか?これは楽しい。あの「怪獣のみのバトルの世界」は、簡単なようでなかなか奥が深いですよね。
なにしろセリフがないのでドラマが作りづらくて。
私も映像関係の仕事に就いていますのでそのご苦労はよくわかります。また進行状況などコメント頂ければ嬉しいです。

このブログは怪獣や日本映画を中心に、私のようなちょっと個性あるキャラクターの日常をつらつらと書いています。
ウルトラ関係もつたない私見を綴ってありますので、お暇でしたらまた覗いてみて下さい。よろしくお願い致します。

返答ありがとうございます。
実はレッドマンを全部見てから作ろうと思っているのですが、
これがまた全然手に入らない。というところで苦労している
というのが現状でございます。

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